しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

新旧・龍に会いに!

2015-05-06 23:04:10 | 日記
今年のゴールデンウイークは休みを満喫できたと思う。

昨日は、六本木シネマートの『香港電影天堂 最終章』を観に行く。

ちなみにここの映画館、もうすぐ閉館してしまうらしい。もったいないな・・・。

前日までの旅では睡眠時間がえらく少なかったこともあって、
昼過ぎまで寝ていて、しかものんびりと支度していたので、
16時10分の『燃えよ!じじいドラゴン!』の回にギリギリ間に合った。
往年の功夫スターであるブルース・リャンとかチェン・クア­ンタイとかが出ている。
見たい!って思った。
けどこの邦題だけみると、ギャグなのかなって・・・思うよね。
とても小さいところで、お客さんはだいたい20人くらいだったと思う。
老若男女いろいろだった。みんな、功夫映画ファンだろうなと思うと嬉しくなった。

燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘 日本語付予告.wmv


確かに面白いシーン満載だった。
何度も映画館から一斉に笑いが起こった。何度も吹き出した。
映画館で観るって、こういうとき一体感を感じられて楽しいよね。
60歳を過ぎているというブルース・リャンやチェン・クア­ンタイのアクション、
体型が変わってはいても、素晴らしく力強く鋭かった。観てて爽快だった。
若いときから鍛えているというのは大事なことだ。

しかし途中から涙が止まらなくなった。

まずは、30年間意識を失っていた師父の意識が戻り、
歳をとってしまった二人の弟子に語りかけるシーンで泣いた。
相当、破天荒な師父(若い女の子をナンパしたりしてる~)として描かれているのだけど、
このシーンの師父は本当に思い遣り深い言葉を2人にかけるのだ。
そして次の日の朝、突然亡くなってしまう。
前夜のあの言葉は、別れの言葉だったことを知る2人。

若者とブルース・リャンが真剣勝負をするシーン。
怪我で不自由な足を引きずり、必死で闘うブルース・リャン。
互角の闘いをするけれど、途中から足が限界を迎える、立てない。
若者ははっとして手を止める。(この若者も、真剣に武術のことを考えている青年として描かれている)
膝を着いたまま、拳で相手を打ち続けるが、力が入っていない。
そのうち、倒れ、大声でリャンは笑い始める。
周囲は一瞬驚くが、相手側の師父とチェン・クア­ンタイはすぐに何かを察する。
2人の闘いをみていたもう一人の若者は「?」という顔をして理解できないと言うけれど、
相手側の師父は「・・・おまえも歳を取ったらわかる。」と静かに言う。

そしていつしかリャンの声は、押し殺したような泣き声に変わっていた・・・。



ギャグ映画だとばかり思っていたら、
歳を取ることの悲哀や武術家としての矜持、
そんなところまでしっかりと描かれていた。
最後、「・・・おまえも歳を取ったらわかる。」のところから、
もう涙が止まらなくなって、明かりがつく直前に急いでハンカチで目元を拭った。

客席のあちこちから「何度観てもいいよね・・。」という声が聞こえた。
何度も観てるお客さんが多かったのだ。それだけ良い映画だったということ。

1時間あったので、近くにコーヒーを買いにいく。
次は、ジェット・リーと金城武の『冒険王』だ。

映画『冒険王』 オリジナル劇場予告編


こちらも、冒険活劇かなと思ってたら、半分間違っていた。
何と、ジェット・リーは小説家の役!
自分が書いている「冒険王」という小説の中でだけ、
彼は英雄として振る舞えるのだけど、
日常生活では妻と上手くいっておらず、
離婚の危機を迎えてストレスを抱えてイライラしている。
現実の世界と「冒険王」の世界の2つのストーリーが同時並行で進行するという話。

「冒険王」のジェットはいつも通り無敵で、アクションがかっこいい。
ワンチャイシリーズで相手役だったロザムンド・クワンが今回も妻役なのは嬉しかった。
ロザムンド・クワン、ほんと美しい・・・!
中華圏の女優さんの美しさはハンパない。


通常生活の方のジェットの役が新鮮だった。運転も下手、臆病者・・・。
でもどう転んでも可愛いのが、ジェット・リー。
昔のドラマっぽい映画だったけど、ジェットが可愛いから満足。
ついでに、金城武もとってもキュートだった!

でも映画として上なのは、「燃えよ!じじいドラゴン!」の方かな。
邦題なんとかして欲しいなあ・・・・。

家に帰って、ようやく手に入ったドイツの推理小説作家・ペトラ・ブッシュの『漆黒の森』を読み始めた。
これもまた素晴らしかったのだけど、しかしそれはまた別の話として書こう。

好きなことばかりしたゴールデンウイークだった。
最後は、新旧のドラゴン(功夫スターのことだよ!)にも会えて、大満足!
日々の生活の中にも、ちょっとした満足を毎日入れていきたいね。
















静寂の旅 琵琶湖と京都 2日目 その8(ラスト) 

2015-05-05 02:37:03 | 日記
どうしよう、もう「その8」になってしまった。
この辺で終わらせないと・・・。読んでくださっている人、本当に長々とすみません。

Way to the Danrinji temple.(なんか英語で言いたかっただけ。)


で、檀林寺。
  

一言で言うと、ここの霊宝館はヤバいぞ(笑)!
霊宝館の写真撮影は禁止だったので、言葉でしか書けないけど、
例えば、飛鳥時代に作られたという国宝級の夢違観世音菩薩が腰までくらいの高さの木の柵だけでガラスもなく、
どっかーんとそこに安置してある。触ろうとすれば触れる、これ・・・。
いろんな時代のいろんなお宝がものすごーく無造作に置かれている。
全部筆で、手描きで説明が入っている。
しかも全てが宇宙のパワーで解決・・・的な下手したらかなりオカルト的な説明がついているものもあった。
(これだけでも撮影したかった・・・説明できないっ。)
おおらかなのか適当なのか。まあ同じことだけど。

このお寺自体は、平安時代の始めに嵯峨天皇の皇后が創設したもので、由緒正しいものだ。
嵯峨天皇の皇后である橘嘉智子は容姿端麗、徳も高く、技芸を愛する優秀な女性で、
この地に仏教を信仰するための壮大な寺院を作った。これが檀林寺。
平安時代初期の仏教と文化の一中心地だったという。


そんな楽しい檀林寺を後にして、嵯峨野を歩く。
結構、ツッコミどころ満載かもしれないよ、嵯峨野。



工事をしていたから入るのをやめた常寂光寺。

小倉池のほとりにあった、不思議な神社。御髪神社。
ねえ、ここ、髪のことだけしか願えないの????髪だけ?髪だけ?
 

トロッコ電車は1時間先のも予約でいっぱいだった。乗れない。


野宮神社。恋愛の神様なんだって。参拝に人が並んでいた。激混み・・・。
でもよーく見ると、奥の方に縁切りする水たまりみたいなのがあったりする・・・。
どっちなんでしょ。恋愛事は一気に引き受けますってこと?
しかし緑と赤のコントラストが美しい神社。
  

ちなみに食べたおやつシリーズ。
嵐山まで来て、今日も食べたソフトクリーム。
ほうじ茶ソフトで。さっぱりしてて美味しいんだよね。



あとアップするのを忘れていたので。祇王寺を出たところ。
祇王、仏御前、そして祇女や母刀自にも捧げたいような、白い花が咲いていた。


まとまりのない話になってしまったかもしれない。
けれど、2日間を通して考えたことは「心の中の静けさ」についてだった。

新学期になって、いろいろ考えて心が波打つときも多かった。
あまりぐらぐらと心が動くタイプでもないけど、そんな私でもこんな時がある。
目に映るもの全てが何かの暗喩だと思えば、日々疲れるかもしれないけど、
そういう側面も確かにあると思う。

静かな水、呼吸を調える、数を無心に数える、物事は常に流れ、変わって行く。
今回、目にする風景が私に示していたのは、
心の静寂を自ら作り出す方法へのヒントだったのではないか。

武術の型練習では、毎回、気を丹田に鎮めろと言われる。
最初、型に入る前も、気を鎮めるアクションから入るくらいだ。
鋭く速く、力強い技を繰り出すのに、最も必要なことだからだ。

静寂から、力強さが生まれる。
とても大切な学びがあったと思う。
そして、京都のソフトクリーム美味しかったよー!!
(最後はそれか・・・・。)

















静寂の旅 琵琶湖と京都 2日目 その7  

2015-05-05 01:31:57 | 日記
地図を拡大してみる。奥嵯峨と言われるところのイラストマップ。
ちなみにオレンジ色の蛍光ペンのところは、地図をくれたお店。
最初から蛍光ペンでマークがついてた。今回の話では、申し訳ないけど関係ない。


気がついた方がいらっしゃるだろうか。
この写真だけで気がつかれた方は凄い。




私がいた寿楽庵の隣に、小さい文字で「寂庵」とある。
うん? どこかで聞いたことのある名前だ・・・。

「お庭の壁の向こうに棟が見えはるでしょ。
そこ、「ジャクチョー」さんが普段暮らしていらっしゃるところですよ。今日もいらっしゃるはず。
だから、そちらを向いていただいた方がいいかなあって。」
私が座っているところから20mくらいしか離れていない。



・・・あ!!!「ジャクチョー」さんって、「寂聴」さんか!!

とすると「寂庵」って、瀬戸内寂聴さんのお宅だ・・・!!!
「え!瀬戸内寂聴さん、今、そこにいらっしゃるんですか!?」
「そうですよ。すぐそこに。みなさん、聞いてびっくりしはります。
どうぞ、お土産話にしてくださいな。」

あの壁からお姿が見えることもあるのだろう。
うちの母が寂聴さんの法話の本やCDセットを持っていたりして、寂聴さんの大ファンなのだ。
連れて来てあげれば大喜びしそうだなあ。
壁を越えようとするかも・・・。


とか言っている間ににしんそばができる。
雨が少し冷たくて、身体が冷えていたので温かい麺は嬉しかった。
初めて食べた。美味しい。


「今からどこか行かれるん?」と聞かれたので、
「このあたりを回ろうと思います。」と答えると、
「祇王寺は女性なら絶対行って欲しいところです。ぜひ、行ってみてください。」
と言われた。

既に計画表とは違う動きをしていて、ノープランだったので、
お会計を済ませて、
勧められるままに祇王寺へ。
どういう由来のあるお寺かも知らないまま行ったのだけど、
パンフレットや説明ボードを見て、心打たれた。

ここは「平家物語」の『祇王』という物語に由来するお寺だ。
この『祇王』という話、女性なら絶対、ぐっとくるものがあるのではないか。
女性の人生は往々にしてこういうエピソードには事欠かない。
だからさっきのお店の方が勧めてくださった意味もわかる。

特に、あとで気がついたんだけど、
結構うら寂しい奥嵯峨を一人で旅してる女性なんて、
客観的に見たら、失恋でもして世を儚んでいると思われてもおかしくない・・・。
あー、よくよく考えたらそうかも、そう思われたかも・・。
うーん・・・人生は素晴らしいと思っているんだけど、まあいいか。

ところでこの物語には、平清盛と白拍子の祇王、そして同じく白拍子の仏御前という女性が登場する。



「平家物語 祇王」
都にきこえた白拍子の祇王、祇女という姉妹があった。
姉の祇王は平清盛の寵愛を得て、妹も有名になり、安穏に暮らしていた。

ところが、仏御前と呼ばれる白拍子が清盛の屋敷に現れ、舞をお目にかけたいと申し出る。
清盛は怒って門前払いをしようとしたが、祇王が優しく取りなし、
仏御前は清盛の前で今様を歌うことになった。
仏御前は美しく、声も節も上手であったため、清盛はたちまち仏御前に心変わりしてしまう。
昨日までの寵愛が嘘のように、祇王は館を追い出されることになってしまうのだ。

その後、清盛は祇王に追い打ちをかけるようなことをする。
仏御前の元気がないので、彼女を励ますためにお前が館に来て歌え、と祇王に命令したのだ。
言われるままに祇王は歌ったものの、ショックで心はボロボロになる。

祇王、祇女、そして母刀自の三人は髪を剃って尼となり、
嵯峨の山里、今の祇王寺の地に世を捨てて仏門に入る。

母子三人で念仏を唱えていると、竹の網戸をたたくものがある。
出てみると、思いがけずそこにはあの仏御前の姿があった。

「祇王の不幸を思うにつれ、無常を感じ、今朝、館を出て参りました。」

仏御前が被っていた衣をとると、剃髪した尼の姿になっていた。
若干17歳の仏御前のそんな姿をみて、祇王は全ての恨みつらみを忘れ、
四人が一緒に暮らし、念仏を唱え、極楽往生の本懐を遂げた。





というストーリー。
この時、祇王もまだ21歳だったという。女性が美しいときだよ。
平清盛、お前がただのスケベじじいなだけじゃん!という話(じゃない)。


まあ一般化するのは悪いけど、
男の人って、こういう無神経なところが往々にしてあるよね。
っていうか、生物学的にこういうものなのかもって。

でも、恋敵だったはずの2人の白拍子が一緒に相手を思い遣って暮らしたという話は、
人間愛を感じる話で、結構、心に響いた。
それに比べて、どこぞのドラマの女同士のドロドロとか、人間の真心をバカにしてる、浅はかなもんだよね。

   

祇王と仏御前のお墓があった。
二人の人生と思いやり深い、優しい魂に対して、思わず心から手を合わせた。



近くの檀林寺へ。ここは別の意味でツボだった。






























静寂の旅 琵琶湖と京都 2日目 その6  

2015-05-05 00:28:04 | 日記
『化野念仏寺へ近道4分』の標示を辿り、雨の中を歩いた。
化野念仏寺の入口まで来たとき、ようやく一組の海外からの観光客の方々を目にした。
日本人のガイドさんが流暢な英語でこのお寺の来歴を説明しているらしかった。

化野念仏寺(境内に入ると写真撮影禁止)

中に入ると、地元の方らしいお参りの人が数名いらっしゃった。
そうだ、ここは水子の霊も祀るお墓なんだ。

壊れて首のない地蔵や、苔むした地蔵。無縁仏は8000体ほどあるという。
だけど不気味とか怖いという気は不思議としなかった。
いろんなしがらみや苦しみからようやく自由になり、
今、たくさんの魂と共に静かに平穏に眠っていらっしゃる…
よかった、ここならきっと寂しくない。
逆に生きてる人が励まされる場所のように思えた。来てよかった。

化野念仏寺に貼ってあった。日々、自分を振り返れということか。




化野念仏寺の山道のお土産屋さんはほとんど開いておらず、2軒だけ営業中だった。
中に入らなくてすみません、と心の中で謝りながらお店を通り過ぎた。
通り過ぎた後で、バス停がこっちじゃなかったことに気がついた。
また戻るとなるとお店の前を通らなければいけないから苦痛だ…。


仕方ないから嵐山方面まで歩くことにした。
元々、嵯峨野は散策に適したところなのだから。
誰も店の人の姿がみえない店先に「どうぞご自由にお取りください。」と手描きの嵯峨野散策イラストマップがおいてあった。
一枚いただく。

降り続く雨に少し疲れて、どこかで休みたくなった。
みると、営業してるのかしてないのかわからないくらい微妙な灯りが灯ってる店があった。
店頭にメニューは出てる。やっているようだった。緑がうっそうとしてる。

勇気を出して、入ってみた。
あれ?誰もいない…。
 
厨房を覗くと、年配の女性とアルバイトらしき学生風の女の子がご飯を食べていたようだった。
のんびりしてる・・・。


「あ、いらっしゃいませ、お一人さまですか?どうぞ。」と案内された先には誰も他のお客さんはいなかった。
まあ、もともと参道にも人はいなかったもんなあ…。

昔の田舎の家のような和室。時間が止まってるようだ。
お庭がとてもきれいだったので、そちらが見えるように座った。
    
1枚目の写真の紙に書いていることは「150年前のガラス戸なので触らないでください」。



京都名物のにしんそばを注文して、
ぼんやりと先ほどいただいてきたイラストマップをみていた。
お茶を持ってきてくれた大学生風の女の子に、
「この地図上だと、今いるお店はどのあたりになるんですか?」と尋ねると、
「あ、ちょっと聞いてきます。」と地図を持って奥に入って行った。

代わりに年配の女性が地図を持って、ここですよ、と店の名前を書き加えてくださった。

この写真じゃあ見えないか・・・。
寿楽庵。そんな名前の感じだよなあ、と思った。


「こちら側にお座りになった方がいいですよ。」とその女性がおっしゃった。
ガラスの引き戸の向こうに、もう一軒、家があるのが見えた。
こちらは庭がよく見えるのに、何故そっちをすすめるのだろう?


その理由は、今日一番の驚きだった。

静寂の旅 琵琶湖と京都 2日目 その5  

2015-05-04 23:54:03 | 日記
どうしようか迷ったけれど、まだお昼前。
とりあえず混んでるのは覚悟で嵐山方面に行ってみることにした。
京都駅に戻り、山陰本線(嵯峨野線)に乗り込む。
嵯峨野線はアナウンスがあまり入らないので、
気合を入れて周囲をみていないと、目的地でおりられない。
もう少しで乗り過ごすところだった。

嵯峨嵐山駅到着。
雨が降ったりやんだりの天候だけど、さすがは人気スポット。
人出はかなり多かった。天龍寺方面に向かって進む。

天龍寺の庭園をみてきた。日本画の世界がそこに広がっていた。植物の宝庫。
   

そして嵐山と言えば、お約束の渡月橋へ。


そして竹林。
海外からの旅行者も、しきりに「バンブー」という単語を発していた。
雨のせいで、緑が生き生きしている。どこまで行っても竹、竹。
同じような写真になってしまう。
  


さて、本当に行きたいのは嵐山のその先、嵯峨野の化野念仏寺だった。
しかし化野念仏寺は京都の西のはじ、風葬、葬送の地。
約1200年前、弘法大師がここで野ざらしになっていた遺骸を集め、
埋葬したという。それが始まり。


「化野」の「化(あだし)」とは、「はかない」「むなしい」という意味で、
また「化」の字は「生」が化して「死」となり、この世に再び生まれ化ることや、
極楽浄土に往生する願いなどを意図している。【化野念仏寺のパンフレットより】


大学生のときからずっと気になっていたけれど軽い気持ちで行ってはいけないところに思えて、
結局行けないまま京都を離れてしまったのだった。

嵐山のバス停に行ってみた。

市バスではなく京都バスの鳴滝行きに乗って鳥居本で降りて歩くらしい。
バスが少ないなら縁がなかったと思ってやめようと思っていた。
時刻表をみると、一時間に2本、そのうちの1本が3分前に発車したことを示していた。

あ、さっき出たばかりなのか…。
どうしよう、待とうかな、それとも縁がなかったと思って他のところに行こうかな…。

煮え切らずグタグタ迷っていると、目の前にまさにその鳴滝行きのバスがすっと入ってきた。
どうやら遅れていたらしい。縁がある、覚悟を決めて乗り込んだ。
雨脚が少し強くなってきていた。

大覚寺前で元々少なかった乗客がほとんど降りた。
乗客がほとんどいないバスは寂しい山路をひたすら登って行く。
空はどんより灰色。鳥居本に到着した。
あたりには人影がなかった。
ああ、ものすごく寂しいところにきちゃったなあ…と、そのとき、激しく後悔した。

静寂の旅 琵琶湖と京都 2日目 その4

2015-05-04 23:30:08 | 日記
8時からの坐禅体験のため、7時前にチェックアウトし、
大津駅から京都駅、奈良線で一駅の東福寺駅へ。
勝林寺(読み方は『しょうりんじ』、微妙に嬉しい!)は東福寺の北方、
つまり鬼門にあたるところに位置してるお寺で、
勝利の神である毘沙門天をおまつりし、東福寺を守護する禅寺。
  


10分前に集合の連絡がメールできていたので7時50分には参加者が揃った。
全部で15名、3分の2の10名が女性だった。
おそらくアメリカ人らしい、若いカップルも参加していた。

お寺の住職さん(まだ30代半ばくらいの若い方だった)が足の組み方や手の形などを説明してくれた。
「目は1mくらい先を伏せ目がちに見ているのか良いです。
目を閉じると眠ってしまうことがあります。
また、10数えながら息をゆっくり吐き、
すっと吸うというのを繰り返していると雑念が消えていきますよ。
雑念が出てきたら、額縁やテレビの中の映像を見ているような気持ちで流しっぱなしにしていると、いつしか消えていきます。」とおっしゃった。
坐禅のことは全くわからないので、
とりあえず言われた通りやってみることにした。
太ももの上に足をのせて組むのだけど、一苦労、そして足首が固いのかとにかく痛い!
「痛いときは、静かに足を下げていいですよ。」と、すかさず。
15分間×2セット。間に5分の休憩が入る。


鈴の音と「バシッ」という何か(木?)を強く弾いたような鋭い音で坐禅が始まった。
警策(きょうさく)という木の棒を持って、お坊さんが参加者の前を巡回する。
体験なのでお坊さん側から叩くことはないけれど、
お坊さんが巡回してこられた時に手を合わせると、一礼して叩いてくださる。
警策で叩くことは罰ではなく、
文殊菩薩様からの「励まし」を意味しているという。
おまえ頑張れよ!ってことね。
「せっかくだから警策も体験してみてください。」と始まる前にお坊さんがおっしゃっていたので、
2セット目から参加者のみなさん、手を合わせ始めた。
私も手を合わせて合図し、警策で叩いていただいた。
手を合わせてこちらも一礼し、頭を下げたままの姿勢にしておくと、
警策で両肩の肩甲骨あたりを叩いてくださる。意外に痛い。。
あとでお坊さんがおっしゃったところによると、
本物の雲水(修行中の僧)が受ける警策の痛みは激しいものらしい。
慣れないうちは血がにじむこともあるとか。
「どこのお寺とは言いませんけど、
体験でもかなり激しく打つお寺もありますから気をつけてください。」ともおっしゃっていた。
…ふええ。

それにしても坐禅後、始まる前より本当に心が穏やかになった。
いやいや、ほんとに!

数を数えて半眼で呼吸を繰り返していただけなのに…確かに雑念は湧き起こる。
でもお坊さんに言われたように、
極力、額縁の中の映像のように意識してみていると、ほんとにすぅーっと消えて行く。
そして鳥のさえずりと、時々強くなる「サァー」という雨の音だけが聞こえるのだった。

「『調息、調体、調心』(だったと思う)が大切なんですよ。
普段の生活の中でも簡単にできることですから、ぜひやってみてください。」と最後におっしゃった。


心って、こんなふうに取り扱うものなのか。
みんな普通に知ってることなのだろうか。
私にとってはものすごく大きな発見だった。
心の取り扱い方法なんて、誰も教えてくれないもんね。

終了後、精進料理が振る舞われた。

いただく前に、これを読み上げる。

音が難しい。お坊さんの後について言わないと読み方がわからない。
胡麻豆腐や煮物、お粥、漬け物などとても美味しくいただいた。お粥はお代わり自由。
隣に座っていたおそらくヨーロッパ系ではないアメリカ人女性は、
ほとんどどれにも手を付けていなかった。
梅干しもダメだったらしい、吐き出していた。美味しいのになー。

精進料理を食べ終わった後、お坊さんがお話してくださったところによると、
釈迦が悟りを開いた日を最後にした7日間、
雲水たちによる不眠不休(!)の坐禅修行がこのお寺では行われるという。
畳よりもかなり高い位置に座って坐禅を組むため、
眠気で転がり落ちてしまうこともあるという。
最初の2~3日は眠くて仕方ないらしい。それはそうだろう。
しかし4日を過ぎたあたりから眠気も少なくなり心が冴えてくるそうだ。
そういう状態で禅問答を老師と行うという。
…それほんとなの…?!
お寺の、特に禅宗のお寺ってやることが激しい。

あ、そういえば『少林寺』の方も禅寺だったな。
厳しい武術の修行をしてたな、リンチェイも(映画で!)。

・・・今日はこのくだりはいらない。


お坊さんの語りが上手で食事後の楽しいひとときを過ごし、
2時間ほどの坐禅体験はおひらきとなった。
ごく近くの東福寺へ。
大学1年のとき、ごく近所に住んでたのに行ったことがなかった。
こんなに美しいところだなんて全然知らなかった。
  
元々は桜の名所だったのだけど、
修行の邪魔になるということで桜の木を全て伐採し、
代わりにもみじを植えたという逸話が残っていると、勝林寺のお坊さんがおっしゃっていた。

青もみじが眩しい。しかも混んでない。
しばらく座ってお庭を鑑賞した。
心が穏やかだと、見えてる世界全てが穏やかに映る。

静寂の旅 琵琶湖と京都 その3

2015-05-04 01:18:32 | 日記
清水道で降りると、しばらくしてこの風景が見える。
京都って感じだよなあ、八坂の塔。


ベタ過ぎるほどベタなんだけど、ここが落ち着く。
二年坂の方に出ると、18時を過ぎていたけど、そこそこ人はいた。

お昼ご飯を食べていなかったことを突然思い出し、この辺りでご飯にすることにした。
『名代おめん』という銀閣寺に本店のあるうどん屋さんが高台寺付近にもあって、
まだ空いているようだったので飛び込む。

空豆の白和え、カツオのたたき、旬の野菜の煮物。お惣菜3種。

そしてここの名物の「おめん」。たくさんの野菜をだし汁に入れて食べるつけ麺だった。
うどんだから、と思って油断していたら、
意外に結構な量だった。お腹いっぱい。

まだ19時なので、高台寺付近をブラブラしていた。
高台寺は前回も夜間拝観しているし、もういいかなと思っていたら、
今日はプロジェクション・マッピングをしているというので入ってみた。
『高台寺 小宇宙』という名前でやっていた。夜のお寺はそれでなくても神秘的なのに、
光を当てて、よりいっそう名状し難いものになっていた。安っぽくならない程度ならいいけど・・・。

  

高台寺の向かいのお寺でも小規模なプロジェクション・マッピングをしていた。


プロジェクション・マッピングより、
鏡面のような池に映る木々とか、竹林の方が正直言うと美しかった。
  

高台寺を出て徒歩で北上する。暑くも寒くもない。どこまでも歩けそうだった。
八坂神社到着。
夜でも人が結構いる。夜の神社はどこか色っぽい。


祇園付近。ぶれた。

もしかして空いてるかも・・と淡い期待をして前を通ってみた祇園辻利は全くもって20時過ぎても混んでいた。
どんだけ人気なの・・・。
仕方ないので、テイクアウトのグリーンティーだけ買ってみた。濃くて美味しい。本日2品目のお抹茶。

これを片手に四条京阪駅あたりから鴨川沿いを散歩してみた。目的なんてない。
水があるところが昔から好きだったから。
三条京阪まで散歩してしまった。対岸に揺らぐ光が眩しい。
向こう側にも川沿いにいっぱい人がいた。京都の初夏って、好きだな。


三条京阪から地下鉄東西線で烏丸御池、そして烏丸線で京都駅へ。
ふらっと出町柳とか行きたいと思ったけれど、明日も早い。

普段の生活の中では、常に心の中にさざ波がたっている状態かもしれない。
静かにただそこにある水を今日はたくさんみた。
自分の心もそうであったら、いいと思う。



静寂の旅 琵琶湖と京都 その2

2015-05-04 00:39:05 | 日記
上陸。

急な石段が突然165段続く。祈りの階段というらしい。
これを登ってようやく宝厳寺へたどり着く。

このお寺のご本尊は弁財天。言わずと知れた芸能を司る方だ。
しかも、江ノ島、広島の厳島神社とここの3つを『日本三弁財天』といい、
この宝厳寺の弁財天はとても古くて由緒があるので特に『大弁財天』と言われている。
パワースポットとしても近年、有名になっているらしい(私は知らなかった・・)。
宝厳寺は、ご本尊のみ撮影禁止で、あとは撮影OKだった。
写真の弁財天像は、撮影用にあるものらしいけど、
弁財天様って2本以上腕があるんだ・・・あれ?あったっけ?
ここの弁財天様は、地元のいろんな信仰が混じり合って、ちょっと不思議な形をしていた。
強い信仰の対象なのだという。

     
たまたまホテルが京都市内に取れなくて、滋賀に泊まるなら滋賀の名所にもどこか行きたい!
と、旅行会社の窓口でパラパラとパンフをめくっていたら見つけたのが竹生島だった。

実は6月の修学旅行で京都とともに広島の厳島神社に行く。江ノ島は行ったことがある。
計らずも、日本三弁財天を全て回ることになる。
芸能を司る・・・願いたいことはたくさん!!
ステンドも日本画も、美術科教員としての仕事も、バレエも武術も!(欲張り・・・)

というわけで、宝厳寺で芸能守りを購入し、
同時に赤くて可愛いダルマ人形に自分の願いを書いて奉納する、ということをやってきた。
写真にはないけれど、
島には都久夫須麻神社という平安時代あたりに由来する由緒正しい神社もあり、国宝に指定されている。
重文や国宝が、小さな島に普通に数多く存在していた。

ご飯を食べるところはあっても、既に食堂の食料は尽きてしまったということで、
私が入島した時間帯にはお土産物の他はもうアイスとジュースくらいしかなかった。
なのでお昼ご飯は食べず、抹茶アイスを食べる。

しかし考えてみると、結構怖い。
もし突然、海が時化て島から本土に帰れなくなったら・・・・。

・・・あ、そっか、海じゃなかった~!湖だったよ、忘れてた・・。


そして船が出る時間。

15:00過ぎ、長浜港に到着し、再び電車に乗って大津へ。
お腹は空いていたけど、眠気が強くて電車でうたた寝していた。

いったん大津のホテルに帰って、携帯を充電してから京都へ。
朝もたいがいだったけど、夕方になっても京都駅の混雑ぶりはハンパなかった。


地下鉄に乗って一駅、九条へ。
ここを降りて大石橋バス停から202か207の反時計回りの循環バスに乗ると、
混んでなくてスムーズに祇園方面に行ける、
とネットで知り、試してみた。

ほとんどのガイドブックでは、京都駅からバスに乗って祇園方面へ、
ということになっているけど、これは激しく混むのだ。
とにかく京都駅発も京都駅行きも、激しい混雑になる。
大石橋バス停経由が修学旅行の班別自主行動のときに効果的に使えるルートなのかどうか確かめたかった。


結果、ほんとにスムーズだった。待ち時間はあったけど本数は多そうなので大丈夫。
乗車から10分もかからず清水道へ到着。
ただし五条坂あたりからは観光客はどっさり乗車してくる、が既に座っているし、
次で降りるのだからあまり関係ない。
五条坂までの間は、地元の人しか乗っていないようなのどかな雰囲気だった。
ただし大石橋には4カ所バス停があり、
乗る場所を間違えるととんでもないところに連れて行かれる。
1番出口から出て左に行き、角を曲がって九条通に出ると目的のバス停がある。
1番出口を出たら右側にすぐバス停があるけど、ここは違うバスが出るのだ・・紛らわしい。
生徒に教えとかなくては・・。バス停の写真なども撮影しておいた。


頭がいつの間にか修学旅行の下見になっていた。
いや、今回は個人旅行だから! 


静寂の旅 琵琶湖と京都 その1

2015-05-04 00:38:25 | 日記
ゴールデンウイークは世間では後半だけど、
私にとったらようやく始まったばかり。
前の日、計画を立てたら、ワクワクしてあんまり眠れず。
子どもかっ・・!


7:42の新横浜発のぞみ299号に乗って、京都へ。
曇り空の京都、日射しが暑過ぎるよりはいい。
すぐに大津駅に向かうので改札を通らなかったけど、改札方面は恐ろしく混んでいた。
それなのに快速で2駅、大津駅はガラガラだった。

とりあえず荷物を置かせてもらおうとホテルへ。
京都市内に宿が取れなかったのが残念だと思っていたけど、
このホテル、駅から直結でものすごく便利だった。

すぐに東海道線(琵琶湖線)で長浜へ向かう。1時間、電車に揺られてぼんやり。
長浜着。ステンドグラスかな。思わず撮影。

駅から10分程度歩いて長浜港へ。ツーリングの人たちをたくさん見かけた。
バイクで琵琶湖沿いを走るの、気持ちいいだろうな。

いつもは1日6便しかない竹生島クルーズ船も、連休中は臨時便が何本か出るということで賑わっていた。
12:45が予定の出発時間だったけれど、少し遅れて出発。

青春してるなあ、と思わず撮影。

山の緑色は遠方から見ると、日本画で描かれる色と同じ、青。
空と海と山がそれぞれ少しずつ違った彩度の青に囲まれて、心が穏やかになっていくのがわかった。
青は人を落ち着かせる色だ。



しかし、竹生島が見えてくるに連れ、不謹慎にもワクワクしてきた。

竹生島は基本的に無人島(昼間だけ人がいる)で、電気が通っていない島らしい。
昼間は発電機を使って、島にある3つのお土産物屋が営業しているという。
この3つのお店の人たちも船の最終便で本土(?)に帰っていくのだ。

古来より神が住む島と言われている神秘の島。
ここはあくまで『斎場』であって、人間は本来、部外者なのだ。
・・・・まるで、横溝正史の小説の世界みたいじゃない?

























小さな旅を重ねて

2015-05-02 03:44:23 | 日記
ようやくゴールデンウイーク。
そこそこ微熱があったりした日もあり、4月当初の疲れが出て来ていたようだった。
ここで大きいお休みがあるのは、心理的、体調管理的にもいい。

ゴールデンウイークは旅行と映画と、遊びたいこと満載。
大人になって、『遊ぶ』ってことが大切と思うようになってきた。
個性は、そんなところから生まれている気がするからだ。


直前の二日間が両日とも6時間フル授業と会議で仕事盛りだくさんだったので休みが嬉しい!
帰りに、本屋さんでブラブラする。こういう時間すら久しぶりだった。

長い休みだし、旅の移動時間も長いし、
このタイミングでぜひ読みたい!
と思っていた海外ミステリー、ペトラ・ブッシュの『漆黒の森』はいくら探してもなかった。
広告では比較的売れてそうな書き方だったんだけど、
そこそこ大きめの本屋だったにも関わらず、
そもそも海外小説のコーナーにほとんど本を置いていなかった。
海外小説って今はもうあんまり売れないのかな・・・。

海外文学の雑誌を購入。
これも前々から興味はあったけど、やはり時間と心の余裕がなくて購入に至ってなかった。
海外小説の方もやっぱり読みたいので、家に帰ってネットでお急ぎ便注文。
そうすれば必ず手に入るんだけど、
直接、本屋さんで見つける方が喜びが大きい。なんでだろう。

文学から離れてしまっていた生活が少しさびしかったから、
浸れる時間が出来たことが嬉しい。


京都(&琵琶湖)旅行は、琵琶湖に浮かぶ竹生島に行くこと以外は何も決めてないので、急いで考える。
計画してる時が一番楽しいのに、とってももったいなかった。
たった2日間、しかも1日目は昼間はほぼ島なので、そんなに京都を回れない。
行きたいところは嵐山方面、上賀茂あたり。
しかも嵐山は夜に行ってみたい。しかし泊まるところは大津だからなあ・・・・。

あとは、二条城近くの小さなギャラリー、モーネンスコンピス。
最近は京都を訪れる度に行くけど、いつも展示作品が素敵だ。
ちょっと前まで、
好きなガラス作家さんである八木麻子さんの作品展をやっていたのだけど、
もう終わってしまった。とっても残念・・・。
ただ、ちょうどゴールデンウイークの時期にも『箱市+袋市』というのを行うというので、
ぜひ顔を出してみたい。

旅から帰ってきたら、香港映画祭でジェット・リーが出てる映画と、
ジェット以外の香港の功夫俳優さんがたくさん出てるギャグ功夫映画をみるのだ!!
もうなんて満足度の高い休日の予定・・・(私としては・・)。
・・・・比較的安いし・・・(笑)。


実際の旅はもちろん、読書も映画をみることも小さな旅のようなものだ。
対象と向かい合って、そこからの刺激でいろいろ考えたり発見がある。
旅のあとはいつも何か自分の中で、小さいけれど変化が起こる。
小さな旅を重ねることは、常に変化していくことだと思う。

ゴールデンウイーク明けの自分に、どんな変化が起こっているだろう。
それもちょっと楽しみだ。





北極星のように

2015-04-26 23:56:41 | 日記
今日はジェット・リーの誕生日。
52歳、おめでとうございます!

六本木の映画館でやってる『香港電影天堂』(映画祭的なやつ)はゴールデンウイーク中に絶対行かなきゃ!
ジェットが出てるのもやってるし、出てないのでもぜひぜひ観たいのがある(ブルース・リャンとか往年の功夫スターがっ!)。

仕事しつつ、youtubeでジェットの演武を観てたら、
幼い頃(8歳~15歳くらい)のジェットの演武が出てきて、そのあまりの美しさに驚き。
10代中盤でもう武術コーチ的なこともしていたらしい。

自分が今やってる武術もその演武と全く同じ動きがあったりするのだけど、
バランスとるのすら、ものすごく難しいはずの動きを、易々とやってのけていた。
こんな風にできたらいいなー・・・。
幼い頃のジェットは、今もとても真面目な人だけど、
輪をかけて真面目そう。
そりゃそうだろう、幼くしてこんなことができるようになるには、
かなり厳しい練習を日々やらなきゃいけなかったんだろうから。
やり抜いてきた真面目さが素晴らしい。

8 years old Jet Li


Jet Lee-Chinese Martial Art


やっぱり何度みても凄い。
私がやってる派の型もジェットは学んで身につけている。
彼の演武は基本の姿勢はもちろん、指先まできれい。舞のようだと言われる所以だ。


1ヶ月間、武術を続けてみて、体幹がしっかりしてきた気がする。
型の練習でまるでコマ送りのように1つ1つの動作を確認しつつ、バランスをどうやってとるのか知る。
相当厳しい師範だけど、
初心者の私にも、かなり丁寧に教えてくださっていると思う。
どうやら今まですぐにやめていった人が多かったらしく、
一緒に習っている人たちが、
「辛くないですか? 女性は合気道とかにすればもっと楽なのに・・。」
とか言うのだけど、正直全然辛くない。
もしかして周囲の人は師範の言動が辛いのだろうか、と思った。

むしろ、ほんとにちょっとずつ身に付いているのが嬉しい。
こういう系の先生は厳しいのが当然だったりする。
言われた通りできなかったら注意されるのは、体術では当たり前のことだ。


で、注意される点が、バレエの時と被っていることに最近気がついた。
身体にひねりを入れているときの、胴体の向き。いつもこれで注意される。
きちんとひねりが入ってないと、次の動作にダイナミックさがなくなる。


型をきちんと正確に取り入れて動かなければいけないという点で、
バレエと武術はものすごく似てると私は勝手に思っている。
しかも、身体の使い方もわりと似てることにちょっと驚いている。

ジェットは映画で踊るシーンがあってもいつも踊ってないけど(照れ笑いとかしてるのはあった!)
踊ったら絶対すごく美しいはず。
言葉を自由に操るように、身体を自由に操れるのだから。


ジェットをみてると、いつも励まされる。
だからこれからも元気で活躍していって欲しい。
その存在がもう光そのものだから!!
北極星のように、ずっと輝き続けていて欲しい。
そこを目指して頑張るから。












目指すことはたった一つ

2015-04-19 08:47:39 | 日記
好きなことをしていると幸せだ。
武術の練習も、相当キツいけどほんとに面白い。
ほんとは週2で行きたいけど時間的に無理なのが残念。
ステンドも日本画もバレエも大好きだ。
やめられない。
現実問題、ステンドはちょっと月謝がかかるけど、
他はどれも月謝が比較的安価。
あまり物を買わなくなった分、習い事にお金を費やしている。
でもこれは、将来の自分への投資でもある。
未来、こうなっていたいという自分をイメージすると楽しい。
面白いおばあちゃんになる(笑)。


ちなみに武術っていうと男性は一瞬ひく。
先生同士の自己紹介で言ったら、うちの学校の男性の先生は確実に一瞬ひいた。
ボコされるとでも思うのかしらん(笑)。女性はそこらへん柔軟だ。
「私もなんか武道とかやりたいのよね。」って、
話のきっかけを作ってくれる女性の先生もいた。


武道や武術は実は昔から好きなんだからしょうがない。生まれてくる性別を間違えたのか。
ジェット・リーのような美しく速く、鋭いのに柔らかい動きに少しでも近づきたい。
少しずつ身に付いて達成感というか進歩がたまらない。
こういうときに幸せを実感する。





みんな、幸せになりたいという気持ちを持っているのだから、
好きなことをめいめいが知ることがとても大事なのだと思う。

クラスや授業で、「自分を知る」ことの大切さを度々話すようになった。
周囲の情報で自分の本当の気持ちを隠してしまうことだって多い。
やりたくないことで忙しくなってしまう子どもも多い。
意外にも「自分を知る」というのは、今では難しいことだと思う。
学校の授業は、子ども達を幸せに導くために行われるものだ。
どの教科でも、方法は違っても。


美術科では1年生の1回目の授業でのオリエンテーションを終えた後、
生徒に感想を書いてもらった。というか毎回、感想や考えたことを最後に少し書く。
「美術って、絵を描く技術とかだけを身につけるって思っていたけれど、
そうじゃなくていろんな見方とか、自分の心の中を見つめる教科だと思いました。」
と書いている子が結構たくさんいてくれた。

また、中学校になって初めての「美術」という教科への不安感を取り除けたようだった。
中学生になっていきなり入って来る「美術」というのがとても難しそう・・・と不安に思うらしい。
教科書なんかはとても楽しげに工夫して作ってあると思うけど、
まあ、最初はそうだろう。

1回目から宿題を出すという暴挙(笑)。
自らをゆるキャラにするという、要は自己紹介の宿題。
かっこよくしなきゃいけないのかとか絵は苦手なのに・・とか、
難しく考えちゃう子のために、とりあえず私が描いて見せる。

「・・・5秒で描くよ。」と荘厳に(?)言い放つと、
「先生すげ~!そんなに速く?!」と一瞬、生徒がビビる。
で、数える(笑)。

ほんとに5秒で書ける程度の、マル描いてちょん、程度のものすごく簡単なイラストだけど、
「めっちゃ似てる~!」と爆笑された。
この程度でいいのよ、ってことで(笑)。
どのクラスでもおおいにウケた。
それにしても、そんなに似てるのかよ、
だんごみたいなひよこ・・・気持ち的には複雑だよ・・。



「初めての美術で緊張してたけど、
難しいことをしなくてもいいんだ!楽しくやるといいんだ!と安心できた。」
と書いていた子もたくさんいた。
まあ正直、学年が上がってくれば難しいことも結構あるんだけども・・・。

とにかく、伝えたかったことがちゃんと伝わっていたので良かった。
幸せになろうよ。ただ、それだけかもしれない。



1回目の授業は、学習指導要領に照らし合わせながら考えた美術科の授業を行う意味や、
美術科で行う授業を通して将来どんな力をつけて欲しいのかを大きく4点提示して、
1回目のアクティビティーとして、
お遊びとしてクイズ(ただのシミかと思いきや、見方を変えると写真のように精巧な人に見える)2つと、
感情を線で表現するという実技、
教科書の表紙になっているゴッホの「夜のカフェテラス」の鑑賞を行って意見を発表する、
というのをやってみた。50分盛りだくさんだった。


「先生面白かった、楽しかった。」という感想ももらう。嬉しい。


そうだよ、私は授業をするのも幸せで、人と触れ合うも好きなんだもの。
伝わって嬉しかった。






卯月、疾走

2015-04-16 22:01:19 | 日記
晴れ間を狙って、外では体育の時間に生徒たちの50m走のタイム測定。
フォームをみてると、
もっと上体を固定して、とか、手をもっとまっすぐ振って!
とか毎回いろいろ言いたくなってしまう。言わないけど。


ふと思った。
何にせよ、4月は全力で走り抜ける月だ。

雨が多くてうすら寒くて、4月っぽくない日が続いた。
ストーブに入れる灯油の配給(この言葉は死語なのか・・・?)も終わった今の時期、
それでも生徒からは「寒いからストーブつけて~!!」と随分ねだられた。
だからたまに晴れて暖かくなると、妙に気持ちがうきうきした。
今日なんか天気が良くて暖かかったから、小さい虫まで飛んでいた。極端!

授業も普通通りに回り始め、何とも可愛い1年には思わず笑ってしまう。
2年は1年のときへたっぴで怖くてみてられないくらいだった刃物の使い方も随分と上手くなった。
3年は受験を意識してか、どの教科もえらく真面目になったらしい。
新しい季節を迎えて、みんなが少しずつ大人になって、新しい気持ちで動き始めた。
緊張とワクワクが入り乱れるのが4月。


とにかく職員室が、ハイレベルで楽しい。

PTAの役員決めで8人も役員さんをクラスの保護者の中から決めなくてはならず、
毎年、夜遅くまで電話して交渉するのがうちの学校のしきたり(?)。
異動してきた隣の席の先生は電話での交渉で妙にテンションが上がってしまい、
8人全員が決定して電話を切った瞬間、
「やべー・・・これ、クセになりそう、気持ちいい~!!」との名(迷)言を発する。
職員室にいた全員の先生がウケた。

この先生とは9年前にバスケ部の市の試合会場でお会いしたことがあって、
向こうは県でも有名な超ベテランのバスケ部顧問、
私はバスケ未経験でルールもわからないダメダメ顧問だった。
当時、私は30歳を過ぎていたけれど初任ということで、
その先生はまだ私が20代だと思っていたらしく、
「ま、頑張って!」と軽く言われたのを私も覚えていた(笑)。

で、今回同じ学校、同じ学年所属、隣の席になってわかったことは、
実は私の方が2つ年上だった、という事実。
大爆笑した。
「俺、どんだけ上から目線なんだよ・・マジですいませんでした先輩~!」
とのありがたいお言葉をいただく。

いや、でも本当にバスケ界で有名な方で、
しかも前任校では30代中盤で学年主任を経験した相当出来る人だ。
こんな出来る人を一担任として迎え、贅沢で楽しい学年になっている。
反対側の隣の席の理科の若者も、
すっごく笑顔が爽やかで、そして仕事が出来る。

出来る人に包囲されてしまったので、この学校が6年目の私は何だか頑張るしかない。
いるのが長いだけって感じは恥ずかしいからね・・・・(::)。




















質実剛健

2015-04-12 00:00:43 | 日記
学校で新しいクラスになって5日。
まだ5日しか経ってないのが驚き!なくらい濃い5日間。
金曜日には学級懇談会後に歓送迎会という超ハードスケジュール。
最初のクラス開き期間って、全てが新鮮だからなあ。長い。
木曜日の早朝に足がつって目が覚めるなど、身体の方もなんだかてんやわんや(笑)。
この流れについてこいよ身体!

歓送迎会の幹事学年だったので受付やってたら、
他の先生が「お疲れ~!」とビールを持って来てくださった。
勢いで飲んだけれど、たった1杯で足元が揺れていた。
でも何だか美味しかった。ビールって美味しい。
ちょっとが美味しいんだよね(笑)。


2年の時のクラスで行事を盛り上げてくれた男子2人がまた自分のクラスで、
ありがたいことに、
2人して立候補で合唱委員と文化祭委員というビッグな行事の委員になってくれた。
男子がしっかりしているとかなり安心だ。この2人なら安心。

女子は精神年齢的に今は男子よりも上だから、わりと安心。
委員長に立候補した女子がとてもしっかりしていて落ち着きがある。
男子がいい意味で行事などで大暴れして、
賢い女子が総指揮するという理想的な形。
女子が上に立つクラスが上手くいく、というのがここ数年の実感。
何故だろう・・・・・・(・・;)。
これは人生訓なのか。

3年のクラスがどうなるか、本当はちょっと心配だったけれど、
5日間過ごしてみた限りでは、
前のクラスよりも更に明るく個性的なクラスになりそうだ。
そしてメリハリのあるクラスにしたい。



昨日あった歓送迎会。
歓送迎会って言っても、離任式が火曜日にあったばかりだから、
離任された先生方も着任された先生方も新しい学校で過ごした時間も短くて、
前に出ていろいろ話もしなきゃいけないわけだし、
なんだかもっと後の方が良かったんじゃないかな、とか思っていた。

けれど、たった5日間でもいろいろあるもの。
横浜市の他区に異動した先生から、
「注意した先生に向かってコンクリートブロックを投げつけようとした生徒を止めた。
懐かしい感じだ、血が騒いだよ!」という衝撃コメント(笑)をいただき、
さすがはヨコハマ、激しい学校は違うね!!!という感じだった。
・・・・こわっ! なんだそのバイオレンスな感じは。

行く人来る人。
今回、うちの学年に新しく来てくれた先生2人はとってもいい。
2人とも職員室でお隣なので、いろいろ話す。
どちらも明るくて優しくて、そして社会人としてきちんとしてるな、と感心する。
教員って変な人多いから。(自戒を込めて・・・・)
職員室が明るいと、全てが明るくなる。今年は明るい。


やっとこさ土曜日。やっと気が抜ける。
ステンドは今日は気を抜いて、でも7月末に向けてフュージング。
色と戯れる感覚が楽しいのがフュージング制作。
もう今日は色の組み合わせを考えてひたすら切る、切る。
夜は武術で、
今日は見てはいけないかもしれなかった人間模様を垣間みる・・。
人間がいるところ、どこにでもいろいろあるわけなのね。

・・・いやいや関係ないことだし・・・私は基本功夫だけに専念!

上半身に頼り過ぎて力が入り過ぎてる、
下半身をもっと使って、上半身の力を抜くこと。
今日は老師(功夫の先生のことをこういうみたい)にそう指摘されたので、
そのことをずっと意識して動いてみた。

いろんなことを暗喩してるのかもなあと少し思った。頭と身体のバランスなど。
老師はほんとに厳しい。
特に上級者にはかなり厳しく、
聞いているこっちが辛くなるくらいどやしつける。
老師はきちんとできたときには、「よし!」と一言言うだけだ。
武道と違ってルールが無い分、
それを使う際には自身の生死がかかってくるので厳しくなるのは仕方ないかもしれない。
厳しい状況の中でも、折れずに修得していきたい。



歓送迎会の席決めは受付でくじをひくんだったんだけども、
よくある四字熟語くじで、
上の2文字が書いてあるくじをひいて、
下の2文字が置いてある席を探して座る、というやつ。
私がひいたのは「質実剛健」。

なりたい自分を表してるなあ、と思って、ちょっと笑った。

























憧れの人!

2015-04-06 00:24:32 | 日記
明日から新学期。
ドキドキはしないけど、どうなるかなあ・・・と漠然とした不安はある。
学級通信は1号を書いておいた。
明日、新クラスで配布する。どんな雰囲気になるのか。
少々バカでもいい(笑)、
あたたかくて、爽やかな雰囲気のあるクラスにしたいな。

今日見つけた画像。
可愛過ぎる40代(当時)、ジェット・リー(笑)。

休憩時間中の様子、髪がふわふわ。映画の中ではぴしっとし過ぎているので、
こういうちょっと気の抜けた姿がいいなあ。
功夫皇帝(とジェット・リーは呼ばれている)は、ほんと若い。


これから忙しくなるのでしばらくみられないかも(でもみてるかも)、
と思って、itunesで『ブラック・ダイヤモンド』をレンタル。
家にあるDVDがもったいなくてまだみられない・・・。


相変わらず強いんだけど、
ここから足を出してんのかー、とか、
後ろ足の角度はー、とか、
腕の形はそうなのかー、とか、
動きに注目していた。ほんとにきれいで基本に沿ってるなあ。
自分がやってみて、初めて分かったジェット・リーの凄さ。

こういうふうに自然に身体が動くということは、
相当の量の練習をこなしているという証拠でもある。
再び、ジェットを大尊敬。

勝手に心の中でジェット・リーを自分の先生と位置づけて、
私もいろいろ頑張ります!師!(笑)
3年担任だし!