しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

受験と毛布

2012-11-29 22:26:40 | 日記
最後の読み合わせのチェックを終え、3年生の内申成績が出る。
ついに出ちゃったよーーーー・・・。
「いよいよ始まるなあ・・・。」と感慨深げに言う同僚達。
これから入試本番。凍てつく季節。。。。
12月、3年生は午後はもう学校にいない日がほとんどになる。

うちのクラスでも、
第一希望の海外の高校の入試を明後日にひかえてる生徒がいる。
けど極度の緊張のため、今日は腹痛で欠席。大丈夫か・・・。


クラスの生徒の一覧表を眺めて、
希望している併願校に出願できるかどうかをまずは確認。
こっちがドキドキするよ・・。
心配していた生徒たちが軒並み、なんとか基準に足りていてほっと一息。
ただ数人、ハイレベルなところを希望し過ぎていて今の成績だと足りない。
この生徒たちの面談は、辛い。

12月は師走。急ぎ足できっと過ぎて行く。
調査書の校内締め切りも決まって、お正月は私に来るのかこないのか・・・。


すぐに保健室に逃げて行く子がいる。
今日も、3時間目あたりから、
「寒い~、もう帰る~。。。」とごねている。
よくよく本人と話してみれば、勉強が全くわからないから、
授業に出ててもつまんない、じっとしてるのが嫌、遊びたい、とのこと。

この子は、自分を信じて頑張る、という経験がどうやらない。
基礎からもう一度やれば、学ぶことに充実感が得られるだろうか・・・。
この子が受験したいと思っている高校は受験科目が3科目から1つ選択。
じゃあ、あと2ヶ月くらい徹底的に基礎から1教科だけでも、
授業から抜き出してやれないかなあ。

そういえば3年前も前任校の自分のクラスでも、
放課後、全く授業についていけなくなっている生徒のために5教科の「基礎の基礎」を補習した。
美術の教員だけど、そこは関係ない。
やってみると本当に1年生の5月の内容くらいから全くわかってなくて、
これじゃあ、授業に座っているのも、
まるでずっと知らない言語をきかされているみたいで辛かったろうなあと思った。
少しだけ、受験に自信を持って臨めた、と言っていたし、
第一はダメだったけど、第二志望の公立高校には合格できた。
とにかく何でもやってみるものだ。


きっと、今のうちのクラスの子も「授業が知らない外国語」状態なんだろうな。
というわけで、先ほど帰りに本屋に寄って、
その子が一番点数が取れそうな英語の参考書を漁ってみた。
ぱっとみ、難しそうなのはもうそれだけでアウト!
とにかく基礎の基礎だけでいい、それすら身に付いていないのだから。


これが一番わかりやすそうだった。

というわけで、明日からちょっとずつ補習する。
とりあえずは保健室に逃げて来ているときに一緒にやろうと思う。
ピアスしてても髪の毛を脱色しててもつけまつげバシバシでもカラコンつけても人生は開けない。


とにかく、やったらできるかもという自分の可能性を実感させないことには、
この子の未来は高校受験という狭い枠にとどまらず、刹那的で暗いものになる。
勉強って、わかると楽しいんだけどな。
その楽しさをわかって欲しい。


この子はヒョウ柄の毛布をいつも持って来てる。
毛布が手放せない様は、まるで赤ちゃん。。。。
ヒョウ柄だけど・・・。

私も、あらたに紺地に白の雪の結晶の模様が入ったアーバンブランケット、というのを購入。
だって学校、寒い! 
これはボタンがついてて、
ひざ掛けにも肩掛けにも、巻きスカート的にも使える優れものアイテム。
感覚的には、毛布を着てるふう・・・もふもふ。安心する。

心も凍てつく受験期には必須アイテムかもしれないなあと思った。
誰にも甘えられないから、せめて毛布の柔らかさに甘える。


私も毛布にくるまって、春まで頑張るのだ!!

















だから明日も寒くてもいい

2012-11-26 22:58:36 | 日記
あんなに暑かった日が嘘みたいに寒い一日。
学校というのは、暑いときは暑く、寒いときは冷蔵庫の中みたいに冷えるから厄介。
今日みたいな、しとしと降る雨の日はなおさら。

遅くまで残って仕事をしていると、足がまず冷えてくる。
熱いコーヒーを淹れて飲んでもだめ。
できることだけやって、退勤。
たまたま帰りが一緒になった先生の車に乗せてもらう。
車でかかってた音楽はエンドレスで古今東西のクリスマスソング。
「・・・・気分が完全に先走ってますね~。」というと、
「こうでもしてないとね~。」・・・。わかる。

私としてはクリスマスというと、
中3のときにしゅっちゅう流れてた「白いクリスマス」(だっけ?)っていう曲のメロディーが忘れられない。
別にオシャレな曲でもなんでもないけど、
そのときの自分の気持ちとともに鮮明に蘇るから不思議。


受験生、そして好きな子がいたりだとか、何かと心が忙しかった時期だけど、
この曲が入ったカセット(!)を、クリスマスに好きな子がくれたんだった。


生徒たちもそんな風に、今聴いてる曲が思い出になるんだろう。


クリスマスソング特集で話が盛り上がり、
結局、途中駅まで行ってくださって、かなりの時間節約。
カラオケは最近めっきり行かなくなったけど、
クリスマスソング特集だったら盛り上がれそう、という話になる。
だいたいみんな知ってるもんね。


しかし駅のホームが寒いこと寒いこと!
あったかいソイラテを買って電車を待つのが最近の日課になっている。
たっぷりのソイラテだったら、
時間のかかる乗り換えも平常心で待っていられる。
しかもお腹が空いてるときは、これである程度お腹も落ち着く。



帰宅して、大根と厚揚げを煮ながらこたつ。
足は温かいのに、手の指先は冷える。困ったものだ。
寒いと、寝られない。
そして朝、「あと5分・・・・」とか起きるのを渋ってしまう。
かといって家にずっと一日中いると、なんだか調子が悪くなる。
元気に外で子どもとわーわー言ってるのが実はいいらしい。
今日も学活の時間は道徳っぽいやつで、久しぶりに1時間クラスで授業。
すぐ面白い方へと事を持って行こうとする生徒達と一緒に笑える毎日は幸せだ。



どうしてだろう。寒いときって、すごく幸せを感じる瞬間が増える。
寒いこと自体は嫌いだけど。(←ぜいたく。。。。)
人のあたたかさを感じる機会が多くなるからかな。

だから明日も寒くてもいい。














キラキラの陰に

2012-11-25 22:40:59 | 日記
最近、Twitterの画面左横にコンタクトレンズの広告が入ってる。
ワンデーのは私も使っているから別にいいんだけど、
あれの「ディファイン」っていうのを最近、生徒が使い始めている。
黒目を強調させるやつ。いわゆるカラーコンタクト。
黒だけでなく茶色や青色もある。あれを使っている。
うちのクラスの子は、先日、青色を入れて来た。
丸わかりだよ・・・。まあ、それが狙いなんだろう。
目が青くなったね、って突っ込むと、
そう?と嬉しそうだった・・・・違うってば。


もちろん、中学生ではどこの学校でもダメだろうけど、
そもそも「目になんか入れちゃダメ」なんていう校則もない。

広告をクリックして内容を読んでみた。
「美しいものには黄金比がある。
その黄金比に近づけるには、これを付けるといい」みたいな謳い文句だった。
それはまあいいんだけど・・・・。

実際、付けているのを見た感想としては、
本人の「きれいになりたい」という願望と反比例して、かなり怖い。
よくホラー映画で、白目のない子どもとかが登場するけど、
あれに似た不気味な感じになるのだ。
わかっているのだろうか・・・。
2年生の女子もこの前やってて、
担任の先生に「怖いからこっち見ないでくれ!」と言われていた・・・。

自分の、内面ではなくて外側のことに意識が集中するのが思春期だ。
特に女子はまつげを増やして来たり、アイメイクしてきたり、いろいろ、キラキラ。
でも不自然すぎて、どれも変。
「化粧、濃くない?」と言うと、
「化粧してない顔なんか人に見せられないもん!」という。
そんなことは無いと思うけどね。
ただ、化粧はするのにスキンケアという概念が抜け落ちてるらしく、
修学旅行のとき、私の部屋で一緒に過ごした女子は、
化粧を落とした顔を見ると、肌がかなり荒れていた。
「化粧水とか乳液とか、付けてないの?」
「付けてない・・めんどくさいもん・・・。」
「化粧だけしてると、肌が荒れるよ。」
と、注意したほどである。注意ポイントが違うけど・・。



最近の女の子向けの雑誌とかを見ると、みんな派手にお化粧してる。
あれを見てるから、自分もやらずにおれないのは分かる気はする。
でももっと、ベースのこと(肌そのもののこと)とか、化粧する意味とか、
そういうのをたくさん特集してくれないかな。
多くの子どもが影響を受けているみたいだし。


地元の公立高校は、学力的には高いけど校則があまりなく、
近年どんどん派手になってきていて、
髪の毛が金髪だったり、化粧がものすごく濃かったり。
通勤の時に会う卒業生が、どんどん派手になっていくのがなんといっていいか・・。

保護者の方によると、
あまりに派手なもんだから、
保護者から「このままでいいんですか?」と学校に申し入れをしたところ、
「いいんです!勉強はしてますから。」という解答だったそう。
それを疑問に思った保護者が委員会に電話して、
委員会から学校に通達が出たらしい。校則厳しくしなさい、と。

というわけで、地元の公立は今後、規則が厳しくなるらしい。
朝帰りのような派手なメイクには、もうお目にかかれなくなるわけ。

何でこんなに派手にすんだろ。
3年生担任を持つようになってから、
ずっと考えている。
化粧しないと人前に出られない!というのは、
わりと言う子がいて、悩む。
そういう子たちに、ただ「化粧はするな」と叱ったとしても、
何も効果はないだろう。
容姿に敏感になるのは10代の特徴とはいえ、
そんなに自分に自信が持てないって、悲しいことだ。
私もないけど、ないまま突っ走って自信が持てるようにいろいろ画策してる。
化粧で絶対の自信が持てたらいいけど、
残念ながら、すぐにはがれおちてしまう仮面でしかない。


本屋さんで、思春期の子たちが手にしてる雑誌をめくってみる。
仮想の10日間(デートの予定とか友達とのパーティーとか)の着回し特集。
どうやったら目が大きくみえるか、どんな化粧品が安くて効果があるのか。
四六時中、そういうのを特集している。


将来、美容業でやってきたいから研究してます!
的な根性ある前向きな子だったらいいけど、
みんな、マイナス思考、劣等感からの化粧だ。



化粧をしている子どもに言うべきなのは、
「そのままで充分可愛い、もっと自分を大事にしてよね」、
っていうことなのかもしれないな。

ちなみに、
「大人はしてるじゃん!」の反論としては、
「大人になったら、化粧は礼儀として必要なんだよ!」
で、失笑がつくのでOK!














「幸せ」作ります

2012-11-24 22:20:53 | 日記
朝から忙しかった。
今日から、とあるワークショップを半年間受講することになったから。
受講申込書はまるで履歴書、学歴やら制作歴やらも書く。
実は既に書いてたんだけど、何と、学校に置いて来た・・・意味ないじゃん・・。

証明写真を撮りに行く。寒い。
駅前のコーヒーショップで写真を貼って申込書を仕上げながら、
それからのことをいろいろ思った。


初めて行く場所は不安だ。しかも私は重度の方向音痴だ。
威張って言うことではないが・・・・。


しっかり事前にネットで調べて、時間通りに電車に乗る。
朝、曇り空だったから、傘を持って来たのだけど、
電車に乗るころにはすっかり晴れていた。
どこかに忘れなければいいけど、という不安は的中した。
忘れて来てしまったらしい(T T)。気がつくとなかったから。


目的の場所に着く。遠かった。
ためらいながらドアを開けると、もう数人の受講生の方がいた。
同じ年齢か少し下か、明らかに年上の方もいる。10人くらいだった。
2回目までのWSは終了していて、私は3回目からの受講だから、
過去2回にやったことをスタッフの方が丁寧に説明してくださった。


制作にうんと時間が使えるときなんて、最近はとんとない。
ありがたいことに4時間ほど、みっちり取り組んだ。
講師の先生が、アイデアを見てはアバンギャルドな(?)ご指摘をくださる。
制作すると、自分のことがちょっと見えてくるのが面白い。

薄々分かってはいたけど、私って、子どもだ。
受講している方には、広告をお仕事にしている方なんかもいて、
とても大人っぽい作品を制作しつつある。
それに比べたら自分はーーー。。。。orz

でも、くじけてやめないこと、
続けて作ること。
低いけどこれが今回の目標だから。


講師の先生は、超有名なアーティストである。
そんな方に意見がいただけるのは貴重だ。
迷って迷って申し込んだ甲斐があった。

「茶柱の意味、今の子どもって知らないんじゃないの?」。
そうかーーと思った(ココだけ読むと、なんのこっちゃでしょうが・・・)。
茶柱、使いたかったんだけどなあ。

私、昭和なんだな頭の中が、って思った。
思えば、自分が接している生徒たちはみな平成生まれ。
昭和なんて、一つ前の時代なんだ、「昔」なんだわ・・・。
意識して新しいものを取り入れていかないといけないのかもしれないけど、
しっくりくるのが昭和的事物なんだよなあ。
柱時計とか、湯のみとかこたつとか。

受講している方々と、講師の先生からいただいた饅頭やせんべいを食べながら、
お互いの作品をみる。まだアイデア段階だけど。

ある受講生の方に普通に話しかけたら、
ジェスチャーで「ごめんなさい」のポーズをされた。
え?と思ったら、
その人は即座に、下にあった紙に鉛筆で、
「耳が聞こえないです。書いてもらえますか?」と書かれた。
はっとした。
私の方がごめんなさいだった。
同世代の女性の方で、とても可愛らしい絵だった。
「そのモグラの絵、私好きです。」と紙に書いて見せた。
その人は嬉しそうな顔をした。

その他の方ともたくさんお話できた。すごく刺激になった。
ちなみに私の描くものは、私によく似てるそうだ。
微妙に嬉しくないぞ・・。
ほくほく幸せな感じがするね、というのが、褒め言葉としては嬉しかった。

幸せなものが作りたい!
そうじゃないものや恐怖は、世の中にあふれているから。



帰り。
乗り換えようと新宿で降りたら、最初、ごん!と小さく床が揺れた。
電車が来たのかと思ってホームをみたけど、電車は来ていない。
あれ?と思っていた矢先、震度4の地震。
突き上げるような衝撃。ぞっとした。
本能的に、「ここから逃げなくちゃ!」と感じた。
地下にいた。あれはパニックになるよ・・。


乗り換えた後は、ひたすら爆睡してた。
もう、頭が興奮したのか疲れきっていた。
でも心地よい疲れで。
家に帰って少し寝てから、トマトと卵で簡単なご飯を食べた。
ちなみにどうでもいいけど最近、
トマトと卵の組み合わせにはまっている。



まだまだ考えることはあるし、
作る方としては未熟すぎるくらい未熟だから、
やることはいっぱいあるけど、
作るって本当に楽しいし、
願わくはもっと人生の時間をかけたいな、とちょっとだけ思った。
それは贅沢な願いだけど。















いつかの鼻歌

2012-11-23 22:43:21 | 日記
近所に、かなり古びたアパートがあった。

暑い日、朝からドアを開け放ち、ステテコ?姿のおじさんが、
玄関の横にある洗濯機で、ラジオを聴きながら洗濯してた。
その横を毎朝、通勤していた。
失礼ながらどう見たって、所得が高い人の住むところではなかったし、
2階建てで8個の部屋があるけど、人が住んでいるのは2~3部屋の様子だった。
線路沿いで騒音もすごいだろうし、駅からも遠い。不便な場所。
しかしその洗濯しているおじさんが、鼻歌まじりで楽しげで、
生活が苦しいとか、そういう切羽詰まったものは全く感じられなかった。
なんとなくほっとする光景だった。

大学出たてでお金が無かった時、私もこういう「~荘」的な古いアパートにいた。
こういうところは、横のつながりがあって、
隣に住んでいた独り暮らしのおばさんが、
「カレー作り過ぎちゃったから。」とか言って、持って来てくれたりしてた。
ある日、このおばちゃんに誘われて隣の部屋にお茶を飲みに行ったことがある。
暗い部屋、日本人形。
旦那さんと離婚してから子どもに会えないことや、
その旦那さんだった人が自分をストーカーしていて怖い、
ほら、今しがた、電柱の脇に誰かいなかった?と言っていた。
私は、誰も見ていなかった。
ちょっと怖くなった。

孤独は、きっと人をおかしくする。
お金の無い暮らしの中で、心に刻み込むように学んだことはそれだったかもしれない。




つい最近、近所のそのアパートが取り壊された。
人が生活していた歴史みたいな、残像みたいなものは、
あっと言う間になくなった。
あのおじさんはどうなってしまったんだろう、気になった。

夜、帰宅途中に通ると、
アパートの向こう側に隠れていた線路も暗い空も丸見えで、
なんだか妙に寂しくなっていた。

今日昼過ぎ、眠くてだるくて仕方ないけど仕事があるから出勤しようと、
そのアパートの前を通りかかった。
雨模様、薄暗い灰色の空の下、
むき出しになった黒い土の上に、テントのようなものが張られていた。

・・・・地鎮祭か。

しかし、下に引かれたブルーシートは泥だらけで、
今から始まるんじゃなくて、もう終わったあとなんだけど、
片付け途中でほったらかしにされたような様子だった。

人が住んでたのに、地鎮祭ってやるんだ。
いや、過去に人がいたから、地鎮祭ってやるのかな。
それとも、アパートで何かあって・・・。



いや、あのおじさんは、
きっともっといいところに引っ越したのだ、きっと。
そう信じることにする。


さっき、帰宅途中、またその前を通ったら、
もうすっかりきれいに跡形もなく何もなかった。
黒い土がてらてらしているばかりだった。


いずれ、新しい綺麗な建物がその土地に建つのだろう。
でも、あんなに楽しげな鼻歌を聴くことはもうないだろう。










夜の祭典 2012・秋①

2012-11-20 22:38:50 | 日記
後期中間テストを終えて、採点中。
楽しくないので、祭典って言い換えちゃおう。

今日も遅くまで職員室は人がたくさん。
連休前には終わらせたいって感じだろうな。
しかし、突然寒くなったものだから体調崩している先生もいて、
カウンセラー室で仮眠をとりつつ採点してる方もいる。


12クラスある私は、終わるわけもなく連休こそが頼みの綱。
とりあえず4クラス終了。3年3クラス、2年1クラス分。
計画では明日2クラス、木曜に2クラス。
金曜はお休みだから頑張って4クラス。これで行けるか。
計画は、ただの計画か・・。

あんまり疲れたので、熱い豆乳コーヒーとコーヒーアイスを帰りに食べる。
なんていう組み合わせ。
しかし、昨日食べられなかったアイスへの執着から解き放たれる。



大量に採点しなくちゃいけないから、例によって、面白解答にどうしても関心がいく。

今回はまだ4クラスしかつけ終わってないから、
これからまだまだエントリーしてくることを願って、題名に①をつけた。


今回、3年生でおまけ問題として出した問題。(合計点に関係ない問題。)


この絵。雪舟の「慧可断臂図(えかだんぴず)」。

試験問題の日本美術史で水墨画についてもあったので、
テストの末尾につけた読み物でこの絵の面白いところを解説。
この解説は山口晃さんの「ヘンな日本美術史」を参照させていただいた。


人物の目が、横向きの体勢なのに正面の目になっていること、
耳も後ろから見たものがついていることなどから、
部分部分、印象に残った形が素直に描かれていて、
それゆえに迫力がある絵になっていることなど、(目力?があるように感じられる、など)
西洋の写実的な絵画もいいけど、こういうのも面白いね、という話。

で、この絵を描いた人は誰でしょう、
もし分かった人がいたら、解答欄はないから名前の下にそっと書いておいてね、と。

毎回、こういうテストに関係ない「クイズ」を出している。
前回はちょうど横浜美術館で展覧会も始まりそうだったので、奈良美智さんについて出題した。
(・・・遊んでないですよ。美術に関係あることを出してます。)


テストが終わったあと、クラスの生徒が、
「あの絵は見たことはあるけど、作者、誰だっけ??」と
本文の問題よりこっちの方を気にしてた。

「雪舟だよ。」というと、
「あーーーーー!そうだったーーー!」と悔しそう。
まあ、おまけ問題だからね。

で、3年生は3クラス採点が終わった今の時点で、
このクイズの正解者は2人だけだった。

しかしいろんな答えが出てきてた。



「狩野永徳」。時代的にはわりと近い。とはいえ、かなり毛色が違う気はする。

絵の雰囲気からだろうか、日本人じゃないと思った生徒がわりにいたらしい。
しかも、画家じゃなく・・・。


「ダライ・ラマ」。
 明らかに絵の雰囲気だけじゃん。・・絵を描いてらっしゃったのか?

「ジョージ」or「スミス」。
 人名を聞くとほぼ毎回出てくるこれらの名前。誰なんだよ一体。

「一休さん」
 なんかちょっと惜しい気もする。

「アブドラ」。
 誰だ!と思って本人に聞いたら、ドラえもんの映画に出てきた人、らしい。
 もう、フィクションとの境目すら・・・(T T)。


油断してはいけない。まだ半分のクラスしかつけていないのだ。
残り3年の3クラス、
どのような敵(?)が待ち受けているか、わかったもんじゃないからね(T T)!!












憧れと、作ることと。

2012-11-19 19:59:16 | 日記
中間テスト。
早く授業がある3年の2クラス分をつけるも、
勉強してない人としてる人の差が歴然・・。
ちゃんと読んどけばできるし、美術史なんか選択問題だったのに。
他の実技教科の先生も、
「できないねー、勉強してないね。
実技教科は手を抜いて、5教科で頑張ってるのかもねえ。」とぼやいてたけど、
それを聞いてた国語の先生が、
「・・・できてないわよ。こっちも。」
とつぶやく有様。そして試験中の緊張感のなさ。
入試、大丈夫かい・・・・・。


でも美術部引退組はかなりの高得点で、なんだかホッ。
顧問的には、やったね、よくやってくれたね、って感じ。



早く帰ろうと思ってたのに、結局採点が手間取ってそう早くも帰れず。
ポスター展、今日は諦めた。

無印カフェで遅いお昼とお茶をして帰ることにするも、
1人席で適当な空きがなかったから、でっかいテーブルの端に座ってたら、
おばさんがツカツカっとやってきて、
「私たち8人連れなんですけど、その席がちょうどいいのよ。
代わってもらえません?」と言われる。

あと、空いてた席は妙に窮屈そうだったけど、そういわれると代わらざるを得ない。
なんとなく納得がいかない気もしたけど、表面上、快く(?)席を代わる。
もうコーヒーも飲み終わる頃だったから、早々に引き上げる。
おばさんたちの悪口大会的なものも隣で始まってたし。

本当はチャイアイスも食べたかったなあ。冬のアイスって、妙に美味しいから。
今度ゆっくり、アイス食べよ。

現実は、様々、美しくないっ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


帰宅前に画材屋さんに寄る。小さいスケッチブックとか無地の色紙を買う。
ちょっとストレス解消も兼ねて。
小さな動物とか、そういうのを紙で作るのが好きだった。
短大時代に作ってたのは、デザイン科の絵本の先生に褒めてもらった。
人に褒められることってあんまりないから、かなり嬉しかった。

暇じゃないけど、もそもそと時々作る。
動物を単純化したり、ありもしない色や模様をのっけたりして作る。

忙しいときにこそ作りたくなるのは、人の性なのかしら。


you tubeでバレエをみた。
バレリーナを作りたくなってるから。
あまりに優雅で、ぼんやり見とれる。時々、きれいなポーズでストップしてスケッチする。
何ポーズか描いてたら、昔見た東欧のアニメのDVDが見たくなった。
壊れかけた人形(バレリーナ)のお話。
不安になってしまうようなラストだったけど、
(同じく壊れかけた人形と駆け落ちして海に沈むんだった気が・・・)
なんとなくロマンティックで好きだった。

でも、家になかった。
そうだ、部活の子に見せたいと思って、学校に持ってったままだった。。。
見たい時に見れないのって、辛い。

バレエが好きなのはどうしてなんだろうと考えたら、
小さな頃に買ってもらったオルゴールを思い出した。
オルゴールの音が鳴ると、上に乗った小さなバレリーナの人形がクルクルと磁石で回る。
それをずっと眺めていた。簡単な作りのものだったけど、綺麗だった。


バレエは背が高くて細くて綺麗な人がやるものだから、
背も小さくてとりわけ美しくもない自分には全然向かないけど、憧れて習ってたこともあった。
あの美しい、優雅なポーズを保つために、
文字通り、血のにじむような苦しい練習が必要だと知った。過酷。
だから、バレエをやっている人は無条件で尊敬してしまう。
自分にはできないから、作るものの中で表現できたらなあって思った。




創作を始めることにした。
迷いながらいつも、そこをウロウロしてた。だったら、やってしまった方がいい。
でも一人では立ち止まってしまいそうだから、同じ志のある人たちのところに身を寄せて。

その時に、バレエの要素を入れたいと考えている。
小さなスケッチを重ねながら、
どんな物語にしようかなとちょっとだけワクワクしている。

とはいえ仕事優先なのは、仕方ないけど。









ここじゃない場所

2012-11-18 17:27:52 | 日記
土日、学校に行かないで家で過ごす。
テスト期間だから、部活もないし。
目覚ましをかけずに寝てたら、昼前までこんこんと寝てしまう。
・・・だめじゃーん、せっかくのお休み。
それだけ疲れてたってことか。


馬車道でやってるポーランドポスター展に行きたいし、
現代美術家の山口晃さんの平等院養林庵書院に奉納された襖絵もみたい。
ちなみにこれ、ほんとに凄いらしい・・・。
行った方のブログの記事によると・・・

来迎のシーンが汽車らしいんだけど、その汽車の動力がなんと木棺!
死者を燃やして極楽浄土へひた走るっていう・・・なんだかヘビメタ。
しかもこの汽車、三等級にわかれているという。その様子がまた!

もう、見に行くしかないわ、これ!
山口晃さんの著作「ヘンな日本美術史」も面白かった。
新しい角度で、日本美術史を眺めるきっかけをくれた。
同時代に生きている面白いアーティストの作品に、思想に、
もっと触れてみたいと思った。会田誠さんの展覧会も始まったし、
いろいろ行くべきものはある。

とりあえず京都、行きたいなあー、京都。
昨日、今日と2学年の先生2人が修学旅行の下見で京都に行っている。
うーん、代わりに行っても良かった。

そのうちの一人の先生が、
「途中で4時間ほど自由時間もらって、『エヴァQ』観に行きます!」って言ってた。
京都行ってまでみることないよー・・・(^^;)。
やっぱり私が代わりに行きたかった。4時間あったら平等院へ行くよ。

2年生の先生たちとはなんだか相性が良くて、
「来年はうちの学年においでよ!2年連続で京都へgo!」って言ってくれる。
でも、そうなると3年生を立て続けにやることになる・・・。
それは、ちょっと・・・なあ。


Twitterでフォローしている美術の先生も、
直島と豊島に旅行されているらしくて、写真がアップされていた。
なんと羨ましい。

旅に出たいな。

旅行雑誌の記事を書く仕事っていいなあと高校時代に思ってたけど、
それは、文章を書くのが好きということもあったけど、何より旅が好きだったから。
いつも旅の空なんて、なんて刺激的な人生!


京都行きたい。
ちなみに美術館えきKYOTOでは12月2日(日)まで、
山口晃さんの『山口晃展 ~山口晃と申します 老若男女ご覧あれ~』という展覧会をやっている。

・・・行きたい。行けるか?

目下、行けまいか画策中!!

いつも、『ここじゃない場所』に憧れる。
それは、いいのか、悪いのか・・・・。




















意外な息継ぎ

2012-11-17 01:08:36 | 日記
退勤したのが22時半だった。
今日は職員室で遅くまで仕事してる人もいて、一斉に帰る。


テスト前はテスト問題を必死で作っている先生たちが遅くまで残る。
たぶん、明日、明後日あたりピーク。
お泊りもでてくるだろうな。

私は土日はちょっとでものんびりしたいので、
できるだけ今日で終わらせる!つもりで、
まずは作品採点から。3年の篆刻印を全員分押してみて、
彫りと押したときの感じを両方見る。個性的な作品で見てて楽しい。

夕方まで試験問題を推敲し、末尾におまけの鑑賞の読み物を作って、
やっとのことで印刷して冊子形式にしようと折り機にかけたら、
折り機の調子が悪い。中心できれいに折れてくれない。
手で折った方がきれいに折れたので、約400人分を手で折る。
・・・・2時間かかった。くたくた。

早く終わったら、お店に寄ってコーヒー飲みながら本を読もうと思っていたけど、
そうはいかなかった。読みたい本はスタンバイしてるんだけどなあ。


この時間に帰ると、いろいろ困る。
スーパーが開いてない、もしくは閉店しかけてるかっていうのが困る。
今日はもう閉店しかけていたから諦めた。
家にあるものでご飯にするしかない。

豆腐とねぎと大根と、それからおそばがあった。
そばいいなあ。

夜のそばって、大晦日を思い浮かべる。
実家では、大晦日の23:45くらい、「ゆく年来る年」が始まる頃、
母と私でそばを茹で始める。
大晦日のそばは、高級なのを食べるのが実家の習わし。
家族でふーふー言いながら食べる。
そばはブツブツ切れるから、
その年の内にそばを食べて、悪い縁とは今年でお別れっていう意味があると、
昔、祖母が言っていた。
エビ天をのせて食べるのが一番美味しいから、とある年からはしばらくエビ天付きだった。
祖母が食べる量が年々少なくなっていくのが悲しかった。
そして、祖母が食べなくなって久しい。


毎年の行事だから、今年もやるだろう。
ああ、今年帰れるかな・・・。


そばには、幸せなイメージが勝手にある。
というわけで、大根を小さめに切って出汁で煮て、おそばを入れる。
さっぱりしておいしかった。
夜遅いときはお腹もあたたまるし、胃にはもたれないし、ちょうどいいかもしれない。

とりあえず、土日は出勤しなくてもいいところまで仕事を終わらせた。
ただ、1個ミスしてしまってた。
学校近くのコンビニに、Amazonで注文した本が来てるはずだった。
寄るの忘れてた。家で受け取れないことが多いから、コンビニ受け取りにしてみたんだけど。
行かなきゃいけないかー。


明日、コーヒー飲みがてら取りに行こうかな。
そしてどこか、何か見に行こうかな。


一生懸命仕事したあとは、まるで深い海に潜ってたみたいで、
深く深く息継ぎをする。

おそばが意外にも、身体にもだけど心にも、いい息継ぎだったみたい。












ひな菊の人生

2012-11-14 21:17:56 | 日記
危機的状況。
平たく言えば、テストができてない・・・。
試験範囲、こだわり過ぎて逆に自分の首を絞めている。

ただし、なんとなーくはできている。
けど、まだ完成はしていない。来週月曜にテストなんだけど・・。

部活も試験休みにしててないので、
17時かっきりに学校を出る。校長先生と帰り、一緒になる。
校長先生は、これからお偉いさんたちと飲みなんだそう。
上の方の人たちもおつきあいが大変そう。

校長先生は素敵な女性なので、
普段どんごれどんごれしてる私はとっても緊張する。
実は1つ目の出身大学の先輩なんだよね。

大学の内部生(高校から上がって来た人)はお金持ちでオシャレ。
内部生の女の子たちは綺麗な服を来て、
外車に乗った彼氏が大学まで送り迎えという図がよくあった。
アナウンサーとかになっていった。私立大、恐るべし・・・。

でも私たちのような、大学になって地方からきた外部生は全く普通の大学生。
昼は大学、夕方はバイト。
大学では、内部、外部、という言葉でしっかりと生活圏が区分されてた。
そこで、階級って存在するんだなと思った、19歳の春。


校長先生は当然、内部生、超お嬢様。
私は外部生だった。うーんやっぱ・・・違う。


うちのクラスの女の子が失恋して、落ち込んで気力をなくしてて、
進路面談もすっぽかして、
せんせーとお父さんであたしが行くとこ決めといて・・・とか蚊のなくような声で言う。
失恋の痛手は、時間で癒すしかなさそうだけど、
入試にはもうカウントダウンの時期。
ううう。
進路だけでも決めたいのだけど。本人全くその気なし。

校長先生に帰りながらそのお話をする。
男の子を一途に好きになるってとっても可愛いんだけど、
校長先生曰く、「男なんて星の数ほどいるんだから!」とさすが一刀両断。。。
でも中学生にはそういう発想はムリかも・・・。
「私がアドバイスしてあげるから、校長室に連れて来て!」
恋は駆け引きよ!!と校長先生のいい女っぷりが炸裂してる。

「先生の戦歴が伺える発言ですね、私にはとても言えないです。」
というと校長先生も笑ってた。

草食系っていうのを超えて、もはや植物だ、私。
光合成してる日々。
できたら、ひな菊あたりの植物がいいな。そういえば、「ひな菊の人生」って小説があったような。

高校時代のベランダで(←これは昔、友達に言われた)。
今はきっと美術室で。太陽を浴びて、夢を光合成してるのだ。

人間、そんなに変わらないよね(笑)。


美味しいお酒が飲めるように、ちょっと指圧のお店行ってくるわ!
と颯爽と言う校長先生に挨拶をしてわかれた。



コトコトとやってきた電車に乗る。
当たり前だけど、感じ方ってそれぞれなのねーと思う。
私なりに、面白い人生を送りたいと思う。
頭の中にいろいろよぎるイメージや、言葉の断片や感覚は、
私の宝だから、無駄にしてはいけないと思う。


というわけで、ちょっと面白い講座に申し込んでみた。
試験まだできてないけど(笑)。

でも定員20名だから、もういっぱいかなあ。
先日、東京藝大のクレア・キッソンさんの講演の時に案内を配布してたからもらった。
そのチラシを眺めては迷ってたけど、えいや!っと申し込んでみた。

行ったことのない場所に行くのは勇気がいるけど、
ひな菊の人生に幸あれってことで。


















区研の憂鬱

2012-11-13 23:01:18 | 日記
今日は午後から区の研究会と作品展搬入。
生徒は13時には下校。
例のごとくご飯を食べ損なった私、作品を持ち運べるように包んで出発。
途中で、個別支援級の先生の車に拾っていただく。
すごく近くの学校へ行くんだけど、学校って、不便な場所にあるのよね。
拾っていただいたおかげで、かなり早めに到着。

懐かしさで胸がいっぱいになる。

私が1年間、非常勤講師として勤めていた学校だったから。
もう7年前か・・・・。
評価の仕方はおろか、授業の仕方までわけわからないまま配属になった学校。
それなのに美術教員は私ひとり。しかも、土日はまだ幼児教室で仕事をしてた。
正規のキツい先生に「非常勤は常勤がいなくなってからパソコン使って!」と言われて、
泣きながら夜、一人で成績付けてたなあ・・・。

そう思うと、景色が暗く見えてくる。苦労してたな。

中に入ると、きれい。あの頃もきれいな学校だった。
美術室に入ると、きゅんとした。

だって、私が去る前に片付けた棚がそのままあったから。
仕分けした箱まで・・・。

研究授業は、「絵本鑑賞」だった。
鑑賞を研究授業でやるなんて、勇気あるなあと思った。
難しいもん。

小学校のときに読んでた絵本を、造形的な視点から見つめ直すという授業。
「モチモチの木」の大きな絵本を見ながら、
絵の工夫を話し合わせる。色、形、構図・・・。
中1だったけど、結構いろいろ発言してて面白かった。
まだ小学生みたいな可愛い1年生で、絵本を素直に喜んでいた。
そのあと、班にわかれて、配布された絵本の中にある絵の工夫を3つ、話し合って挙げる。
配布された絵本も「ハラペコあおむし」とか「やまなし」とか、みんなが話を知っているもの。
そして最後は、各班の代表者がそれを発表するという形式だった。

これ、いいなあと思った。
絵本に対して新しい視点を子どもたちに持たせるって、いい。
イラストやアニメの制作にも繋がるよね。

自分が絵本大好きなものだから、生徒の中に入って一緒に鑑賞。
「先生、どこの先生なの?」と生徒に話しかけられ、
「◯◯中!」って答えたら、
「〇〇くん、知ってる?」とか、知り合いの名前まで出てくる始末。
 もうそれくらいご近所中学。

そのあと、生徒を下校させて研究討議。
私が改善すべき点だなと思ったのは、声の小さい女の子の意見がかき消されていたこと。
生徒たちは口々に意見を言うけど、
先生に聞き取ってもらえるのは、声の大きな、自己主張の強い子ばかりだった。
私は、自分が内気で声の小さい子どもだったから、
こういう時、とりあってもらえないことのかなしさが分かる。

手を挙げさせて意見を言わせるほうがいいなあと思ったから、それを意見として言った。
でも授業そのものはとても面白いものだった。準備もしっかりされていたと思う。

その後、巡回展のため持ち寄った作品を各校ずつ解説していく。
でも、今回、ちょっと気になったのは、
「評価しやすい課題を意識的に選んでいる」ということ。
はっきりと先生方が言ってたし。
人物画とか風景画とか、確かに評価しやすいし、その評価に対して保護者も納得しやすい。
上手い、そうでないがはっきりと出るから。
うちの区はものすごく教育熱心で、
評価についてもすぐに保護者から問い合わせが来るから、
それへの対策っていうのもとっても理解できる。


けど。

その課題って、面白いのかな・・・・。

そこが問題。大問題。
しかもまるまる3ヶ月ずっと風景画って。
・・・ワクワクしないじゃんー。

確かにハマると楽しいだろうけど。。。
ハマれない子の方が正直、多いと思う。


それに対して反論はしなかった。
まだ、反論できるほどの実践を、自分ができてるとも思えないから。
すっきりとしないまま、会場校をあとにした。



あ、そうだ、何にも食べてなかった・・・。

駅まで歩いた。
そう、この学校、駅までものすごく遠いんだった。
駅前でトマトのパスタとカプチーノ。

子どもが面白いと思うものをやりたい。
というか、子どもと一緒に、自分もいつもワクワクしていたい。

そう思う自分って、違うのかなあと、
カプチーノ2杯目飲んで考えたけど、よくわからなかった。








明日も休んでいいですか?

2012-11-12 22:25:29 | 日記
代休だったけど、出勤。
区の美術展への搬出準備。

撮影した生徒作品をプリントしに行く。
出来上がるまで1時間、ということでランチ。
平日に外でランチって、久しぶり。

お店に入ると、見事に女性ばかりだった。
そうか、こういう日常もあるんだな・・・。
いそいそと働いてる自分って一体なんだろうって、ちょっと思った。

学校へ。なんとなく今日は行きたくなかったけど、仕方ない。
準備準備。

区の作品展は区の学校を巡回する作品展。
小さいけど、やっぱりきちんと出したい。
ということで、凝り始めるとすぐに時間が経ってしまう。
気づくと17時。外はもう暗くなり始めてた。
部活の生徒の声も途絶えて、静かな校舎。
と、携帯に電話。
電話がかかると、反射的に身構えてしまう・・・。
保護者からかな、何かあったかな、とまずは思うから。


WSの授業でお世話になっている財団の方だった。
最後の授業の日付が決まってなくて、後で連絡しますって言ったのに、
バタバタしてて連絡し忘れてしまっていた。
こういうところ、ほんとダメだ。
そのことを丁重に謝る。
先方のお話は次年度の予定のことだった。
まだ詳細は4月にならないと決められないけど、
とにかくまたお願いしたい旨を伝える。

あと、講師の方へのお金のお支払いについてのお話。
お金のことは全然、どれくらいかかっているかもわからないけど、
講師の方に損はないようにして欲しい。
WSがボランティアだったら、きっと誰もやってくれなくなるもんね・・・。


準備してると、ここはこうした方がいいかも!とか
いろいろ見せ方を工夫したくなる。
あれやこれや準備してると、また電話。
見知らぬ番号だなあ、保護者の方かなあと不安に思って出ると、
他学年の先生だった。

「夕ご飯どきに悪いねえー、今ご飯?」というので、
「いや・・・まだ学校です。」と私。

「・・・・出るよ。」

「・・・はい?」

「出る出る(笑)。もう誰も残ってないでしょ。」

・・・・・。嫌がらせか!
私、多少忙しいんですけどっ!

「えっと・・・、職員室には誰かまだいると思いますけど、何ですか?」
「ああ、総合学習のね・・・」

今度、修学旅行に行く学年で、
総合的な学習の時間の中に美術の授業を組み入れる計画を立てていて、
授業案を総合学習担当の先生に出していたんだけど、
それに対する質問と確認だった。

一通り説明して、納得してもらう。
「OKですか?」というと、

「OK、よくわかった! で、・・・・出るよ!」と電話が切れた。


(- -;)。
なんだかね。からかわれてるよね・・・。


しばらく職員室方面から人の声が聞こえてたから、まだ誰かいるなあと思ってた。
で、安心してゴソゴソしていたら、
廊下からなんだかさっきとは違う声が・・・・。

耳をすましてみると・・・・


「速やかに退出してください、速やかに退出してください・・・・」
機械的な声が繰り返されているではないかっ!

・・・警備かかってるじゃーんーーー!!!!!
もう誰もいないと思って、警備をかけて出た先生、誰よ~(T T)。


これはまずい。
廊下に出ると真っ暗。
とりあえず警備を解除して、警備会社に連絡しないと。
廊下に出ると、警備システムが人影(=私)を捉えて音を出した。

いや職員(=私)だってば!!怪しいものじゃありませんっ!
このままだと、警備会社の人、来ちゃう!!!
急いで警備を解除して、警備会社に連絡。

「すみません、職員がまだ残ってたのに、警備かけちゃったみたいで。」
警備会社の方も、
「わかりました。退勤するときにはもう一度ご連絡ください。」と半笑い。

ぐすん(T T)。
なんだかものすごく疲れた。

美術室にいると忘れられてしまう・・・。

これはもう、職員室の自分の机の上に、
宮澤賢治みたく「今、下の畑にいます」的な札が必要だわ。
ぬいぐるみでも置いとこうかしらね・・・・。

なんだか、とっても物悲しい代休(T T)。
明日、休んでいいかなー、もう!

















コンテンポラリー体感 ②

2012-11-12 00:12:55 | 日記
当たり前だけど、講演は英語で行われた。
通訳さんがついているのだけど、
かなり長いこと英語で話したあとに通訳だったので、
頑張って英語のまま聞き取る方が、なんとなくでも意味がつかめた。
もちろんわからないところもたくさんあるので、
通訳の方のお話もしっかりと。

身体全体を耳にして聞いていた。ほぼ3時間、英語圏。

短編アニメーションが作られるバックグラウンド(制作費とかプロダクションとか)の話も面白いけど、
私はやはりアニメーションそのものに興味があった。

しかも今日の講座の題名が
『社会批評のメディアとしてのアニメーション:チャンネル4の歴史』だったから、
「社会批評としての」ってところにものすごく興味しんしんだった。



今日見せていただけたのが、
1 Dreamless Sleep (David Anderson 1986)
2 Street of Crocodiles (Quay Brothers 1986)
3 Creature Comforts (Nick Park 1989)
4 Death and the Mother (Ruth Lingford 1997)
5 A is for Autism (Tim Webb 1992)
6 The Man with the Beautiful Eyes (Jonathan Hodgson 2000)
7 City Paradise (Gaelle Denis 2004)

アニメーションは「感覚の表現」としてものすごく優れているなというのは前からあったけど、
社会批評としても優れているなあと思った。
暴力的でなくユーモアがあり、穏やかな手段として。
なんて民主的な手段だろうなあ。

個人的には、5番目の「A is for Autism」(日本名:「じ」は自閉症のじ)に感銘を受けた。
自閉症特有の感覚をアニメーションとして表現している作品。
自閉症の子どもの作品とアニメーターの技術が結集して、素晴らしい作品になっていたし、
なかなか一般的には理解されない自閉症特有の感じ方がわかりやすく表現されている。

6番目の「The Man with the Beautiful Eyes」は、
近所の不思議な屋敷に住む男の話。
子どもたちはそこには絶対に近寄るな!と親達から言われているけど、
当然、子どもたちは好奇心で近づく。そして一度だけ、住人である男に会う。
ウイスキーの瓶を片手に、酔っぱらった男が、
「楽しく生きてるかい!」みたいなことを子どもたちに行って家の中へ戻ってしまう。
ものすごく目が美しい男。
子どもたちはもう一度会いたくて、家の周りをくる日もくる日もうろつくけど会えない。
そしてある日、
その屋敷は、周囲の竹やぶごと丸焼けになってしまうのだ。

子ども達は思う。

これは、綺麗な目になれなかった大人たちが、
彼を妬んで全て燃やしてしまったのだ、と。
僕らには自由はない、
将来、僕らは死んだ目して生きる親達のように「死ぬ」しかないのだ、と。

その場面の表現が怖かった。


どの短編アニメーションも素晴らしかった。
時間がなくて、2番目の Street of Crocodilesと4番目のDeath and the Motherは
ダイジェストでしか見られなかったのが残念。
どれも心に突き刺さってきた。
アニメーションってあらためてすごいパワーだ。。

最後の質疑応答では、
研究者の方々や留学生の方が質問していらっしゃった。
専門家の方と学生がほとんどだったみたいだけど、
公開講座で、しかも無料でこんな素晴らしい講座を開いてくれてるなんて・・・。
帰り道はお腹ペコペコだったけど、気持ちはとても高揚してた。



今後も参加できるよう、案内を届けてくださるように登録。
自分でも作ってみたいなと不敵にも思ってしまった、素敵な講座でした。






















コンテンポラリー体感①

2012-11-11 23:27:11 | 日記
冷たい雨。
今日は家でゆっくり・・・と思って目覚ましを無視してたら10時。
さすがに起きてTwitterを見てたら、これは!というのが流れて来た。

コンテンポラリーアニメーション入門 
~現代短編アニメーションの見取り図~2012

うわあ、行きたいな。山村浩二さんが進行だし。
クレア・キッソンというイギリスのアニメーション研究家の方の講演。
海外の短編アニメーションもいくつか放映するとのこと。
今日の18時から、横浜の馬車道。東京藝大だ。。
でも先着90人。その他は外でテレビを通しての見学になります、とあった。

よくよく考えてたら、今日は学校へ行くべき用事があった。
区の作品展の準備。そういえば火曜日に搬出だった・・・・。
あまりに毎日忙しくて、作品展のことが飛んで行ってた。
大きい作品展ではないし・・・。
けど、毎年きちんと出しているから、今年も出すべきだよなあと思った。
じゃあ準備をして、18時までに馬車道へ!ってことに自分の中で決めた。

学校へ行くと、ほとんど誰もいない。
それはそう。だって、昨日から職員旅行だもの・・・。
私は行かなかった。
疲れが溜まってたからとにかく寝たかったし。

区の作品展は、立体作品は出せないから、写真撮影して出す。
2年の陶芸ランプシェードは、部屋を暗くして光を入れて撮影。
3年の木箱も撮影。その他の作品を選んだりしてたら、いつの間にか17時に!!
まずい~~、中に入れないかも!


夕飯を食べる時間もなく、急いで馬車道へ。
同じ横浜でも学校のある場所は田舎だから遠い。
途中でカロリーメイトを買って食べる。
カロリーメイトはやっぱりチョコ味だと思う。

こんな食生活はダメ、っていう見本みたい・・・。


到着したらちょうど18時。もうダメかもと思って入ったら、
意外にも受付でもらったのは「56番」の札だった。
寒い雨のせいで、人が少ないのかな・・・・。
人の気配がして受付からふと上を見上げたら、
吹き抜けのところにいたショートカットの外国人の女性と目があった。
息せき切って走ってきた私を見て、ニコッと笑った。


私が席に座ったら、ちょうど始まるところだった。
それでは、クレア・キッソンさんです。と紹介されて入ってきた女性は、
まさにさっき目があったその人だった・・・。
優しそうな、しかし聡明な感じの年配の女性だった。

この人は、「チャンネル4」という、
イギリスのアニメーションチャンネルで様々な名作を世に送り出した方。
















子どもと大人の間で

2012-11-10 21:02:52 | 日記
午前は土曜参観日と午後は部活動見学日。
1時間目は自分のクラスの美術。
ラッキーなことに、今日は1時間しか授業のない日。

朝イチの美術、誰も見に来ないだろう・・とタカをくくってた。
そしたら、生徒の保護者で同業者の方(数学の先生だけど)がいらっしゃってた。
保護者の方でも多少緊張はするけど、同業者の方はより一層緊張する。。。
しかも前任校で多少、関わりのあった先生~。。。(私が持ってた部活の前顧問!)


はい、緊張しました!((((。。;)
いつになったら、緊張しなくなるのかな。



その後は学級通信と後期の中間試験問題作りに邁進。
3時間も空きがあるなんて嬉しい。

学級通信では面接についてのことなどなど、そろそろ本気受験モードの記事を書く。

1週間に1回、週末に学級通信を発行しているけど、
先週は面談やらなんやらでしんどくて出せなかったからデラックス版に。

3年前、やっぱり3年生の担任をしてた時の学級通信をひっぱってきて見ていると、
3年前もやっぱりひたすら頑張ってた自分を思い出す。
何も分からなかったぶん、今より余計に熱い記事だったかもしれないなと思う。

6年間、できるだけ毎週末に発行してきた学級通信は、今ではクラスの日記帳のようなもので、
過去のことを振り返るときのいい資料になっている。
そして何より、
自分が努力してきた日々の思い出であり、宝物だと振り返ってみて思う。


中間試験では2、3年生とも美術史も出題するので、
日本の美術史の方は社会の歴史の教科書を資料として使う。試験範囲にも入れた。
西洋の方は、今の2年生からは自分でプリントを作って3年生の前期で現代まで行くようにしてみた。
美術史を知っておいて、損はないと思う。
時間が限られているし、細かいことより、大きな流れをつかんでほしいことを常に言っている。
高校や大学で、必要だったら細かいことを覚えればいいと思う。

歴史の教科書は昔よりもずっとカラフルで分かりやすくて、今の子はいいなー。


新しい世代になって2週間の部活動。
進路面談で、ろくに顔が出せていなかった。
久々ゆっくりと部活に出て、生徒と話しながら私は3年生の授業作品をチェック。
3年生がいなくなった部活は、寂しいだろうなと思っていたけど、
まあ確かに寂しいけど、また新しい世代も頑張ってる。
3年生が引退した日、「イラスト部にはならないで!」というメッセージを後輩達に残したのだけど、
後輩たちはその言葉を忠実に守って活動するようになっていた。
1年生も真剣にデッサンをやっている。これでいいですか?と作品を見せに来る。
アドバイスを素直に一生懸命聞いている。
文房具を描いているのだけど、「デッサンって、楽しいですね!」と1年生が言うから嬉しかった。

先輩のパワーって、すごいなと感心。
ありがとう。なんて素晴らしい先輩だったの、3年生・・・・。
1年生のときはアニメが大好きで、アニメのキャラばっかり描こうとする人たちだったのに。
いつの間にそんなに成長したのか。


そうこうしてたら、帰宅したはずのクラスの生徒が泣きながら学校に現れた。
話を聞くと、家で両親が大げんかし、いつもならなだめる役目をする父がキレて、
離婚する!という話になったらしいのだ。
それを聞いてショックだった生徒は、走って家を飛び出して学校に来たという。
たぶん、売り言葉に買い言葉だと思うけど、この不安定な時期の子どもにはきつい。
泣きじゃくってた。勉強なんか手につかない、と。

そんな、迷った子犬みたいな姿を見て、
なんだかんだ言っても、中3でもやっぱりまだ子どもなんだなと思った。

中学生の家庭って、両親がだいたい結婚して15年くらいのご家庭だったりするから、
ケンカもよくあるらしく、こういう風なことでショックを受けて泣く生徒が結構いる。
私の両親もこの時期、ひどく仲が悪くて、
とにかく面白いことを言って家を明るくしようと必死だった気がする。

自分を大切に見守ってくれる人たちが、まだまだ必要な時期。

大人と子どもの間を、生徒たちがフラフラと歩いている。
私はしっかり大人になって、この人たちを支えないとなあと思った。