しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

ゴールデン、ゴールデン

2012-04-30 20:19:39 | 日記
早いもので、ゴールデンウィークも前半三日が終了。
後半、はてさてどうするか。明日とあさって、仕事しながら考えるかな。
行きたい美術館が、絶対行きたいところ1つ、
その他、気になるところがチラホラ。
こうなったら、全部休み中に行っちゃうか!! 

無策・無謀。

今日は本当にゴロゴロ。こんな日もいいなあ。
朝起きて洗濯、少し掃除して、
ぼんやりして二度寝。昼過ぎにまた起きて本読んで豆乳コーヒー飲んで。
買い物行って夕飯の材料と部活の画材買って。
ゆっくり時間が過ぎて、今に至る。
洗濯物にアイロンを当てて、夕ご飯作りが今からの仕事。
普通だけど、こんなにのんびりと暮らせたのは本当に久しぶり。
今日は、豆腐ハンバーグを作ろうと材料を買ってきた。

文明堂の「三笠山」というどら焼きが和菓子コーナーにあり、購入。
文明堂と言えばカステラが有名だけど、これも美味しそう。
コーヒーと一緒だと一層美味しいだろうな♪
ネットにもあった。こんなの。↓



仕事してて夕方小腹が空くので、こういうお菓子があると嬉しい。
近くにコンビニもないもんね・・・。
時々、生徒たちが最終下校した後、
職員室でカップ焼きそばを食べてる先生がいるけど、あれはテロだ。
すごいにおいで、お腹がぐーっと鳴ってしまう。

洋菓子もいいけど、なんとなく最近は和菓子に走る。
洋菓子は脂肪が多くて、胃に少しもたれる時がある。年齢かしらん。
三笠山はいいお菓子なのか、消費期限が短かった。
ゴールデンウィーク中だった。4つ、休み中のおやつだね。

一日中家にいると、いろいろ普段気づかないことに気がつく。
ガスレンジや水回り、掃除しているつもりだったけど汚れている。
少しずつ掃除。ためてると良くない。
ハウスキーピングって、大きな仕事なんだなあ・・・。

また明日からあくせく働かなきゃいけない。
働くのは好きだけど、
のんびりと鳥の声をきき、風に吹かれて過ごす時間も恋しい。
今日は、静かに時間を過ごした。
人生において、あと何度こんな日があるんだろう、とぽつんと思った。

外は緑、そよそよと風が吹いて、寒くも暑くもない。
1年中、5月の初旬だったらいいのになあ。









家族の肖像

2012-04-29 22:47:54 | 日記
母が、黒いスポーツカーを購入したというビッグニュースが家族速報で飛び込んできた。
ので、本日2回目のブログ更新。ゴールデンウィークらしいや。

以前乗っていた車が突然煙を吐いた、というのはきいていたけど。
買い替えないとねー、とたしかに言ってたけど。でもスポーツカーとは・・・。

もっと驚いたのは、父がそれに100万出したということだった。
母に似合う車だから、ということらしい。普段、ケチなんだけどなー。
たしかに、激しいところがある、華やかな母には似合っている。
父は普段は相当無骨なのに、要所要所でけっこう、やる。やってくれる。

ちなみに、父が乗っているのは、ワゴン。でもこのワゴンは結構高性能だ。
4年前に亡くなった祖母は足腰が悪かったから、いろんなところに連れて行ってあげたい、と
車椅子を全自動で乗せることのできる機能がついている。もう使うことはなくなったけど。

以前、母がガンとわかったとき、父は照れもせず病床に大きな花束を持ってやってきた。
ときどきやることが日本人離れしてるなあと思った。海外の映画が大好きだからだろうか。
ビートルズと陽水の曲を聴きながら元気を出すから、と土の色の顔色でムリをしていた母が泣いた。
手術して摘出し、10年が経過した。母は、今、一段と元気に非常勤の教師をやっている。
そしてスポーツカーに乗る。
それで公立中学校に勤務するのか、母よ・・・・。ぶっとびすぎだろうよ・・・。

よく考えてみれば、父はずっと母を大切にしていたと気づく。
母は仕事ができた人だけど、それに比例してプライドも相当高いお嬢様然としたところがあり、
ちょっとワガママなところもあるから、納得できないとすぐ父と論争を始めた。
だから仲が悪いように思っていたけど、そうではなかったと家を出てから私はやっと気づいた。
どんなに母が怒ろうが、そういえば父はあまり反論しなかった。
もしかしたら、そのときとても父は悲しかったんじゃないだろうか。

スポーツカーの話題で、家族のことを少し考えた。
父と母が険悪な雰囲気だった家が嫌で嫌で、早く実家を出たいと思って、出た。
けど。

うーん。
実はけっこう良い夫婦だったのかもしれないと今更にして思う。
無骨だけど芯は優しい父と、純真でワガママお嬢の母と。
あの人たち、きっと来世でも一緒になるだろう。

私はまたそこに生まれたい。


















言葉を越えて

2012-04-29 19:56:39 | 日記
朝からバタバタと出勤。部活の日。
ゴールデンウィークだから開店休業状態かと思いきや、
十数人は来て、和やかにのんびりと部活動。
他の部活は、春の大会の予選でみな出払っているから学校は静か。
そういえば早々と予選で負けてしまった部活動の生徒たちが、
朝早くから駅に集まって遊びにいく様子だった。
テイクアウトのコーヒーを片手にボンヤリ歩いていたら、
クラスの生徒がせんせーい!と声をかけてきた。
一瞬、「ん?」って思う。
私服だともうわかんない。

昼前で部活も終わって事務仕事をしていたけど、このポカポカ陽気。
もったいないなあ、外に出たいなあと、適当に切り上げ退勤。
どこに行こうかと思案していたら、以前、駅で見た美術館のポスターを思い出す。
町田市立国際版画美術館の「版画の冒険」。見たいなあと思った。
お昼ご飯を美術館で食べることにした。祝日らしくていいじゃん。

町田は東京だけど、感覚的にほぼ神奈川と言える。
以前、町田に6年ほど勤めていたから、馴染みの深い土地だ。
駅と、その周辺の歩行者天国は混んでいた。
吹奏楽が演奏し、合唱団が歌っていた。たくさんの人がのんびりした格好でそれらを見ている。
祝日の光景だった。それを横目で見ながら歩く。

しばらく歩くと、静かな森を横に従えた国際版画美術館がある。
緑いっぱいの敷地には、水路に足をつけてはしゃぐ子と、
それを眠そうな眼で見守る保護者の方々がまばらにいた。
聴いたことのない鳥の鳴き声が森からきこえる。
落ち着く場所、前職の時もたまにきて、ぼんやりしていた。

中も混んでいなかったけど、今日はたまたま小学生向けのワークショップをやっていた。
受付で、「今日は子どものワークショップがあるので、ちょっとにぎやかですが申し訳ありません。」
と言われたが、私にとっては好都合だ。
ワークショップをやっているそばまでいき、作品をみながらもピンと聞き耳を立てた。
エッチングをはじめとする版画のほとんどがモノトーンのものだけど、
子ども達は手に色セロファンを貼った厚紙を持っていた。セロファン越しに作品をみている。
この作品には、どの色のセロファンが似合うか、それはどうしてかを発表していくWSだった。
子どもたちは一心不乱にセロファン越しの作品を見て、似合う理由を一生懸命説明していた。
言語活動を重視する最近の美術教育にのっとったものだ。

その他にもWSがあったようで、それのための道具が置いてあった。
その道具は「ART CUBE」という鑑賞用補助教材だった。

作品の素材や造形要素、版画の種類などを触って確かめることができるこの教材に、
保護者たちのドサクサに紛れてしれっと触っていたら、学芸員さんがパンフレットをくださった。
2005年に福島県立美術館と郡山市立美術館の学芸員さんによって作られたというこの教材は、
相談すれば全国どこでも貸し出すことができるもののようだった。
昨年度、美術の授業でドライポイントの制作をしたものの、時間がかかりすぎたので、
今年度は制作はなしにしてしまったけど、鑑賞では版画を扱いたかった。
なにか面白いものはないかと探していたから、そこに使えそうな感じがした。
これは要検討だ。来て良かった。

版画の作品も良かった。ゴーギャンの木版画ははじめて見た。野蛮と祈りが混在してるように感じる。
不思議な作品だ。
ルドンは今まで色彩ばかりに目がいっていたけど、元々はモノトーンの世界から出発したらしい。
黒が深くて美しい。

それぞれの美しい線描に感嘆しつつ、様々な時代の、あまり今まで知らなかった作家の作品もみた。
祝日だといっても、人はまばらだった。穴場だ。

たくさんの作品をみているうちに、少しめまいがした。
ご飯を朝から何も食べてなかったことに気がついて、企画展をみたあと、
下に降りて喫茶室に行ってみた。横は版画制作室で、熱心に制作している人がガラス越しに見える。
薬膳カレーというのがあり、それにした。少し鶏肉が入っていたものの、とても美味しかった。
しかも薬膳というだけあって、身体に良さげな感じだった。
そのあと、コーヒーと、りんごともものケーキをデザートに食べた。これもおいしいー!!
なんか、花より団子的な感じになってしまった・・・・。

その後、常設展「家族の肖像」を見て、下の売店で絵はがきを見た。
版画はもともとはあまり好きではなかったけど、
教員になりたての頃、横浜美術館で行われた銅版画のWSに参加してから好きになった。
魅力ある技法だ。夏にでも、ここでやってる1日創作講座に参加してみようかな。

外に出ると大きな噴水のある森があって、そこでしばらくぼんやりと噴水の水を見ていた。
噴水は、大きな金属の彫刻で、ゆっくり動く。動くたびに水がざああと落ちて来る。
人もまばらで、ただ、動く彫刻と水だけに心奪われた。

空と水と緑のセットは、本当に癒される。
森の中を歩いて、駅まで向かった。

たくさんの版画は、緻密で、時に力強く、様々な表情で言葉ではないもので語りかけてきた。
今日は生徒以外の人とは話してないけど、
ものすごくたくさんの人と会話したような感じがした。良い休日だった。



























無限のグレートーン

2012-04-28 20:05:56 | 日記
本の好みっていうのもどうやら変わるらしい。

高校生のときに好きだった吉本ばななさんの本は、好きだけど、
少女マンガみたいでちょっと照れくさい。懐かしくて照れくさい。
大学生のときに好きだった重松清さんの本も、ラスト近くで謳い上げる感じに違和感を覚えるようになった。
沢木耕太郎さんのノンフィクション、乾いた感じも好きだったけど、最近のは読んでいない。
坂口安吾の「堕落論」あたりが大好きだったけど、あの頃私は青春してたのねと思ってしまう。
でも「桜の森の満開の下」は、30代になってから好きになった。名作だ。

好きなタイプの小説も変わったけど、
学生時代よりはるかに人との付き合いが濃くならざるを得なくなった今、
事実は小説より奇なり、である。

先日、2年生の女子数人が美術室横の廊下で集まってヒソヒソ話をしていた。
出していた空気が既に怪しかった。
美術室の横の廊下は昼でも薄暗い。聴くでもなくきこえてきた話は、
仲のいいはずの部活の仲間を、仲間はずれにする具体的な計画だった。
私が◯◯を無視するから、あんたも無視してね・・・それから・・・。
美術室は電気を消して、ドアもぴっちり閉めていたから、誰かいるとは生徒たちも思っていなかったのだろう。
筒抜けだ。
ガッと扉を開けると、生徒たちは非常に驚いた顔をした。

見損なったわ、残念やわ、そんなこと考える人らとはよう思わんかったよ、
と思わず、地元言葉で言ってしまった。
弁明することもなくただ慌てふためいて、生徒達はその場を去った。
2学年の先生に、聴いたことを一応伝えておいた。
なんか理由はあったのかもしれないけど、
集団で仲間はずれの相談、という卑怯っぷりは許せなかった。
冷静に話をうかがおう、なんていい先生はその時の私にはとてもできなかった。

やるなら、一人でやれ。たった独りでムカつくやつに立ち向かえ。
一人じゃなんにもできないくせに。独りにもなれないくせに。
怒りがマジでおさまらんよ。


帚木蓬生さん「閉鎖病棟」を読み終えた。
精神病院を舞台に、患者の目線で書かれている。
一人ひとりの人生にスポットをあて、そこに至る人生の軌跡が淡々と書かれている。
クライマックスは(おそらく)、院内で、一人の少女のために殺人事件を起こした秀丸と、
精神病院で彼と数十年友人だったチュウさん(主人公といえる)が対面する裁判の様子と、
獄中にいる秀丸からチュウさんへの手紙だと思うのだけど、それも抑制した感じがある。
院内での患者同士、限られているけど医療者とのあたたかな心の交流と、
そうは言っても世の中から疎まれている悲しい現実や、
自分がやってきたことへの罪の意識の重さに患者たちが苛まれている様子が描かれる。
作者は精神科医、小説は現実の写し絵なんだろう。

そう、現実を淡々と書いていって、そこから本質を焙り出して行くタイプのものが最近は好きになった。
帚木蓬生さんはかなり昔から活躍している作家さんだったらしい。
私が知らなかっただけだった。
この人の小説は、社会的地位の低い人や弱き人にスポットを当て、
社会の暗闇を照らし出すタイプのものが多い様子。
他のもぜひ読んでみたい。

年月が過ぎれば、また好みも変わって行くのかもしれないけれど。

しかし、好みが中1くらいからちっとも変わらないのが推理小説。
こちらはたぶん、ゲーム感覚なのかもしれない。

恩田陸さんの「訪問者」を今日から読むのでワクワクしてる。これぞ黄金週間。
今日から精神的に『嵐の山荘』にこもる・・・。

今日は一日中、ガラスをやっていた。
透明なガラスと不透明なガラスの組み合わせがきれい。自分的には良いのができてきて嬉しい。
無用な飾り気が一切ないステンドだ。女性ならもっと華やかなのを作れとも思う。
無彩色の、微妙な違いのガラスの組み合わせが、らしいね、と先生に言われた。

無彩色、白でもなく黒でもない、その間の無限のグレートーン。
色は本当はいろいろ好きなのだけど。

これが今の私の心の色なのかもしれない。













孤軍奮闘

2012-04-27 23:43:06 | 日記
結局、新1年生は11人も入部して、
美術部は40人を超える大所帯になった。
男の子も入部してきた。部員41名中、男子4名。

今日は月1回のクロッキー会。
部員をモデルにして、人物を描く。
とりあえず、紙に人物の全身が入るように指導してみた。
1年生もなかなか頑張る。みんな、制服がダボダボでなんだか可愛い。
今年は1年を授業でみてないので、顔と名前がなかなか一致しない。

部長にいろいろ指示を出して、私は部活動保護者会へ。
急いで作った資料を基に、こんな感じでやってます、やっていこうと思います、を話す。
今年度は、今までの美術館訪問やワークショップ参加、アニメーション制作活動に加えて、
できるかどうかわからないけど部活でやってみたいことがたくさんある。

まず1つ目は「学校の壁面を面白くするプロジェクト(仮)」。
廊下の壁が何にも貼ってなくて寂しいなあと思っていたので、部活で大きな作品を作って展示したい。
今は、部員1人が1~2羽ずつカラフルな鳥を紙で作って、壁面に風景を描いてそこに飛ばそうとしている。
風景は日本だったり海外だったり、いろいろ部員全員で描きたい。

2つ目は、福祉施設への訪問。主に老人介護施設などのレクリエーションの時間にお邪魔して、
レクの工作のお手伝いをしたり、自画像を描いてプレゼントしたり。
美術部ができる地域貢献をしたい。

3つ目は、外部の施設での作品展。公民館や郵便局のような公的施設での展示をお願いしてみる。
外に展示されるとなれば、制作に対する緊張感も増す。

4つ目は、これこそできるかどうかわからないけど、海外の学校との壁画共同制作。
ユネスコから学校に案内が来ていて興味を持った。インターネットやテレビ電話を通して、
コミュニケーションを取りながら制作をすすめるもの。壁画制作に入る前に、
文化的な内容の事前学習的なことをたくさんする必要があるようで、どちらかというと部活よりも総合の時間向け。
生徒と相談して、やりたい子が多ければやってみたい。
やりがいはかなりありそうだけど、自分でやりたいことがある子にとっては辛いかもしれない。

普段はのんびりと活動してても、活動したことに誇りの持てる部活動にしたい。
文化部、特に美術部は学校の中でも日陰の存在だから。


ちょっと早め退勤して、絵本講座の説明会へ。
それでも開催時刻ギリギリだった。霧雨。うっとおしい。

静まり返った室内で話し始めた人は、誰もが知ってるキャラクターデザインをした
有名なイラストレーターさんだった。主催者がこの人。
絵本の講座よりもイラスト講座は人気で、
説明会に来た人のほぼ9割がイラスト講座を希望している人だった。
しかし、主催者の方はあくまでシビア、イラストの基礎講座はどなたが入られても結構ですが、
イラスト講座の方は、ポートフォリオができるくらい描き込んでいる方じゃないとついて行けません、
とはっきり。
また、好きなものだけでなく、
どんな課題が出されても、とりあえずオーダーに応えて描くことができないと仕事にはつながりません、とも。
まあ、そうだよね。

そしてとどめに、
イラストや絵が好きな人は引きこもりがちな人が多いですが、
この世界では、そういう人はやっていけませんから、と小さく笑った。

グサって刺さる。でも負けない・・・・。

絵本講座には、絵本や児童文学で有名な出版社の編集者さんが講師としておおぜいいらっしゃるようで、
作品があれば、うりこみもできます、とのことだった。すごい。
絶対入りたい。ただ、課題は過酷そうだ。
一週間のうち4日は確実に仕事で動けない私に、ついていけるのか。それだけが心配だ。
しかし、動かなければ何も始まらない。
場所も遠い。帰って来るのに1時間半~2時間かかる。クタクタになった。
それでも行きたい。明日、申し込みをすることにした。


今年度はいろいろチャレンジの年。
できないこともあるかもしれないけど、いつ心がポッキリ折れるかわからないけど、
「こういう自分になりたい」像に向かって、ひたすら孤軍奮闘してみようかなと思う。















小さなワガママ

2012-04-26 21:42:09 | 日記
コーヒーは相変わらず毎日飲むけど、
最近なぜかオレンジジュースも好き。単にビタミン不足か。
ミネラルウオーターかコーヒーかオレンジジュースばっかり飲む。
オレンジジュースといえば、やっぱりポンジュース。濃くて美味しい。
毎日買って飲んでいる。しかしあんまり飲み過ぎると、口の中がキューと痛くなる。
雨ばかりで滅入りそうだけど、オレンジの明るい色が元気をくれる気がする。

会議が長くて疲れる。しかも15時スタートって一番眠い時間だ。
朦朧と話を聞きながら、うっかりしてると目を閉じてしまう。
きくことよりも起きとくことに必死。一瞬記憶が途切れてて焦る。

あと1日頑張ればお休みだ、ゴールデンウィークだ。
へこたれそうな気持ちを励ます。でもお休みったってノープラン。
ただ明日の夜は、絵本コース講座の説明会を聴きに行く。
迷っていたけど、とりあえず説明だけは聴きに行ってみようと決心して申し込んだ。
自分ももっと創作したい・・・でも、創作する仲間も欲しい、最近すごくそう思う。
学生時代もそうだったけど、創作してる人と一緒にいるのは楽しい。
こういう場だと、相手も自分もかけがえの無い存在のように思えるけど、
普通に働いているときは、他人と比較して自分の能力の無さを感じたり、
自分じゃなくてもできることばかりやって虚しくなることもけっこうある。
自分になんの価値があるんだろう、とふと思ったりする。

だから自分が大事と思えるようになるために行動しようと決めた。
前向きというか、マイナスから0に戻るというか。


その他の日は、美術館行ったり夜は仕事したり、それなりにのんびり過ごしたい。
ゆったりと羽を伸ばせたら、それが一番。のんびりできるカフェとか近所にあるといいよなあ。
1日くらいは、ずーっと寝ててもいい。ゴロゴロしてるだけもいい。
時々、本当に閉じこもって休まないとやばい。
限界が来るまえに、しっかりと休まなきゃいけない。

高校時代に心身の調子を崩して物が何にも食べれなくなったときがある。
何かの限界を越えたらこうなる。未だに、自分の限界がどこにあるのかはよくわからない。
高校1年、新しい人間関係にクタクタに疲れていたのだろうと今にして思う。
水やお茶は飲んでいたけど、食べ物を身体が受け付けない。食べ物のにおいでひどい吐き気がした。
3ヶ月で10キロ減って、点滴でなんとか凌いで登校した。

拒食症をはじめとした摂食障害というのは、心の病気だと知った。
拒食とはベクトルが反対だけど、同じ摂食障害をテーマにした本を心療内科の先生にすすめられて読んだ。
松本侑子さんの「巨食症の明けない夜明け」は今でも深く心に突き刺さっている。
自分が大事に思えないとき、人は知らず知らずのうちに死に向かって加速し走り出す。
摂食障害は、死と隣り合わせの恐ろしい病気だった。

私の思春期はひどかった。子どもの頃になんて、戻りたくもない。
まだ、生徒にもここまでは話せないけど、
同じような子どもがもしいたら、その子に向かってだけ、話したいと思う。

そのとき、母が山の中にあるお寺に連れて行ってくれた。
おとなしくわがままも言わなかった我が子の発狂?に、母もどうしていいかわからなかったに違いない。
静かで空気の澄んだ山の中、言われるまま畳の上にぼんやりと座って目を閉じた。
お経を聴きながら、何かの疲れが身体の奥からにじみ出ていくのを感じた。
母が申し込んでおいてくれた精進料理に、3ヶ月ぶりくらいに箸をつけた。
突然たくさんは食べられなかったけど、涙が出るほど美味しかった。
というか、実際泣いた。何が悲しいのかわからなかったけど。
その日から食欲は少しずつ戻っていった。


だから休まなきゃいけない。
自分のことを大事に思えるように行動しなければいけない。
こういう風に意識できるようになっただけ、大人になったと自分でも思う。
人よりはずいぶんおくれているんだろうけど・・・・。

今日も帰りにオレンジジュースを買ってきた。
別になんてことないことだけど、
そんな小さなワガママができることをとても幸せだと思った。













楽し嬉しい時間

2012-04-25 23:15:02 | 日記
帰り際にぽつぽつと雨が降ってきた。
気が滅入らないように、チョコレートのデザートを買った。
職場で気を張りすぎて、家に帰るとぐったりしてしまうから、
甘いものでちょっとでも元気が出るといい。

放課後、修学旅行の説明会で保護者の方が大勢来校。
あと1ヶ月後に迫った修学旅行での注意事項が主任や他の先生から説明された。
アレルギーなどの健康の事項については、一番留意するところ。
それにしても生徒はいろいろなアレルギーを持っている。
卵、そば、かになどなど・・・・。口に入るもの、触れるもの全てに注意がいる。
ほんの2、3日家から離れるだけでも、もう大変だ。

授業と体育大会の選手決めの学活後で疲れきっていたのもあって、
ここでまた気を遣って余計にぐったりした。
終わって部活に行くと、生徒が楽しそうに絵を描いている。
ここはオアシスだなあ~・・・と思う。
水曜日は課題を出す日で、今日は石膏デッサンの比較的簡単なのにチャレンジしていた。
1年生も7人入部してきた。2年生が新しく5人も入部したし、わりに大所帯になってきた。
とはいえ、36人全員が集まる日はほぼなく、だいたい20人くらいでのんびり活動している。

一通り課題を終えると、イラストを描く子、切り絵をやる子、
スクラッチ画をやる子、クレイアニメを作る子とか、様々な創作活動を始める。
そこに混じって話をしながら、私は鳥の絵を描いていた。
南国に住む、カラフルなオウムを描きたくなった。
描いていると楽しくなってくる。
一日の心の疲れが、美術部の活動で軽減された。
普段は教室でおとなしく小さくなっている美術部員たちも、ここでは明るく元気いっぱいだ。

終了時刻20分前のチャイムで清掃を始める。
美術部の子たちは掃除に手を抜かない。いつもきれいにしてくれるのがありがたい。
掃除後、ミーティングをして、挨拶をして終わり。

塾行かずに家でずっと絵を描いてたいよおお~と部長が嘆きながら下校していった。
なんだか私も中学生に戻って、この人たちと一緒に制作したいなあと思った。
ものすごく3年生は部員同士の仲がいい。こんな人間関係は幸せだ。
そして、作るものを通して、お互いの良さを認め合ってる。

描くのは、作るのは楽しい、嬉しい。人を幸せな気持ちにしてくれる。
心をオープンにしてくれる。
忙しくなればなるほど、その魅力を痛感する。
美術って、芸術ってほんと大事だなあ。
人間らしくありたいとき、常にそう思う。
週1しか美術の授業がないなんて、やっぱりおかしいよなあ・・・・。
















伝染るんです。

2012-04-24 23:10:51 | 日記
今日の人権特設授業は面白かった。
海外で活躍している漫画家さんがいらっしゃって、約1時間の講演。
アメリカでホームレスまで体験したという、かなり貴重な経験の持ち主。
今は日本のテレビにも時々出演しているという。

小学校6年の時に見た外国の映画で、ある俳優さんの大ファンになり、
海外に出たい!と強く思ったそう。しかしここからが普通の人と違う。
どうやったら海外に出られるかを12歳で研究し尽くすのだ。
インターネットのまだ無い時代、書店で「赤本」を調べ、
海外留学する費用を負担してくれる大学を探し出し、
中学では300数人中、最初は280番くらいだった成績を、
一気に常に20番台までに入るようにがんばり、先生がすすめる高校を辞して
ちょっと下の成績帯の高校へ進学、そこで学年1位をキープして、
指定校推薦をもらい、目的の大学へ進学、海外留学の資格を得る。
うわー、なんという無駄のなさ・・・。

とにかくこの人の凄さは、行動力にもあるけれど、
『分析力』も凄かった。私はここに一番感心した。
絵を習ったこともなかったらしいけれど、アメリカンコミックなどを研究し、
日本のマンガも読み、アメリカ人にウケそうな筆ペンを使って描くマンガのタッチを独自で作り出し、
日本文化を所々に織り交ぜたマンガで、
アメリカのマンガ好きの間では知らない人がいないくらいに有名になり、
今や、中国での英語の教科書、日本でも英会話の本などにマンガを描いている。
日経ウーマン・オブ・ザ・イヤーの中にも名前があるらしい。
ものすごいパワーを感じた。年齢的にはたぶん同じくらい。なんだか元気をもらった。
やりたいことは、たった一度の人生なんだから、恥ずかしさなんて捨ててやるのよ、
という言葉は、ホームレスまでやった彼女が言うとほんとに響く。
それにしても、面白い女性がゲストティーチャーにたくさんいらっしゃるのは、
うちの校長先生の顔が広いからだ。校長先生も凄いよ・・・(女性です)。


しかし日本って窮屈なんだなあと、お話を聴きながらあらためて思った。
この方は今はニューヨーク在住。講演のために一時帰国されている。
アメリカでの生活の様子なども話してくださったけど、とにかく自由。
しかし、自分に責任をしっかり持った上での自由だ。
18歳で自立し、学費も奨学金をもらって働きながら自分で返していくのが当たり前という。
いつまで経っても経済的にも精神的にも自立できない日本人にはまだまだマネできない自由さだ。

いいなあ。海外で暮らしたいなあ。あの自由さは魅力だなあ。
と、その自由さは漫画家さんの自活能力の高さがあってのことなんだけども、
それはさておき、部活でぼやいていた。

うちの部活は国際色豊かで、海外経験のある子が数名いて、
「先生、いいこともあるけど、嫌なことも結構あったよ。」と私のぼやきを聴いて言う。
この子は親の仕事の都合で、タイにしばらく暮らしていた。
どんなことが嫌だった?と聴くと、
「物乞いがもの凄かった。足の無い人や顔が焼けて目しかわからない人とかが路上に座って、
物乞いをするの。しばらく怖くて夜眠れなかった。日本ではあんなことはないもん。」

もう一人は、ベルギーに暮らしていた生徒。
「魚が臭かった。とにかく食べ物がまずかった。日本の食べ物は美味しいよ。」

海外に出た事のない私は世界観が小さい。
昨日、新しいAETの先生がやってきて、流暢な英語を聴きながら、
ああ、もう一回ちゃんと英語勉強しようかなあとボンヤリ思う。

わりとよくしゃべる英語の先生は、イギリスやアメリカに留学経験がある。
私は一度も海外に行ったことがないから、行ってみたいなあと思いました、と言うと、
「日本はみんな右向け右で同じ事してないといけないところがなんとなくあるから息苦しいよね、
私も年に一回は絶対、海外へ行って自由な空気を感じなきゃ息が詰まりそうなのよ。」
と言っていた。
「大学まで行った人なら、とりあえずなんとか一人で行けるわよ、一度行ってみたらいいのに。」
とも。
そーか・・。妹はイギリスに行ってたことがあるんだけど、姉の私は日本に閉じこもってる。
なんだか無駄だらけの人生かもしれないしなあ・・・がくっ。

それでも、やりたいことを突き通す人を見ると、単純にも元気が出て来る。
元気に、自分の気持ちに忠実に生きる人って、
それだけでもう生きている価値がすごく高いなあと思った。














雨の中、ハトくんが

2012-04-23 21:28:01 | 日記
雨は好きじゃないけど、雨の音を聴きながらのんびり家にいるのはいい。
こたつに入って聴く雨の音は心地いい。

今朝、変なハトを見た。普通、ハトって雨を避けると思うんだけど、
一匹だけ、雨に打たれながら、電線にずーっと止まっているのがいた。
雨は強かった。鳥は風邪をひかないんだろうか。
修行僧みたいに堅く目を閉じて、ハトは雨に打たれていた。
他のハトが一匹も周囲にいないのに、きみはいったいどうしたの?と思ってしまった。
鳥の世界にも、変なのがいるだけかもしれないけれど・・・。
通り過ぎた後、少し離れて振り返ってみたけど、
やっぱりハトは同じ場所で目を閉じて固まっていた。


ゴールデンウィークまであと◯日、みたいなノリで仕事している人が多い。
カウントダウンしていると楽しいけど、
カレンダーを見てたら、なんだかすぐ過ぎて行くんだろうなと気づく。
どうせなら5月1、2日も休みが良かった・・中途半端に授業だ。

五月病、という単語もチラホラ聞こえる今日この頃、
五月病ってどういう感じなのかはいまいちはっきりはわからないけど、
なんとなく憂鬱なものなんだろう。・・・まさか五月病ではあるまいな。
でも、私は快活なことなんてあんまりない。
だとすると『普通』の状態か・・。

早く帰れるときは早く帰る。今日はいつもよりは早めに退勤。
これだけで気分は軽くなる。
ゴールデンウィークは遠くに旅に出たかったけど無理っぽい。
体育大会、修学旅行近く、やることも多い。
せめて近県、宿泊できなくてもいいから、ちょこっとでかけたい。
美術館を巡ってみるかな。行きたいのはいろいろある。


帰り際、雨はまだずっと降り続いている。
まさかね、と思って今朝、ハトを見た場所を再び見上げてみる。
ハトはいなかった。当然だ。でもほっとした。
きっと、家族のいる巣に帰っているに違いない。
私がこたつに入っているのと同じように、温かな巣でもう眠りについているはずだ。


ハトは眠る前に子どものハトにこう語ったかもしれない。

「お父さんはけさ、変な人間を見た。
 憂鬱な顔をしてたくさん荷物を持って歩いているんだが、
 見上げて僕のことばかりみてるんだ。気味が悪いからずっと目を閉じていたが、
 人間の中にも、変わったやつはいるもんだ。
 おお、もしかしたら俺をとって食おうとしてたのかもしれない。
 人間なんて恐ろしいものだからなあ。
 おまえも気をつけるんだよ。」









眠れ眠れ

2012-04-22 23:38:44 | 日記
寝ぼけ眼で家の中を歩いていたら、机の角で足をひどく強くぶつけてしまう。痛い・・。
家に帰ると、何より真っ先に眠ってしまった。やっぱりご飯も食べていない。
最近、何故だかものすごく眠い。
今日は日曜だというのに職場に人がわりにいて、朝からなんだか気を遣ったからかも。

部活でデッサン練習に使ったリンゴ3つ、その場で普通に食べればいいのだけど、
気まぐれで生徒が「ジャムにして食べたい!」というので、
調理室を部活で使えなくなっているから自宅でやってくることにした。
今朝2時頃からジャム作りを始める。丑三つ時。
レシピを見たら、砂糖の量がリンゴの重さと同量なのに焦る。
コンビニにグラニュー糖を買いにいく。夜中でもコンビニは賑わっている。
明るいところに集まって来る虫のように、人がたくさんいた。
雑誌を立ち読みする人、デザートを物色するカップル。
のんびりとした空気はなんだか懐かしい。
夜中にコンビニに来たのなんて何年ぶりだろうと思いながら目的のものとオレンジジュースを買った。

リンゴ550グラムに対して砂糖同量。
レシピにはそうあったけど、多すぎるのでは。
120グラムくらいにしてみた。あんまり少ないと固くなるし、保存がきかないという。
2時間弱ほど焦げ付かないように煮込んで、リンゴが半透明になったら砂糖を入れる。
味見したら、リンゴの甘さでちょうど良い甘さだった。
4時すぎ、もう外はちょっと明るくなりかけていたけど、
眠ると起きられないだろうから、本を読みながら起きていた。
帚木蓬生さん『閉鎖病棟』を読んでいる。まだ全て読み終わっていないけど、
作者は現役の精神科医らしい。設定が細やかだ。

そういえば、実家の近くに精神科の病院があった。
病院は山沿いにあって、あまり近所の人は近づかなかった。
その病院を示す隠語まであったように思う。とにかく患者さんは世間から差別されていた。
そこの患者さんを送り迎えするバスの運転手を、今は亡き祖母の、年の離れた弟さんがしていた。
患者さんたちは世間からひどく差別を受けていたけど、
そこの人たちは、周囲の人が思ってるよりずっとしっかりとしてると、
親戚の集まりのとき、弟さんが言っていた。それを思い出した。

やむにやまない事情や先天的なもので、取り返しのつかないことをして、
閉鎖病棟で人生を送る人々、その一人ひとりにスポットがあたる。
人を理解するには、その人の全バックグラウンドまで踏み込まなければいけないときもある。
それがとても辛いときもある。
人を相手にする職業だから、そこらへんは大切なことだ。
うまくまだ表現できないけど、読んで良かったと思う。

社会の端で生きる人や底辺で生きる人の心のありようも少しでも汲める人間でありたい。
大学のとき、ゼミの担当教授から学んだことの一つだと思い出した。

教授は元高校の教員で、心優しい正義感溢れる先生だった。
ゼミ生4人で先生の自宅で奥さんお手製のご飯をいただいたこともある。
ゼミ生の中で私だけが女性だったこともあり、とても大事にしていただいた。
食が偏っている私に対していつも、ちゃんと食べなさいよ、とずっと言っていた。
先生が主催した社会調査にも、一週間の泊まりがけで参加した。
一軒一軒家を回り、お話を聴いた。たくさんの他大学の学生とも親しくなった。
温かい人の回りでは、温かい輪ができた。懐かしい。
諦めがちでさめた世間の中で、先生はずっと熱い人だった。
学問をというより、先生の熱い生き方を何より学んだ。
あんな風でありたいとずっと思っている。

心が弱って冷えるとき、温かい仲間が自分にもたくさんいたことを思い出す。
昔のことを思い出すのは、
新年度、気を遣っているわりには心は全然開けていなくて心底疲れているからかもしれない。
一人だけ周囲とテンションが違うように思えるときがある。
それでもいいと割り切っていても、時々何かが押し寄せて来る。よくわからない。

考えても答えも出ない。
そんな日はとにかく眠って眠って、夢も見ないでひたすら眠る。






























つながらない

2012-04-21 23:26:18 | 日記

よく寝た。
朝10時くらいまで、そしてステンドの制作から帰ってきて5時間ほど。
今日は起きている時間の方が短かった。
今、おはようございます・・・何かご飯食べなきゃ。
ご飯もほとんど食べずに眠り続けた。夢も見ていないと思う。

睡眠がやっぱり足りてなかったらしい。朝早く起きなきゃいけないのに夜ダラダラしてしまう。
コーヒーを飲む量が増えたのも、強力な眠気のせいだ。

起きている間、主に電車に乗っている間に米澤穂信さんの『追想五断章』を読了。
そう思うと、生活の中でどれほど電車に乗っている時間が長いのか、自分でも驚いてしまう。

静かな、悲しい話だった。230ページあたりで真相に気づいた。
『Yの悲劇』とよく似た種類の悲劇だと思った。
鋭い人なら、前半部というか最初の作文のとこをきっかけにもっと早く気づくかもしれない。
そうは言っても、気づいても最後まで読みたくなる。
今回は全ての人物の印象が淡くて、五つの断章の印象だけがひどく強く残った。
探し求めていた断章が見つかるたび、それが起こったことの輪郭を示していて、
徐々に輪郭がはっきりしてくるのが興味深かった。
米澤穂信さんはライトノベル系もたくさん書いている様子。いろいろなアプローチができるのが凄い。

ステンドの工房でfacebookの話になった。
先生と私は既にfacebookをやっているけど、やろうかやるまいか迷っている人がいた。
先生は、始めるといろんな情報が流れてきて楽しいわよ、
ステンドの作品もいろいろ流してるから、見られるし、と強力に押していた。
最近、土曜日の午後の時間に一緒になる人は、facebookなどのソーシャルメディアが怖いらしく、
始める決心がつかないらしかった。
一回、Facebookを覗いたとき、「お友達じゃないですか」的な表示が出て、
リアルのママ友知り合いの名がたくさん出てきたらしい。それで怖くなったと。
つながりたくない人もたくさんいるらしい。
それは・・・(・・;)。

私は顔が狭いから、あんまり最初はソーシャルメディアに興味なかったけど、
やってみれば楽しかった。逆に、怖さをわかってないのがよくないところだろう。
私の場合は友達も少ないし、何にも有益なことを書いていない。
顔の広い友達が、友達をごそっと呼んできてくれたから人数が少し増えたけど、
本当に会ったことがある人が10人ほどしかたぶんいない。
人とのつながりにあんまりこだわらないところは、私の良くないとこでもある。
必要なとき、必要な人とつながることができると、楽観的に思っているところがある。
現実そうじゃないかもしれないけど、別にいい。
常につながっておかなきゃなんて、確かに気持ち悪い。

学生時代の友人はみな西に住んでいる。だから、親しい間柄はみな西に置いてきた感じだ。
働くためにここにいるようなもの。
西の友達は関東をそれこそ人の「砂漠」のように言うけれど、砂漠にも点々とオアシスはある。
乾いた空気は嫌いじゃない。ただ、それが寂しいと思わないところが、多少自分でも寂しい。

先生は言葉を尽くしてソーシャルメディアの魅力を語っていたけど、その人の恐怖心は頑強だった。
たぶん、始めないだろう。

つながりたい人がいて、つながりたくない人もいる。
リアルな世界はあいかわらず人の思惑が邪魔をしてうまく回らない。
溢れるほどの人の思惑の中で、自分のほんとうの考えが、思いがどこにあるのか探す。

小説と眠りの世界は自己完結の小宇宙で、時にはこういう日がないといけない。
何にもつながらない時間は、もはや薄い存在の『自分』とつながっている時間でもある。


























大人の証明書

2012-04-20 23:02:02 | 日記
なぜか、車に凝っている同僚が多い、男女関わらず。
車体が低い車、みたことないデザインの車・・・。
車のことが話題になって、どう思うって聴かれたけど、わかんない。
だって、私、免許ないから^^。

というと、みな最初は一様に驚く。
優しい同僚は、「都会だと車乗らなくても暮らせるもんね。」と軽くフォロー気味。
遠慮ない同僚は、「免許持ってない社会人っているんだ!でも、わかるわー。」と納得顔。
「納得する」に、私は納得いかないけど・・・。

車が嫌なわけでもなんでもなくて、
学生時代に、親に「自分でお金を稼いで免許取りなさい!」と言われて、
バイト代もちょっとしかなかった私は、じゃあ社会人になってから、と暢気に思ったけど、
今度は時間がなくなって、取る機会を逸してしまった。あらあ。
普通に就職活動している人からしてみたら暢気すぎる。
車の免許も持ってなかった私を、最初に就職した会社はよくとってくれたもんだ。

夏休みの間に、取ろうと思えば取れるのかもしれないけど、そこまでじゃない。
田舎だと絶対必要だけど、都会は何かと便利だから、今のところたいして必要でもない。
ただ、通勤時の荷物が重い時だけ、車だったら楽だったかなあと思う。

しかも知り合いには、絶対に運転するなと言われる。知れば知るほど言われる。
ぼんやりしているから、危ないから、免許取らないの正解!と言われる。
・・・どないやねん。
一体どれだけぼんやりしてると思われているんだろうか。
いや、確かに実際ぼんやりしてるけど。
地から足がいつも10センチほど浮いているので、仕方ない。
車の免許≒大人証明書のようなところもある気がするから、
その証明書がもらえていない私はさまざま肩身が狭い。

生徒宅に家庭訪問しようと思って電話したら、保護者の方が来てくださったので、
早めに退勤できた。
コーヒーショップでソイラテとチョコドーナツを食べる、花金を実感する。
ああ、世界はキラキラ潤んでいるよ、わたし的に・・・・。
食べ終わってもなんとなくそのまま帰るのがもったいなく、
書店に立ち寄る。目的もなく本を見る。楽しいひととき。

「儚い羊たちの祝宴」でいたくファンになった米澤穂信さんの作品が文庫本が出てた。
「追想五断章」

繊細で、謳い上げないのに心に響く。この人のえがく女の人がすごく好きだ。
日常生活から、ちょっとズレたところに生きている。
まるで、別の次元に生きている人が、今の次元では幽霊みたくやっと存在してるような感じで、切ない。
早速購入、ジャケ買いならぬ、作者買い。

その他、恩田陸さんの「訪問者」、お初の帚木蓬生さんの「閉鎖病棟」を購入。
恩田陸さんのは、好きなタイプの『嵐の山荘』パターンの!! たまりませーん。
帚木蓬生さんのも、とある精神病棟の話で興味深い。

・・・自分的には小説祭り。通勤電車内で祭り。
頭の中に小説のストーリーが映画みたいに繰り広げられる。誰も見る事のできないたった一人の映画館。
小説は本当に素敵だ、娯楽の中の娯楽。小説家の人は、どういう精神生活を送ってるのかしらね。
作る人は案外、地に足をつけて生きていたりするんだなきっと。
読む方は、フワフワぼおーっとして、きっと死ぬまでこのままなんだろう。

いろんな意味で大人の証明書がいただけないまま、
昏い口を大きく開けた物語の入り口をノックする。









 


型に嵌めない

2012-04-19 21:29:49 | 日記
唯一の空きだった時間が内科健診で、生徒を並ばせたりなんなりをする。
しかし、内科健診で盛り上がる。何でも楽しむ材料にする。

うちのクラスの男子は、内向的なので(笑)あまり騒がないけど、
隣のクラスの男子は豪快なのが多くて、
いかに面白い事をやれるかを競っているようなところもあり、
次々と笑いの爆弾をしかけてくる。
他は授業中だから、静かに整列して順番まで待っていなくてはいけないのだけどねえ。

上のジャージだけ脱いどいてねーと言えば、全部脱ごうとするとか。
スロープでボディービルダーごっこをしようとしているのがいて、急いで止める。
女子は女子で、お医者さんが男性だったらヤだーとか騒ぐ。
どうする? 隠しカメラとかあったら!とかキャーキャー言う。
・・・・。大丈夫、確信を持って、ないから、
お医者さんそんなに悪趣味じゃないから、というと、
えええ~!だってさあ、あたしたちって、ほら、超魅力的だもーん!とまた騒ぐ。

ひとわらいしてると、廊下に出てきた副校長に、「・・・静かに。」とたしなめられる。
・・・どーもスミマセン。

とにかくひたすらに笑いを求めるのが多くて、本当はこういうふうに毎日笑ってたいんだろう。
なんだかんだで楽しかった。(←ダメだけど。)
型にはめられてると、笑いのない生活になる。


仕事は持ち帰りで、コンタクトレンズの定期検診があるから18時半くらいに退勤。
しかし、かなり人が残っている。帰り辛い。病院行きますと、言い訳みたいに言ってそそくさ出て行く。
なんだか、こういうの辛いなあ。

隣の席の先生がタジン鍋を使った料理と魚焼きグリルを使ってできる野菜料理に凝っていて、
タジン鍋同盟を作ろうと持ちかけられる。
なんかこの人とはいつも仕事の話より家事話をしている気がする。
帰りが遅い同居してる彼女に、いつも夕ご飯を作ってあげている様子。偉いよ!
結婚したら絶対主夫しちゃうタイプだねえ、というと笑っていた。料理好きらしい。
タジン鍋はずーーーっと迷っていて、未購入。場所取りそうなのが嫌。
野菜好きなら絶対タジン鍋!と、通販スタッフみたいに勧めてくるので、そろそろ買おうかと揺らぐ。
こういう話は気軽で楽しい。
英語の先生は介護の関係で早めに学校を出る。いつも出にくいのよね、と常にこぼしている。

学校以外にも生活ってあるんだからさあーと思う。ずっと仕事したい人はしてていいけど。
みんなが同じようにしてなきゃいけないオーラを出す人がいるとキツいね。

早く帰ったとはいえ、持ち帰り仕事・・・・。
たまごチャーハンが食べたくなったので、食べてから。

最近、お風呂はいりながらとか、ドライヤーかけながら寝てしまう。
気づいてびっくりする。

年度初めはなんだか疲れるのね。型に嵌って生活する日々でもあるしね。
金・土で、しっかり寝だめするかな。
型をちょっと破らないとね。















伴走

2012-04-18 22:12:03 | 日記
間が開いたけど、教育相談最終日。
12人の子どもと面談。すぐに終わると思っていたら、
2時間半かかってしまった。よくしゃべるしゃべる・・・。
新しいクラスはどう?とか、高校のこと、どこまで考えてる?とか。
そういうことしか聴いてないのに、いろいろ出てくる。
家族の話、友達の話、そして自分のこと。

「俺、太鼓持ちタイプなんすよー。」には笑った。
学校でも「強い」男子にはへつらうし、家でも妹と姉には相当気を遣っているらしい。
・・・・・。にしても、自覚してるのがすごい。
しかしそれ、中学生のセリフじゃないだろうよ・・・・。

携帯の待ち受けが黒地に白い字で「妄想」って書いてあるやつなんです、とか、
部活で先生が2年ばっかりひいきするんです!!
私たち3年は走ってばかりで超ムカついてるんです!とか、
果ては、
同じクラスの〇〇くんが好きなんです。どうやったら仲良くなれると思います?とか・・。

静かなクラスだから、あんまりしゃべんないかなーと思ってたら、
意外にも人に聴いてもらいたいことが多いんだなあ。
掘り出せばいくらでもでてきそうだ。上澄みだけ薄いけど、中身は相当濃いメンバーだ。
なかなか面白い人たちだ。

最後に女子の学級委員と面談。去年も私のクラスで学級委員だった。
明るくて、真面目で、はっきりと物を言う。学年をひっぱっていくリーダーでもある。
とてもしっかりしている。将来は先生になりたいという。
私より先生らしいので、絶対なれると思う。

この子も部活のことで悩んでいて、昨年からずっとそのことを相談活動では言っていた。
今回もそうだった。部活での先生との関わりに悩んでいる。
大人が情緒不安定だと、関わっている子どもが悩む。
順番が最後だったということもあり、世間話もしつつ30分以上も話し込んでしまう。
2年間もほぼ毎日一緒だと、家族の一員のように感じてしまう。

2年生のときは、ちょっとひねた感じだった子も、
なぜか3年になると少し変わる。大人への自覚でも生まれるんだろうか。
ほっといてくれオーラが消える。必要な時にはちゃんと助けを求める。
2年生のときより、断然対応が楽になってくる。毎年そうなのだ。
もちろんまだ大人ではないけど、
きちんと大人のように扱えば、それに答えるだけの力量は既にある。

中学の3年間で、なんと劇的に、心身ともに変化するんだろう。
人間が好きなら、中学の教員を職業にするのがいいと思う。
人間の魅力を再確認できるだろう。




中学の時(だったか、小学生だったか)に好きだった番組のOPをyou tubeで発見。
「ワーズワースの冒険」。日曜日の夜やってたかな。
番組自体も好きだったけど、OPがとにかく大好きだった。

KawaiEri - Shalion 河井英里 - シャ・リオン


イメージが広がる曲。宇宙の風が吹いている。
今の子もこういうの聴くかなあ。
去年のクラスの子が、朝会ったとき、
「昨日、お父さんと北斗の拳のDVD見てたから超寝不足~」と言っていた。
美術部の子は、尾崎の曲を歌う・・・大丈夫そうな気がする。
曲のイメージから抽象的な形を作る、という授業をしてみたい。
そのとき、この曲でやってみたいのだ。
中学の時の自分が好きだった曲を使うのは反則かなー。
でもゲームの音楽っぽくもあるよね。
・・・部活で一回、やってみるか~!

いろんな形で、生徒たちの心に近づいたり、時々離れたり。
ただ、同じ道を走ってはいる。あたかも伴走者。














あなたに会えて良かった

2012-04-17 23:13:37 | 日記
個別支援級で自画像の授業1回目。
個別支援は3年前に、美術と作業の授業でお手伝いに入ったことはあったけど、
自分がメインになって教えるのははじめてだった。
知的、情緒の障がいを持つ7人の子ども達は、
強いこだわりなどを持つ子もいるけれど、転勤されてきた先生の努力によって、
かなりこだわりが減ってきていた。すごい。
何時間も小さなゴミを拾っていたり、物の位置を直していたりするこだわり。
こだわりって減らせるんだとはじめて知った。

きちんと座って挨拶をして、普通級と同じように授業が始まる。
難しすぎないように、けれど基本的なところは押さえられるように心がけた。
昨日、「酒井式」の絵の描き方を夜に復習していた。昔、勉強会で学習した。
リアルな描き方を、ちゃんと一つひとつ順序立てて教えていく酒井式だと、
絵が苦手な子でもある程度のところまで描けるからいいのだけど、
全部が似たような絵になるのが難点だった。というか個別支援級でこの方法が使えるのか。

ただ、個別支援がはじめてだから、どういうアプローチが一番いいのかわからないところもあり、
ある一定のレベルまで持って行ける酒井式をやってみようかと思ったけどやはり迷った。
顔を触りながら描かせるというのをやっていたので、そのことだけを採用した。
あとは出たとこ勝負だ。布団に入りながら、腹をくくった。

朝、そのクラスの子が職員室まで迎えにきてくれる。
鏡と画用紙を持っていたのを、持ってくれようとするのだけど、
手元が危ない感じだった。鏡は自分で持ち、画用紙だけを持ってもらった。
途中で、予想通りその子は画用紙を落としてしまう。鏡だときっと割れていた。
うまく物を持てない子も個別支援級には多い。

自画像というより、似顔絵といったスタンスで始めることにした。
丸い顔かな、四角い顔かな。鏡を見ながら、かつ自分の顔を触ってもらう。
じーっと興味深そうに鏡の中の自分の顔に見入る。
耳はどんな形かな、目はどのへんかな、と触りながら確認したあと、自画像開始。
知的レベルの差はあるから、技能面での差はどうしても出るけれど、
一生懸命描いていた。よく見て描いているせいか、口や鼻、顔があらぬ方向に曲がっていても、
ものすごく特徴をつかんでいてびっくりした。

ほとんど話すことのできない子が笑っている顔を描いた。
あまりに良く特徴をとらえていたので、「すごいね!!!!すごく似てる!」と褒めると、
ものすごく嬉しそうに笑った。心が温かくなる笑顔だった。
そのあともこの子は、黒板に貼られた自分の絵を、何度も何度も見にきたらしい。

ある子は、自分の顔の後ろに何かギザギザしたものを描いた。
「これはなあに?」と聴くと、
「ファイヤー!」と答えた。炎が立ち上っている様子らしい。なるほど。
鏡の中の自分に、赤いオーラが見えたのかもしれない。

ある女の子は、髪の毛がなかなか描けなくて顔だけで止まってしまって、
ハゲてるおじさんみたいになっていた。
可愛いピンで前髪を留めていたから、
ピン描いてないね、ピンで髪を留めてるよね。
髪の毛はいっぱいあるけど、まだ描いてないのね、
髪の毛描かないと、はげちょびんだからピンできない、
というと、こく、とうなずいて、髪の毛を、それを留めてるピンをなんとか描いた。
ピン描けたね、髪の毛生えてきたね~!!というと、髪生えた~!と笑った。

個性豊かな自分の顔が描けた。
でも一人だけ、普通級との境界線にいる子は、うまくないと一人悩みながら描いていた。
これは知的に高いレベルにいるからかなと思っていたけれど、
個別支援の先生は、でも社会に一番なじみにくいのはこういう子なのよ、と後で教えてくれた。
自分の今持っている力や個性を最大限に生かして絵を描いていた子たちは、知的発達の遅れがあったとしても
その個性で生きて行く場があるという。
しかし、境界線上にある子は一番、社会の中で自分が出せず、
引きこもってしまう可能性が高いらしい。
20年以上、個別支援に関わってきた先生のこの言葉は、重い。
今日ほど、自己表現の大切さをひしひしと感じた日はなかった。
しかも、とても楽しかった。
思春期のややこしい子どもたちばかり相手にしているから、素直な感情表現が、心地よかった。

絵の具を使うのも、彫刻刀を使うのも大変かもしれない。
3年前は、本当に大変だった。けど、何か大事なことをいつももらう気がしていた。
ややこしくしてしまった思考をシンプルにして、大切なことを浮き彫りにしてくれる。

これから週1回、この子たちと何かを作っていくけど、
私の中にも、何かが作られていくに違いない。
この人たちに関われて嬉しい、と思う。

英文和訳のようなこの文章が、今日の気持ちに一番ぴったりあてはまる。

はじめまして。
あなた方に会えて、私はとても嬉しいです。