しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

盆休みのスケッチ

2014-08-18 23:57:00 | 日記
盆休みが終わったということは、もう夏は終わったも同然だ。

お盆は5日間くらいは実家に帰って、小学生の頃のようなゆったりとした時間を過ごしたい。
今年はそれは叶わなかった。
教育課程の出張の終わった次の日はもう15日。
15日の早朝に新幹線に飛び乗った。京都で母と待ち合わせ。
鞍馬と貴船あたりまで京都を北上して、
貴船で川床料理をいただいて実家へ帰るというプランだった。

京都は曇りのち雨の予報。
9時半に京都駅で母と落ち合う。JR東福寺駅まで南下して京阪電車へ乗り換えて、
一路、出町柳駅へ。

一泊でもするなら、出町柳探索でもしたいところだったけど、
残念ながら日帰りなので、そのまま通過、一日乗車券(1000円)を買って叡山電車へ乗りこむ。


青々とした緑の中を進んでいく叡山電車。
今年の冬に乗った時はガラガラだったけど、さすがは観光ハイシーズン。かなり混んでた。
とはいえ、座席には普通に座ることができる程度だった。

貴船の川床料理を13時半に予約していたので、まだまだ時間がある。
叡山電車の終点、鞍馬へ。

とにかく天狗押しだった。
緑色の中にいきなり赤い天狗。
色彩対比が美しくて、母はここで撮った写真がいたく気に入った。
年賀状で使うそうだ。

この前で撮ったのね。

駅からすぐのところに鞍馬寺。
京都市内からずいぶん離れているし、高いところにいるので、
ちょっとだけ涼しかった。

静か。母が大喜びだったのが嬉しかった。

多宝塔と本殿にいくためにロープウエイ的なものがあった。往復で200円。

このロープウェイ的なものに乗る前、『ヒルに注意!』の張り紙があったのだけど、
内容がユニークだった。

『サンダル履きでこの山に登ろうという人は、ヤマビルさんたちに献血してもいいよ!
って合図を送っているようなものなので、寄ってきますよ~!!』
・・・怖い!!

しかも雨上がりのときはヒルが出やすいということで、雨が降ったりやんだりの空の下、
ビクビクしながら多宝塔付近を歩く。

多宝塔


この辺りで写真を撮ったりしていたら、時間がなくなったきた。
で、本殿まで行かずに鞍馬駅に引き返す。
ほんとのことを言うと、山道を登っていくのが私も母もちょっと怖かった。
昼なお暗く、しかもいかにも上からヒルが落ちてきそうな雰囲気だったんだもん。





風鈴が風に吹かれてちりりと鳴り、天狗のお面がたくさんかけてあり、何だか不思議な空気が漂う駅舎。
この空気感だけでも、旅の途中なんだな(日帰りだけど!)という喜びを感じさせてくれる。

一駅戻って貴船口。
ここで、川床料理のお店が送迎車を出して待っていてくれた。
と、雨・・・。川床、大丈夫か???と心配しながら貴船荘という料理屋さんへ。




わ、素敵!!ここでご飯が食べられるの!


と楽しみにしてたのだけど、残念ながら雨でここでは食べられず。。。
室内での食事となってしまった。川床料理じゃなくて、普通に『料理』じゃん・・・。
でも、貴船神社が見えるところでご飯を食べることができた。


それにしてもここの料理、尋常じゃなく美味しかった。
ぜひ、川床の風情の中で食べてみたかったなあ。来年またリベンジかな、これは。


ぼやけたけど、お品書き。母と二人分で14000円。
娘、頑張ってみたよ!(だからこそ、川床でなかったのが悔やまれる・・・。)

鮎が特にものすごく美味しかった。丸ごと食べられる。



ゆっくり母と話をしながらご飯を食べて15時。
もう一つの目的は、七夕の飾りがしてある貴船神社にお参りすること。
夜間ライトアップが綺麗、とガイドブックで読んだから。

夜間ライトアップには少し早いので、貴船付近をそぞろ歩き。
雨も降ったりやんだりだったし、貴船荘でうちわをもらったので、
うちわをパタパタさせながら夏祭り気分。

食事のあとは必ずコーヒーを飲みたくなる母なので、二人でコーヒーショップを探した。
一軒あったけれど、お客さんでいっぱい。
諦めて通り過ぎ、いろいろ歩いていたけど、やっぱりコーヒー飲みたいとのことで、
もう一度行ったら席が空いていた。

お店に入ると、
『すみません~、今日はもう閉店にしようとおもてるんよ~』と優しげな京言葉のおばあさん。
この人が店主らしい。
しかし、私たちが少し前に入り口で席が空くのを待っていて
諦めた様子だったのをみていたもう一人のお店の方が、
『さっきずっと待ってはった人らやなあ、どうぞ、お入りなさいな.』
と、最後の客として迎え入れてくださったのだった。

どうやら、閉店にはまだ早い時間なのだけど、お客が多過ぎて疲れきってしまったとのことだった。
80歳になるおばあさんとお嫁さんの二人で切り盛りしている小さなお店だ。
店主のおばあさんは私と母に興味を持ったらしく、
しかも母も話し好きなものだから、二人はなんだか意気投合し、
店主さんはいろいろ貴船の裏事情(?)を教えてくださった。


貴船神社の石段は最近新しくなったのだけど、石がツルツルで危なく、
最近も参拝客が2人ほど救急車で運ばれたこと。
夜間ライトアップを宣伝文句にしているけれど、ただライトが点いているだけで、
夜遅く来た若い女の子たちにとっては、周囲が真っ暗なのでかなり危険なこと。
少し離れているところで、川床料理の大手がやっている雑貨屋兼コーヒーショップについて。
(品揃えの意味不明さや喫茶店としては落ち着かない雰囲気で何がしたいのかわからない、
と地元では不評、とか・・・。)

地元民しか知らないような話を教えてくださった。
『スモールトーク』というお店(店名はほんとは全部漢字。当て字になってる)。


ライトアップを見に来た私たちだったけど、店主さんの言葉に従って、
夕暮れ前に参拝してきた。
確かに石段はツルツルで、雨上がりのこの日のような天気のあとはかなり危険だと思った。
店主さんと写真撮れば良かったなあ。今回の旅で、一番印象に残った。
地元の方とおしゃべりできるのが旅の醍醐味だったりする。
私一人だとここまでしゃべってくれなかったかもしれない。
人が大好きな母に感謝。

貴船神社


ちょうど私たちの行った8月15日まで、七夕飾りが飾られている。

貴船神社は水の占いで有名ということで、母が挑戦。
200円でくじを買い、ここに浸すと、文字が浮き出て来る。

母のくじは『吉』。
病気の項に『たいしたことない。すぐ治る』と書いてあった。信じる。
私は、占いって当たると思っているし、今年は2回も同じのが出てるから引かなかった。
なんとなく怖いじゃん・・・。


なんだか予想外の出来事ばかりで元々の思惑とは全然違う感じになったけれど、
母と二人、何とものんびりと楽しい旅になった。

帰りの叡山電車はたまたま新型車両で、景色が見やすいように外側に向かってシートがついていた。

車両の中に、大きな黒いトンボと糸のようにか細いトンボが二匹、紛れ込んでいた。
大きな窓の外を、じっとトンボが見つめている光景は、なんとも可笑しかった。
出町柳まで、一緒に乗ってきた。
彼らも、旅だったのかもしれない。

19時過ぎの新幹線で実家に帰った。
母と帰るなんて、なんだか幸せだった。
お風呂に入っていたら、仕事から妹が戻ってきた。
父も入れて家族4人、冬に旅行に行こうという話になった。


来年はお盆初日には実家に帰って、迎え火をしたい。