しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

ゆっくり流れる 奈良県 天川村 その1

2015-08-17 17:27:12 | 日記
先日、母との京都旅行が終わったばかりだけど、その余韻に浸る暇なく次の旅へ。
私としてはこの夏のメイン行事、憧れの奈良県吉野の奥にある天川村へ。

天川村近くの大峯という場所は修験道の道場で有名らしく、たくさんの霊場があるらしい。
なかでも山上ケ岳は日本最古の山岳信仰の聖地で、今だに女人禁制の地。

大峯山寺や修行の道である大峯奥駈道は世界遺産になっている。

天川村も歴史的に重要な場所で、古くは飛鳥時代の大海人皇子が壬申の乱で勝利したときに吉野総社として天河神社の神殿を造設したという言い伝えがあったり、南北朝時代、後醍醐天皇や彼に続く数名の天皇がこのあたりを南朝奥吉野の拠点にしていたという。

また今回一番行きたい場所である、日本三大弁財天の筆頭と言われている天河大辨財天社に御所が置かれたりしていたという。

なぜ、天河大辨財天社に行きたかったかというと…。

実は高校時代にみた映画「天河伝説殺人事件」の舞台だったから!(笑)



ちょっと前に不食で話題になった榎木孝明さんが主役の浅見光彦、素敵だった!

ジェット・リーと榎木孝明さんが私の10代の頃の理想の男性像!
どちらも浮世離れしてるっちゃあ、してるけど…どうでもいい情報。

それはさておき、「天河伝説殺人事件」でえがかれていた天川という場所の神秘的な美しさが忘れられず、いつか行ってみたいなと密かに思い続けていたわけ。




ちなみに5月に行った竹生島の辨財天様と、6月の修学旅行で行った厳島神社の辨財天様を加えて、日本三大辨財天というらしい。(江ノ島の辨財天様がはいることもあるらしい。)
一年間、いや半年の間に日本三大辨財天様全てにお参りすることができるわけ!

新幹線で京都まで、そこから近鉄奈良線の特急で橿原神宮前まで、吉野行きの各停に乗り換えて下市口まで。
ここまでで約5時間ちょっと。
そこから今度は奈良交通バスに揺られて山道をひたすら登り1時間。途中で「○○さん宅前」というバス停があったりしてびっくり。
橿原神宮前の駅で見たのが最後、その後、コンビニらしきものはどこにも見当たらない、本物の秘境だった。

ようやく天川川合(てんかわ かわあい)というバス停に到着。そこで宿泊する民宿のご主人が車で待っていてくださった。


バスは「天の川(てんのかわ)」という川沿いを走るのだけど、たくさん川遊びに興じる人がいた。親子連れ、はたまた大学のサークルメンバーっぽい人たちなどなど。
民宿のご主人は、そういう人たちをあまりに良く思っていないようで、
「人気が出るのはいいんですが、若い方が天川には似つかわしくない格好(ビキニとか!)で歩き回ったり、バーベキューのゴミをそのまま置いて帰ったり。かなり迷惑してるんですよ。今日も村道に車を置いている人がいて、警察に苦情言わせてもらいました。」
とおっしゃっていた。
天の川は透明度がとても高く、飲んでも大丈夫なくらいらしい。でもそれは意識して守っていかないとたちまち汚れてしまう。天川へ行く人は、ゴミの始末や交通ルールを守るなどの基本は守ってほしい。


いったん宿に荷物を置き、お茶とお菓子をいただいた後、今回の第一目的である天河大辨財天社に車で連れていってもらった。
ここは芸能の神様として有名で、長渕剛が結婚式を挙げた場所としても有名。能楽関係の資料も多数保存されているという。

で本物の天河大辨財天社は、思っていたよりも小さめだったけれど、やはり清浄な「気」に満ちているところだった。
鈍感な私でもわかるぐらい。
しばらく座っていたらずんずん元気が出てきたし、迷いや悩みの糸がするっと解けていく感覚があってすっきりしたから。
パワースポットといわれる所以なのだろう。

能舞台



隕石と言われている『天石』


7月末の集中豪雨で、神社裏の山の地盤が緩んでいるという。ボーリングで水を地底から抜き、山崩れが起こらないように対策をとっているとのことだった。そのせいで8月20日に大々的に行われる七夕祭は、今年はこじんまりと行われるとのこと。

天河大辨財天社は、ご縁のある人しか来られない、という噂がある。
これはその昔、交通網が発達していなかった時代の話だと思われるけれど、今でも、こようとしても怪我や事故、交通事情、天候で来られないということが多々あるという。
お参りができたぶん、一応ご縁はあったようだ。

そのあと、徒歩3分で天の川温泉という日帰り温泉へ。30分待ちという混みようだったけど、気持ち良かった。川遊びやバーベキュー終わりの学生さんがたくさんいた。青春ですな!




民宿のご主人がまたまた車で迎えに来てくださる。この民宿、送迎のサービスも込みなのだ。ありがたい。

民宿は、ご主人が元商社マンで世界中を旅していた経験を活かしてご夫婦で営んでいた。
お二人とも気さくで温かく、田舎の家に帰ってきたみたいな気持ちになる。


部屋も実家みたいで落ち着く。一人旅なんだけど、ベッド2つある部屋だった。ご夫婦二人で営んでいるので、最高3組までしか宿泊させられないという。

1日目は私の他に、家族4人で宿泊される方がいた。5歳のお兄ちゃんと4歳の妹さんが、食欲旺盛で可愛かったし、私より年下かもしれないご夫婦も気さくな方々で、夕飯時は盛り上がった。

知らない人と夕飯を共にする、しかもオイルフォンデュで野菜や魚を揚げる鍋が一つ、ということで必然的に仲良くなる。内気な私でも、自然に楽しく話せた。いい仕組みかもしれなかった。




19時半には食事も終わり、長い長い夜。虫の声しか聞こえない。この豊かな静けさを壊したくなくて、テレビをつけるのがもったいないなと思ったのでつけず。

本棚の本を物色していると、あった!

読みながら就寝。
が、最後まで読み切りたくて、結局1時半まで起きて上巻全て読む。訪れた場所の名前が多数出てきて、なんとなくドキドキ。小説の世界のなかに私も参加してるみたいな気持ちになる。

下巻がないのが残念!