クリスマスが近いなあ🎄🎄🎄
クリスマスを楽しんでいますか?
私の方はといえば、昔はケーキを買ったり、小さなツリーを飾ったりしていたけど、最近は全然していない。せっかくの楽しい行事なのに、仕事仕事の毎日でその流れに乗れてないこと数年間。今年はその忙しさに一息つけた年だった。
この1年間、いろんなことに振り回されずに(いや、振り回されてたのかな?)よく頑張ってきたので、自分にご褒美をあげたい!と思っていて、何がほしいか考えてみたんだけども、「物」でほしいものが最新式の洗濯機くらいしかない(笑)。
まあそれでもいいけど・・。
・・・・。
ふと、「物」じゃなくて、「体験」にしたいと思った。
体験で感動できるものはいろいろある。星空を見にいくもいいし、旅行に行くもいい。
でも、最近ずっと行ってない「演劇」を観に行くのもいいなあ、と思った。
大学で演劇部、4年間は演劇に打ち込んだ日々だった。心が震えるような感動をたくさん覚えた日々だったなあと懐かしくなった。
と思ったけど、急にはチケットは取れない。
なので昔、大好きだった野田秀樹さんの野田地図の演劇で、YouTubeで観られるものをみてみることにする。
本当は「贋作・桜の森の満開の下」が一番観たいんだけど完全版がない。
でも「半神」はいくつかに動画が分けられているけど、あった!!
萩尾望都さん原作の漫画「半神」の舞台化されたもの。
漫画の方は少ないページ数ながら、私の中で「人生に出会った漫画ベスト3」の中に入っていて、漫画自体は私の宝物だ。
まだクラス担任の時、これを文化祭の舞台でやってみたいなあと思ったけど、このお話をたかだか30分程度の脚本にすることはとてもじゃないけど難しかった。
ちなみに、故・今井雅之さんの戯曲「Winds of God」は舞台を観に行って大感動し、当時の自分のクラスの生徒に紹介したところ、文化祭で劇を行うことができた。14年間の担任のうち2回上演したけど、子どもたちや保護者の方と感動を分かち合えたのが何より嬉しかった。
「Winds of God」は戦時中の話だけど、タイムスリップしたりとストーリーがわりと子どもでもわかりやすかった。
それに比べると「半神」・・。
体がくっついた状態で生まれてきた双子の話。
どちらかを生きさせるには、どちらかの命を諦めなければいけない手術、生き残った方はその後に何を見たのか・・・。
命の重さと生きることの喜びや悲しみをわずか数ページで描いたこの漫画を、どうやって舞台に?と思っていたけれども・・・・。
やはり野田秀樹さんは偉大だった。
この人の舞台って言葉遊びがあまりに複雑で話の筋もごちゃごちゃと混み合いがちなので、枝葉にこだわっていると何言ってるのか全然わからなくなるけど、全体を通して観た時、心の奥からざわざわしたり、心が熱くなって涙が込み上げてきたりする。
言葉遊びの向こう側にすごく大事なものが横たわっていると思うので、とても好き。
あと演劇の良さって、目の前で観ると役者さんの熱が直接伝わってくるのもいいところ。同じ空間にいるって大事なんだなあ。
YouTubeだとそれがないのがとても残念だけど、「半神」は主演の深津絵里さんと加藤貴子さんを始めとする役者さんの迫真の演技で引き込まれる。音楽も素敵。
原作には全く出てこないキャラクターを数多く登場させつつ、ちゃんと萩尾望都さんの言いたかったことをもっと立体的にして伝えた感じがする。
久しぶりに観て、より一層感動した。
来年は、新しい舞台を何か一つ、観に行こうかな。
いいものを観ることで、自分の中から湧き出してくる、私にしか聴こえない、未知の心の「音」を感じられたらなあと思う。
(これ、「半神」の内容にかけてます!)