なんてバタバタな日々だったのだろう。
そして、最後までバタバタだった。。。
卒業式前日、12時過ぎまで学校で連絡票の点検やら、
文集の編集やら。
家に帰り着いたのは1時半前。
6時には美容院に居なくてはいけないから眠る暇もほとんどなかった。
軽くご飯を食べて、お風呂に入って2時過ぎ。
横になったらすぐに寝てしまって気づくと5時。
急いで準備して美容院へ。
メイクは自分でして、ヘアメイクと袴の着付けで7時10分に。
電車に乗って、バスに乗って学校へ。
緩まないように締め付けてたからお腹が猛烈に苦しかった。
でもレンタルした着物と袴がとても良くて、保護者の方や生徒に好評だった。
体育館に入場する前に、格技場で3年だけ集まって合唱練習をした。
その練習で既に泣き出す生徒がいて、
『出来上がった状態』で卒業式は始まった。
呼名は落ち着いて、生徒が安心感を持てるようにやりたいと思ってたから、
とにかく呼名が終わるまでは泣くまいと決めていた。
しかし学年で一番若い先生が初めての3年担任、そして3年間の持ち上がりで、
感極まって呼名で泣いてしまったのを見て涙腺が緩んでしまった。
自分のクラスの呼名の時までには涙を拭いて、何とか普通にできたけど、
目の前に座っているクラスの男子に号泣しているのが何人かいて、
それを見るにつけ、撃沈した。
卒業生合唱の『大地讃頌』は今までで一番美しかったし、
全員で合唱した『旅立ちの日に』は3年が泣きながらもかなりの声量で、
泣いている3年を支えるように1、2年も頑張ってくれて、
感動の大合唱になって、そこでボロボロ泣いた。
そして、退場のときが来た。
担任が中心に立ち、クラスの生徒が横一列に並んで保護者や在校生に挨拶する。
生徒を座席から立たせるのに、担任が合図をするんだけど、
生徒の顔を正面から見たとたん、
もうそこで号泣しつつ合図を出してしまった。
それを見て、生徒が泣いた。
後で他の学年の先生から、
「あの姿を見て、もらい泣きしたわ!」と言われた。
クラスに帰って最終学活。
命あっての人生、だからとにかく元気でいて欲しいこと、
夢を持って生きていって欲しいこと。
月並みだけど、自分の経験から少しだけ語らせてもらった。
そしてプレゼントは、クラス文集(たくさんカラー写真も入れた)、
私が焼いたガラスのストラップ、
アーティストの方に撮影していただいたクラスの写真など。
何かあったらいつでも連絡が取れるように連絡先も公開した。
あと、
「みんなが結婚するとき、もし良かったら私にガラスのウエディングボードを作らせてね。」と言うと、
女子から喜びの声が上がった(笑)。
以前からやってるのがバレバレだったのがおかしかったけど、気づかないフリをしてた、
クラスの寄せ書きをもらった。
最後は笑ってお別れしたかったから、泣かなかった。
花道を通って学校近くの公園まで歩き、解散。
公園でたくさん、保護者の方や生徒と記念撮影をした。
その後、午後からの第2卒業式。
うちのクラスは二人、一人ずつ卒業式を行った。
二人とも最後は明るい顔で卒業していった。
特に、一番最後に式を行った生徒は
2ヶ月ほど完全に引きこもりだったので、
来てくれないかもしれないと覚悟していた。
人に顔を見せるのが嫌いでずっと大きなマスクをしていた彼女が、
記念写真を撮るためにマスクを取ってくれた。
二人で写真を撮った。笑顔を久しぶりに見た。
「最近ジムに通って、身体を動かすようになりました。」
と言っていた。彼女に、光が見えて来たようで嬉しかった。
35人全員を送り出し、肩の荷がおりた。
袴を脱いで、持ってかえり忘れた柔道着や笛の残る教室を整理し、
教員の打ち上げの送迎バスが来る18時まで、
職員室の机に突っ伏して軽く眠った。
打ち上げでは職員の人たちの前で、
担任が自分のクラスのことについて語る時間が用意されていて、
自分の不甲斐なさとか、自分の思いを言葉にして伝えることの難しさとか、
苦労したことをたくさん語らせてもらった。
隣に座っていたのは同じ学年の仲の良い50代の英語の先生で、
肩の荷がおりた者同士で、旅行の話になった。
彼女は若い頃からバックパッカーとして海外を巡るのが好きで、
この春も行くという。美術館巡りもすると聴き、
「行ってみたいけど、海外は自信がないです。」というと、
一緒に行きましょう!一度は海外に行くと、価値観が変わるよ!という話になった。
この春に私が行けるかどうかはわからないけど、近いうちに行く約束をした。
少しだけしか飲まなかったけど、
身体が疲れきっていたのでお酒の回りが早く、すっかり酔った。
2次会のカラオケは、そういう気分ではなかったから参加せず、
自宅近くの駅まで帰ってきた。
けど、気持ちがまだ卒業式モードで家に帰るのがもったいない気がして、
近くのカフェへ。
木造の、アンティークの家具や小物が似合う、
落ち着いた雰囲気のお店で、日曜のお昼にたまに行っている。
ここは金・土の夜はピアノBARになるのだ。
一回、夜に行ってみたかったから、酔った勢いで飛び込んでみた。
私が行ったのは22時過ぎだったと思うけど、その時はまだお客さんは少なかった。
ウインナー・ティーを注文して席に座ると、
常連さんらしい方2人しかいなかった。
60代くらいのオシャレな女性と、20代くらいの男性。
お店のオーナーの女性やウエイトレスさんで話をしていた。
誰かが伊勢に旅行に行ってきたらしく赤福が振る舞われていて、
完全に部外者なはずの私も赤福をいただいた。
そうこうしているうちに、常連さんがどしどしやってきて、
50代~60代くらいの男性2人、20代の女性2人の計7人。
みな感じの良い方々だった。ジャズの曲ではリズムをとり、歌う。
音楽大好きな、穏やかな人たちだった。
『Fly me to the moon』をピアノに合わせて歌ってくださった60代の方、
本当にとても素敵だった。
「リクエストはありませんか?」
と、ピアノ演奏の女性に声をかけられたので、
「『千と千尋の神隠し』の『いつも何度でも』をお願いします。」というと
快く弾いてくださった。呼名のときの曲だ。
どうしてこの曲を?と聞かれたので、
今日が卒業式だったこと、クラス生徒の呼名の曲がこれだったことを話すと、
その後、卒業曲シリーズになった。
「仰げば尊し』、『なごり雪』、『送る言葉』などなど演奏してくださり、
年配の方が、昔を思い出しながら熱唱していた。
そして『旅立ちの日に』は全員で合唱(私はアルトが歌えるから!)。
カラオケが嫌でこっちに来たのに、カラオケのようなことをしてしまった。
けど、カラオケと決定的に違うのは、
カラオケは歌っている自分だけが気持ちいいのに対して、
こちらは、みんなで歌うことが楽しかったことだろう。
全く知らない方々が、卒業の良き日を祝ってくださった。
なんて幸せな一日だろう。
昨日と今日、生徒からたくさん連絡が来ている。
丁寧に返信している。
クラスはもう解体してしまったけど、
これからもこうやって、細く長くおつきあいは続くといい。
生徒は旅立ってしまったけど、困ったとき、
悩んでいるときにいつでも戻ってこれるように。
みんな、卒業おめでとう。
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