Penny Lane Music

福岡市中央区赤坂
ピアノ・ボーカル・ギターなど大人のためのポピュラー音楽教室

月夜の浜辺

2011-06-02 20:53:36 | 音楽
 昨日、かぐや姫の映画の話をしていたら、連想してしまって
頭から離れなくなってしまいました。中也の中で一番好きな詩です。

 

 中也のことを話し出したらきっととりとめもなくなりそうなのですが^_^;
これが何より好きな詩で・・・私にとって中也といえば「月夜の浜辺」です。

 月を見れば思い出すし、夜の浜辺でも思い出すし、陽水のジェラシーを聞いても思い出すし^_^;
とりつかれたに違いない、と思うくらい好きな詩です。昨日のかぐや姫で
また出てきてしまいました(;一_一)

    月夜の晩に、拾ったボタンは
    どうしてそれが、捨てられようか?

 この最後の二行が出てくるのです。まるでメロディーがあるように、歌のように。
中也ならではです。
当時の文学界では「あんなシャンソンみたいな軟弱な言葉は詩ではない」と非難だった
中也ならではのことばです^_^;
 
   
 これをいつはじめて読んで、そのときどういう状態だったのか、残念ながら
何も覚えていません。けれど、泣いて何度もその二行を読み返していたのだけ
それははっきりと覚えています。最後の二行、

    月夜の晩に、拾ったボタンは
    どうしてそれが、捨てられようか?

 自分が捨てられるとでも思ったのか^_^;・・・、どう思ったのかわからないけど
その中也のやさしさに救われたような、かなり、感傷的に解釈した記憶はあります。
月とか海には確かに弱いのでそのシチュエーションに酔わされたのはまちがいないけど
その浜辺で拾ったのが、ボタンですよ、ボタン・・・ボタンなのよ。このボタンって
いうものが切なさを誘うのですよね、この、取れてしまったら何の意味も持たなくなる
ボタンという・・・か弱さ。ちいさな、まるくてちいさな、はかないボタンに違いない。
とまぁ、勝手にイメージはふくらむし・・・^_^;

 たったボタン一つなのに、ず~っとそのシーンを想像してしまう、いつもそうなのです。
この詩を読むたび、いつも、いつまでもそのボタンとそれをたいせつに懐にしまう
中也の白くて細い指を目に浮かべて、ちょっと胸が熱くなったりもするわけです^_^;

 写真は葉書です。湯田温泉にある中也の記念館に行ったときに買ったもので
まぁ、女学生じゃあるまいしねぇ、と思いつつも大事宝に持っております^_^;
中也の詩は歌詞です。リズムがあって、歌うようにするすると言葉がこぼれていきます。

 これはいくつになっても、厚かましくありますが少女のように^_^;読める詩です。

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