保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

リサイクル(中古)部品での板金修理はどのくらい安くなるか?

2008年05月17日 | クルマ販売と板金修理の実録
部品代は大体半分で抑えられる。

工賃は同程度かむしろ安くなることが多い。

特にガラスの交換をしなくて済む場合などはかなり安くなる。



昨日入庫車の大まかな見積もりを参考にしてみよう。


サイドビームが入った以降のドアはツルッとしたデザインが多い。ちょっと前の車

だとドアの真ん中や下側に段差のあるプレスラインを通している。これはドアパネ

ルの強度を保つために付けているものだ。その段差を利用してサイドモールが貼ら

れていたりする。旧エスティマのようにサイドガーニッシュが下半分がを覆ってい

る場合などはそれを外すと複雑なプレスが現れる。最近のドアからはそのプレスが

なくなってしまった。


ピンと張っている鉄板を手のひらで押してもなかなか凹まない。しかし凹んでいる

鉄板を反対側から押すとペコペコする。今も売られているのか分からないがブリキ

製の金魚やカエルの形をした玩具でお腹を押すとペコペコ音がするあれと同じ理屈

だ。表面積が増えてしまっているので元のピンと張った状態に戻らず反対側に出て

しまう時にペコッと音がするのだ。

プレスラインがあるとこの部分が変形を止めてくれる。


サイドビームは接着剤で鉄板にくっ付いているだけなので変形する際にこの接着が

すぐに剥がれてしまう。このため例えばドアならドア1枚がこのブリキの玩具にな

ってしまうのだ。

また、この変形は直そうとするとあちこち“逃げ回る”ので、年式の新しい車はち

ょっとした凹みでもその部位そっくりをたたき出す羽目になる。そして元のピンと

した状態にできるだけ近づけるのだが、それを測定する器械はなく職人の手のひら

の感覚頼みだ。

何と言っても工賃は時間を基に計算されるのだから時間を掛ければ当然高くなる。


結果、交換した方が安くて綺麗、ということになる訳だ。



前置きが長くなったが画像の破損を一目見た見積もりはこんな感じだ。

新品使用の場合  ドアパネル2枚(フロント、リア)8万円
          交換工賃            3万円
          塗装              5万円
         
          合計              16万円

中古使用の場合  ドアパネル2枚         5万円
          交換工賃           2万円
          塗装            4万円
         
          合計            11万円

新品使用はあくまでも推測なのでこれ以上はかかるとの条件付だ。一方中古使用は

確定数字だ。


中古使用の最大の難点はあるとは限らない、という点で、ちょうど良く2枚とも在

庫を見つけられたので中古使用でご依頼いただく運びとなった。

それも「良かった!安くしていただいてありがとうございます」とお礼までいただ

いて…。



“他人の不幸を待つ仕事”も世の中には必ず必要で、こう言っていただける時が一

番嬉しい瞬間だ。後は「すっかり綺麗になって!どこを直したのか判らない!」と

いう言葉を聞けるよう全力を尽くすだけだ。

 






コメント
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