10万光年+α

子供の頃からの夢を叶えるべく始めた天体観測・・・

宇宙の膨張

2010-04-11 22:57:24 | その他
今日のNHKスペシャルで「ハッブル宇宙望遠鏡 宇宙の始まりに挑む」という番組をやっていました。僕がNHK視聴料を払っているのは、大河ドラマと、このような興味深い特集を見るためなので、もっとこの手の番組をやってほしいものです。

ところで、番組のテーマですが、新しくなったハッブル宇宙望遠鏡で、宇宙の始まりを観測しようというものでした。

宇宙の膨張速度から割り出した、光のドップラー効果(赤方偏移)を元に、宇宙の誕生は137億年前、というのが今の定説となっています。新しい望遠鏡では131億光年先の天体を観測できた、という事で、誕生直後の宇宙の様子を見る手がかりになるそうです。

しかし、番組では宇宙の大きさや膨張する宇宙モデルを非常に単純化して表現していたので、解りやすかったとは思いますが、実際はそれほど単純ではないんですねこれが・・・
水の波紋が広がる姿を上から見るような感じで、宇宙の膨張は見られないのです。

まず、137億年前に宇宙が誕生した事になっていますが、宇宙は猛スピードで膨張しているので、137億年前は宇宙の果てはもっともっと近かったはずです。(果てという概念はちょっと間違いですが)

実際137億光年という距離が137億年前(ビッグバン直後)にはどのぐらいの距離だったかと言うと、僅か4200万光年だったそうです。つまり、宇宙誕生直後に地球があった仮定して、そこから4200万光年の距離にあった天体の光が、137億年かけてやっと今届いた、という事になります。

随分光のスピードが遅くなったんだな、と勘違いしてしまいそうです。
なぜなら、光速度不変の法則というのがあるからです。
(光源がいくら高速で動いていても、光のスピードは変わらない)

宇宙の膨張速度は137億光年という距離で光速に達するらしいのです。
なので、遠くの星ほど遠さかるスピード早く、光が地球に届くのに時間がかかります。

一見、普通の事のように感じますが、光の秒速30万キロメートルという速度は、どの天体から見ても変わる事はありません。(もちろん地球から見ても)
なのに、到着時間が遅くなるとは・・・パラドックスですか?

実は、膨張しているのが、物質間だけでなく、空間自体が膨張しているため、このような結果に見えるらしいのです。実際は光速度は変化していないらしいのですが、難しくてその理論は理解できません。



夜空を見上げて、一様に輝いて見える星々ですが、すべて違う時代の光を我々は見ています。そして、宇宙は高速で膨張しているので、さらに複雑な時間軸を想定しながら宇宙の広がりを感じる必要があります。なんだか頭がこんがらがってきますね。


宇宙の膨張を考えだすと、まだまだ謎に感じる事が多々あります。

1)137億光年先で膨張速度が光速に近づくと、相対性理論ではその物体(天体)の時間が遅くなり、スピードが遅くなり、質量が無限になり、物質の長さは極限まで短くなるはずなので、さらに複雑な時間軸を考えなければならないのではないか? 

2)光速に近づけば近づくほど物質のスピードは遅くなり、光速度では止まって見えるはずなのに、137億光年近く離れた天体が、そうはなっていないのはなぜか?

3)空間自体が膨張している、という事は、我々を構成している原子や素粒子そのものも大きくなり、人間の体や、地球自体も大きくなっていくのではないか? 
(物理現象そのものが膨張時空の中にあるのだから・・・)
そうすると、我々も宇宙の膨張と一緒に膨張するのだから、宇宙の膨張そのものは認識できないはずではないか・・・?

などなど、考えると寝られなくなりそうです。

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