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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
観在寺の大権和尚は、そんな昔話を利用することを
思いつきました。
その頃は、明治のご一新で神仏分離令が出され、
仏教者の力も弱まっておりました。
若い頃、町へ出ると、坊主であるということだけで
石などもぶつけられました。
何から何まで、神さま、神さまで、
仏さまは小馬鹿にされておりした。
特に、この地方では何かにつけて熊野の権現さまなのでした。
和尚にしましても、自己主張がしてみたかったのでしょう。
自分の信仰する世界を人々に認めてもらいたかったのだと
思います。認めるまではゆかなくとも、敵視だけは避けて
欲しかったのかもしれません。
そこで、和尚は、死を待つのみの人々に目をつけました。
そして、村長の欲造にぽたら送りを提案したのでありました。
葬式だけのつながりでは不満だったこともあったのでしょう。
村長と言えば、村で一番権力があり、信望もあります。
村長に認められ、重んじられることが、自分の地位の
向上にもなるのです。
村長も、寝たきり老人が出たりしますと、小作料を負けてくれ、
金は貸してくれ、合力には出られないなどと、
うるさくてかないませんでした。
そんなわけで、本人も納得し、家人からも喜ばれ感謝される。
引いては己の懐にも利するという大権和尚提案の
「ぽたら送り」に相乗りすることにしたようです。
和尚にしましても、始めは悪気があってしたとは思いません。
生きながら苦しむ人に夢を与え、あの世に納得してゆかせようと
思っていたはずなのですが、ぽたら送りが、1回・2回と重なって
ゆきますと、だんだんと感覚がマヒして来たのでありましょう。
つづく
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
観在寺の大権和尚は、そんな昔話を利用することを
思いつきました。
その頃は、明治のご一新で神仏分離令が出され、
仏教者の力も弱まっておりました。
若い頃、町へ出ると、坊主であるということだけで
石などもぶつけられました。
何から何まで、神さま、神さまで、
仏さまは小馬鹿にされておりした。
特に、この地方では何かにつけて熊野の権現さまなのでした。
和尚にしましても、自己主張がしてみたかったのでしょう。
自分の信仰する世界を人々に認めてもらいたかったのだと
思います。認めるまではゆかなくとも、敵視だけは避けて
欲しかったのかもしれません。
そこで、和尚は、死を待つのみの人々に目をつけました。
そして、村長の欲造にぽたら送りを提案したのでありました。
葬式だけのつながりでは不満だったこともあったのでしょう。
村長と言えば、村で一番権力があり、信望もあります。
村長に認められ、重んじられることが、自分の地位の
向上にもなるのです。
村長も、寝たきり老人が出たりしますと、小作料を負けてくれ、
金は貸してくれ、合力には出られないなどと、
うるさくてかないませんでした。
そんなわけで、本人も納得し、家人からも喜ばれ感謝される。
引いては己の懐にも利するという大権和尚提案の
「ぽたら送り」に相乗りすることにしたようです。
和尚にしましても、始めは悪気があってしたとは思いません。
生きながら苦しむ人に夢を与え、あの世に納得してゆかせようと
思っていたはずなのですが、ぽたら送りが、1回・2回と重なって
ゆきますと、だんだんと感覚がマヒして来たのでありましょう。
つづく