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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
そんな時でありました。
かすかに船の近づく音が聞こえてまいりました。
漁船が何か忘れものをしたのかと思いましたのですが、
その船は、ありがたいことに秋乃さんの助け船だったので
あります。秋乃さんは、秀作さんがぽたら送りにされることを
知ってから、助ける算段ばかりしておりました。
欲造の弟で、養子にいっている叔父さんに訳を話して、
船を作ってもらっていたようでした。
どうやら船の操作もマスターしたようですね。
恋する女の一念は強いもののようです。
真剣な顔つきに圧倒されてしまいました。
彼女は美人の部類に入るのでしょうね。
美人と言えば、姿形がもてはやされるようなご時勢が
続いておりますが、けれども、人間は持って生まれた
姿形などよりも、心をどれぐらい広くし、清らかに保って
ゆのくかが、一番大事なのではないのでしょうか。
整形手術を施したり、お化粧をしたりしても、
言葉や雰囲気で、いっぺんに化けの皮は剥がれてしまいます。
その点、心を磨いた女の人の内から滲みでる色香は、
世の中の清涼剤となりますね。
これは、誰にでも与えられているのですが、
そう簡単に手にできるというものでもございません。
みんな安易な道を歩きたいのでしょうね。
という私も偉そうに言えた柄ではございませんのですが・・・
光り輝けるような観音になれますか、どうか・・・
つづく