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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
秋乃さんは、素直で明るく育っているようですね。
きっとお母さんの教育が良かったのではないのでしょうか。
世の中には、夫婦といえども、似ても似つかない組合せも
多いんでしょうね。
「秀作さーん」
止め板をはずしながら、秋乃さんの呼ぶ声が聞こえております。
ギーッ。
月明かりがうっすらと差し込んでまいりました。
それとともに、さわやかな潮風が、すーっと舞い下りて
まいりました。生き返った心地とは、こんな時に使うのですね。
腹の底まで空気が通りました。
「みなさん、お助けにまいりました。さあ、こちらの大きな船に
乗り換えて下さい」
「お前さまは、村長さまの」
「そう、秋乃です。おカネさん、こんな舟では、
ぽたらには行けませんよ。さあ」
秋乃さんは、そう言いながら、舟倉の隅にある4角の箱を
じ開けました。そこには、秀作さんが居たのです。
精悍で陽に焼けた青年が出てまいりました。
おカネ婆さんと白太ちゃんの目が丸くなりました。
猿轡をはずし、手足の縄を解いてもらった秀作さんは、
秋乃さんの肩を、しっかりと掴みました。
「秋乃、ありがとう」
つづく