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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
平成の初めの頃。
協力は、
「縄通」ネットで知り合った、
信楽焼きの大狸ドン・ガラッキー、
ススキの穂のオイデオイデ、
墓石の議長のバカーンと、
同副議長のいーヤンに頼むことにした。
みんな、この作戦には、ふさわしい者ばかりである。
作戦の実行は、先生の当直の夜に行なうことにした。
当直と言っても、
最近では、先生は泊ったりはしていないそうだ。
夜の10時過ぎには、
アルバイトのガードマンと交替して、
自宅に帰っている。
その当直の夜を狙う事にした。
これは悪い事かも知れない。
しかし、
今だに、
士族がどうの、
ドン百姓がこうの、
という姿勢には、納得できないからだ。
この作戦が当たって、
ボン先生の心の中の、
血統優位の華がしぼみ、
種子が発芽しなくなってくれればいいと、
思ったのだ。
僕たちは、当日の夜、
校庭の片隅で、待ち合わせをする事にした。
ドン・ガラッキーは、滋賀県に住んでいるが、
他の者たちは、特定の場所には住んでいない。
この国の、どこにでも瞬間的に移動できる力を、
持っているという。
ただ、ススキの穂のオイデオイデだけは、
季節が来るまでは、地下に篭もっていて、
地上には、特別な場合を除いて、
顔は出さないようである。
ドン・ガラッキーは、
最近手に入れた、
白・赤・黄・緑・紫色からなる、
5雲の乗り物・ゴウン・ワーパーに、
乗って来るという事だった。
待ち合わせの時間は午後の9時半にした。
あらすじは、ネットで大体決めていた。
僕は、例のファファ・フェースを耳にして、
サヤカと参加することにした。
といっても、夜の校庭に、
ミニバイクなど乗り入れると、
1週間ぐらいの停学が待っているのだ。
それで、サヤカには可哀相だが、
学校近くのコンビニに置いてゆく事にした。
夜間、高校に用事も無いのに入る事には抵抗を感じた。
しかし、ある程度の広さがあり、
人気の少ないところと言えば、
ここしか、思い浮かばなかった。
ボン先生は、10時の交替前には、
学校内を一回りするはずである。
その途中で、この作戦を仕掛けるのだ。
つづく