木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

16日目~

2009-10-16 08:57:35 | Weblog
ここは5階建ての建物 1階が診察の場で病棟は2階から4階までだ
各階に談話室というのがある
かつてはここで喫煙もできたらしいが昨今の喫煙者排除運動により最近は病院の敷地全部が禁煙となった
気の毒なことだと他人事ながらそう思う

そうそうその談話室
そこには自動お茶出し機がある 正確にはお茶だけでなく水も湯も出る
僕の病室からは歩いて1分とちょっと距離があるんだが
喉が渇くというより暇を持て余して 時々お茶を汲みに行く





おばあさんが一人 車椅子に乗せられてそのテーブルの前にいる
かつて僕の父も同じように昼間その場所に連れられてきていた
老人は昼間眠って夜眠れない
それだけならいいが 夜中看護師さんの手を煩わせることになる
よってなるべく昼間眠らないようにそういう状況にしているのだろう

でもこのおばあさん父親と違ってるのは、完全に黄昏てるということ
いわゆる 恍惚の人 だ
この言葉はもう死語かな? 最近聞かなくなった

テーブルの上には彼女に必要な物たちが並べられ
いつも何か喋ってる
誰かに対する小言なのか
昔の思い出なのかもしれない
でも僕らにその言葉の意味までは理解できない

何か言葉をかけられた
知らなかった時の僕はまともに返事をした
真面目に彼女の目を見ていてもその意味が理解できなかったから
彼女を理解することができた


彼女はどこを旅しているのだろう
遠い遠い国の何処かか あるいは遙か時空の彼方なのか
楽しい夢を見てて欲しいな と思う

昨日お茶を汲みに行ったら
呼びかけられた
『ぼう!』
僕は坊なんだ(笑)
黄昏るのも悪くないかもしれない
コメント (7)
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