木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

仕事場の二階

2011-09-30 23:44:48 | タイムマシン
それは今の仕事場じゃなくて自宅兼賃貸のあるこの場所にそれがあったときのもの
物心ついたときにはそこは平屋だったはずだけど
いつの間にかそこは二階建てになっていた
当時うちの作業場には2・3人の若い衆と呼ばれる職人さんがいて
その二階はその人たちの寝泊りする場所になっていた
母屋二階とそこは直接行き来はできなかったが
僕が小学生になった頃、両方の棟をつなぐ形で4・5畳の広さの洋間ができた
ただの板張りで学習机2つと二段ベッドが置いてあった
つまり僕と妹の部屋になったわけだ

その仕事場の二階
一番覚えているのは今いる職人さんがある夜真っ青な顔をして僕らのいる母屋に入ってきて言った言葉
「荷物がない!」
当時はまだ世の中が混とんとしてる時代
働かせてください と言ってやってくる人が時々いた
仕事は忙しかったんで結構得体も知れない人を雇っていたようだ
そしてその人たちが生活するところは仕事場の二階
今の職人さんはそこでいろんな人との同居を経験している
その時一緒に生活し始めた男が彼の持ち物をかっさらってとんずらをしたときのその光景だ

その日だったのかそれからしばらく経ったある日のことだったのか
持ち逃げした男の在り処がわかって・・
僕は親父と一緒に市内のどこかに行った覚えがある
まだ小学生になるかならんかのそんな小さな身で何をしに行ったのか覚えていないけれど
そこにはパトカーもいてなんか心がわくわくしていた記憶だけが残ってる

時が経って繋ぎの僕らの部屋は妹の部屋になった
僕の部屋は仕事場の二階
そう職人さんたちがたむろ(?)していたその部屋が僕の部屋になったのは中学生になった頃のこと
今の職人さんは近くのアパートで一人暮らしを始めたし
なんだかんだでほかにはもう若い衆はいなくなったから
その部屋は少し手が入って中学生の男の子の部屋となった
そこで僕は大人になってゆく・・・
いろんな意味で(笑)
中3の時にクーラーが入った
別に欲しいと言ったわけでもないのに勉強のためとかなんとか言って入れてもらえた
ベッドもダブルクッションのフランスベッドだった
今より完全にリッチなんじゃね?
ステレオが入ってテレビも買った
20歳ころには部屋で電話ができるようにもなった

そうやって見るとオレって大事に育てられたってわけだ
あんまり気づかなかった
気づかなかったけれど体のどこかでそれは感じ取っていたんだと思う
それに見合うお返しは少しずつだけどしてきたはずだ
まだまだ足んね~~けど


さてさて自分はそうしてもらってたけど
自分の子供たちには何をしてやってるのだろう
それを考えると自分の力不足を感じられずはいられない

娘は来春 東京に出て吉本のビジネス学校へ通うことになった
きのうその合格通知が来た
誰でも受かる通知らしいけど少し心が騒ぐ
好きなことすればいい
そうは言ってきたもののはたしてそれでいいのか
自信を持って止めることはできないから娘を見送ることにする

僕がしてもらってきたこととしてきたこと
その差は多分歴然としてるんだろうから
子供から僕に返すべきものは何もない
ただただ元気で生きていってほしい
頑張ってほしいなぁ



コメント (8)
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