木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

仕合わせ談義

2016-03-06 23:37:32 | 家族
遅く起きた朝、貰い物のカステラをひとかけら持ってポタの部屋のドアを開けた
最近の記憶は瞬く間に飛んで行ってしまうが、話の辻褄は合う

妹の愚痴、旦那が65になっても貯金の一つもない って言ってることを告げると
自分のことを話し出した
「お父さんは優しくていい人だったけど、休み前になると麻雀に行って徹夜してこよったし
 昼間は昼間で同業者が来てすぐコーヒー飲みに行ってしまう
 全然仕事しないくせに自分の欲しいものはすぐに買ってきてしまう
 私が怒るもんだからその辺に隠したるんだよね
 私なんか欲しいものも買わずにどんだけ我慢したことか
 ああ損したなぁ と思うよ」   という

「んでもさぁ、何を我慢したの?
 これが欲しい~~って思って我慢したのって何?」

「それは・・・・」

「出てこぉへんでしょう
 僕が見とってこれが欲しいのに手に入らんって想像できるものなかったし
 大体どこの家と比較しても、テレビも冷蔵庫も洗濯機もそんなに遅くない時期に入ってるよねぇ
 まぁエアコンだけは僕の部屋に高校受験の手前に一番初めに入れてくれたんだけどさ

 お母さんはそうやってコツコツお金を貯めることが仕合わせだったんと違う?
 お父さんが細かいものを買ってくる楽しみがあったように お母さんは貯金するのが楽しみであり
 安心できることだったんだよ 」

専従者でそれなりのお金はもらってたし、家計費は別にもらってたはず
そういうお金は基本的に父親から手にする物だったのだから

「そういや 慎ちゃ(職人さん)が一生懸命働いてくれたからなぁ
 お父さんおらんでもあの子がいっつも朝から晩まで絶えず仕事してくれてた・・・

 それなのに・・慎ちゃはもう死んだんか?(この辺りは???だ)
 娘がこの前来たね 引っ越ししてして行ったけどあんた選別やってくれた?
 そうか、それなら安心だ
 でも慎ちゃはあれだけ働いてくれてお礼もしとらんのだろ?
 心残りだわ  」

「大丈夫だよ。 70歳前に病気で入院しなくてはならなくなった時に、
 一応形だけの定年として800万円弱くらい渡してあるから
 その後退院してきて普通に死ぬまで働いてくれたんだよ
 本人も息子も娘も感謝してくれてたよ」

「そうだったか(これはもう知ってるはずだが記憶が飛んでる)
 それなら安心だ
 お前はようやってくれてる
 ありがとう ありがとう・・・」


部屋のドアを後手に閉める
春風が僕の頬を撫でて行った。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする