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ブルターニュ紀行 20 < サン・テュゲン と ポン・クロワ > シズン半島を引き返しながら珠玉の教会を見る

2021-03-17 00:32:20 | 素晴らしき世界/フランス/ブルターニュ
巻頭写真 : ロスキュドンの聖母教会

荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文化と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう
20


北岸は「ドゥアルヌネーズ湾」に面する『Cap Sizun シズン半島』を
先端の「Pointe du Raz ラ岬」から
「オーディエルヌ湾」が洗う南岸を引き返す

10kmほどで『Primlin プリムラン』村に至る
その村のはずれの字(あざ)『St-Tugen サン・テュゲン(テュジャン)』村
何もない集落にポツンと
『Chapelle Saint-Tugen 聖テュゲン礼拝堂』の大鐘楼が威容を放っている

『Chapelle Saint-Tugen』

6世紀
プリムラン村の避難地だった場所に『Saint-Tujan テュジャンが隠棲の庵を編んだ
そこからこの地名がついたらしい
フランス名「Tujan」を ブルトン語風に「Tugen」と綴って
読み方もブルトン語になった



ちゃんと「アンクロー」になっております


勝利の門もちゃんとあります


カルヴェール




『La Pieta ピエタ(十字架から降ろされたイエスを抱く嘆きのマリア』

例によって正面ではなく右横のポルシュから入る



ポルシュの切妻の上部に
主邑の『プリムラン村』の名の由来である『Saint-Primlin 聖プリムラン』が
見下ろしている


壁の壁龕の聖者様たちのもしっかり
この礼拝堂の内部はとってもチャーミングなのです


フランス海軍の安全公開と海戦勝利を祈願して法のされた
19世紀の有名な戦艦2隻の模型

『Le saint-Primel』

二層甲板で74門の大砲で武装されていた19世紀前半の戦艦
本来は天井から吊るされていた

『Le Bayard』

1885年から数年間中国沿岸に派遣され『キントン湾』などで
清国と戦った仏清戦争に参加した5隻の戦艦の一隻
蒸気エンジンを備えた3本マストのハイブリッドで鉄板装甲


見事な「Retable ルターブル(祭壇衝立)」が幾つかある


『retable de la Vièrge 聖処女(マリア)の祭壇』のルターブル


『Bas-Côté sud 南側の側廊』

『Autel et Retable de sainte-Barbe 聖バルブの祭壇とルターブル』


『Saint-Tujan 聖テュジャン』


この聖者様は「狂犬病」の患者の守護聖人だったらしく
狂犬病に罹患した人は「聖テュジャン」の不興をかったからだとされて
この礼拝堂の専用の部屋に隔離したそうです
その隔離部屋の鍵を右手にぶら下げ
犬を左の足元に従えています

「聖テュゲンの鍵」
狂犬病が快癒した人がお守りにもらった隔離室の鍵

『Saint-Corentin 聖クロンティヌス』
5世紀西ブルターニュの中心都市『Qinper カンペール』の初代司教


『Archange Saint-Michel 大天使聖ミカエル』
定番で龍を踏みつけているポーズ

『Un Ange passe』
凛々しいお顔の天使

『Saint-Christophe portant le Christ』
イエスを肩に乗せて浅瀬を渡る聖クリストフ

古の洗礼水盤は
驚くべき彩色の壁と天井とに囲まれています

『Les annciens fonds batismaux かつての洗礼水盤』
花崗岩を切って作られている


 洗礼室に入る側の上半分を仕切る壁
聖職者が婚礼を取り仕切っている図

天井と北側の壁の装飾

東側の壁
ヨルダン川でのイエスの洗礼の図

堅信の秘蹟図






これら板壁や木張り天井の絵だけではなく
壁のフレスコの名残もある







ユニークな調度もあった

葬儀の際の棺を載せる台 1642年製



細かなディテールをご紹介すると大変なことになるので
ここらでもう一度外に出てみよう

アンクローの塀に接して


ここにも同じ形式の
泉が残っていた

振り仰ぐと鐘楼


地元の人たちからは
この鐘楼は「角塔」と呼ばれてきた




※  ※

サン・テュゲンから東へほんの3kmの
「Le Goyen ゴワイヤン川」の河口「Audierne オーディエルヌ」から
川を遡行する事5km
『Pont Croix』
「十字架の橋」という名前の村があります


満潮時にゴワイアン川越しに見ると綺麗な
そして散々見慣れたような光景が見える
しかしこの川
引き潮になると


同じ向きではないのが残念ですが

村の中は
古い石畳の細い道と古い家並みが詩情を掻立てる




金属ではないので錆びるはずはないのだが
屋根や上階の壁を覆った「アルドワーズ 粘板岩」の瓦が
錆びて見える


地形が丘のようになっているので
階段が多い




そして
またもや一番高いところに



細く細く伸びる尖塔が空を突く教会がある

『Eglise Notre-Dame de Roscudon ロスキュドンの聖母教会』

外観の「ブルターニュ」の主張の強さに比べて


内部はフランス中央文化のゴシックの大聖堂のような
端正な雰囲気

と思ったが
よく見るとやはりブルトンでした


木張りの天井の色具合
壁の最上部の天井を受ける長押の部分の細工
天井を支える梁一本一本に施された細工
今までのブルターニュの教会よりももっとブルターニュだった

十字架型平面図の交差する位置の天井
左上と左下に見える別の天井とそれぞれ色が違うのがお分かりだろうか






















上の写真の大きなステンドグラスの下が主祭壇
なのだが


その主祭壇に
『La Céne 最後の晩餐』の群像がある


裏から覗けるようにしてある


極々小さな彫刻です

教会自体もだが
この最後の晩餐像も個別に重文

そして
この「ポン・クロワ」の町の守護聖人『ロスキュドンの聖母』の像が
これ




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