巻頭写真 : 『クロアツ=バッツの聖母教会の納骨堂』
荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう
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フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう
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モッレを発ち
「モッレ川」と「モッレ湾」の西岸を北上すること15kmほどで
『Saint-pol de Léon レオンの聖ポール』
という町に着く
この町の名はある一人の聖人に由来する
一人のウエールズ人「パウルス・アウレルヌス」は
4世紀から侵攻してきたサクソン族からブリテン島を守るために戦った
有力者の家系の出で
6世紀頃大陸側に渡って来て「レオンの国」の女王の夫となり
地元のケルト民族をキリスト教化し
初代のレオンの司教に任ぜられ
同じような働きをした他の6人と並んで列聖された
『ブルターニュの7聖人』の一人として崇められてきた地元の聖者の一人
『聖ポール・オーレリアン』
9世紀頃から
『聖ポール・ド・レオン』と呼ばれるようになる
彼に献堂された大聖堂が町のシンボル
『Ancienne Cathédrale St-Pol-Aurelie 聖ポール・オーレリー旧大聖堂』
この町は既に司教座ではなくなり
司教も大司教もいないので大聖堂ではなく教区教会だ
とにかくでかい
鐘楼尖塔の高さは50m
幸い前が大きな広い広場になっているため
前掲の写真が撮れる
12世紀の創建
13世紀
14世紀
15世紀
と部分部分が造り足されていった時代背景も
平面図から構造のすべて
正面扉口のレリーフによる聖書語り
内部構造とあらゆる装飾
完全にゴシックの大聖堂そのもの
天井高が16mしかないものの
ゴシックを産み出したパリ周辺地方の
「パリ」「アミアン」「ランス」の大聖堂にどこも引けを取らない
見事な作り
ただブルターニュの硬い花崗岩なので
レリーフや彫刻などの製作作業は大変だったと思われる
しかし
この町にはもう一つ立派な教会がある
『Chapelle Notre-Dame du Kreisker クレスケールの聖母礼拝堂』
教会の本体自体は旧大聖堂の方が大きいが鐘楼の尖塔は
こちらの方が高い
実に68m
内部の側廊にならぶ礼拝堂の一つ一つが
外側に向き合って切妻を並べるブルターニュ式に忠実に作られている
実は
鐘楼 は正面ではなく十字架形の交差部に立っている
基本的に四角い塔で頂上付近で八角形になる
明かり取りの「Tour Lanterune」であることもわかる
そして
後ろ側の横にも入り口
堂内に『ブルターニュ七聖人』が飾られている
旧大聖堂とこの礼拝堂とは数百mほど離れているが
旧大聖堂の2基の鐘楼とこの礼拝堂の鐘楼が一直線上にならぶ角度があって
なかなか素敵な光景
もっと別の角度からアップにしてみると
「二つの教会 二つの塔」
と言われてきた
ところで
この辺り一帯古のレオン王国の中心地だけに
立派な屋敷や城がいくつもある
『Manoir de Kersaliou ケルサリウ屋敷』
『Hôtel François du Parc フランソワ・デュ・パック館』
『Hôtel de Kermenguy ケルメンギィ館』
『Château de Kernevez ケルネヴズ城』
『Maison des Ursulines 聖ウルスラ会の館』
※ ※
さて
ここから北に5kmで岬の先端
『Roscoff ロスコフ』
イングランド何西端『コーンウオール地方』への渡り口
かつ
『マルゥイーン(私掠船団)』の根拠地でもあった
プリマスやコークへのフェリーが出ており
潮位の差が激しく遠浅なので
そこそこの大型船に乗るために遠くまで続く長い桟橋がある
この右端の桟橋が
伸びるんです
これのために
ブルターニュの南岸「ポン・タヴェン」と結ぶフェリー
町中には
埋め立てて市街地を広げる前に海岸の堤防防備の一部
「見張りの塔」が残っていたりもする
この町の教会が
『Eglise Notre-Dame de Croaz Batz クロアズ・バッツの聖母教会』
敷地全体が「低い壁(仕切り)」で囲まれた『Enclos アンクロ』
であることがわかる
鐘楼はあくまで高く薄い
塔頂部の繊細で精巧な作りは透かして見るとよく分かる
内部は
ブルターニュらしいスパンの広いアーチで組まれている
木製天井のいたるところに「ひとがた」の装飾が突き出す
「アンクロ」の周囲を囲みむ低い塀の二カ所の角に
長方形の建物がある
共同納骨堂 1
共同納骨堂 2
教会も含めて全体的に装飾が少なく素朴なのもブルターニュ風だが
時折見かける数少ないレリーフ等に
逆にブルターニュらしさを感じさせる
いずれも高いマストを持った船
街中の建物も
石の重みと石の厚みとを十二分に感じさせてくれる
『Maison des Jonnies et de l'Ognions』
『Maison de 1598』
または非常な繊細さも
『Chapelle Sainte-Barbe 聖バルブ礼拝堂』
ところでこの「ロスコフ」に
感じの良いホテルがあります
※ ※
『Hôtel Britany オテル・ブリタニー』
南から町に入ってきて
海岸線に出てきたらすぐあります
実は満潮の時間にはこうなります
潮位が特に高い時期には岸壁まで全部海になり
小さな浜辺はなくなります
かつては
この「ブルターニュ!」という感じの石の重厚な建物だけがホテルで
部屋数も限られていたのですが
左側の近代的な建物の新館を増築した
今では新館が「本館」になっているらしい
旧館のお部屋はこんな感じで
新館だとこうなった
まあ旧館は窓が小さくテラスもなく
第一海の見える部屋自体も少なかったので仕方がないことなのだろう
今や玄関も新しい建物の方になっている
レセプション
幸いレストランとバーは旧館の入ってすぐ右のまま変わっていない
お料理の例
冷静前菜 「鯖のモザイク仕立て」
温製前菜 「手長海老の一品」
メイン 「オマール海老の一品」
主菜 「白身魚の一品」
デザート 「木いちごのタルト 木いちごのシャーベット」
ここのレストランは
25年以上「一つ星」を維持し続けています
ホテルは超高級というわけではないので泊まり易いです
= = = = = = = = =
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ごくごく些細な感想で結構です
※
旅行の具体的なことに関心がある方は以下のサイトもどうぞ
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一日中ホテルで過ごすという贅沢もいいですね
食事も美味しそうですね
2時間くらいかけてゆっくりいいですね
早く旅行解禁を願うばかりです
早くヒコーキに自由に乗れるようになりますように、です。