満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

カッパの飼い方

2009-10-21 | 漫画紹介
河童って飼ったことある?
または、飼ってみたいと思う?
それより、河童って実在すると思う?(ガハハハハハハ)

 

ヤングジャンプに2003年から連載されている「カッパの飼い方」作:石川優吾
という漫画をサミュエルどんからお借りした
ちなみにサミュエルどんは、カッパではなく猫を飼っておる(笑)
コチラは「カッパの飼い方」公式サイトである
漫画の立ち読みが出来るので、興味のある方は是非どうぞ~

 時は多分、昭和40年代。
田舎から東京へ出てきて働いている僕は、そろそろ生活も安定してきたので
「カッパ」を飼ってみようと思い立つ
(嫁を貰う前に、カッパを飼おうっと発想する所からして、笑える)


田舎では父が山から拾ってきた「カータン」というカッパを
子供の頃から飼っていた。
もう「カータン」も老カッパだが、父が死んだ後も
まだ元気で母と一緒に暮らしている
そんな老カッパの「カータン」も、僕がカッパを飼えるようになったと知れば
きっと喜ぶだろう
(既にペットの域を超え、父親化している・・・実に興味深い…笑)

最近は「カータン」のような自然で産まれた野生カッパは見かけない
ブリーダーの手による養殖カッパが殆どであった
そこで、僕はペットショップへ行き「子カッパ」を手に入れた
名前は「カータン」に敬意を表し「かぁたん」と名づけた
(カッパのブリーダー?・・国家試験とかあるのかの?っとついマジに考える…)

正直、犬や猫より手がかかる(笑)
同じ甲羅を持つカメ族なんて目じゃないほどの手の掛かりようだ
どちらかと言えば、いきなり人間の2歳児程度を手に入れたかのようで
「かっぱ」を飼うのは、そんなに楽じゃ~ない



成長すると…こんな風になる…(ハハハハハハ)
いや…このカッパは特別強面だが…これで推定年齢10歳なのだ(笑)
何時も公園のベンチで座り、飼い主の幼稚園児「美代ちゃん」を待っているのだ
ただ、このツラなもんで…
公園に集まる人々から「ヘラクレス」と呼ばれ恐れられている
本名は「チーちゃん」。なかなか正義感が強くイイヤツなのだ…
が…どうやら、この先の展開で…驚愕な事実が判明する
キョーレツに笑えるツボなので、ネタバレはしないでおく(アハハハハハ)

この漫画の中では、平安時代より人間とカッパは共存している
つまり、犬や猫と同じく、人間生活に深く関わって生きている動物なのだ

思い切ったパラレルワールドを展開し、尚且つ
目・鼻・口があるのはカッパのみで、人間は全てのっぺらぼうに作者は描いている
だから余計に、この漫画の世界は、カッパ中心にしか見えない

このような描き方なので…始めの一巻あたりまでは違和感を感じつつ読んだが…
二巻、三巻と読み進んでいくと…何だか解らんポヤ~ンとした
「幸せを感じてしまう」

カッパ本来の性格が、温厚で争うことを嫌い、ノホホ~ンとしているからか
10歳でこんなに大きくなるのに…「クェ」とか「ケケケ」としか話さんしの
ある程度、大きくならんとメスだかオスだか解らんし
ボケはかますし、失敗も繰り返すし
飼育というより、子育てに近い育て方なのにも関わらず…
「カッパが飼いたい」とか思ってしまった(ガハハハハ)

先日帰省した北海道の「倶多楽湖(クッタラ湖)」湖畔に
「カッパ通行注意!」の看板があった

同じく北海道の実家の近所に「定山渓」という温泉街がある
河で釣りをしていた美少年が「メスカッパ」に惚れられ
子供まで作ったという伝説があり、毎年夏には「カッパ祭り」が開催されておる

子供の頃に「河で遊んでくる~」と言うと
バー様が「カッパに気を付けてな~」っと返事をよこしておった
同じく、「山で遊んでくる~」と言うと
「熊に気を付けてな~」と言われ
「原っぱで遊ぶ」と言うと「タヌキにバカされるな~」なんぞと言われた
当時、既に100万人突破しておった札幌市内に住んでおったのにな(ハハハハハ)

小学生の頃、「カッパを見た!」というウワサが広がった
「トイレの花子さん」のウワサと平行して流れておった
花子さんは学校のトイレで待機しておったが
カッパは校庭の鉄棒で遊んでおったり、下校途中に後ろからついて来たりと
出没範囲が広かった

ネグラはウワサを総合すると、学校の側にあった用水路らしかった
「危ないので近寄るな」との通達が出ていた用水路であったが
年に1人か2人は遊びに行って、溺れておった

程なくして、河に立派な堤防が作られ、用水路も埋め立てられた。
先日帰省した時にチラっと見たが、埋め立てた用水路の上には
マンションが建っておった

普通、土地の整備が行われ、住んでいた場所を追われた住民には
マンションの一室が供給されるのだが…
果たしてカッパにその権利が施行されたかどうか?
渋々、頭の皿に水を注ぎ足しながら「倶多楽湖(クッタラ湖)」まで
移動したのだろうか?

どちらにしても、カッパにとっては住みづらい世の中になってしまったようだ

残念ながら、私は「トイレの花子さん」にも「カッパ」にも
お目にかかったことはない。
かなりシツコク探索しておったんだがの~~

岩手県遠野市の観光協会では「カッパ捕獲許可証」なるものを発行しておる
1枚200円(笑)
カッパ捕獲の条件である
「カッパは傷つけずに生け捕りにすること」
「捕まえる際、頭の皿の水をこぼしてはならない」
「捕獲場所はカッパ淵に限る」
上記3点さえ守れば、カッパを捕まえても良いらしい
運良くカッパ捕獲に成功すれば、アナタも晴れてカッパを飼育出来るのだ

この漫画を読むと…つい、そんな事を考えてニタニタ笑ってしまう
この漫画を読んでいる間中、夫に
「満天ちゃん、気持ち悪い」と言われておった

通勤途中の電車内で読むのはオススメしないが
なんか微妙に面白くって癒されるので、機会があれば読んでみて欲しい

甲羅つながりなだけだが…
なんだか強烈に「ヒガシヘルマン陸カメ」が欲しくなった(笑)
「一緒に甲羅干しがしたい」
(アハハハハハハハハハ)


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デスノート

2009-10-19 | 漫画紹介
注)ユル~くネタバレしております



原作:大場つぐみ 作画:小畑健 全12巻
2003年12月~2006年5月 「週間少年ジャンプ」連載



表紙絵の男子高校生「夜神月(ヤガミライト)」は
彼の後ろに描かれておる「死神:リューク」が暇を持て余し
退屈しのぎに人間界へ、ワザト落とした「黒いノート:デスノート」を拾う
このノートに名前を書かれた者は、確実に死ぬ

ただしノートには色々な規制がある
●正確な名前を入手し、その人間の顔を思い浮かべながら書く必要がある
●名前を書くと、書かれた人間は心臓麻痺で死ぬ
●名前を書いた後、40秒以内に死因を書くと、書いた死因のとおりに死ぬ
●死因を書いた後、6分40秒以内でもっと詳しい死に至るまでの状況が書ける

それらのことを理解した「夜神月」は、
ノートを使いメディアに載った犯罪者を、次々と抹殺していく。
いつしか世間は犯罪者を次々と殺してくれているナゾの人物を
「キラ」と呼び始める



表紙絵人物を「L」という
ICPOは、手がけた事件は必ず解決に導くとされる「L」と呼ばれる探偵に
キラ事件の調査を依頼した。
本名も顔も解らぬ「L」に、キラは追い詰められてゆく



「キラ」と「L」の戦いに突如女性が参戦してくる
それがこの表紙絵の「弥海砂(アマネミサ)」
死神:リュークとは別の死神より、デスノートを貰った少女なのだ
彼女はティーン雑誌のモデルをしている
強盗により両親を殺され、その強盗をキラが殺してくれたことから
キラを熱烈に崇拝している

デスノートでは、正確な名前と顔が解らないと相手を殺せない
ところが死神に、自分の残された寿命の半分を渡すと
相手の顔を見ただけで寿命と名前が解る「死神の目」を手に入れることが出来る
ミサはその死神の目を持っている

ま、色々とあるのだが…この「L」と「キラ」の勝負は
「キラ」の勝ちで終わる。「L」は残念だが死んでしまうのであった~





「L」が亡くなってから5年後。実は「L」には後継者が居た。
上の写真の「メロ」と下の写真の「ニア」である。
「ニア」の方が、Lの後継者として相応しいと「メロ」は現場から去るが
実際は、「ニア」より先に「キラ」を捕まえようと画策する

実質共に「L」の後継者となった「ニア」は、いよいよ「キラ」と対決する

…この戦いの結末は…である(笑)

この漫画は、何時も遊んでもらっておるtooruさんからお借りした
前々からウワサを聞き、読んでみたいの~っと思っていただけに
大変、面白く楽しみながら読めた。心よく貸して下さり、ありがとうである

さて、このデスノート。実際に目の前に落ちていたら…どうするであろう?

極悪人が拾ったら、ウハウハ喜んで殺しまくるのは目に見えているが
普通の人間が拾ったら、多くて2~3人殺した時点で怖くて捨てる可能性がある
それから考えると、夜神ライトの行為は常軌を逸している

なにせ、たかだかページ数の限られたノートである。
コレを一冊手に入れた程度で、なぜ彼ほど賢い人間が「神」になろうとするのか?
確かに本編では、相当な負けずキライの自信過剰男となっているが…
それにしたって・・・っと思ってしまった(笑)

ロバート・K. レスラー著作の「FBI心理分析官」という本の中にも
異常に賢いのだが常軌を逸した殺人犯の心理が書かれていたが
夜神ライトとは少し毛色が違うような感じを受ける

もちろん自分の喜びのために殺人を犯す人間と
「犯罪者に恐怖を与え犯罪のない世界を作ろう、そして、その世界の神に…」
っと考えているライトとは違って当たり前なのかもしれんがの
どうしても、もう一つキラには…何かが、決定的に足りない感じがした
(それが何かは犯罪者でないので解らんが…ハハハハハ)

あと、セキュリティに気を使う割りには、携帯電話を簡単に使いすぎるし
どうして、ココでこうなるかな~ってな場面がままあった(笑)
死神のノートに書かれている規約が、複雑で「?」な場面も…
(これに関しては…私の頭がついていけないだけだと思うがの…ハハハハ)

最初の「L」との戦いだけで終了しても、よかった話の内容だと思うのだが
何故に「L」を死なせ、新たな「L」との戦いが始まったのかの理由が見えない。

こんなにグチャグチャ書いて…満天さんって、デスノート嫌いなの?
とか言われそうだが…いや、結構、これ気に入っているのだ(笑)
なかなかイイ話なので、細かい所の雑さが勿体無いの~っと思ったでの~
映画の方が、あっさりしていて面白かったかも

さて…私がデスノートを拾ったら
拾ったと同時に死神を見ることが出来るので…
好奇心を押さえ切れずに、死神に質問をしまくると思うな(アハハハハハ)
死神が見えた時点で、結構なマジノートだと解るから…
きっと誰の名前もノートに書かないと思う
思ったよりも、ヘタレなもんで…

それと…面白がって人間界に、こんなノートを持って来た死神リュークに
なんとか罰を与えられんもんか、画策するかもね(アハハハハハ)

人間ではない死神リュークだもんで、つい、見過ごしてしまうけど
彼の楽しみを求めるだけの行動には、やっぱり罰を与えたい。
同じ死神でも「弥海砂(アマネミサ)」についていた「レム」の行動が
温かいものであっただけに、リュークの調子の良さが気になった(笑)

死神が死ぬ条件は
「デスノートへの名前の記入を怠り、自らの寿命が尽きてしまった時」と
「掟を破り階級罰を受けた時」と
「好意を持った人間の寿命をノートでのばした時」

リュークの持っているデスノートと、リュークから貰ったデスノートの
両方を何らかの方法で処分できたら、リュークはいずれ破滅するのだが…
それが出来るほどの、強い意志を持った存在は…
この本の登場人物の中では…「夜神月(ヤガミライト)」の父だけか?
そんなシーンが見たかったな(笑)

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「残酷な神が支配する」 萩尾望都

2009-09-11 | 漫画紹介
萩尾望都の「残酷な神が支配する」全17巻を読んだ

この「残酷な神が支配する」というタイトルは、アイルランド人イェイツの詩から
アルヴァレズという人が「自殺の研究」という本に引用したものである。
それを萩尾氏が読み、タイトルとして10年ほど温めておったとか?

またこの漫画には「春の祭典」というタイトルと、「残酷な神が支配する」と
どちらのタイトルを使うか迷ったとか…(?)
「春の祭典」といえば…
別名「春の虐殺」と言われたあのバレエ組曲のことだろうか…(?)

しかし…萩尾氏は、なんという幅広い分野の本を読んでおるんだ。。。。
ま、だから、彼女の漫画を読むと、頭が腐りそうになるのかもな~(笑)

太宰治「人間失格」の一節、
「神に問う、無抵抗は罪なりや」 を
この漫画を読んでいる間中、思い出していた
太宰治の小説の中には、幼児期の性的虐待についての記述が時々現れる
それは、太宰の経験によるものではないか?と考える研究家も多い

そのイメージが浮かんでは消え、消えては浮かび
押さえ切れなくなりそうになった所で、漫画が終わった(笑)

1992年から2001年まで「プチフラワー」で連載され
萩尾望都の新刊だ!っと嬉しくなり、1巻から3巻まで買ったのだが…
あまりの内容の厳しさに…中古買取店へ売っぱらった私である(笑)

だから…正直に言うと…私の嫌いな部類の本なのだ(アハハハハハ)

今回、何時も遊んでもらっておるトミーどんから全巻借りることが出来た
最後まで通して読めるのなら、なんとかなるじゃろうっと思ったのである
先に言わせてもらえば…確かになんとかなった(笑)



 内容の紹介(多少ネタバレあり)

ボストンの高校に通うジェルミは、8歳の頃に父親を病気で亡くしていた
夫が死に、先行きが不安なのか…その不安を打ち消すために
幼い息子を頼り、やたら息子にベタベタと接する精神的に弱い母との二人暮しを
ジェルミは、それなりに楽しんでいた

そんな頃、母の勤め先のアンティークショップに
英国紳士のお金持ちグレッグ・ローランドが現れる
程なく母とローランドは婚約するのだが…
何かに頼っていないと安心出来ない母は、婚約者のローランドが全てとなっていく
そこに付け込むローランドは、ジェルミに肉体関係を迫り、強要する。
母親の幸せのためにと「一度きり」の約束で身を投じたジェルミは
この後、無頓着な母の犠牲となり、ズーっと性的虐待を受け続けるのである

無事、ジェルミの肉体的及び精神的犠牲のもと
母とローランドは結婚し、イギリスへ渡るのだが…そこでも虐待は続く
ジェルミだけならどうにか逃げられるのだが
母を人質に捕られている以上、ジェルミに逃げ場はなかった

イギリスのローランド家には、
ローランドの先妻の子「イアン」と「マット」という息子が二人居る
また、先妻の姉も通いで来て居た。執事も居るしメイドも居た。
ローランドによるジェルミへの虐待は、エスカレートし暴力の域に達するが
誰も気付かない。何か気付いたとしても、誰もが「ありえない」と打ち消し
ジェルミの犠牲による家庭内の平和に身を委ねる

精神的に追い詰められたジェルミは、ローランド氏の殺害を企てるのだが
大きな誤算が生じ、ジェルミの最愛の母親までもが死んでしまう

ローランドの息子「イアン」は、
ジェルミが父の死になんらかの関わりがあると感じ、ジェルミを追い詰めていく
ローランド氏の真実の姿が明るみに出ると共に、
この家に誰一人として、正しい判断、正しい精神を持っていた者が
一人も居なかったことが判明していく
もちろん、ジェルミをも含めて・・・

というような…救いようのないお話しが17巻ビッシリと続く(笑)

つまり先にも述べたが「無抵抗は罪なのか」と
「無意識の見て見ない振りは罪なのか」である。

ちょっとした所に「逃げ道」「解決策」が見え隠れしているのだが
それに気が付いて実行してしまうと、全てが壊れ破壊されてしまう危険も見える
だから分別ある大人は、幸せをぶち壊すような「勇気」が持てない

健康に生活している人から見れば
一見すると、いくらでも逃げ道はあっただろうっと思われる無抵抗なジェルミも
日々、塗り重ねられていく侮辱的な行為に、気力を奪われてしまい
同じぶち壊すなら、母の幸せをではなく、元凶を殺そうと思ってしまったとしても
それをこの本の登場人物の誰一人として、責めることは出来ない。

だが、父親の卑劣な行為の全てを知った息子のイアンは、
父親を軽蔑しつつも…無抵抗だったジェルミを責める
「何故、言わなかったのか?」と
「何故、逃げなかったのか?」と
「自分なら、こんな事をされれば、逃げる」と

この物語には…作者はハッキリとは書いてはいないのだが
読者が見て見ぬフリが出来る複線が張ってあるっと思う。

ローランド氏の父親が非常に厳格で、ローランド氏に厳しかった事
このことから、もしかして…
ローランド氏も父親からムチで打たれるなどの虐待を受けていたのかもしれない
なんぞとチラっと脳裏をよぎる(ただし、まったく根拠は載っていない)

もう一つは、ジェルミの母親の日記に…ハッキリとは書かれていないのだが
母親がジェルミとローランド氏の関係に、可なり早い段階で
気が付いていた節が見受けられるのだ。

これは、母親が…夫と息子の関係を、知っていたにも関わらず
息子を助けるより、自分の優雅な安定した生活を守ったことを示唆している

ところがその後、
ローランド氏が事故で死んだ当日に、彼女らしからぬ行動が描かれている

普段では見られないほど思いつめた様子で、母親が夫であるローランド氏の車に
一緒に乗り込む姿が描かれているのである。
そこで夫と一緒に事故にあい、彼女は死んでしまうのだ。

つまり、最後の最後で彼女は、
夫との安定した生活を捨てて、息子を助けようと思ったのか?
っと見ている読者が感じてしまうように話を持っていっているのだ

だが、それまでの彼女の行動を見ていた読者は
この母親にそんな底力が果たしてあっただろうか?とも思うのだ
そんな風に感じるほど、それまでの彼女に自我が見受けられない

ちょっと底意地の悪い私のような読者は
結局、夫より、息子より…この女は自分が一番可愛かったんじゃないか?
っと思ってしまう

自分より、息子を愛した夫に逆上したのではないだろうか?
だから事故が起きた…

この事故は、息子がローランドに復讐を企てたから起こったのではなく
また、母が息子を守るためにローランドを殺したから起こったのでもなく
ただ単に、自分本位な女が…自分の夫を息子から取り戻すための
逆上から起こった心中じゃないのか?っと…

だからこそ、ココで「自殺の研究」という本から拝借した
「残酷な神が支配する」っという言葉が生きてくるのかも?なんぞと思った

この作者は…オソロシイ(笑)

どちらにしても、残酷な神にも天罰は下ったようである
ただし、消えた残酷な神に代わり新たな残酷な神がジェルミの前に君臨する
それが息子のイアンなのだが…

で、ここでもう一度問う
「無抵抗は罪なりや」
私の考えでは、事が終わった後から
無抵抗云々に関しては、誰も議論出来ないだろうと思う。

残酷な神も悪魔も悪人も、善人の隙を付いて襲ってくるのだから
幼子ゆえの善人が持つ隙が狙われるのなら、
力ある者が保身を捨てて守るべきであろう。

太宰もジェルミも自身を責める言葉を連ねているが
本当に彼らが言うべき言葉は
「なぜ、助けてくれなかったのか?」であるべきだ

結局、ジェルミに救いは見当たらないまま、この物語は終わる。
ただ、時だけが流れ、流れた時が記憶を遠い彼方に追いやる。

これだけのお話しの最後が、時の流れの解決とは…少々陳腐かとも感じたが
この終わりかたが、一番、現実に近いのかもしれん

いや~。この漫画。イイと思う…心理学の勉強には最適じゃ(笑)
でも、普通に生活しておる人にとっては
暗くなるので読まなくても良いかもしれん(アハハハハハハ)

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ポチっとで、作者のヤル気でるかもです(笑)

「緋の稜線」 佐伯かよの

2009-09-09 | 漫画紹介
※ナレーション満天

人は天と地の間に生きる
天の一部でもなく、地の一部でもなく
天と地の間に生きるのが人の生涯
天と地の間に生きるから人間という

人は稜線を歩き続ける
山があり谷があり、起伏に富んだ道のりも
振り返り遠くに見れば、穏やかな山の連なり
一本の線でしかない

そして人は、その役目を終えた時に
肉体は地に還り、魂は天に昇る
(緋の稜線より、抜粋)

歌:三笠優子 「女の一生」
ジャジャジャジャ~~~~ン
男と女が 命を重ね
結んだ縁が絆です
娘から ああ妻へ 妻から母へ
苦労幸せ 幸せ苦労
女の一生 夢航路

なんぞと始まる、昼メロのような漫画であった(笑)
※注)歌、女の一生は勝手に私が載せたものです(ハハハハハ)

実際、この漫画、
漫画自体の内容より、もそっとドロドロ状態で昼メロになっておったがの(笑)



 内容紹介~

父親が大学教授という厳格な家「胡桃沢家」の三女に、瞳子(トウコ)が生まれる
瞳子が生まれたのは1926年。
この年の年号大正15年は1月~12/25までで12/25~31日までは昭和元年となる。
瞳子は昭和と共に生まれた。
翌年から昭和2年となるので、昭和元年生まれは希少である。

幼い頃、神社の境内で見初められた各務(カガミ)昇吾の妻となる
慌しく婚約、結婚と経て、まだ夫のこともよく知らないうちに
夫の各務昇吾は戦争へ出征してしまう
義父母と義妹と共に心細い日々を送る

東京大空襲にて義父を亡くす
残された義母と義妹との生活のために、瞳子は必死で生きる
戦争が終わり、各務の家の稼業である「菱屋百貨店」の再興に奮闘する

その後、瞳子は
子供の頃から横恋慕されていた男に強姦されて子供を出産し
昇吾との間に一人子供を産み
昇吾の浮気相手の子供を自分の子として育てるなど
3人の子供を育てながらデパートを大きくする仕事にも力を注いでいく

また義妹は女優として生きていくし
自身の長姉は議員の妻へ、次姉はヤクザの妻へ
次姉は拾った孤児たちを4人も育てるし…

ってな昭和から平成までの激動を、女の一生を通して見つめるお話しなのである。




1巻~25巻まで、どの表紙絵も、とても美しい

映画「三丁目の夕日」と同じく、実際はもっと汚く薄汚れていた世界も
映画のセットのように少々、美し過ぎるように描かれておる
とはいえ…少女漫画なもんで、これが限界かっとも思う(笑)

上記にもチラっと述べたが、このお話しの内容は昼メロも真っ青な内容なのだが
漫画自体は意外にも、サッパリとしている
それは、登場する女性陣の性格が皆
気風が良くって、サッパリとしており、男らしいからだと言える(笑)
かえって男達の方がウジウジ系が多い(アハハハハ)

ただ、女性の仕事に関する部分は…ちょと出来すぎかもなと思った
それに彼女たちの生活は、可なり恵まれていると思う
だから巻が進むにつれ、自分と馴染めなく違和感を感じた
世の中、こんなに甘くはないだろうと思ってしまう(笑)

多分…資料と情報収集が少なかったのかな~
断片的な部分を元に、話を組み上げた感が否めず
これだけ積み上げる話の割りには、土台がシッカリしていない感じがした

登場人物の性格が突然コロっと変わったり
いきなり6年後に話が飛んだり・・・エエ話も多い分
勿体無いな~~っと思ったの~

私としては、時々しか出てこない瞳子の弟のことが気になったりしていた
自分にも弟が居るので、弟は何の仕事につき幸せなのかい?と色々考えた

次姉はメインで色々な話に出演していたが
長姉と弟は殆ど話のメイン舞台には出てこなかった
なんじゃ?他の姉弟はどうした?っと思っておったら
後に長姉は議員である夫の汚職事件でクローズアップされていたので
弟も出てくるのかな~と期待しておったが…まったく無視されていた(笑)

弟の結婚の話もチラっと出ていたので…
先の話で絡ませようという意図は作者にあったと思う
だが、瞳子の3人の子供達の話が膨らみ過ぎ、
弟の話を入れるスペースがなくなったのか、忘れ去られてしまったのか
そんな寂しい登場人物が、この話には結構居る(笑)

なにせ、昭和元年から平成一桁までの長いお話しである
色んな見かた、色んな感じかたが出来るお話しだと思う

今、瞳子が生きていたとしたら、現在83歳か…
富士山の見える別荘でノンビリ暮らしておるじゃろうか?
おいおい。っと思う点も多い漫画であったが、
これだけ長い漫画を読み終わると、不思議と瞳子が好きになっている
いつまでも幸せで長生きして欲しいな、なんぞと思ってしまう(笑)

今回はいつも遊んでもらっておるtooruさんから全巻お借りした
貴重な漫画を一気に読めて、本当に幸せじゃった~~
ありがとうございました~。
※デスノート以外はお借りした漫画の全てをトミーさんに転送します
 デスノートはこれから読むのだ~~~

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砂の薔薇(デザートローズ) 作:新谷かおる 

2009-07-10 | 漫画紹介


いつもブログで遊んでもらっておる「tooruさん」からお借りした

「砂の薔薇」っと言えば…砂漠でカルシウムなんぞが結晶した石を思い出すが…
こちらは人間のお話。しかも…26歳、超美人!ほいで…強くて頭も良い。

テロによる飛行場の爆破事件で、
夫と幼かった子供を失った真理子・ローズバンク。

真理子は胸に爆破の破片が突き刺さり、生死の境をさまようが
無事、命を取り留めることが出来た

彼女はテロや戦争とは、まったく無縁な日本人であるから
テロを憎む気持ちがあったとしても…
なすすべもなく「泣き寝入り」するしかない

普通はね…(笑)

ま、そこは漫画。

彼女は民間の対テロ組織専門の傭兵集団へと身を投じ
数年で女性テロ戦闘集団「ディビジョンM」の指揮官となり
組織の中でもトップクラスの成績をあげていく

憎むべきは夫と息子を殺したテロリスト「グリフォン」
胸に負った傷跡が薔薇のように見えることから「薔薇のマリー」と呼ばれている

作品は1989年に「月刊アニマルハウス」で掲載されたらしい
新谷かおると言えば…「エリア88」しか知らんかったもんで…
しかも…今回色々と調べて…初めて知った事実に仰け反ったほどである

「新谷かおる」って…男だったのかっ!

いやね。あんまし可愛らしいお姉ちゃんを描くから…
テッキリ女性だと思っていただよ~(ハハハハハハハ)
確かにな~女性にしてはメカを上手に描くし、性的目線も男っぽい(笑)

※以下ウィキペディアより
大和和紀、山岸凉子のアシスタントを経て
1973年に松本零士のアシスタントを経験する。

あっ。な~~るほど。
彼の描く漫画に出てくる女性の腰が、松本零士氏の描く女性の腰によく似てる
つまり、いったい食ったもんは何処へ行くの?ってな細いウエストなのだ

成人男性の大きめな手に少し余る形の良い胸
40センチを切るだろう腰
なのに、思ったよりも大きいプリプリなお尻
ほいでもって「ハフゥ~ン」ってなお色気

「おおお~~~~! たまらん!」

よく映画なんぞで出てくる「女性の傭兵」とは一味も二味も違う

以前にもチラっと読んだことのある漫画なのだが
読んだのは同人誌であった

当時、「聖闘士星矢」のBL同人誌を作っておった友人がおり(笑)
その彼女から、和田慎二のスケバン刑事と砂の薔薇のコラボ作品を借りて読んだ
残念ながらその内容は覚えておらん(アハハハハハハ)

その時は本当に記憶が無かったのだが…
今回、「砂の薔薇」を全巻お借りし、あらためて通して読んでみて
主人公の真理子・ローズバンクの性格にかなり惹かれた

女性だけの集団を、こんな風に纏めることの出来る彼女の行動に
学ぶ点は沢山あったな~~
そうだな。作者が男性だからこういう風に描けるんだ(笑)

アニメにもなっているらしい
「砂の薔薇」(音あり)

海外ドラマ「チャーリーズ・エンジェル」よりはハードアクションだが
先日なくなった「ファラ・フォーセット」さんを彷彿させる漫画である

強くって色気のある女性。カッチョエエ~っと思い、つい…
「ハッ!」っと空手のマネをして右手を突き出したら
右腕の振袖お肉が「ブルン」っと唸った(ハハハハハハハ)

男性はもとより
仕事で、女性ばかりの部門を纏めなければならない女性にも
オススメの漫画です~

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萩尾望都 マージナル

2009-06-12 | 漫画紹介






萩尾望都 「マージナル」である
marginal【形】
 〈問題など〉周辺的な; あまり重要でない
 限界の, ぎりぎりの, 最低の
 〈土地が〉生産力が(ほとんど)ない  (エキサイト辞書より)

という意味と…もしくは
「境界線上にあり、どちらへも属する可能性がある」とも言える意味がある
ま、「ヤジロベイ」みたいなもんだろうか?

萩尾さん自身は「不毛な世界」という意味を使っていたと思う

上記写真は、1994年に初版出版されたものを
いつも遊んでもらっておる「トミーさん」からお借りしたものである
うっとりするほど、素敵な絵だよな~

ところで、本書は1985年に「月刊プチフラワー」で連載されていた
見た記憶はある。だが最後まで見ていないと思う
最初のシーンは記憶にあるのだが…後半になると全然覚えていなかった(笑)

上記に書いたマージナルの意味の中に
〈土地が〉生産力が(ほとんど)ないとある
本書の場合は、土地=地球が病んで…なぜか
生殖能力を持った女性が生まれなくなった
っという設定が土台にある

正直、この設定には無理がある(笑)
男性の方が女性よりも、肉体的にも精神的にも弱い存在である
生殖能力がなくなり、絶滅するなら男の方だろう…っと私は思うのだが…(ハハハハ)
ま、アマゾネスの世界を描いても少女雑誌の読者にはウケんでな(笑)

ともあれ、地球は死にかけていた
もちろん地球以外なら生殖能力を持った女性が生まれるので
ほとんどの地球人は宇宙へと逃げた

だが、病んだからといって故郷はそう簡単には捨てられない
だから「マザー」という女性を中心に子供を作り
年に一人か二人の割合で、各地域へと払い下げ均衡を保つという
ミツバチ社会的な「マージナル」というプロジェクトが進行していた

しかし、その「マザー」も年を取り、子供が産めなくなってきた
新しい「マザー」の誕生を切望する地球の民。
地球を管理するために、他世界から派遣された長官メイヤード。
全てが滅びへの序章として動く中
イワンという科学者が作り上げた感応能力に優れた「夢の子供」キラの誕生により
不確かで無機質な希望の光が差し込むのだが…

「プロジェクト・マージナル」が静に狂っていく姿をアナタはどう見るか?

ってな漫画である(笑)

地球が病むことをテーマにする漫画や小説は多いが
確かに、病んだ地球の上で生活している生命が地球の影響を受けないはずもなく
なかなか鋭いところを指摘した漫画だと言える

長官のメイヤードは
同じく萩尾作品の『スター・レッド』ペーブマンを彷彿とさせ
手塚治虫のロックをも思い出させる。
悶々と一人悩む姿は、気苦労が多いだろうなっとつい思ってしまう(笑)

人によって作られた「キラ」は…人間と言えるのかどうかが解らない
カタツムリやミミズのような雄雌両方の生殖器官を持っている雌雄同体とは違うし
人の奇形として言われている、両性具有者とも言い切れない
人や地球の思いが「キラ」を男性にもするし、女性へとも変化させる

萩尾作品でよく表される「性のない人」…これに私は頭を悩ませる(笑)
時に少年・少女をこの「性のない人」と表す萩尾作品は
往々にして無力でどっちつかずのこの弱い立場の人を、強いモノが蹂躙する
「メッシュ」しかり、「残酷な神が支配する」しかり

これとは対極的に、萩尾作品の中では
子供が沢山いて、大らかで、太っている典型的な幸せ男女もよく描かれる(笑)
緩和剤なのか中和剤なのかは解らないが
なんとなく、好きになってしまう人物でもある
「メッシュ」のカティ、「感謝知らずの男」の看護婦ドーラなど

本来は男女が恋をし、幸せ一杯で…だから食べ物も美味しく
体型は太り「ガハハハハハ」っと笑うところにこそ、本当の幸せがあるんだよ
っとでも言っているようにも感じる

過去日本でもヨーロッパでも、女性は太っている方が美しかった
いつのころからか、生殖性の感じられない男の子っぽい細身の体型が尊重され
美しいと評価されるようになる
だから女性は痩せるためなら食事すら抜くようになる
痩せた女性を美しいと感じる男性は、本来の生殖活動が細り
猛禽類から草食類へと変化し、女性も男性も中性への道を歩み初めている

しかも、争うことを極端に嫌い…自分の言いたいことを心にしまい込み…
いや、心で思うことすら疎い、無理に他人と同調しようとするこの中性人たちは
「性のないキラ」によく似ている
たまりに溜まった感情を制御する術を持たず、時に爆発し、時に病むからである

必然的に生産性は衰え、地球の「マージナル化」(不毛化)は進む(笑)

私の単なる思い込みかもしれんが…
萩尾作品の大らかで太った女性を見ると「ホっ」とするのは
そんな理由からかもしれない

最近、男性の数が減ってきているそうな~「男性人口減少」
「逆マージナル化」(生殖能力を持った男性が生まれなくなる)時代が来るかも…

最後のオチに多少の納得のいかない部分もあるが…
この手の作品にスッキリとしたオチを求める方が、間違っているのかもしれん
なかなか味わい深い、面白い作品なので
機会があれば、読んでみてほしい~

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キャプテンKen 手塚治虫…っと栗本薫

2009-06-05 | 漫画紹介


この漫画は、ロバート・A・ハインラインの『輪廻の蛇』が元になっている
この…「輪廻の蛇」マジでメビウスの輪みたいな話での(笑)

孤児院の前に捨てられていた娘。
A子ちゃんが目の前に現れた男と恋に落ち、やがて女の子を産むが、
男は子供を連れて何処かへ消えてしまう
失意のA子ちゃんは病気になり、ある治療で男性になってしまう

酒びたりになったA子ちゃんは、
酒場のバーテンダーからタイムマシーンの話を聞く
自分を裏切った男に復讐するため、男性となったA子ちゃんは過去へと旅立ち
娘時代のA子ちゃんと出会い恋に落ち、子供が生まれる

産まれた子を男性のA子ちゃんは、もう一度タイムマシーンに乗り過去へ行き
孤児院の前に捨て…自分はバーテンダーとなる
ある日、バーテンダーとなったA子ちゃんの前に、
男性となったA子ちゃんが現れ…

ってな話である。
多分…一回読んだ程度では解らんじゃろう
も一回書こうか?(アハハハハハハ)

この手塚治虫氏の「キャプテンKen」は、ウワサを聞いてはいたが
お目にかかるのは初めてである
今回も、漫画友達のトミーさんからお借りした

手塚治虫氏お得意の、男だか女だか解らない設定と
影響を受けたハインラインの、卵が先がニワトリが先かってな設定に
舞台が遠く離れた火星で、
人間に迫害されている火星人をキャプテンKenが救うという
そんなヒーロー的な要素もある漫画に仕上がっている

話は少し変わるが…
この漫画の「あとがき」を中島梓さんが書いている

先日、亡くなった中島梓=栗本薫さんの作品を私は若い頃に漁るように読んでいた
なにせ…凄い女性での
推理小説から時代小説、SFにファンタジー
あらゆるジャンルを同時進行で書ける奇才であった
年間に書く本もゆうに20冊以上超える年もあり
次から次へと出版される本の嵐に、読者は嬉しいやら小遣いが続かないわで
悲鳴をあげていた(笑)

こんな書き方をして、体を壊さないもんかとの読者の心配をよそに
出産に舞台に音楽へにと活動の幅をどんどんと広げていった
小説を書くスタイルも居間で家族と話しながら書いていると読んだ事がある

彼女が書く小説が面白いのはもちろんなのだが…
彼女の書く「あとがき」もまた実に面白い(笑)
日常生活であったこと、現在の活動状況、今興味のあること
様々な話を面白くかつ楽しく書いていた

ある時期から着物にエラク興味を持ったらしく
2度目に出演した「ヒントでピント」というクイズ番組出演時に
素敵な着物を着て、毎回視聴者の目を楽しませてくれていた
派手な柄の着物より、渋い着物に半襟などで刺し色した
江戸末期のような、オシャレな遊び心が表れていたと記憶している

さて、その「あとがきの女王」がどんな風に手塚作品を料理しているかと言えば…

「腐女子系へ持っていこう、持っていこうっとしている」(アハハハハハハ)

この、キャプテンKenの漫画にエロチシズムを感じると言うのだ(笑)

なるほど~~~
キャプテンKenには、彼と顔がよく似た女の子が登場する
確かにKen君は、女の子と間違えられるほど
クリっとした大きな目に、バチバチとした長い睫毛を持っているし…
とっても可愛らしい顔立ちをしている

Ken君によく似た女の子を好きになる男の子は…
もしかしたらKen君をも好きなんじゃないか?っと彼女は妄想するのである
妄想がエスカレートしていく様が書かれた「あとがき」は面白い(笑)

さすが、小説界で「腐女子世界を確立」した栗本薫さんである
『真夜中の天使』、『翼あるもの 上・下』、『朝日のあたる家』には
私は目が点を通りこし…目が埋没した思い出がある(笑)
埋没したのに、どうして3部作が読めたの?ってなツッコミは受け付けないがの

と言う訳で…この作品、あとがきも楽しめて嬉しさ2倍の作品である
機会があれば、ぜひ読んでみてほしい(笑)

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イグアナの娘 萩尾望都

2009-05-18 | 漫画紹介

「イグアナの娘」 プチフラワー 1991年11月号
○ある日、頑張って子供を産んでみたら…その子がイグアナだった。
まわりの人には、可愛らしい人間の女の子に見えるのだが…
母親から見るとイグアナに見える。だから可愛くない。可愛くないから愛せない。
そんな母に第二子が誕生する。今度は可愛い人間の女の子に見える。
人間に見えるから可愛い。可愛いから溺愛してしまう。
かくして、母の第1子と第2子の差別飼育が始まる

イグアナに見える子は、素直で良い子でIQも高い。だからかな~???
こんなに差別されて育てられてもグレないし、ブレないで育つのだ
本人も鏡で見ると、自分の顔がイグアナに見えるのだから
母の言うのも「さもありなん」と思ったのかもしれない
自分の顔がイグアナに見えるのに…
引きこもらないし、何に対しても前向きなところは可愛いとすら思う
ただし、当たり前のことだが心に深~い傷を負う

語るも涙、聞くも涙の母の仕打ちなのだが…そんなに悲壮感は漂わない

久しぶりに読んだ漫画だが…
以前に読んだ時は、私も継母からのイジメを受けたことがあったので…
「嫌な漫画」と思った(笑)
ただし、あの時も思ったが、イグアナの娘がキラキラして見える漫画でもある
この子。強いのだ。
この強さが何処から来るのかは解らないが、彼女は乗り越えて行く
いや…私もそうだった。生きるためには乗り越えなければならないこともある。

実はこの漫画で当時、驚いた事実があった。
「本当の母でも自分の子供が嫌いになるのか?」で、ある。
これで、私の気持ちがス~っと楽になった記憶がある
本当の母でもありえることなら、継母なら「さもありなん」である(笑)
ちょびっと気持ちを大きくして、飲み込んでしまえば、たいがいのことは楽になる

「カタルシス」 プチフラワー 1992年5月号
○両親は、何時までも子供は子供と思っていたい…
そんな親が葛藤する時期と子供の思春期とは、何故か同一時期に起こりがちである
子供扱いされて、反発が起き、子供は思春期を迎え、父母から独立する
それは儀式のように、何処の家庭でも起こる。
いや…起こらないと困る流れの一つでもある。

大学受験に失敗し、浪人中の「ゆうじ」が突然家出をした
家出した「ゆうじ」を父母は、誘拐された小学生でも探すように騒ぎ立てた。

「何故家出したのか?」という理由を探り、話し合うほどには
自分の息子は成長していないと思っている
父母は一度人生を経験している。振り返ってみた自分の人生での間違いを、
自分の息子には経験させたくないという親心が働き、子供の考えを無視し
自分の正しい考えを押し付けようとする
「ゆうじ」は、こんな親の元に居たら、自分がロボットになってしまうと恐怖する

親は……自分も経験するまで解らなかったっという事実を、
コロっと、忘れてしまう不思議な生き物である
何時までも親元で、スネをカジり続ける大人になりきれない子供の方が
教育費や食費などで手が掛かると愚痴りながらも
可愛いと思うのだから、手に負えない

「午後の日射し」 ビッグゴールド 1994年14号
○夫から言われた一言「夫婦なんて、所詮他人」という言葉が
棘のように刺さってしまった中年婦女子で専業主婦の賞子
そんな時、お料理教室に入ってきた、若~い男のミョウ~な優しさに心ときめき
甘い妄想のお時間へといざなわれていく

この、イグアナの娘に収録された短編の中では、一番リアルな話だと思う
結局、なんにも起こらない。
起こす勇気が持てるほど、今の夫が他人ではないからだ。

「所詮他人」とは良く言われる言葉だが…血の繋がりのない同志とでも言おうか?
同じ人生という道を、前後しながら長い期間一緒に歩むのだから
「他人」だとも言えない間柄となる

恋で知り合って、愛で血迷って結婚した他人同士が
努力と思いやりと根性と諦めと情けがごちゃ混ぜになり
ある日、ポンっとお空に飛び上がった時に、二人っきりだと気が付き
深い心の繋がりを感じるのかもしれん。
それは愛や血の繋がりを超えた世界(笑)

ただし、女はホルモンの関係上、男は肉体機能の関係上
恋はどうしても必要らしい。だから所詮他人よっとウソぶきながら
「○様の横顔が素敵~」とか、「○ちゃんのお尻が~」とか言いたいのかもしれん

「学校へ行くクスリ」 ビッグゴールド 1994年16号
○夏休み明けの2学期初日、
高校1年生の「かつみ」は、世界中の人々が人でない物に見えてしまった
電気釜の頭を持つ母を筆頭に、頭だけ別物に見えるのだ
ところが中川という女子と甘木という男子、この二人だけは普通に見える
実はこの3人には、大人の事情という深い繋がりがあったのである

つまり、「かつみ君」は子供だけれど子供とは言いきれない年齢だという事で…
家庭の中で色々と親がもめる揉め事を、見て見ぬフリをする大人の部分と
よく解らないと否定し打ち消してしまう子供の部分との葛藤が
目に表れたと言える(笑)

先日友人が離婚したと言ってきた。社会人のお姉ちゃんには説明をしたが
高校生の妹には、なんの説明もしていないと言う
突然、家を引越し、その引越し先に父親が同行しない状況で、である。

そりゃバカじゃないんだから、薄々は解っていると親も思っているのだが
受験前の大事な時期に、心を煩わせたくなかったっと言っていた

妹は良い子だから、何も解らない子供のフリをすることだろうと思う
お母さんが電気釜に見え、お姉ちゃんが掃除機に見えたとしても
受験さえ失敗しなければ、離婚で傷ついた母親は喜ぶだろう
ああ、子供ってなんて大変な職業なのだろう
私も、高校生の時に、そんな時期があったので大変だな~と思う

親も大変だが、子供だって大変なんである
そこんところが解って腹を割って話せば、それも子供の実になるのだが…。
やっぱ、受験も大事だよな~社会に出ると、その受験の合否がズーと尾を引くしな
気持ちは解る。だもんで時の解決を待つしかないだろうね~っと言ってしまった
子供はセッカチで焦って失敗するが、大人になると気長に待つ事を覚えてしまう
良い結果が出ることを、切に願うしかないだろう。

最後に…
「友人K」 グレープフルーツ 1985年21号
○コチラは雪を見ると思い出す、中学時代に転校してきたKとの話
短い短いお話。

今回、漫画ブログ仲間のトミーさんから、初版本をお借りして読んだ
「トミーさんのイグアナの娘レビュー」←こちらも勉強になるので読んでみてほしい

萩尾望都さんの描く親子関係では、たいがい親の方が悪いイメージがある
考え方が幼かったり、ヒステリーだったり、押し付けがましかったり
漫画では、極端に描くことが多いので「そんなんアリか?」と思いがちだが
そんな親の方が、現実にも多いと思う
だって我々は親として生まれて来た訳ではなく
一個の人間として、その成長過程で、子供を育てているのだから、間違いも多い

そんな間違いの多い親に育てられたら子供は可哀想とか思ってはいけない
間違いの多い親に育てられた子の方が、絶対的に強く逞しく情緒が多彩である
子供が一人になっても生きられるように育てるのが、親の務め
だから我々大人は、間違いを恐れず子供と向き合うべきなのだと思う

萩尾さんの作品を見ていてそう感じた
どの作品の中の子も、親を乗り越えて、親より大きくなっているから

また、何かの本で読んだことがあるが…
萩尾家は教育熱心な厳格な家庭だったと聞く。
母との確執もあったらしい。そのような土壌から、こういう漫画を描いたと思うが
彼女自身、それら確執を乗り越えたからこそ、描いた作品だと思う
若い時には、永遠とも言える時の流れに絶望を感じ
人生を簡単に止めたくなるものだが
80歳まで生きるとして、親との確執はたかだか十数年間だけである
陳腐な言い方だが、必ず時が解決してくれ、また自身も成長し強くなれる
自分を信じて、不出来な親の縁が原因で自分自身に負けないで欲しい

あまりにも深く面白い内容だったもんで、ツラツラとシツコク書いてしまった(笑
色々と思うところをコメントに残して欲しいな
ちょっと、おしゃべりがしたくなる作品でした~(笑)

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百億の昼と千億の夜

2009-05-12 | 漫画紹介


「光瀬 龍」が1965年に「SFマガジン」で連載した作品を
1977年に「萩尾望都」が「週間少年チャンピオン」に連載した漫画である

同じく「光瀬龍氏」の本を漫画化したものに
アンドロメダ・ストーリーズ(作画:竹宮恵子)
墓碑銘2007年 (作画:水樹和佳子)などがある
アンドロメダ・ストーリーズについては、このブログでもレビューしているので
コチラをどうぞ~

さて、この「百億の昼と千億の夜」。タイトル的には惹かれやすいが…
百億と千億では千億の方が多いから…夜の方が長いのだろうか?(笑)
多分…作者は永遠とも言える空間と時間を、タイトルで現そうとしたと思うが…

この話の根本に東洋仏教的な考えが多く網羅されているので一応書くが
仏教の中での永遠とも言える空間を表す言葉に「三千大千世界」という言葉がある
須弥山を中心に周囲四大洲と上は遥か梵世、下は可なり下の風輪まで
この世界を1と数え、それが1,000個集まって小・中・大世界と3乗したものを
「三千大千世界」という。(1世界が10億集まった空間)
この周囲・上下の空間を一人の仏が教化出来るという(笑)
つまり、宇宙まるごと一個を、一人の仏が救えるんだよっと言っている

つぎに、この「百億の昼と千億の夜」に一環して登場する人物が3人いる
阿修羅王・シッタータ(釈迦)・オリオナエ(プラトン)である
馴染み深い名前の3人であるが…
釈迦とプラトンはどちらも人間の本質を探究していて
それを教材に学生達に教えようとしていたプラトンと
それを宗教の経典とし、考え方を人々に広めた釈迦と
この二人の行動と、もう一人の主人公である阿修羅王とでは行いに隔たりがある

阿修羅王は…元は天上世界に住み、「正義」を司っていた
愛娘をいずれ天上世界を治めている「帝釈天」へ妻として贈ろうと考えていた矢先
女好きの「帝釈天」に娘を強姦されてしまう
怒った阿修羅王は、あらん限りの軍勢を集めエンドレスとも言える戦いを
帝釈天に挑み続けるのである
が、親の心子知らず。強姦されて嘆いていた娘は、帝釈天とねんごろとなり
立場を失った阿修羅王は天上世界から追い出され「鬼神」となってしまう
その後、現れた仏の慈悲により救われ、仏教加護に尽力を尽くすのである
っというのが通説として残っている
一応仏典では阿修羅王は「男」であるが、光瀬龍氏の書いた本も
萩尾望都氏の描いた漫画も、阿修羅王は「女」として描かれている

さて、前フリが長々と続いたが、簡単なストーリを書いておこう
多少のネタバレがある(多少過ぎて感じないかもしれん…笑)

覇権を誇りつつも突然消えたアトランティスに興味があり、
著作も手がけたプラトンは、新たなアトランティスの古文書を探し旅へと出かけた
エルカシアという町で、今尚動いているアトランティスの高度な技術に触れ
興味をつのらせたプラトンは、エルカシアの宗主と会う機会を得る
光るパネルの向こうから声だけ発する宗主に、アトランティス滅亡の謎を問うが
自身の目で見つけることになるであろうと言われ、気を失う

目が覚めるとプラトンは、なんとアトランティスの司政官となっており
神である巨人「ポセイドン」より、アトランティス移動を強要され苦悩していた
「ポセイドン神」は、惑星開発委員会なるものがあり、そこからの要請だと言う
これだけ栄えている王国を捨てよという神の意思が解らず
困惑する民衆の暴動により、アトランティスの移動は失敗。
一夜にして王国は消える。
ここから、プラトンの時空を超えた長い・長い旅が始まる

また釈迦は、釈迦国皇太子の座を捨て出家し梵天王と出会う
そこで阿修羅王と帝釈天の4億年もの長きに渡る戦いを聞き
「死」から逃れる術を持たない人の世の苦しみを
遥かに超えたところに存在しているハズの神々が、
何故に長きに渡り戦いをしているのか?と疑問を感じ、阿修羅王と会うことにする

三葉虫が這いずり回っていたアノ頃より、我々の住むこの時間と空間の世界が
着々と滅亡へと進むのを、ヒシヒシと肌で感じる

これが…地球だけ、人間だけの話ではなかったとしたら?
一人の仏が救えると言われている広大な三千大千世界。
もし、その一人の仏が救うのを諦め、匙を投げ
この世界を終わらせようとしていたら…

帝釈天は早々に諦め、あらがうのを辞めた
阿修羅は帝釈天の諦めに怒りを感じ、戦いを挑んでいる
イエスは巧く取り入り、次世界の三千大千世界へと逃亡しようと試みる
プラトンと釈迦は、阿修羅王と共に見えない敵に戦いを挑んで行くが…
蟻が地球を動かしている動力に、戦いを挑むようで
相手が膨大過ぎて姿すら見えない。

ただし、唯一の希望がある。プラトン・釈迦・阿修羅王に長き命を与え
進む滅亡に楔を打つ使命を与えた存在が…。

ってな壮大かつ、想像すら出来ない世界を描いた作品である(笑)

先にも述べたが「百億の昼と千億の夜」の世界感は
仏教でいう「三千大千世界」にあたると思う
つまり時間も空間も上(天上界)下(地表の遥か下)まで一つの世界であり
一人の人間が把握出来ない広さではあるが
たった一人の「仏(何者か)」が救うことが出来る広さでもある
救うという行為を諦めたとしたら、たった一人の「仏(何者か)」の意志で
滅亡させることも出来るであろうっと、作者は考えたのだと思う

それを考えると…そら恐ろしい世界を描いたとも言える

ただし、そうとばかりは言えないという事も一応記述しておく

仏教世界で解かれている「三千大千世界」ではあるが
経典の中に、その広大な世界は「外」にあるとばかりは言えないっと書かれている
人の「内」に、世界があり、人の気持ちでどうとでもなる世界だとも言う
どんな生命もその心の内に「三千大千世界」を持ち
それを滅亡させるも、救済するも、その人の心持ち一つで決まるのである

人の心の中に、広大な宇宙が広がり
それを生かすも殺すも救うも破滅させるのも、たった一人の人の心が決める
っと説いているのだ
「仏を外に求めるな、自身の心の内にこそ仏は居る」である

また、そう考えると…我等の住んでいるこの三千大千世界も
誰か人の心の中にあるのかもしれん。
どこか違う世界のしがない中年サラリーマンの心の中に住んでいたとしたら…
叫んでも聞こえんかもしれんが、大声で「ガンバレ~」っとエールを贈りたい
(アハハハハハハハ)

また、「死」はあらがえないものではあるが…生命は永遠に続くとも言われておる
「死」は長き生命に耐えられない器の死とも言える
たとえ、誰かとこの世で死を堺に別れたとしても、忘れないで欲しい
生命は永遠で「縁」は生命と共に続く
この世で出会った人と、また違った形で会う可能性がある
別れは辛く悲しいが、永久の別れではないことを心に刻み、
悲しみに負けないで欲しい

そう信じるということが大事だと思う。なにせ誰も生きて見てない世界だから
解らんがの~(笑)

ただ、この漫画でも釈迦とプラトンが最後に、未来を信じて阿修羅に全てを託す
何かや、誰かを信じることは、人の心にとって大切な栄養素かもしれん
人の心のよりどころである「永遠の生命論」を見事に打ち砕いた本書の内容も
最後の最後に「希望」というよりどころを作り、完結している
それが無ければ、空虚さだけが残る話であった
というか…ココにしか逃げ込めない所へ落ち着いたと言えようか(笑)

今、病気の人も、病気の家族を抱えている人も…
生命が永遠であることと、人の心の信念には三千大千世界をも動かす力がある事を
信じて欲しい。
帝釈天のように諦め享受するより、私は何か出来ると信じて戦う阿修羅が好きだ

な、色々と考えることの出来る大変、面白い漫画だろう(笑)

始めて読んだのは、10代後半。阿修羅の美しさに魅了された
20代半ばで一度読みかえし、仏教理念と照らし自説を得る
30代でも読んでいる。生命の危うさを感じ眩暈がした(笑)
今回、トミーさんよりお借りし、また読む機会を得た
40代も終わりに読むと、初めて落ち着いて受け入れながら読めた(ハハハハ)

ありがたいことに、簡単に手に入る漫画なので
一度読んでみることを、おすすめする(頭が痛くなったらゴメン…笑)

好きな漫画なんで…可なりシツコク長く書いてしもうた
長いのでパスしてくれてもOKじゃ~って…こういう事は先に書かねば意味ないか
(アハハハハハハハ)

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のだめカンタービレ

2009-04-24 | 漫画紹介


こんなメンバーが登場する…クラッシック音楽コメディー漫画である
2007年にフジTVの月9枠に登場したので、知っている人も多いと思う
かくいう私も、漫画より先にドラマで知った

指揮者志望のオレ様・千秋真一を玉木宏
変態ピアニスト・のだめこと野田恵を上野樹里がやり…見事にハマった演技を披露
漫画のようなぶっ飛ばしシーンも違和感なく、大変面白いドラマであった

ドラマがこんなに面白いってことは…漫画だと相当、面白いんでないかい?
と思った私は、今回、ブログ漫画仲間の「夜さん」から21巻をお借りし
大変幸せなことに一気読みさせていただいた(ありがとう~)
(ただし…21巻はまだ途中である…まだ続いているんだな~この漫画)

オレ様千秋は、父上が有名なピアニスト様だし、お母様は超お金持ちみたいだから
音楽に関する土壌には恵まれていると思う
恵まれた素質と土壌を持ちながらも、尚且つ勤勉。だから向うところ敵はなし
でも、オレ様だし、飛行機に乗れないとか、水が恐いとか精神的なトラウマがあり
日本から脱出出来ない。世界に羽ばたく音楽家としては致命的欠陥を抱えている。

変態娘の野田恵は、家族もごくごく一般ピープルなのに…
なぜか超が付くほどのド・天才。聴いただけでその曲をピアノで弾けてしまう。
が…勝手なアレンジが多く、クラッシックを学ぶ者としてはやっぱり致命的

この二人が、同じ大学の先輩と後輩として出会い
はじめは、のだめの一方的な変態的恋が、お互いの音楽の成長とともに実を結ぶ
ってなお話である(簡単すぎるか?笑)

登場人物全員が「ボケ」の中で、一人「ツッコミ」の千秋。

のだめは、千秋のことを愛するあまりか趣味なのか
千秋のパンチラ姿を写真に撮ったり
千秋が吸ったタバコの吸殻を収集したり
千秋のパソコンでエロサイトを勝手にみたり
千秋の匂いが付いたワイシャツなんぞを手放さない
恋する女とは思えんようなゴミ溜めな部屋に住み
ピアノに集中すると何日も風呂に入らなかったりする

セッセと部屋を掃除したり、風呂に入れたりしてしまうオレ様千秋の行動が
躾の悪い、マングースを飼育しているように見えてしまう

セレブ育ちの千秋としては、動物的本能のみで生きているのだめが珍しいのか、
ついつい美味い料理なんぞを作っては、餌付けをしてしまい
結局、切っても切れない「縁」みたいなモンが生まれてしまうのだ

どんな有名な催眠術師も治せなかった千秋の飛行機嫌いも
不思議なことに、のだめの素人催眠術だとコロっと治り、千秋はパリへ駒を進める
千秋の母の援助もあり、のだめも無事にパリの音楽学院へと駒を進める

変態だと解っているので、深く一歩を進めることに躊躇している千秋だが
のだめのピアノは大好きで、それが、歪んだ「愛」の形だとは気付いていない

一見、漫画好きのオタク変態に見えても、心は千秋への「愛」で一杯な、のだめ。
千秋の方が大人に見えるが、ホントに大人の愛を知っているのは彼女の方
音楽がなければ、千秋に見向きもされない存在だと知っている彼女は
千秋と共にリサイタルを開けるようなピアニストになるため
嫌いな譜面にも、音楽家たちの人生にも正面から向き合おうと努力する

さて…この漫画の結末は…いったいどうなるんだろう?
千秋よ、早く大人になれ。そして、のだめちゃんを包んであげてくれ
そんな応援がしたくなる、ホノボノとした変態漫画である

この漫画を読んでいる間、私はデジャブー状態に何度も陥った
夫を愛するあまり、夫のパンチラ姿を写真に納めたり…
夫の匂い付きタオルを嗅ぎまくったり…
夫の匂い付きベットで寝てしまったり…と…
のだめちゃんの行動の一つ、一つに思い当たるフシがある(笑)
ウチの夫も千秋様と一緒で「無臭人」なもんで…少々物足りない思いをしてるがの
(んっ?単に私は匂いフェチなのか?アハハハハハハ)

どちらかと言えば…頭脳明晰なオレ様夫に、漫画・グッズオタクの妻の図式は
千秋&のだめの世界と寸分たがわない。
よく…夫の匂いを嗅ぎ過ぎて恍惚状態の時に、デコピンくらうしの~

どうか、千秋&のだめが結ばれて幸せになりますように
そして、我等夫婦のように、変態の道を突き進み、楽しい家庭を築いて欲しい
しみじみと、そう思った。

この続きは…マンガ喫茶にデビューして読むぞ~~~!
(マンガ喫茶。。。近所にあるのに、なかなか行けない~笑)

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ポチっとで、作者のヤル気でるかもです(笑)