「ひょっとしたら皆ひとりぼっちで 歩いているんじゃないかな」
「いきものがかり」が歌う主題歌が胸に染みる~(笑)
ザックリとした内容~(ネタバレ、少しあり)
あんまりにもロクでもない父だったもんで、母は離婚を決意した。
幼い祐太(阿部)は、父に引き取られた。が、父はロクでもないので子供を育てられない。
そこでまったくの他人だが、ハムカツ屋「デリカの山ちゃん」に祐太を置き去りにした。
祐太を捨てた時、父は「デリカの山ちゃん」の売上金を盗んで行った。
父と母が離婚した時、祐介(瑛太)は母の腹の中に居た。
だから祐太と祐介二人の兄弟は、面識もなければ共通の思いでもない。
まったくの赤の他人に育ててもらった祐太は、回りの大人の顔色をうかがい過ぎて
過剰な気くばりを身に付けてしまっていた。そして、NOと言えない性格の大人となった。
そんな祐太に、山ちゃんのご主人(竹山)は「デリカの山ちゃん」を譲る。
祐太は、その後亡くなったご主人のハムカツの味を守り、現在も繁盛させている。
弟の祐介は、赤の他人とお笑いコンビを組み、「兄弟」と詐称して活躍していた。
早くに母親を亡くし、親戚をたらい回しにされた過去があるので
とてもクールに世の中を見つめている。
そんなある日。「デリカの山ちゃん」の亡くなった初代店主(竹山)の
デブでブサイクだった一人娘徹子(竹内)が、超美人となって帰って来た。
しかも未婚の子持ちで…。そんな徹子の整形疑惑や過去の疑惑をもモノともせず
祐太は彼女と、結婚することとなったのだが…
出演者
阿部サダヲ、瑛太、竹内結子、カンニング竹山、高橋ジョージ、陣内孝則、
藤村俊二、小倉一郎、光石研、伊原剛志、いしだあゆみ、ほか
「実にオモロイ映画であった」
誰もが阿部サダヲ演じる祐太を頼りにし、甘えているのに
誰一人、彼の本名の「祐太」とは呼ばずに、店の名前の「山ちゃん」と呼ぶんだな~
こんなに一生懸命に努力しているのに、ちょっとした事で関係は崩れてしまうしの
人って何だろう。。。。
認めてもらえない努力をしても、無駄なのかな~
なんて思ってしまった(笑)
それでも「祐太」は、最後まで頑張る。
それしかやり方を知らないのだから、頑張るっきゃないのだ。
夫はこの映画を見て涙しておったが…相変わらず人な私は涙なんぞ出なかった(笑)
エエ~映画なんで泣く人も多かろうと思うがの(ハハハハハ)
私にとってこの映画は、気持ちが解り過ぎるくらいに解るもんで切なかった
他人と生活しなきゃならない状況で育つと、誰が何を欲しているのかに敏感になってしまう
この映画の主人公のように、ここまで相手の欲に同調してしまう性格に育つのは珍しいが
それでもある程度までは、自分を殺して頑張ってしまう。
そんな生活に嫌気が差すと、私のように早くから家を出てしまうのだ
それでもだ。この歳になってもまだ回りの人の行動に敏感に反応してしまう時がある。
三つ子の魂百までとは…よくぞ言ったもんだと思う(笑)
ヘタすりゃ八方美人とも取られるこの性格の最大の難点は…
他人を上手に叱れないのだ。叱った相手から帰ってくる反応が怖いのだ。
だから他人のサポートは出来ても、上にはとてもじゃないけど立てない。
頭ごなしに何でも叱る上司はアホだが、それでも少しは叱らなければ前に進まない。
そういう舵取りが私は、苦手なのである。
昔会社の先輩に言われたことがある。「満天ちゃんはズルイ人ね~」っと。
叱らない先輩は後輩に好かれる。でもそれは後輩の為にはならないのだ。
何をやっても叱らない私は、後輩に好かれておった。それを見て先輩が言った言葉である
この映画の「祐太」もそうだ。叱るっということが出来ないのだ。
彼の場合は怒るということも出来ない。精一杯の愛嬌を振りまくことしか出来ないのだ。
よく笑顔で居れば何でも乗り越えられるっと言う人がいるが
笑顔の下の泣き顔を隠したって回りは騙せても、自分を騙すことなんぞ出来ない。
人は、笑って、泣いて、怒って、叱って、うろたえて、謝って…
様々な表情が出来るから人なのだ。
私の経験からだが、乏しい表情しか出来ない自分に気が付いたら
転校するなり、家を出るなり、引越しするなり、自分が新たに出発出来る場所を探そう。
引きこもったり、人生を終わりにしても結果は変らない
自分が変わらなければ回りが変わらないのだから、
環境を変えて自分が変わる足がかりを作ってみるのも一つの手だてだ。私には有効だった
でも「祐太」は同じ場所で踏ん張ってた。
もうイイんじゃない?って思うほど踏ん張っていた。
表題通り「なくもんか」っと踏ん張っていた。
私があの場所で、最後まで踏ん張っていたら、私はどう変わっていただろう?
その人が歩んできた人生や、その人の年齢によって受ける印象のまったく違う映画だと思う
映画を見終わって…「ハムカツ食いてぇ~」っと思ったのは…
私だけじゃ~ないと思うがの~(笑)
ポチっとで、作者のヤル気でるかもです(笑)
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