新潮文庫
前から気にはなっていた本なんだが…
この表紙がの~(笑) タイトルと合体して見ると暗そうだし…
この本を読んだら泣くぞ!ってな雰囲気がバリバリだったもんで、避けておった。
私が想像していた内容は…
古き良き昭和の遺物である「商店街」が、近所に進出してきた大型スーパーの影響で
客足が落ち込んだのをなんとか取り戻そうと頑張ったが、力足りずに消えてしまい
そこにお涙ちょうだい的ドラマが、オマケで付いているってな内容だと考えておった(笑)
今考えると、あまりにも単純な内容を想像し過ぎておったの~(ハハハハ)
ところが、いつも遊んでもらっておるブログ仲間の「さくらどん」の所で
この本のレビューを読んでビックラこいた(笑)
私の勝手な想像と全然違う内容じゃん! だったのだ(ハハハハ)
※「小耳書房」かたみ歌レビュー
で、面白そうな本なので読んでみたいっと思って買ったのだが
いざ手にしてみると、やっぱり表紙からかもし出される雰囲気に負けて放置していた(笑)
そうしたらば、またもいつも遊んでもらっておるブログ仲間の「asagiどん」が
もの凄~く面白かったと、この本のレビューを載せておった(ハハハハ)
※「こどもの時間」かたみ歌レビュー
となると…雰囲気負けして読まないでいるのも、なんだか勿体無い(笑)
という訳で、やっとこ重い腰をあげ、読んでみた。(ガハハハハハ)
読了後の感想は…
「この雰囲気はたまらなく好き」であった。
ましてや私が勝手に想像した内容なんぞを遥かに超える面白さである。
連作の7つある短編の組立が、実に巧妙での~。
「アカシア商店街」と「覚智寺」という古びた寺の2点。
それと7つの短編ごとに登場する1点が結ばれ、魔のトライアングルを形成している。
この三角形は短編で登場する人物によって、その形を様々に変化させている。
話が起こった時間軸は過去、未来とバラバラなのだが少しも違和感を感じさせない。
むしろ小さな小道具で、それぞれの短編が繋がっているのを見つけたときの喜びなどは
昭和の頃に雑誌に付いて来ていた「楽しい付録」のようで、とてもワクワクした。
まず、商店街界隈へ引っ越して来たばかりの、小説家志望のヒモ男から話は始まる
我々読者も、引っ越の荷ほどきをしている彼と、1ページ目をめくる気持ちとが相互し
気が付けば、すんなりとアカシア商店街を中心とした小さな町に溶け込んでしまう。
次に近所の小学生たちの話へと移り、彼らの遊を垣間見ているうちに
車の騒音よりも、人々のざわめきや豆腐屋のラッパの音が響く昭和の音に包まれていた。
商店街にある酒屋の娘は、グループサウンズへの熱狂ぶりとは裏腹に
現実の恋に関しては臆病で、栞に託した小さな恋を育んでいた。
砂埃の舞い上がる道の片隅に可憐な花が咲いていた、あの頃の光景が目に浮かんだ。
スナック「かすみ草」のママは、女手一つで二人の子供を育てながら奮闘している
方や、不慮の事故で夫を亡くしてしまった女の末路との違いに、唖然としながらも
時代は移ろっても、人の本質には違いはないのかもしれないことを知る。
夢を追いかけ諦めなかった漫画家志望の男と、猫の不思議な関係を読み終える頃には
薄っすらとだがこの町に隠されている真実のバミューダトライアングルを感じてしまう
アカシア商店街で店舗前のスピーカから様々な曲を流し続けるレコード店「流星堂」と
亡くなった奥さんの名前を付けた古本屋の「幸子書房」。
そして、あの世との入り口があるとの言い伝えのある「覚智寺」。
この三角形がクッキリと浮かびあがってきた時、初めて読者は全てを理解するのだ(笑)
7つの短編にはそれぞれ不思議な話が盛り込まれている
傾向的にはホラーに属する話の内容と言ってもいいと思うのだが、そんなに嫌ではない。
最初は脇役かと思われた古本屋の店主が、一話ごとにその影を色濃くしていくので
なんとなくだが、朝から夕景までの商店街のありようを見ているようでウットリした(笑)
この小説は、実は絶版ギリギリの憂き目にあっていたらしい。
横ばい状態でしか売れていなかったこの本を、爆発的な人気本へと押し上げたのは
苦肉の策で付けた帯のキャッチだそうな。
大反響 いま売れてます
実力派 直木賞作家の真骨頂
なぜ、こんなにも心にしみ入るのだろう 涙腺崩壊。
マジか…?
私なんぞは「直木賞」「涙腺崩壊」で…読む気が失せておったが。。。(笑)
こちらの写真は、単行本の時の表紙絵。どちらの表紙絵も昭和を匂わせているが…
コチラの方が内容に合っているように感じる。
帯や表紙に色々な工夫をしなければ、なかなか本は売れない時代に入っているのかな
商店街のレコード店「流星堂」が流している音楽から、昭和30~40年代の話だと思う。
「シクラメンのかほり」「好きさ好きさ好きさ」「モナリザの微笑み」「ブルーシャトウ」
「黒猫のタンゴ」「いいじゃないの幸せならば」「圭子の夢は夜ひらく」「瀬戸の花嫁」
だいたいこの曲あたりでは、私は幼稚園から小学生であった(笑)
最後の短編に出てくる「心の旅」「赤とんぼの唄」は中学生頃か。
幼稚園の頃から高校生まで、私の住んでいた町にも商店街があった。
この商店街。実は、あなどれない。ここでの行動は必ず誰かが見ている。
幼稚園の頃、迷子になった時も
小学生の頃、親のサイフからお金をチョロまかしてアイスを食っていた時も
中学の頃、初めて男子と二人っきりで下校した時も
誰かが見ていて必ず親へとチクられた。恐るべし「商店街!」である。
作者は1963年生まれだと言うから、この小説の昭和40年代の頃でもまだ2歳だと思う。
誰かに聞いて書いた話のせいか、ちょっとだけ商店街の寂れ具合が早すぎる感じがした。
こんな風に寂しげな風が商店街に吹きだしたのは、昭和50年代の半ば頃あたりからである。
それまでは何処も一緒だと思うが、そりゃ~活気に溢れていたし五月蝿かった(笑)
新しい住民も古くからの住民も、一言も声を掛けられずに通り過ぎるなんざ無理である。
ま、でも…そんな違和感も、ちょっと不思議な雰囲気を巧く出すエエ味になっておるがの。
ああ、しかし…あの中学の頃、一緒に帰った先輩は…私の初恋だったのに…。。。
商店街のオバちゃん達よ! 今だから言うが、
「あれはソッとしておいて欲しかったゾ!」
つまり…アレがあったので、この本の商店街の絵を見て…読む気が失せておったのだ
(アハハハハハハハ)
面白かったので見かけたら、表紙と帯に負けずに読むべし(笑)
ポチっとで、作者のヤル気でるかもです(笑)
←満天書店入り口
前から気にはなっていた本なんだが…
この表紙がの~(笑) タイトルと合体して見ると暗そうだし…
この本を読んだら泣くぞ!ってな雰囲気がバリバリだったもんで、避けておった。
私が想像していた内容は…
古き良き昭和の遺物である「商店街」が、近所に進出してきた大型スーパーの影響で
客足が落ち込んだのをなんとか取り戻そうと頑張ったが、力足りずに消えてしまい
そこにお涙ちょうだい的ドラマが、オマケで付いているってな内容だと考えておった(笑)
今考えると、あまりにも単純な内容を想像し過ぎておったの~(ハハハハ)
ところが、いつも遊んでもらっておるブログ仲間の「さくらどん」の所で
この本のレビューを読んでビックラこいた(笑)
私の勝手な想像と全然違う内容じゃん! だったのだ(ハハハハ)
※「小耳書房」かたみ歌レビュー
で、面白そうな本なので読んでみたいっと思って買ったのだが
いざ手にしてみると、やっぱり表紙からかもし出される雰囲気に負けて放置していた(笑)
そうしたらば、またもいつも遊んでもらっておるブログ仲間の「asagiどん」が
もの凄~く面白かったと、この本のレビューを載せておった(ハハハハ)
※「こどもの時間」かたみ歌レビュー
となると…雰囲気負けして読まないでいるのも、なんだか勿体無い(笑)
という訳で、やっとこ重い腰をあげ、読んでみた。(ガハハハハハ)
読了後の感想は…
「この雰囲気はたまらなく好き」であった。
ましてや私が勝手に想像した内容なんぞを遥かに超える面白さである。
連作の7つある短編の組立が、実に巧妙での~。
「アカシア商店街」と「覚智寺」という古びた寺の2点。
それと7つの短編ごとに登場する1点が結ばれ、魔のトライアングルを形成している。
この三角形は短編で登場する人物によって、その形を様々に変化させている。
話が起こった時間軸は過去、未来とバラバラなのだが少しも違和感を感じさせない。
むしろ小さな小道具で、それぞれの短編が繋がっているのを見つけたときの喜びなどは
昭和の頃に雑誌に付いて来ていた「楽しい付録」のようで、とてもワクワクした。
まず、商店街界隈へ引っ越して来たばかりの、小説家志望のヒモ男から話は始まる
我々読者も、引っ越の荷ほどきをしている彼と、1ページ目をめくる気持ちとが相互し
気が付けば、すんなりとアカシア商店街を中心とした小さな町に溶け込んでしまう。
次に近所の小学生たちの話へと移り、彼らの遊を垣間見ているうちに
車の騒音よりも、人々のざわめきや豆腐屋のラッパの音が響く昭和の音に包まれていた。
商店街にある酒屋の娘は、グループサウンズへの熱狂ぶりとは裏腹に
現実の恋に関しては臆病で、栞に託した小さな恋を育んでいた。
砂埃の舞い上がる道の片隅に可憐な花が咲いていた、あの頃の光景が目に浮かんだ。
スナック「かすみ草」のママは、女手一つで二人の子供を育てながら奮闘している
方や、不慮の事故で夫を亡くしてしまった女の末路との違いに、唖然としながらも
時代は移ろっても、人の本質には違いはないのかもしれないことを知る。
夢を追いかけ諦めなかった漫画家志望の男と、猫の不思議な関係を読み終える頃には
薄っすらとだがこの町に隠されている真実のバミューダトライアングルを感じてしまう
アカシア商店街で店舗前のスピーカから様々な曲を流し続けるレコード店「流星堂」と
亡くなった奥さんの名前を付けた古本屋の「幸子書房」。
そして、あの世との入り口があるとの言い伝えのある「覚智寺」。
この三角形がクッキリと浮かびあがってきた時、初めて読者は全てを理解するのだ(笑)
7つの短編にはそれぞれ不思議な話が盛り込まれている
傾向的にはホラーに属する話の内容と言ってもいいと思うのだが、そんなに嫌ではない。
最初は脇役かと思われた古本屋の店主が、一話ごとにその影を色濃くしていくので
なんとなくだが、朝から夕景までの商店街のありようを見ているようでウットリした(笑)
この小説は、実は絶版ギリギリの憂き目にあっていたらしい。
横ばい状態でしか売れていなかったこの本を、爆発的な人気本へと押し上げたのは
苦肉の策で付けた帯のキャッチだそうな。
大反響 いま売れてます
実力派 直木賞作家の真骨頂
なぜ、こんなにも心にしみ入るのだろう 涙腺崩壊。
マジか…?
私なんぞは「直木賞」「涙腺崩壊」で…読む気が失せておったが。。。(笑)
こちらの写真は、単行本の時の表紙絵。どちらの表紙絵も昭和を匂わせているが…
コチラの方が内容に合っているように感じる。
帯や表紙に色々な工夫をしなければ、なかなか本は売れない時代に入っているのかな
商店街のレコード店「流星堂」が流している音楽から、昭和30~40年代の話だと思う。
「シクラメンのかほり」「好きさ好きさ好きさ」「モナリザの微笑み」「ブルーシャトウ」
「黒猫のタンゴ」「いいじゃないの幸せならば」「圭子の夢は夜ひらく」「瀬戸の花嫁」
だいたいこの曲あたりでは、私は幼稚園から小学生であった(笑)
最後の短編に出てくる「心の旅」「赤とんぼの唄」は中学生頃か。
幼稚園の頃から高校生まで、私の住んでいた町にも商店街があった。
この商店街。実は、あなどれない。ここでの行動は必ず誰かが見ている。
幼稚園の頃、迷子になった時も
小学生の頃、親のサイフからお金をチョロまかしてアイスを食っていた時も
中学の頃、初めて男子と二人っきりで下校した時も
誰かが見ていて必ず親へとチクられた。恐るべし「商店街!」である。
作者は1963年生まれだと言うから、この小説の昭和40年代の頃でもまだ2歳だと思う。
誰かに聞いて書いた話のせいか、ちょっとだけ商店街の寂れ具合が早すぎる感じがした。
こんな風に寂しげな風が商店街に吹きだしたのは、昭和50年代の半ば頃あたりからである。
それまでは何処も一緒だと思うが、そりゃ~活気に溢れていたし五月蝿かった(笑)
新しい住民も古くからの住民も、一言も声を掛けられずに通り過ぎるなんざ無理である。
ま、でも…そんな違和感も、ちょっと不思議な雰囲気を巧く出すエエ味になっておるがの。
ああ、しかし…あの中学の頃、一緒に帰った先輩は…私の初恋だったのに…。。。
商店街のオバちゃん達よ! 今だから言うが、
「あれはソッとしておいて欲しかったゾ!」
つまり…アレがあったので、この本の商店街の絵を見て…読む気が失せておったのだ
(アハハハハハハハ)
面白かったので見かけたら、表紙と帯に負けずに読むべし(笑)
ポチっとで、作者のヤル気でるかもです(笑)
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