精神状態がよくなかったせいか、
じいが悪鬼と化した夢をみた。
私はじいを捨てたのだ。
介護部屋で、徐々に弱ってゆくじいを、
黙ってみていた。
そして、
徐々に腐敗してゆくじいを、
黙ってみていた。
やがて遺体は黒く変色し、
そこから立ち上がるように、
深い紫色の悪鬼の影が立ち上がった。
でも、病んでいるときと同じく、それ以上は動けない鬼は、
ずーっと、部屋で叫んでいた。
何故、そんな残酷なことをしてしまったのかと、
悔やんだが遅かった。
人を人として最期まで人らしく接すること。
喝を入れられたのかも知れない。