記憶のスクラップ・アンド・ビルド

当然ながら、その間にタイムラグがあり、
それを無視できなくなることこそ残念です。

ファインマン・スクール

2010年08月07日 14時18分49秒 | Weblog
「人体の中の電子が陽子より1%多いとすると、あなたがある人から腕の長さのところに立つとき、信じられない位強い力で反発する筈である。
どの位の強さだろうか。エンパイア・ステート・ビルを持ち上げる位だろうか。
とんでもない。エベレストを持ち上げる位だろうか。
それどころではない。反発力は地球全体の“重さ”を持ち上げられるくらい強い。」

これは岩波版の「ファインマン物理学3 電磁気学」の第1ページの文章です。
以前、1ページ目ぐらいは読んだかと思いますが、記憶がなく、初めてのような気で「えー!」と思いました。
フリーハンドの図版が沢山あったりして、面白そうな本だと思っていましたが、読み通す気が起きないまま本棚に並べてありました。
あの本この本と摘み読みし、シックリ来ないところを補おうとして

竹内 2004 「ファインマン物理学」を読む:電磁気学を中心として 講談社サイエンティフィク

を借りてきて読み始めたら、これが引用されていたのです。
クーロンの法則と万有引力の法則の力の比をとると、電磁力は重力の10の40乗倍になるのだそうです。
(これが地球の重さに相当するかは、どう調べればいいか分かりません。)

4つの力の中で重力が一番弱いということはいろいろな本で読んでいましたが、これほど直感に訴える説明はありませんでした。
以前に読み過ごしていて直感というのも適当でないかも知れませんが、このような例題を直感として共有し消化している人々はファインマン・スクールを作っているのではないかと思います。
日本にも京都学派とか、名古屋学派とかがあるようですが、そうした学派の系統はまた別の理由によることでしょう。
スクールや学派の違う人が素人向けに解説や翻訳をした場合に、何かが抜けたり、筋が違ったりし、そうと知らない素人は消化不良になるのではないか、と。
自分の理解力不足と散漫な読み方を棚に上げての勝手な解釈ですが・・・。
旧態依然、あの本この本と飽きもせず摘み読みしているのですが、そろそろ全く違った視点からの取組み方が見つかってもよさそうなものだと思ったりもします。

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