そろそろねこの話を。
たれ目はもうカラーも取り、フルタイムでほかのねこと一緒。つまり特別扱いではなくなりました。まだ外に出るのは踏ん切りがつかないようですが、ひとまずまあ普通に暮らしています。
けれども、おもしろいことが一つ。この夏やつと長い時間を過ごした隔離室、改め寝室に私が入っていくと、なぜかどこにいてもたれ目は、うれしそうにたかたか駆けて入ってくるのです。
閉じ込められていた頃はあんなに出たがったのに。たれ目にとって隔離室は、懐かしい場所、home なのでしょうか。
「home =帰る」という概念を、長い間不思議に思ってきました。旅先でも何日か同じ部屋にいると帰ってきた気がする、でもそこを離れて家に帰れば、やはり帰った気がする、そうしてみると「カリルカナマアアテニスナヒドスギンシャッキン」のイオン化傾向のように、Aという場所よりBという場所の方がより home であるという「home 度数」があるのでしょうか。寺田寅彦も欧州行で暮らした船室について、「こんな場所でも帰ったような気がする」と書いていました。
たとえば55番松井秀喜。現在NYを本拠とする彼にとって、ヤンキースタジアムと東京ドーム、もっといえば星陵高校のグラウンドは、どこがもっとも home 度数が高いのでしょう。
思うにそれは、星陵高校>東京ドーム>ヤンキースタジアムではないでしょうか。過ごした時間でいえばすでにヤンキースタジアムは星陵高校と同じくらいになっていますが、時間順は過ごした時間より home 度数に影響するように思います。
懐かしいこと、たとえば昔の写真などを見て感じる幸福な感情、このノスタルジーの幸福についても、長年不思議に思っていました。これについては確か岸田秀が、脳が昔のことの周りを新しいことが覆っていくつくりになっているというようなことをいっているのを読んでなるほどと思ったのを憶えています。よく祖母が、「昔のことはちっとも忘れねえんだけど、新しいことはすぐ忘れちゃうんよー」といっていたのも、これで説明できます。
しかし、だとしてもこれは人間の話。時間という概念がないといわれるねこの場合はどうなのでしょう。旧隔離室にうれしそうに入ってくるたれ目にとってそこは、懐かしい場所なのでしょうか。まったくの謎です。
隔離室のドアも開けっぱなしにしたため、寝ているとほかのねこどももふとんの上に集まってきます。そんな時ふとんの上を占領された元あるじのたれ目は、みんなよりやや高いふとんが重ねてある場所に丸くなっていることが多いです。涼しくなってきて他のねこはからだを寄せ合って寝ることが増えてきましたが、今のところたれ目がそうしているのを見たことはありません。
果たしてねこどもは、“懐かしい”と感じることがあるのでしょうか。
と、ねこのことだか人間の話だかわからなくなりましたが、やつらの近況報告も。
最近再び室内に入ってくるようになったオディール、子どもは確認していませんがお乳は脹らんでいて、ティーやカミーラの子にお乳をくれることが増えました。これはまったくの仮説なのですが、7頭の子を運び込んだカミーラは、自分の子ばかりでなくオディールの子も運び入れてしまったのではないかと思っています。何しろカミーラは強引ですから。
いずれにしても、カミーラもすでに誰でもお乳を与えていますから、このねこコミュニティはおだやかに秋を深めていきます。その夏こねこどもはどんどん歩き回るようになりました。
秋はねこらしい季節です。
(写真はキャサリンの子、暫定名はいいろ。阪神鳥谷似と前にコメントに書きましたが、いかがですか阪神ファンさん)
たれ目はもうカラーも取り、フルタイムでほかのねこと一緒。つまり特別扱いではなくなりました。まだ外に出るのは踏ん切りがつかないようですが、ひとまずまあ普通に暮らしています。
けれども、おもしろいことが一つ。この夏やつと長い時間を過ごした隔離室、改め寝室に私が入っていくと、なぜかどこにいてもたれ目は、うれしそうにたかたか駆けて入ってくるのです。
閉じ込められていた頃はあんなに出たがったのに。たれ目にとって隔離室は、懐かしい場所、home なのでしょうか。
「home =帰る」という概念を、長い間不思議に思ってきました。旅先でも何日か同じ部屋にいると帰ってきた気がする、でもそこを離れて家に帰れば、やはり帰った気がする、そうしてみると「カリルカナマアアテニスナヒドスギンシャッキン」のイオン化傾向のように、Aという場所よりBという場所の方がより home であるという「home 度数」があるのでしょうか。寺田寅彦も欧州行で暮らした船室について、「こんな場所でも帰ったような気がする」と書いていました。
たとえば55番松井秀喜。現在NYを本拠とする彼にとって、ヤンキースタジアムと東京ドーム、もっといえば星陵高校のグラウンドは、どこがもっとも home 度数が高いのでしょう。
思うにそれは、星陵高校>東京ドーム>ヤンキースタジアムではないでしょうか。過ごした時間でいえばすでにヤンキースタジアムは星陵高校と同じくらいになっていますが、時間順は過ごした時間より home 度数に影響するように思います。
懐かしいこと、たとえば昔の写真などを見て感じる幸福な感情、このノスタルジーの幸福についても、長年不思議に思っていました。これについては確か岸田秀が、脳が昔のことの周りを新しいことが覆っていくつくりになっているというようなことをいっているのを読んでなるほどと思ったのを憶えています。よく祖母が、「昔のことはちっとも忘れねえんだけど、新しいことはすぐ忘れちゃうんよー」といっていたのも、これで説明できます。
しかし、だとしてもこれは人間の話。時間という概念がないといわれるねこの場合はどうなのでしょう。旧隔離室にうれしそうに入ってくるたれ目にとってそこは、懐かしい場所なのでしょうか。まったくの謎です。
隔離室のドアも開けっぱなしにしたため、寝ているとほかのねこどももふとんの上に集まってきます。そんな時ふとんの上を占領された元あるじのたれ目は、みんなよりやや高いふとんが重ねてある場所に丸くなっていることが多いです。涼しくなってきて他のねこはからだを寄せ合って寝ることが増えてきましたが、今のところたれ目がそうしているのを見たことはありません。
果たしてねこどもは、“懐かしい”と感じることがあるのでしょうか。
と、ねこのことだか人間の話だかわからなくなりましたが、やつらの近況報告も。
最近再び室内に入ってくるようになったオディール、子どもは確認していませんがお乳は脹らんでいて、ティーやカミーラの子にお乳をくれることが増えました。これはまったくの仮説なのですが、7頭の子を運び込んだカミーラは、自分の子ばかりでなくオディールの子も運び入れてしまったのではないかと思っています。何しろカミーラは強引ですから。
いずれにしても、カミーラもすでに誰でもお乳を与えていますから、このねこコミュニティはおだやかに秋を深めていきます。その夏こねこどもはどんどん歩き回るようになりました。
秋はねこらしい季節です。
(写真はキャサリンの子、暫定名はいいろ。阪神鳥谷似と前にコメントに書きましたが、いかがですか阪神ファンさん)