小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

小林真ミルク議会ニュース発行。24日(火)一般質問は障害者福祉とDXがテーマ

2024-09-20 05:44:26 | FUKAYANOUTOPIA

小林真ミルク議会レポートを市内20日朝刊に折込みました。うちはジョイフィットとオザムの間です。
ミルク082=村川さんと二人とも、一般質問は連休明け24日(火)。4人目、わたしのテーマは、市民の声からの障害者福祉と一度メインでじっくりときいてみたかったDXです。

傍聴で配信でお付合ください。

・・・小林分ニュース・全文コピー・・・

みんなが、ちゃんとしてれば、ぼくたちだって宿題ひきうけ株式会社なんか、やらなかったさ。
タケシは心のなかでそうつぶやいて、ああそうかと思った。話しわすれたのはそのことだった。
だが、みんながちゃんとしているというのは、いったいどういうことなのだろうか?

(古田足日『宿題ひきうけ株式会社』1966より)

 春頃、小2の子どもと読んでいた児童文学の名作です。約五十年前。おそらく最初に読んだ社会派小説でした。
「みんながちゃんとしている」。わたしたちはみんな、ちゃんとしてきました。なのに、困ったことになっている。じゃあ、この土地でどうしたらいいんだろう。そう考えての質問でした。

「1.農地の地域計画」は農地のコモン化をテーマにした昨年12月議会の続編で、2月に行われた「農業者の意向調査」をうけて。「2.不登校支援」は教育相談など保護者と公教育機関のコミュニケーションを問うた22年6月議会の続編で、4月の「フリースペース・アミティ」発足記念シンポジウムなどを経ての質問です。ともに重奏低音は「人口減社会」。人口が減るのは、よりクリエイティブに、より一人ひとりに合わせて、いままでの社会を編み直していくチャンスではないでしょうか。
 執行部との問答は、録画や議事録、議会だよりがあるので、ここには質問の註釈、背景を記します。

田園風景と農業の未来のために
 農水省HPの「人・農地プランから地域計画へ」。今年度中に作成される「目標地図」は、農業者などの話し合いから「10年後の農用地1筆ごとの耕作者」を示したものだそうです。資料で「協議の場」での「意⾒が⾔いやすい雰囲気づくり」に言及していることが、このテーマ全国共通のムードを感じさせました。

 今年61歳、農村住民でもほとんどが非農業者の同級生たちの多くも、親から引き継いだ農地をどうにかしてくれと悲鳴をあげています。一方、長く農業を続けてきた人にも、コスト高騰や変わらない農業市場に見切りをつけて農地、ハウスを手放す人が出てきました。
「協議の場」は始まっています。7月から12月まで、市内25地区で2回ずつ開催。3月までに「目標地図」を取りまとめ、縦覧を経て公告。目標地図なしには来年度以降の補助金がないそうで、その後の変更はあるにしても令和6年度内に完成させねばなりません。農水省HPでは協議の場に話し合いスキルを持ったコーディネーターの活用もすすめられていますが、深谷市では地元関係者だけの協議とのこと。現状では農地の「出し手」と「受け手」のバランスが心配ですが、経営強化やアグリテックで改善されていくのでしょうか。
 考えたのは「所有」ということ。非農家の所有者は農地をもてあましている。うちの1反の田も近所の人に耕作してもらっていますが、平成初期の耕地整理で受け継いで祖父が晩年の何年か稲作しただけで思い入れもそれほどありません。所有しないでいいから、有効に使ってもらった方がいい。その時、新聞で読んだ鷲田清一『所有論』の三浦雅士評を思い出し、参考資料として共有しました。「≪所有≫を<受託>として捉えかえ」す。農地が農業のための受託なら、まち中の商業地も商業のための受託。商業をやりたい人が使いやすく、と考えを広げられるでしょう。市街地のあり方の再考にもつながる協議の場、目標地図づくりに期待します。

ばらつきのある教育機会創造のために
 子どもには、学校に行ってほしいと思っています。でも、どうしても学校に行けない、行くのがいやだというなら無理して行かなくていい。不登校に悩む人たち、十代の頃学校に行けなくてもその後は社会で元気に暮らす人たちと話すうちにそう思うようになりました。

 他の議員も、不登校対策をよく取り上げています。でもわたしも含めて、数は何人かとか、どんな対策をしているかというきき方になってしまう。そして全校に設置の「アプローチルーム」など、深谷市の対策は県内でも先進的といいます。
 ですが当事者の声をきくと、学校(≒市≒教育委員会)に相談に行ってもちぐはぐなことが多い。来てほしい学校、まず状況を変えたい保護者、いやなものはいやな子ども。「なぜ行けないか」原因を考える方法では、噛み合わないように思えます。
 学校は学校で、百五十年で築いてきたあり方がある。時代に合わせて変わることも大切だが、ここは別の、オルタナティブなあり方、場所を活かす複線化がいいのではないか。小栁前教育長発言を引用すれば「自前型の学校から助っ人型の学校教育へと転換」、協働型の教育への移行と、現場の多くの声でもある学校の息苦しさの緩和を提言しました。共有参考資料は、「遊びに行くから」はなんでダメ? という保坂亨『学校と日本社会と「休むこと」』の岩間陽子評と自分が書いた1997年神戸事件時の記事です。
 最後、不登校などさまざまな状況に「かっこいいことばでいうと負けたくない」と学校、教員の姿勢を明言しつつ、ロープと網の譬えで民間との協働の必要性を語った片桐新教育長、「わたしも学校が嫌いな時もあったし好きな時もありました。それもよく考えてみれば人なんですよ。…ここは人のために議論するところじゃなく制度ですよ」という小島市長の答弁もききごたえありました。最後の引用は自作『深谷の土』から。いい忘れましたが、県北の俳人金子兜太は育った場所を「産土(うぶすな)」と呼んでいました。

15万人の誰ひとりとして踏まずに生きられる者はいず、
土は必ずわたしたちを支えてくれる
Seien2020年11月号「オールタイム深谷―深谷の土」より

議員定数、報酬の議論開始

  議会改革員会で、議員定数や報酬、費用弁償、政務活動費などに関する意見交換が始まりました。提出したわたしの意見から抜粋します。

 1)深谷市だけでなく全国的な課題である市民と議会の距離、2)インターネットはじめコミュニケーション技術の発達、3)現在だけでなく数十年後の議会・民主主義像を考えに入れて回答しました。2018年の「町村議会のあり方に関する研究会報告書」で提示された<集中専門型><多数参画型>から「多数参画型」をベターと考えます。多様な議員が活発に意見交換しながら合意形成していくカジュアルな議会。自分のまちに関心を持った人が気やすく立候補できる選挙風土です。
 議員定数は多い方がいい。議員の少数化は「一部の人たちの政治」感が強まり、政治への無関心につながっているのではないでしょうか。定数を増やす分だけ報酬は減じなければなりませんし、高報酬は議会の敷居を高くするでしょう。 
 日本の民主主義、選挙制度の多くの矛盾。自分の中にもあるもっとも大きいそれは、同じ選挙区の社会への志が高い人に「あなたも立候補しませんか」といいにくいことです。それは選挙の宿命なのでしょうか。先日、「ミュニシパリズム(地域主権主義)」を掲げた岸本聡子さんが当選した22年東京杉並区長選を描いたドキュメント映画を監督したペヤンヌマキさんと話す機会がありました。「いっしょにやろう」といえない感じ、選挙の持つ独特の高揚感など、民主主義の雑感の中、23年の統一地方選時に多くの女性立候補があったことの驚き、可能性を話しました。杉並は杉並、深谷は深谷ですが、民主主義は地続きです。

 

「キャッチコピー」登場

 議会だより編集委員会では、表紙を小林原案〜委員全員の意見を経て完成パターンでもう4号目。今回は念願のキャッチコピーも入れられました。議会改革委員会との連動の声も多く、今後が楽しみです。

一般質問のためのメモ(リンク集)
https://docs.google.com/document/d/1F2aWxqYpbzKP3YL7vFiNBkxp6QV5t_puiRUH8BsFT_8/edit?usp=sharing

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今日12日(木)〜13日(金)決算特別委員会、24日(火)に一般質問

2024-09-12 06:29:02 | FUKAYANOUTOPIA

9月議会始まってます。
今日12日(木)〜13日(金)決算特別委員会、24日(火)に一般質問。通告が掲載されたので投稿します。詳しくはまた。

全議員の一般質問
https://www.city.fukaya.saitama.jp/material/files/group/2/202409ippanshitsumon.pdf

 

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夏休みの宿題、2回目のねこの場面

2024-08-21 07:41:01 | FUKAYANOUTOPIA

 画像はXより

議会の話と深谷シネマの話です。

7月30日に議会改革員会があり、議員定数や報酬、費用弁償、政務活動費などに関する意見交換がありました。議長の角田さんからの諮問という形式です。
どの議員にとっても重大なテーマ。長期欠席の報酬カットなどが話し合われたこれまでより活発な意見が出ておもしろくききました。全員に意見を出してもらおう、いや、会派ごとじゃないか、と意見が分かれる中、8月19日までに全員が意見を書いて提出しようということに。わたしは最後に、こうして議論が白熱するのはなぜか議場より議会だより編集委員会もそうだが委員会室だ、議会だより編集員の仕事は紙の「だより」をつくることだけではなく広く議会の動きを伝えることではないか、委員会のやり取りを個人のブログなどで発信していいのかときき、公式な意見交換だしそれはかまわないということになりました。

その日の発言でうなったのは、田島さんの「それを書くのが議員の仕事です…今件は市民の関心が強いと思うので、議会広報にどんな議論をしているか(途中経過を含め)載せるべき」(本人SNSより)。その後、田島さんは「夏休みの宿題…終わったかい?w」として回答の画像を投稿しています。この投稿へのレスポンスとして、わたしも全文コピー&ペーストを。

そして8月11日、深谷シネマで『映画 ◯月◯日、区長になる女。』を鑑賞し、監督ペヤンヌマキさんの舞台あいさつがありました。市政から遠いところにいたペヤンヌさんが自宅を通る道路計画を知ったのをきっかけに新区長支持に加わっていき、そこでの体験のドキュメント。ここでも、とくに多くは女性だった観客からシリアスな質問がありましたが、最後のひとりで手があがらなかったので「投票率約13%で2年前に当選した地元市議です」と前置きして、映画の中でいちばん印象的だった、告示直前で自分と選挙との関わり方を自問する「2回目のねこの場面」の撮影のことをききました。19日に提出した回答には、その内容も書いています。

いずれにしても、議会のあり方を自問し始めた深谷市議会。9月定例会が近いですが、おもしろくなってきました。

田島さんのSNSより
7.30 https://www.facebook.com/reel/1664197114363983

7.31 https://www.facebook.com/reel/842613637833650

8.15 https://www.facebook.com/hideoki.tajima.90/posts/pfbid0Sr6uE5THyH1ot26mqMbYtNp8UkowvhwxZJQprMruZZpSKtbGHabo7nCwXQ6bakNUl

 

小林真 Xより(区長になる女。』リポスト付)
https://x.com/quarante_ans/status/1822820554141020542

「長文です」とつけて19日に提出した回答全文コピー&ペースト

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

諮問1:議員定数と議員報酬、その他待遇、政務活動費の使途基準の見直しについて

氏名( 小林 真   )←匿名も可。その場合は(匿名)と記入。

設問1.議員定数について
◯増やす ・ 減らす ・ 現状維持 ←←いずれかに〇をつけてください。
意見があればお書きください。                                        

 全回答の考えは設問5にまとめて書きます。
 現行の24から、28、または26、25へ。複雑な社会状況では、さまざまな意見が市政に反映されるように議員の数は多いほうがいいと考えています。定数は漸次的に増加が望ましいでしょう。                                

設問2.議員報酬について
増やす ・ ◯減らす ・ 現状維持 ←←いずれかに〇をつけてください。
意見があればお書きください。                                        

 定数を増やす分だけ報酬減。定数28にして財政負担を変えないとなると約15%減ですが、議会へのコストを漸次的に低減させるため20%減を提案します。         

設問3.費用弁償、厚生年金、その他特別手当などについて 
意見をお書きください                                        

 費用弁償は議会、委員会その他招集のあった日にはキロ数に応じて支払うべきと考えます。「公務員の特別職」地方議員の待遇には長く議論されてきましたが、ふだんの市庁舎への訪問 でなく、招集のあった日は勤務と考えるのが妥当であり一般の職員と同等が望ましいでしょう。                                 

 厚生年金は希望により加入できるのがいいでしょう。議員の生活手段は多様ですが、議員になってそれまでの厚生年金に加入できなくなる人も少なくないでしょう。      歴史的に議論が交わされてきたという期末手当は、議員報酬の総額が市民に伝わりにくい。年俸制・均等支払に更新したほうがいいのではないでしょうか。     

設問4.政務活動費の使途基準について
    意見をお書きください。                                       

 使途基準に関しては、現状では議論になる広報での政党としての活動の広報は、当議員が一員として活動しているなら計上していいと考えます。しかし議員活動は当議員の日常生活と切り離せないと考えるので、とくに「経費の範囲」を定めて交付すること自体に違和感を持たざるを得ません。政務活動費分を報酬に 含め活動使途の報告は任意、確定申告で必要経費として控除する、が法的に認められていませんが感覚的にはしっくりきます。

設問5.他に提案などあれば意見をお書きください。                                       

 全設問を通して、1)深谷市だけでなく全国的な課題である市民と議会の距離、3)インターネットはじめコミュニケーション技術の発達、3)現在だけでなく数十年後の議会・民主主義像を考えに入れて回答しました。せっかく字数制限なく意見を書ける機会ですので、議会に関する考え方を記して市民のみなさんと共有します。

 3)では2018年の「町村議会のあり方に関する研究会報告書」で提示された<集中専門型><多数参画型>が参考になります。深谷市の環境や上記 1)2)、そして22年1月の初当選で議員になってからわたし自身が感じていることから、「多数参画型」を民主主義像を理想と考えました。多様な議員が活発に意見交換しながら合意を形成していくカジュアルな議会、自分たちのまちに関心を持った人が気やすく立候補できる選挙風土、そんなあり方です。

 定数や報酬は、それだけで議論できるものではありません。性格が違うといわれるかも知れませんが、育児や介護、裁判員制度などのように同時に制度が整わないと社会的な歪みが生まれるでしょう。

 議員定数は多い方がいい。衆院選では小選挙区比例代表制にシフトした1993年以降、とくに20代の投票率が低下しています。議員の少数化は「一部の人たちの政治」感が強まり、政治への無関心につながっているのではないでしょうか。

 定数を増やす分だけ報酬は減じなければなりませんし、高報酬は議会の敷居を高くするでしょう。 

 長く議論されてき費用弁償や諸手当。志願して多くない報酬を受け取って活動する性格を考えれば、個人事業主のような経済形態と考えます。

 日本の民主主義にも選挙制度にも、多くの矛盾がある。自分の中にもあるもっとも大きいそれは、同じ選挙区の社会への志が高い人に「あなたも立候補しませんか」といいにくいことです。ほかのことなら「いっしょにやろう」といえるのに。「いっしょにやろうといえない気分」は日本の政治を窮屈にしていませが、それは選挙の宿命なのでしょうか。 先日、「ミュニシパリズム(地域主権主義)」を掲げた岸本聡子さんが当選した2022年の東京杉並区長選を描いたドキュメント映画を監督したペヤンヌマキさんと話す機会がありました。「いっしょにやろう」といえない感じ、選挙の持つ独特の高揚感など、民主主義の雑感の中、23年の統一地方選時に多くの女性立候補があったことの驚き、可能性を話しました。杉並は杉並、深谷は深谷ですが、民主主義は地続きです。

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一般質問動画 「だが、みんながちゃんとしているというのは、いったいどういうことなのだろうか?」〜「15万人の誰ひとりとして踏まずに生きられる者はいず、土は必ずわたしたちを支えてくれる」

2024-06-21 15:15:43 | FUKAYANOUTOPIA

本日、6月議会が閉会。19日の一般質問の録画が早くもアップロードされました。最後、教育長と市長の答弁も圧巻です。

録画

以下、前後に議場できいた声:
「おもしれんだけど、何いってんだかわかんねんだよな。ライターなんだから、文書いてっから読めばいんじゃねん」(いや、書いてたらブレがないじゃないですか)「はい、どうぞ、っていわれても…」「わかりやすい質問お願いしますっていっちゃいますよ」「えっ、今(質問)増やすんですか?」
「パソコンがマイクに当たって音が出てました」「あいかわらず何いってるかわかんないけど、最後のコラムはよかったわね」「不登校を議会で話題にしてくれて一歩前進です」「いろいろよくまとまってたね」

モニター投映の資料

人・農地プランから地域計画へ

今回冒頭引用は、古田足日『宿題ひきうけ株式会社』から。
ここ数日、交くんと読んでいて、1章の最後のこの一節を何度も繰り返して味わいました。質問内でもいってるように、自分にとって最初の社会派小説。数年前に読んだ全集版あとがきで鴻上尚史が「小学生の時に勇気をもらった」と書いてて、『ゲバルトの杜』の劇映画部部分にもつながっています。

1時間の議会シアター。ご意見お寄せください。

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19日(水) 一般質問は「地域計画」と「不登校支援」。小林ミルク・議会レポートを発行しました+小学校のミストファン

2024-06-18 03:06:14 | FUKAYANOUTOPIA

6月議会が始まっています。
初日の3日、議長選挙があり角田議長、福嶋副議長が就任しています。ほかに先がけて決議されたのが、小学生の熱中症対策として導入のミストファン。効果、安全性などをめぐって質疑、討論が多く出ましたが、すでに各メディアにも登場しています。

NHK首都圏ニュース

埼玉新聞

わたしはいくつか質疑したあと賛成しました
動画(わたしの質疑は 20:22〜)

「なんだろう」って感じで半信半疑でしたが、小2の長男含め子どもたちは意外なほど喜んでいます。

17日から一般質問も始まっており、今回のわたしのテーマは「1.農地の地域計画」と「2.不登校支援」。1は昨年12月議会、22年6月議会の続編といえます。1は2月に行われた農家の意向調査、2は4月に行われたフリースペース“アミティ”主催のシンポジウムなどを経ての質問です。
19日(水) 5人目ですから午後のスタートです。

またこの一年、一般質問初日に新聞に折り込んでいる会派・小林ミルク「議会レポート」。今回も17日に折り込みました。


pdf
https://bit.ly/kobamilk240617

小林記事全文:
「映画に“政治的”じゃないカットなどない。どのワンカットも“政治的”だ」(大島渚)

 今回の引用は映画監督・大島渚。現役の監督・脚本家の井上淳一さんの引用をきいて膝を叩いてから、これまで何度も孫引きしています。
 22年の最初の補欠選以来、議会をもっと身近にと訴えてきました。政治と生活の距離。とくにおかしいなと感じたのは、この十年の熊谷での経験です。
 まず「NAOZANE」のライターとして19年の県議選時、候補者の政見を特集しようとして県選挙管理委員会から「事前活動にあたるので」とストップがかかったこと。同誌が新聞折込版だった20年ほど前には掲載可能だった内容がNGになってしまったことに違和感を抱き、読者の意見も掲載した巻頭記事「レッツ・トライ・トゥ・ヴォート」をヒストリー連載「After 1945―熊谷の選挙」とセットで書きました。
 その1年前の18年、アイドルグループとコラボ開催だった熊谷市民活動のニャオざねまつりで、九条の会などいくつかの市民活動支援センター登録団体が参加できなかったこと。当時支援センター周辺で交わされた議論を、「ニャオざねまつり&市民活動 11年のみち・まがりかど」という巻頭記事で書きました。
 自治体が推進する市民活動と根拠法のNPO法が「政治・宗教・営利」を排していることの議論は絶えません。「イデオロギーのない市民活動なんてありえないじゃない」とは、市民活動のフィールドで精力的に活動するある女性の言。とはいえわたしも運営者ですから、「◯◯首相やめろ」と書かれた七夕短冊を撤去したり、支援センターイベントで占いは可か、協賛事業者の広告物設置は可かなどスタッフ、利用者とああでもないこうでもないと繰り返した議論はいまや大きな財産です。
 さらには、約2年半の議員生活で感じている違和感。いくつかのメディアから「ほかの役職はいいですけど、小林議員とはいえないんです」といわれたことは、中立を志向するメディアの自主規制が民主主義にブレーキをかけていると感じています。
 バックヤード(背景)が長くなりました。一般質問冒頭で指摘したように今回の議会でも、エレベーターの営業マンでもある岡議員、ブロッコリー生産者の角田議員ら自らのバックグラウンドからの言説が議会のことばを彩っています。わたしもNPO支援とライターの経験から、今年度が市教育委員会直営最後の年となる公民館と主権者教育を通して、政治離れをテーマに質問しました。議会でのやり取りは録画、議事録を参照してもらうとして要約のみ。ここではフットノート(脚註)を記します。
 ◇ ◇ ◇
 公共施設は、多様な使い方ができる方が市民の利益になる。そう考えます。
 松村教育部長の答弁冒頭のように深谷市は「規模的・機能的に全国でも有数の優れた公民館」を持っている。近隣の市民からうらやましい、よく利用しているという声をよくききます。一方で「稼働率約3割とまだまだ活用できる余地」がある。「公民館が営利事業に関わることを全面的に禁止するものではない」とする18年の文科省依頼などを経て、21年から営利企業の利用が可能になっています。ただ、利用申請者が公民館での活動で収入を得ている場合、スポーツ教室や文化教室の講師が自ら生徒を募集し会費や月謝を徴収している場合は営利利用であり、例としてNPO法人が特定非営利活動である学習支援を行う場合も「営利」とみなされる実態をききました。たとえば、コーラスグループなど教育サービスを受ける側が講師を招いた場合は非営利になることと齟齬がないか。そう思って「ニワトリが先かタマゴが先か」と疑問を呈しています。
 最近、他自治体では「公民館でビアガーデン」などという事業も増えていますが、現在のところ深谷市の公民館は「物品の販売や商品の紹介、実演、契約行為などの行為が伴う場合は、個人・団体・法人を問わず」利用不可。それぞれの活動のための資金づくりという観点からも考え直してほしいです。
 次に宗教、というか価値観の多様化から増えている占いやスピリチュアルと呼ばれるさまざまな活動は利用可能か。答弁によればここ2年、宗教的な理由で利用できなかった例も、占いフェスタのようなイベントの開催例もないとのことでした。
 それは、政治的な活動も同様。布教や選挙に関わるものでなければ、宗教団体の会議や政党の報告会なども行われています。
 なお、事業計画の柔軟な変更やこの議会レポートのような印刷物の公共施設への配置に関しても質問しました。これらに関しては、予算内での計画変更や配置は各施設ごとに判断している。配置はスペースの関係などもあるから配置できない場合もあるとの答弁でした。質問を挟んで若年層などの意見を運営に取り入れる公民館運営審議会の公募をきくと、現在は公募のシステムはないが、必要なことでもあるので研究していきたいとの答弁。実現してほしいです。
 ◇ ◇ ◇
 もう一つのテーマは主権者教育。学校では、地域の現状を知る社会科資料集「新しいふかや」の活用や模擬選挙、学級会などの活動を通して実践し、社会教育の場では地域を知るや公民館主催の地域行事に参加することが主権者教育につながっているとの答弁を得ました。
 再質問では社会教育法22条の公民館の事業の最初に「討論会」と書かれていることに着目して、現在討論会を行うことがあるかと。松村部長の言は「討論会として行われていることはないが、ふだんの会議の場などで討論は行われている」。わたしはこういった討論をもっと深め、その議論をうまく市民に発信していくことが必要と、議会だよりの表紙デザインにも触れながら訴えました。
 最後に、主権者教育に関して小栁教育長に意見を求めています。これまで何度も深い答弁を返してくれた教育長は3月で退任し、これが最後の答弁になりました。要約します。
 主権者教育の出口である投票率の低下はそれが混乱していることで、混乱した時は原理原則に戻ること。戦後民主主義の息吹の中で何とか平和で民主的な国家を形成しようとする国民を育てようとして始まった公民館ですが、経済が発展し社会の構造の変化で人と人とのつながりが薄くなったことから、公民教育的な政治的なものを遠ざける風潮すら生まれてきました。そんな中、公募による若い人の登用は民主主義に沿うこと。いずれにしても「由らしむべし知らしむべからず」という政治の世界になるのは困る。人類の叡智がたどり着いた民主主義というシステムは大事にしていきたい
 学校勤務のブラック化、関東大震災朝鮮人虐殺事件の伝え方、ヘルメットなどの問題に関して、教育長はいつも歴史的な切り口から答弁をくださいました。感謝のことばとともに戦後間もない映画『カルメン故郷に帰る』に描かれていた学校への憧れと、自分がかつて業界紙で一主婦が政治に関わっていく過程をドキュメントした記事のエピローグを引用して締めくくりました。

政治は偏在して暮らしに強く結びつき、どちらもあるもので間に合えばそれがいい(2016年7月『関東古ハウスユースコネクション』より)

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Seien 6月号発行+「深谷市少年少女合唱団」くすだま大作戦

2024-05-22 06:47:23 | FUKAYANOUTOPIA

5月3日に情報提供を呼びかけたピーアイピーのフリーペーパー「Seien」6月号が発行されました。巻頭特集タイトルは「7月3日まで進行中! 深谷史上最大のカウントダウン 新一万円札がやってくる」です。


5日の記念館前のいきなり取材に応じてくれた旭川・岩手から来深の姉妹はじめ、深谷(関係)人のたくさんの声が2ページに詰めこめました。ありがとうございます。
加えて取材の副産物がふたつ。新一万円札名刺の自分版と、新札発行市歌替歌(一部)です。前者はトップ画像に使うことにした中里商店製を話をきいているうちに、じゃあ、わたしもと。後者は市担当にくす玉大作戦のことを詳しくきき、子どもの画像がほしいと思ってこの春から長男が参加している少年少女合唱団に持ちかけてできた子どもたちと先生たちのハーモニーです。本文ラスト一行は、実は最終稿で思いついて挿入しました。フリーペーパー記事が創り出すささやかな現実。創刊号巻頭のタイトル「深谷現創学」は展開しています。

「深谷市少年少女合唱団」ホームページ

巻頭特集 pdf

創刊号(2020.10)巻頭「深谷現創学」

 

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Seien 6月号「渋沢新一万札発行」特集のネタを募集します

2024-05-03 18:18:19 | FUKAYANOUTOPIA

いよいよあと2ヶ月になった「渋沢新一万札発行」。Seien 6月号巻頭はこの深谷市史上最大のカウントダウンを特集します。市主催の数々のイベントともに、市民や各団体による関連イベントや商品、個人的な思いコメントなどを紹介します。
自分たちでも、知ってる誰かでも、何でも大歓迎。本投稿へのコメント、SNSのDM、メール、電話でご連絡ください。内容によっては対面か電話で取材。できる限り掲載します。
ぜひ、ご協力ください。

Seien ライター・小林 真
090-9108-5785
SNS、メールはこちらから
https://lit.link/makoto3660021

この記事のイメージです。
2021年4月号「二〇二一年春。栄一、プレゼンツ…」
https://bit.ly/seien202104

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3月31日(日)、会派小林ミルク議会レポート「令和5年度総集編」発行

2024-04-02 06:57:19 | FUKAYANOUTOPIA

3月31日(日)、年度最終日に会派小林ミルクの議会レポート「令和5年度総集編」を新聞に折り込みました。

議員一人月額2万5000円の政務活動費、年間55万円(2万5000円×2人×11ヶ月)を全額レポートの印刷と折込料に使って少し自己負担しています。2人両面だと1枚あたり3.3円の市b運販売店に支払う折込料金が半分ですむので9月(6月議会編)、12月、3月に2回の4回発行できました。視察も少し考えましたが、それはあんまり遠くでなくちょこちょこ行こうよ、ということでのレポート発行。少しずつ反響もでてきました。ぜひご一読ください。

pdf
https://bit.ly/kobamilkreport240331

===小林分テキスト===

 ミルクおやじさんと同じく3月議会一般質問は6月発行の次号で詳しくということで、この号は今年度の議員活動総集編。6月、9月、12月、3月議会をテーマ別にリミックスします。

文化とまちづくり
 6月議会で100年目になる関東大震災時の流言蜚語事件を、12月議会でこれまで何度も取り上げている旧七ツ梅と区画整理をテーマにしました。
 ともに提案が主旨なので、質問になりにくい。とはいえどちらも訴えたい、多くのみなさんに伝えたいこと。どちらもきっかけは映画です。
 関東大震災は深谷出身の若手映画監督入江悠さんが、近2作で言及していること。映像作品を通しての「忘れてならない」というメッセージをこのまちにフィードバックさせるため、現在の小中学校で事件がどうおしえられているか問いました。語りにくいテーマを授業で若い世代に伝える難しさを、この3月で退職する小栁教育長の熱意のこもった答弁が印象強く残っています。
 そして旧七ツ梅と区画整理では、難しいという計画変更が実際はどう難しいのか問いました。ライフラインの埋設や換地。初めて知る内容から、ではわたしたち市民はどうするか、の考えが深まりました。
 文化とまちづくり。深谷市総合計画では「渋沢栄一の精神とSGDsの視点を踏まえたまちづくり」を掲げています。栄一スピリットはもちろん広げたい。でも今世紀に入って日本有数の「映画のまち」にもなった深谷では、映画をベースにしたまちづくりは効果的ではないか。まちづくりは、一人ひとりが得意なことをして積み上げていくもの。「まちづくり」というより、丸山真男を援用して「まちなり」といった方が近いかも知れません。そう思うとともに、参加しているアート議連の研修で触れた「文化芸術が不要不急といわれないために、アートは福祉でもあるという視点が欠かせない」(要約はおおよそ)という考えをしっかりと心に置いて考えて続けています。

「ばらつきのある教育」と福祉
「ばらつき」は内田樹編『転換期を生きるきみたちへ』から。「ばらつき」を偏愛するという内田は「『何の役に立つかよくわからないもの』が群生しているのが知的空間としては極上」といいます。
 それで9月議会では、「なぜヘルメットをかぶらなくてはいけないのか」と子どもに問われたらどうこたえたらいいかをはじめ、発達に関する相談への対応、12月議会では小規模小中学校の統廃合、3月議会では公民館使用に関するガイドラインと、主権者教育とそれに必要なコミュニケーション学習を学校教育、社会教育の両面から質問しました。右の関東大震災もここに含まれるでしょうか。
 いずれも執行部の答弁とかみ合わないことは少なくないですが、よく考えると「決まっていること」ベースにロジックを組み立てる執行部と「ものごとを決めないこと」の意義を語るわたしの議論ですから、それは当たり前かもしれません。でも、こうしたアウトプットのばらつきこそ信じられる。そう信じています。

 

守りたい風景と環境
 ストレートに環境がテーマなのは、9月議会の「クビアカツヤカミキリ」と12月の「家庭用廃油回収リサイクル」。どちらも環境に関心のある方の声からです。それと12月の農地問題も、大きくは環境、風景につながるでしょう。
 環境に関する問題は、制度・法令や経済産業、消費社会、農村文化と数多くの問題が絡んでかんたんな解決策はありません。そしておそらく人口減社会のデメリットを、もっとも激しく被る分野なのではないでしょうか。できることをできるだけ早く進めるしかありません。

世と議会との距離
 3月議会で主権者教育を質問しましたが、議員になって2年間、ずっと感じている思わずため息が出るような「重さ」です。議員と書いてはいけない、議員として話さないで、議員はオブザーバー参加になります、という場面が少なくない。意見をいうのが議員の仕事なんじゃないんでしょうか。公職選挙法で、議員の行動は制限されています。しかたない制限もありますが、仕事としての立場や家庭人としての役割の延長にあるのが議会であり議員ではないか。決まっているわけでないのに。映画作家・井上淳一の言葉を借りれば根拠のない「脳内リスク」によって何かが生まれるのを疎外する「過剰な自主規制」は、過去を振り返ってみればここ30年くらいでずいぶん強くなっています。
 質問中も話しましたが、低投票率、政治への無関心は行政サイドが悪いわけではなく、市民みんなが共同でよくなくしている。「政治に関心を持ちましょう」といわれて、たしかにそうだ、と関心を持つ人はいません。むずかしい。
 ここでも、できることから少しずつやっていくしかありません。いちばんは意見をいったり、ひとの意見をきいたりすることの大事さ、いや、大事さより楽しさ、高揚を感じられるようにすること。次に議会そのものを、もっと関心を持ってもらうようにする。「悪くないおもしろい」論議を重ねていくことでしょう。この点がミルクおやじさん・村川議員といちばん一致する考え。それと「決まったように思われること」でも、もう一度考えようという姿勢です。3月議会でもわたしはずっと「産業会館跡にこども館」の計画に賛成でしたが、ミルクおやじさんと何度も話をするうち意見を転じて反対討論もしました。
 それと市民協働をもっと進めること。自分たちで市政を変えていける実感、空気をもっともっと広げていかなければおもしろくありません。
 また、委員会の仕事では、議会だより委員会で9月議会号から表紙の基本デザインをやらせてもらっています。編集者、サブカルチャー愛好者の経験から、ポピュラー音楽名盤ジャケットやファッション誌のデザインを参考に、中身を語る文字を多くして他の委員のみなさんの意見でリファインして好評。「議会だより編集委員の役割は、紙とPDF媒体のだよりだけでなく映像やSNSなど議会をメディア化することではないでしょうか」と提案しています。

 市外議員たちとの連携も計画中。会派・小林ミルクの令和6年度にご注目ください。

 

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4日(木) 4人目で一般質問の裏/メインテーマは「世と政治との距離」+12〜13日に深谷市内に小林ミルク議会レポート2万7100部新聞折込

2024-03-13 20:25:51 | FUKAYANOUTOPIA

このところ、Seien 原稿締切などでアップアップでしたが、12〜13日に深谷市内に議会レポート2万7100部を折込みました。3回目で花園の佐川急便で東京カラーの商品受取、ミルクさんと手分けして販売店回りのパターンもスムースです。

一般質問は今回も最終日。14日(木) 4人目なのでたぶん午後いちばんです。
テーマはR7年度から指定管理になる公民館。議員でもめったにいない指定管理経験者として、とくにグレーゾーンが多い「営利・宗教・政治」との関わりをきいてみます。裏テーマ、いやメインのテーマは、2年前の立候補の動機の大きな一つだった「世と政治との距離」。前回の『月光』に味をしめた引用は、いくつかのところで公言通り映画人のことばです。
傍聴で中継で、ぜひおつき合いください。

ネット中継

===「読む議会」テキスト===

「論理と理論の違いなんてわからなくていいけど 無知でいるのは罪か?無知でいるのは罪か?」
(The Birthday『月光』詞・チバユウスケ 2021)

 オープニングは23年11月に亡くなったロック歌手、チバユウスケ作『月光』の歌詞から。2年前の発売当時、十五夜前の月光に稲穂が輝く福川沿いを子どもとききながらきいたこと、「無知でいるのは罪か」という歌詞から「知らない」ということを考えたことから三本立ての今回の質問の最初に引用しました。

小規模学校地域のよりよい教育環境のために
―小中学校の統廃合―

 わが明戸小中学校はじめ、小規模校の統廃合の話です。熊谷では長期にわたる統合計画がスタートし、おとなり大寄の高田議員も議会の合間に話していたように北部を中心に統合の噂をよくきく。7月に発表された公共施設適正配置計画では「検討していく」とされている小中学校の統廃合が現段階でどのように議論されているかを問いました。
「まだ何も話し合ってないんですよ」。質問打合せで、こたえの半分は解決しました。担当課によると、深谷市は北部の農村地帯でも学年を合わせる「複式学級」はまだない。小規模校のメリット、デメリットを教育部内で検討しているところだそうです。
 この質問の裏テーマは「民主主義」。熊谷では自分が市民活動支援センター所長になった17年に発表された統合案が、現場の教員も保護者も地域の人々もまったく知らないうちに策定されて公になりました。その後、支援センター利用者からの声、統合反対運動、妻沼地区で行われた保護者有志による大規模なアンケートが計画されなかったことなど、行政サイドと市民との分断を残念な思いでみてきたことから、深谷では同じようなボタンのかけ違えを起こさないためにどうするか、さらには大きな地域感情を集めるこのテーマでうまく合意が築ければこの土地の民主主義にとって大きな体験となる、そのための考えはあるかとききました。
 松村教育部長の答弁は、教育委員会だけでなく市長部局、地域、保護者などとの合意形成の過程を重視していきたい、その際には妻沼地区で保護者グループから提案され、最近行田市では市内全校設置の計画が発表された小中同じ敷地の義務教育校、1時間かけて歩いている子もいる現在の校区の見直しも検討するとのこと。活性化しつつあるSNS民主主義も活かしての今後に期待します。
 なお、12月議会の後、妻沼地区でアンケートを行った保護者の方の話をきく機会がありました。その時に伝えたのはここで書いたような深谷での今後のことと、熊谷の市民活動で仕事するものとしてそのアンケートをきちんとキャッチできなかった無念。よくしようという気持ちは、できるだけ大きくしたいではないですか。

食社会、リサイクルの充実のために
―家庭廃油の回収―

 藤沢地区の方の、「河川汚染の原因でもある家庭用廃油を市で集めてくれないかしら。公民館で集めてくれると理想的なんだけど」という声から質問しました。CO2排出量が少ない航空機用再生燃料「SAF」の原料としても注目が高まっているといいます。
 これにはオプションとして、わたしも風土飲食研究会として環境課と16年から継続している生ゴミを家庭で堆肥化する「ダンボールコンポスト」推進と「食と環境」シリーズでの協働事業を提案。この方法なら実現は近そうです。

農業持続と農業振興地域の再考のために
―農業の継続と農村風景の今後―

 この質問には多くの声が詰まっています。そして、冒頭の引用のように農村に住みながら自分が農地のことをほとんど知らないもどかしさ。
 声はまず、土づくりが上手で作物がおいしいと評判の農家が26年豪雪で再建したハウスが張替えをしようとしたら費用高騰で800万と見積もられ、もう続けられないと廃業を決めた話、それから60歳になった中学同級生たち非農家の農地をどうにかしてという悲鳴、そして23年3月議会でも話題にした北部、市街化調整区域の今後の3点です。
 この質問をまとめようとして議事録を読むと、経営体育成条件整備事業、農地中間管理機構、多面的機能発揮促進事業、農振除外といった用語や答弁にはそれぞれ数字があげられていますが、録画もききなおして思うのは、テーマを細分化するほど訴えたいことから離れていく実感。きっとこの問題の真ん中はどうにかしたいけどどうすることもできないやるせなさという「感情」だから、用語や数字はなじみません。質問内でこの地を離れている同級生のメールから引用しました。「農家が安定的にもうかる人気職種なら、放っておいてもみんなが競って農家をやります。それが世の中の自然の流れです。農業をやっていた両親の下で育った人間が感じているのだから、大きく外していないと思います。憲法で定められている職業選択の自由があるのに、農地法により保有する土地の利用を農地に縛られるのは疑問であり、保有者に選択する余地があるべきだと思います」。
 後継者不足は農業がなりたちにくい社会とそこに背を向けた自分たち。まわりに広がる田園風景に、祖父母からきいた戦後まもなくの農地改革から、高度成長と調整区域を産んだ都市計画法、耕地整理とバイパス開通、食管法廃止といった物語を経て、もう個人や家族ではこの風景を維持できないこと。ならば土地神話から、斎藤幸平らがいい始めた共有在「コモン」として考えていかなければならないではないか。教育や介護、保育が家庭から社会に重点を移したように。農業でいえば、ディープヴァレーのようなアグリテック、熊谷小原営農のような地域発生型農業共同体、そして「農業+X」のような複業化や農業クラウドソーシング、農具シェアリング…。
 そうした提案の後、群馬太田・尾島地区と明戸地区の50年の変化をみて、最初と同じ城北川右岸で何度も長男と繰り返した『月光』の一節で締めくくりました。

「お前の想像力が現実をひっくり返すんだ」(同)

 質問を終え、「今回はいちばん内容がよくわかった」「質問と答弁がキャッチボールになってた」と他議員から好評でした。中でも同日行われた議員クラブ・部課長懇親会での角田幹事長のあいさつ、「小林議員のたんたんとした語りをみなさんじっときいている。この人はいったい何を考えているんだろう…」。会場は笑いに包まれ、その後の席で何人かの方とザ・バースデイや音楽の話をしました。
 また議会だより編集委員としては、深谷栄一の表紙デザインを提案。好評の声が多いですが、デザインの真意はファッション誌風にして審議内容の文字をできるだけ入れることで、深谷栄一のほかふっかちゃん、渋沢栄一案も出しました。3月議会でも、さらに中身を読んでもらうデザインを提案しようと思ってます。

 

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今日6日から予算特別委員会。一般質問は14日

2024-03-06 06:37:03 | FUKAYANOUTOPIA

3月議会が始まっていて、今日6日から予算特別委員会です。
一般質問は今回も21議員が通告。ともに通告書を掲載します。
詳しくはまた。

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「コモン」と「自治」で考える小中学校統合、廃油リサイクル、農地。12日5人目一般質問は+会派議会レポート9月議会編リリース

2023-12-10 13:25:59 | FUKAYANOUTOPIA

 


 『「コモン」の自治論』は少し前、深谷シネマ・竹石館長から「読んで」といただきました
 
 あっという間の12月、議会はもう一般質問です。今回も21人のラス前12日(火) 5人目、14〜15時頃のスタートでしょうか。
 内容は画像の通り。

1.小中学校統合はまだ何も動いていない地元深谷北部を、すでに全市的な統合が始まった熊谷の例を参考に
2.廃油回収は環境派市民の問いかけをダンボールコンポスト講座で継続中の「食と環境」事業とからめて
3.農地は、最近耳にした多くの声をもとに
 4月の選挙の多過ぎるキャッチコピーのひとつ「人口減社会はクリエイティブ」。そんな社会をつくっていく方策を、「コモン」と「自治」から考えます。
 ※リンクメモ公開
 
 また、今日10日(日) の市内新聞約2万5000部に、9月議会で初めて発行した「小林ミルク」の会派議会レポートを折り込みました。二人とも一般質問が12日なので、直前でほかの折込が少ない11日(月)にしようと思ったのですが、確認の電話で「11日は休刊日ですよ」で日曜に。でも、今朝みるとほかはわずかでした。
 通算8回目の一般質問。傍聴で配信で、よろしくお願いします。
 議会中継

レポート小林分全文:

ばらつきのある教育の場
人々の思いが映る環境と景観
新しい文化が息づくまちづくり

 まず、「ばらつきのある教育」。少子化の時代だからこその一人ひとりにより合わせる教育提案の一環です。
 まず、市立小中学校のヘルメット着用。安全は大事とはいえ、今年のような夏の日のヘルメットはどうか。平成29年という市内全校着用決定までの経緯から問いました。
 松村教育部長答弁は要約すると「27、28年度の交通事故多発から、通学路安全対策連絡会を通して決定。今後も安心安全のため継続したい」。しかしおとなり熊谷市では帽子で通っているし、同じ子どもが学校から帰って近所に遊びに行く時にはかぶらなくていいのに、なぜ登下校だけと問いました。いちばん問いたかったのは、安心安全をテーマにした時、そのために失うもの=コストの大きさ、つまり「安心安全の副作用」が語りにくくなること。たとえば、なぜ公園でキャッチボールができないのか、8月のこども議会で好きだったアスレチックがなぜ撤去されたかの問に「公園で事故があると市の責任になっちゃう」という市長の答弁、加えて子どもの意思決定権の観点から、決まっていることだからというのはこたえにはならないこと、今小1の子どもになぜときかれた時にどうこたえたらいいか、参考にきかせてほしいと再び問いました。
「悲しい事故があり、さまざまなレベル、チャンネルで意見を収斂しての決定」の強調から始まった小栁教育長の答弁を、わたしなりにまとめます。「ヘルメットと暑い夏の熱中症予防は、義務と義務が衝突してむずかしい。子どもの意見表明は、子どもは何歳までかということも含めてむずかしい。けれど、一般社会と違う学校という部分社会にいるからには、そこで考えられる合理的な事由による決まりごとは守るべき。だが、たとえば湿疹などの医療のうえでの事情があればその限りではない」。たどたどしさを感じるほど誠実なことばえらびに敬意を感じつつ、6月の関東大震災百年の時の答弁と同様、歴史の尊重を伝えてこの部分は閉じました。 
 次に学級だよりをはじめとする学校と家庭とのコミュニケーションを、DX=デジタル化と絡めて。長男小学校入学で約50年ぶりに触れる「学級だより」をはじめ小学校印刷物の進化に驚きつつ、「だより」に市全体のフォーマットがあるかと、教員労働のブラック化改善が期待される一方、負担増にもなりかねない教育DXの現状をききました。
 答弁を大ざっぱにまとめると、「学校スタッフそれぞれ取り組んでいる途上」。公共教育サービスを受けるわたしたち市民としては、見守るしかありません。
 教育の最後は発達に関する相談。装弾全体の割合からききました。前年度実績はのべ2218件中約7割。多いと感じるかも知れませんが、関係者へのヒアリングからしても相談しやすい環境づくりがベターです。子どもの発達に不安がある保護者への啓発ほか、子どもの家庭の社会的な課題に対応するスクールソーシャルワーカーとの連携、公共の相談機関と比べてより多様に対応できる民間の支援機関との連携の状況をたずねました。
 連携に関する答弁は、庁内では関係部署が集まる「教育・福祉連携推進会議」があり、民間機関は必要に応じてそこに参加してもらっているとのこと。この分野も連携途上はしかたありません。

 次はクビアカツヤカミキリ被害。7月の「明戸櫻の会」総会で、備前堀沿いに植えたさくらの多大な被害が話題になっての質問です。
 いっしょに会に参加した明戸の湯本議員も質問していた被害状況から。昨年と比べて一気に広がった感じです。そこで被害に対する補助が、現行の薬剤注入以外にあるかを他自治体の例もあげて問いました。
 宮下環境水道部長の答弁は、「現時点では薬剤以外の補助は考えていません」。昨年の雹の時の市長答弁「申し訳ないけど、農業の継続だけで個人の被害には出せない」からもしかたないと思いつつ、櫻の会が自己所有地でないところに地域の景観のために植えた市民活動である点、同会の主力である70代が高齢化で継続がむずかしくなっていること、市長やわたしたちアラカン世代との違いなどを訴えてこのテーマを結びました。

 最後のテーマは何度も取り上げている区画整理。今回は、変更はむずかしいとはいうけれど、実際にはどういう作業があって困難なのかを通告票に書いたところ、都市計画課は「七ツ梅ですね。では、そこに絞りましょう」となりました。
 吉田都市整備部長の答弁をまとめると、「建物移転率が53%進み、仮換地も決まっている状況で一部の計画を見直すには関係者の同意が必要。道路だけでなくライフライン、建設のための接道義務などを設定しなければならないためむずかしい」。対してこれまでの議会以外の議論を取り込みながら、現在の七ツ梅周辺の人々の願いは必ずしも道路が通らないこととは限らないこと、時代やまちの状況をみながら自治体と市民が協働して「文化的なまちづくり」を進めることをお願いしました。

 今回いちばんためらったテーマはヘルメットです。質問の後で当時の事情をきかせてくれた人、「わたしもヘルメットはかぶらなくていいんじゃないかと思うんです」「全員に強制っていうのはおかしいですよね」といろんな意見をききました。ルールをどうするかも大事ですが、同じようにいったん決まったことも再び考え直すこと。それは、自治と民主主義と住みよいまちにとってもっと大事と考えます。

【秋の議会と周辺】

七ツ梅関連では9月と11月に中山道の魅力を考えるワークショップが「まち遺し深谷」主催で開催。反響も大きく、飯島本陣跡も11月12日和宮休憩の日に初めての一般公開をするなど歴史的遺産再評価の動きは高まっています。
議会ではこのところ、市職員の答弁に「わたしは〇〇地区に住んでいますが」というフレーズがしばしば。3月議会でのもっと自分を出してくださいという呼びかけの影響があるかはわかりませんが、いい空気になっているのを感じます。
9月議会号で表紙モデルチェンジの意見が採用された議会だより委員会では、小人数での意見交換が知的でなごやかな興奮。これからの議会を考える機会になりました。

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11月4日 中山道と深谷宿の魅力とまちづくりを考えるワークショップ第2回開催

2023-10-31 10:03:20 | FUKAYANOUTOPIA

深谷シネマ館長でもある竹石さん企画の第2弾。
市内の郷土史家・奥田豊さんを迎えた第1回(9月30日)に続き、今回は文化遺産の保存・再生 と建築史が専門の東工大准教授・平賀あまなさんをお迎えします。テーマは『「煉瓦の街』と「七ツ梅」の魅力』、七ツ梅関係者によるパネルディスカッション、懇親会(有志参加)を併催。
今回は外部からゲストをお迎えということで、「小林さん、チラシつくってくれる?」。せっかくなので、裏面に映画解説のような一文「区画整理と七ツ梅」を勝手に挿入しました。
動き出してきた「七ツ梅」。これからの展開が楽しみです。

・・・以下「解説」・・・

区画整理と七ツ梅

※七ツ梅酒造跡は文中「七ツ梅」と略記。他団体もおもに通称を用います

 まち遺し深谷が発足して13年。2010年の深谷シネマ移転をきっかけとして独特な雰囲気に惹かれた人々が少しずつ移転し、新たなまちに生まれ変わりつつある深谷宿・中山道に多様な文化が交差する新名所となりました。
「市役所通り」「レンガ通り」を産んだ「中央土地区画整理事業」は現在進捗率37%。計画では道路が七ツ梅を縦横に貫くので、現在ある店舗の建物のいくつか、東蔵や母屋の一部は取り壊さざるをえません。
 もともとシネマ移転は、前劇場の銀行跡だった建物が区画整理で解体されるのが理由。当時、関係者の間では費用面も含めて反対の声も少なくなかった(ドキュメント映画飯塚俊男監督『街のひかり』(09)に描かれている)のですが、映画館の新展開を求めて移転を決定。東日本大震災、デジタル化、コロナ禍といった危機を越えて現在の七ツ梅があります。
 シネマ移転以前から、区画整理事業見直しの声もずいぶんありました。いわく、数十年前の計画を背景の違う現在も進めるのはどうか、「レンガのまち」を掲げながら、歴史的な遺産を壊す事業はどうか。しかしそれでも少しずつ、区画整理事業は進んでいます。
 しかし最近、事業再考の動きも少しずつ出てきました。昨年市議になったわたしは、七ツ梅で発生したカルチャーのできるだけの存続を、文化と歴史、とくに現代の歴史も活かしたまちづくり、区画整理の再検討とセットで提案。直近の9月議会決算特別委員会では、他の議員からも見直ししてはどうかという声があがっています。
 深谷シネマを運営する市民シアターエフでは、2018年から七ツ梅を「にぎわいの里」とするための維持・購入資金として「七ツ梅ミライ基金」(現在は募集休止中)を設立。地元自治会、商店街、市民団体とともに、市と協働してのまちづくりを呼びかけています。
 今回2回目を迎えるワークショップも、七ツ梅やこの場所に育った文化の価値を伝え、みなさんと共有しようとする試みです。

認定NPO市民シアターエフ監事 小林 真

七ツ梅酒造

七ツ梅酒造は、元禄7年(1694年)に近江商人の田中藤左衛門が創業した酒造。江戸時代に辛口の旨酒として「酒は剣菱・男山・七ツ梅」といわれた銘酒でしたが、2004年(平成16年)に廃業し銘柄「七ツ梅」は灘に引き継がれました。
現在、酒造跡地は、所有者の意向を受けて一般社団法人まち遺し深谷が施設の保存および運営・管理。約950坪の敷地に母屋、店蔵、煉瓦造りの精米蔵、煉瓦煙突などの建築群が遺っています。




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9月議会の一般質問テーマと会派・小林ミルク議会レポート

2023-09-20 06:33:05 | FUKAYANOUTOPIA

9月議会が始まって、今日20日から一般質問です。

今回は3テーマ

  1. ばらつきのある教育の場のために
    小学生のヘルメット登校、学級だより、発達の課題と相談窓口
  1. 人々の思いが映る環境と景観のために
    クビアカツヤカミキリ被害
  1. 新しい文化が息づくまちづくりのために
     旧七ツ梅と区画整理

ぜひ、ご意見お寄せください。


昨日の日付、今日20日・21日の新聞折込で会派・小林ミルク議会レポートを発行しました(政務活動費使用)。
これまでそれぞれ2回の議会ごとに出していたレポートを、ミルクさんとの両A面で1回ずつ発行できます。ミルクさんも「2人いっしょだと渡しやすいよね」といい、一人でやってるとなんかもの足りないということを、プリンス、山下達郎ら一人でオーバーダビングするミュージシャンが、ひとに曲提供することなど話し合いました。

pdf

小林部分テキストは以下

百年前の関東大震災の
流言蜚語事件と防災行政無線から考える
「文化とコミュニケーションと信じること」

 関東大震災から書きます。百年目の9月の前にと思って取り上げました。
 きっかけのいちばんは、深谷出身の映画監督入江悠が近作『ビジランテ』と『シュシュシュの娘』で大震災時の事件に言及していること。この投げかけに、議会やまちの教育の場でリアクションしたい。映画は現実を動かす力があることを自分でできる場所で表現したい。そう思ったからです。
 さらには、熊谷の「東アジアの平和を考える市民の会」や9月を前に扱いが増えていった新聞各社、新作映画、衆議院など事件を忘れまいとする動き。そして50年前に出版された『かくされていた歴史』で地元明戸地区で送電線の鉄塔建設に従事していた朝鮮人をまもった話を知り、入江作ほか21世紀に激増した深谷ロケ作品でみる映画を通した地元と教科書の中の事件がリアルに迫ってくる感慨を、多くのみなさんに感じてほしいということでした。
 入江悠とその作品名のほか、井筒和幸監督『パッチギ』、森田芳光監督の作画、『はだしのゲン』、『青天を衝け』第1話の「豊里の滝」…。いつものように一見、議会から遠い固有名詞を連ねて訴えたかったのは、この地で行き交う文化を深谷のまちづくりや教育の素材として活かそうという提案でした。
 途中、茂木議長から「小林議員、そろそろ質問に…」とたしなめられたようにわかりにくい質問でしたが、小栁教育長は「議員のご所見は、身近な素材を扱うことによって、子供たちにとっては生きた教材になる、実感を持って感じられる教材になる、であるからこそ余計その辺をきちんと直視して扱うべきである…」というこの上ないレスポンス。ネット中継をみていた「東アジアの会」メンバーや各新聞記者たちも、「深谷市内中学校では10校中3校でこの県北の厳しい事件について正面から扱っている」という報告とともに高い評価の声が多くあがっています。
 この事件に関しては8月21日、その震災でも崩れなかった七ツ梅酒造跡「精米蔵」で、「歴史追体験学習会 顔のみえる次の百年へ」を県北スポーツ文化祭・深谷の主催で開催。「顔のみえる」は百年前の時間当事者の子孫である中高の先輩のことばから引用しました。県北で1970年代に10代後半を過ごし、「上福岡三中事件」の究明にも動いた経験のある在日朝鮮人の全いるちさん、「東アジアの会」の嶋田道雄さんをゲストスピーカーとして参加者と意見交換し、埼玉新聞、毎日新聞埼玉版でも記事になりました。強く印象に残る全さんの「贖罪の意識はいらない」という心の声。また県北でこのテーマの話題作『福田村事件』が上映される際には、学習会の続編を行おうと話しています。
 ◇ ◇ ◇
 行政防災無線の質問では、自治会長の判断でお知らせにも使えることがわかりました。
 きっかけは4月に長男が小学校に入学し、保護者として初めて参加した資源回収。ある家を訪ねた際、放送がなかったんで用意できなかったよ、でもいっぱいあるんだときき、いっしょに回っていた若いママさんにたずねると、何年か前から放送できなくなったみたいですよと。このことは自治会でも話題になっていました。
 うちの地域では以前、自治会内の訃報も伝えていたことがあります。せっかくの高性能の放送設備。防災防犯だけではもったいないけど、用のない放送はうるさいという苦情も多いそうです。
 熊谷でも秋のイベントシーズンを控え、公園のような屋外での音楽演奏が近所の苦情でNGになることが多い、当事者同士の話し合いで事態をいい方向に持っていく方法はないかと話題になっていたところ。「市長への手紙」に寄せられた意見の活用も質問しましたが、話題はそれほど広がりませんでした。
 この件は今後も考えていきたいと思います。

日本一読みごたえある議会レポートをめざします

 4月から村川(ミルク)さんと会派「小林ミルク」を結成。いままでそれぞれ2回の議会でレポートを出していましたが、「両面にすれば回数出せるんじゃない」というミルクさんの提案に乗りました。

 ミルクさんから原稿をもらい、もとのレポートの雰囲気を活かしてわたしが全体をデザイン。議員のタイプはずいぶん違うし、深谷や周辺でいっしょに活躍している議員以外の人たちとも小さな意見や感覚の相違から「なんだよ、小林さん/村川さんは」ということも時々あります。

 でも、議会をもっと市民に近い妙味があるものにしたいという意思は同じ。今は深谷市議24人分の2ですが、このペーパーを「日本一読みごたえある議会レポート」にするため議会活動もそれ以外も、しっかりしかも楽しくやっていこうと思っています。

 

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8月21日(月)、「にわか問題意識者」のための関東大震災百年「歴史追体験学習会」開催

2023-08-06 14:28:22 | FUKAYANOUTOPIA

6月議会で一般質問した関東大震災百年、とくに流言蜚語による悲劇のことで「歴史追体験学習会」を開催します。
6月18日の記事でも触れたこのテーマを取り上げた理由を、その後の社会の動きも含めてもう少し書きましょう。
いちばんは震災の時の事件に触れた入江悠監督の『ビジランテ』と『シュシュシュの娘』でした。若い世代の地元出身映像作家の投げかけに、議会やまちの教育の場でリアクションしたい。映画は現実を動かす力がある。それを自分でできる場所で表現したい。そう思いました。
そして、熊谷「東アジアの平和を考える市民の会」を通して知る県北の市民の動き。とくに百年目の今年になってからは活発ですが、同時にとんでもない事件を忘れまいとする人々の長年の営みを知りました。
さらに『かくされていた歴史』の中の明戸地区・韮塚理重の証言、送電線の鉄塔建設に従事していた朝鮮人をまもった話。その下を毎日くぐっている送電線が百年前の事件につながり、同時に入江監督映画の象徴ともいえる平野にそびえる鉄塔にも結びつきました。そして、理重の子孫である中学、高校の先輩に話をききにいき、そこできいたのがチラシ中にある「顔がみえる関係だったから」というフレーズでした。
「顔がみえる関係」。一般質問中でも引用しようと思ったのですが、その場でうっかり頭から消えていたので今回のタイトルにしています。
学習会をやろうと思ったものの、当事者による体験談が欠かせません。そんなおり、十年くらいの友人である全いるちさんが「40年ほど前に、県西部で起こった「上福岡三中事件」の究明に関わっていたことをSNS投稿から知り、全さんの数十年の思いを話してくれるようにお願いすると快諾いただきました。
「変わってないの。40年前と同じ」。ヘイトスピーチがあとたたない状況を、全さんはそう表現しました。
ほか、ここ1年くらいの県北での動きのガイドとして「東アジアの会」の嶋田さんに依頼。この2人が決定ですが、21日までにもっと増えてほしいです。
ハードな内容なので、この問題に興味を持ってくれる中高生の参加がほしい。ここ数年の県北最大のイベントだったラグビーワールドカップのレガシーとして、「にわか」力がありました。わたし自身が「にわか問題意識者」。同様の方の参加をお待ちしています。
小学校教科書の関東大震災の記述を掲載しますので、ご覧ください。この「事件」という記述が明戸の鉄塔を含んでいるという驚きは、入江作品でみかける「どこだかわからないけどたぶん知っている深谷の風景」と同じ感慨です。
主催はいろいろ考えましたが、昨年熊谷で始めた「おとなの文化祭」のひとつとしました。長く日本の文化祭はこうした硬派な企画が欠かせなかったのです。
21日までにさらに取材を進めますが、その取材ボランティアにもご参加ください。
この参加だけで、骨のある自由研究になるでしょう。

8月21日(月) 13時〜 七ツ梅酒造跡「精米蔵」
主催:県北スポーツ文化祭・深谷 後援:深谷市
問合せ:090−9108−5785 (小林携帯)

6月18日記事

一般質問の動画

Seien 2021年9月号 PDF

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19日午後、一般質問「予告編」。「防災行政無線」と「関東大震災百年」をテーマに「コミニケーション」と「文化」と「信じること」を問い、入江悠、中川五郎を引用します

2023-06-18 16:29:05 | FUKAYANOUTOPIA


 撮影 2021年7月

 

19日(月) 午後、一般質問をします。6人中5番目ですから16日のように午前4人になれば午後1番手ですが、午後の2番目でも13時から14時くらいに始まるでしょう。

今回のテーマは2つ。「防災行政無線」と「関東大震災百年」ですが、問うのは地域、市民と自治体、市民同士の「コミュニケーション」と「歴史・文化」のあり方です。

流言蜚語による多くの犠牲があった関東大震災は、100年ぶりに国会で質問、映画界で関連作制作と全国的なニュースだけでなく、事件の規模が大きかった埼玉県北でも市民団体による多くの動きが出てきました。5月の深谷シネマ運営NPOシアターエフの総会で宣言済み、昨年5回議事録に登場させている「深谷シネマ」はじめ、今回は入江悠監督作品のセリフ、7日の「議員カフェ」で宣言済み9月1日公開の映画『福田村事件』のきっかけとなった中川五郎歌詞から挿入・引用します。
映画は現実の一部であり、現実を大きく動かすこともめずらしくない。だから、映画は議会でも語られます。

統一地方選が終わり、深谷市議会も8人の新人議員が誕生。ここまでもみなさん個性的な質問が続き、大いに刺激を受けています。2年目、6回目になるわたしの一般質問も、より「ききごたえ」のあるものにしたい。ここ数か月でわたしが体験した「今あるものみなおし」を、みなさんと共有したいと思ってます。

傍聴、配信で、ぜひお付合いください。

 

メモ全

『福田村事件』公式

議員カフェ6月号in熊谷(動画)

議会LIVE配信

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