監督 グザビエ・ドラン
愛しているのに傷つけあう家族の姿を描き、第69回カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた、グザビエ・ドラン監督による人間ドラマ。
愛と葛藤を描き続けてきた監督が、ギャスパー・ウリエル、ヴァンサン・カッセル、マリオン・コティヤールといったフランスを代表する俳優たちを集め、家族の物語を描き出す。
なんなんだこの家族は!
そして、「おお、ここで終わりなのか」しか後味に残らなかったんだけど
それを言っちゃあ終わってしまうんで、あくまで私の見解を
以下ネタバレ注意(こんな映画観る人少ないと思うけど)
主人公は残り少ない命だという事を家族に伝えるために12年ぶりに帰郷する次男。
そんな彼を迎え入れる家族はと言うと、母と娘がやたらといがみ合うシーンから始まり、それを静かに長男が見守っている姿から、彼はこの家族の良心のように思える。
・・・・と思ったらこの長男が一番の厄介者。。。。
人をイラつかせ、攻撃的で乱暴な男でとにかく最悪な面倒くさい男。
そしてこの長男の妻(マリオン・コティヤール)が謎。
どこか抜けている、頭の弱そうな女性ではあるのだが、時々見せる言動が達観しているようで不気味な存在でもある。
そんな家族なのだが、長男を中心に常にいがみ合っていて喧嘩が絶えない仲の悪い家族のようなのに、次のシーンでは何もなかったように振る舞い合う家族の風景に、愛はあると感じる。
12年ぶりに帰って来た次男も、「ああ、うちの家族ってこんなんだよね」と苦笑いしているように見えたので、そんな家族なんだろうなと察せられる。
しかし映画の最後の方にはなんとなく家族が上手く行きかけているように思えるのだが、ここでもやっぱり長男が家族を巨大なマドラーでかき回してしまい、家族はまためちゃくちゃに・・・・。
流石の次男もここは許せないかと思いきや、仕方なさそうに退出する。
そう、ここで思うのだろう、「たかが世界の終わり」と。
自分はもうすぐ終わってしまうが、この家族にとってはなんでもないことのように思えたのではないか。
家族の愛を確信しているようにも思えるし、オレなんて居なくても・・・、とも思える。
もちろんグザビエ・ドラン監督は家族の揺るぎない愛を描いていると思うけどね。