元インドネシア代表監督、スリランカ代表監督(野中寿人- 66番の部屋)

インドネシア野球、アジア途上国の野球、国際大会、日本のアマチュア野球、プロ野球情報、日大三高時代の面白エピソードを発信

第26回アジアンSEAゲームス-明日!決勝戦!

2011年11月19日 18時32分23秒 | インドネシア代表ナショナルチーム(国際大会など)
第26回アジアンSEAゲームス決勝「フィリピン代表VSインドネシア代表」の試合を明日に控えて簡単なコメントを述べてみます。

フィリピン代表とインドネシア代表が明日の決勝戦で戦う訳ですが、決勝戦前に今大会での双方の試合内容からチーム力を判断してみます。

単刀直入に・・・
総体的なチーム力はフィリピン代表60%、インドネシア代表40%の「6:4」でフィリピン優勢に立っていると判断します。

この要因は、フィリピン代表が、予選4試合中での失点が「2」、エラーが「0」という安定した数字を残しているのに対し、インドネシア代表は失点が「9」、エラーが「多数(正直・・泣きたいです””何でこうなってしまうのか・・・)」という数字から算出されます。

そして、今大会での双方のチーム力の判断基準になるのはやはり、タイ代表戦での双方の試合内容です。
フィリピン代表がタイ代表に対して「9-2」で圧勝したのに対し、インドネシア代表は延長10回まで縺れ込んだこと、しかも、延長突入時からの今大会特別ルールであるタイブレイク方式(あらかじめランナーを置いての攻撃)を採用した結果での勝利、つまり、幸運性の非常に強い勝利だったことから双方のチーム力が鮮明に映し出されます。

明日の決勝戦での試合展開予想については・・・

インドネシア代表が、フィリピン代表のデラカルサを中心とした層の厚い投手陣を打ち崩せるか?


ーフィリピン代表左腕エースのデラカルサ投手、フィリピン伝統の左腕投手継承者。鋭いカーブとナチュラルシュートがかかったストレートが持ち味ー


ーデラカルサを中心とした層の厚いフィリピン代表投手陣を攻略できるか?何としても先取点を先取し波を掴みたインドネシア代表ー

インドネシア代表はエフェンディーとアクバールの継投に尽きてしまいますが、フィリピン代表打線が緩急を主としたエフェンディーの投球を初盤から捉えることができるか?特にインドネシア代表にとってはエフェンディーのコンディション状況が鍵となるでしょう。


↑インドネシア代表のエース投手エフェンディー、調子の良い時はアウトローのストレートがベース手前で揺れて来る(?)緩急主体の投手。

↓インドネシア第2の投手、アクバール。気を吐くような投球に期待



ー勢いのある若手陣と味のあるシニア陣が上手く調和している今年のフィリピン打線。しいて言えばランナーを貯めてからの強打が目立ち、取れる点を取り逃している部分があるが、徹底してアメリカンスタイルの攻撃を貫いている。明日の決勝戦ではどのようなベンチワークに徹するかが1つのポイントになるー


ーインドネシア代表の隠し選手(勝手に命名しちゃいました・・)2009年のアジアカップ初制覇時のキャッチャーで主将のドニー、今大会も主将を務め投手としてもマウンドに上がります。明日の決勝戦でのエフェンディーとアクバールの調子によってはマウンドに上がる可能性も大ー

インドネシア開催と言うことで、明日の観客群はインドネシア一色になり、この部分がインドネシア代表にとってプラス要因になることは確かで、フィリピン代表優勢を巻き返す大きなポイントになると思います。

それと・・・
やはり、双方ともにエラーが勝敗の明暗を分ける大きな比重になると判断します。



2007年にタイ代表の白倉キャサダー投手に敗退を喫し、今回、王者奪回に燃える古豪フィリピン代表と2005年のマニラ開催ではフィリピン代表が優勝し、2007年のバンコク開催ではタイ代表が優勝と、いずれも母国開催における母国代表の優勝となり、2011年のインドネシア開催では、何が何でも優勝を必須ノルマと課されているインドネシア代表・・・

攻、守、ベンチワークともに、アメリカンスタイルのベースボールを施すフィリピン代表と、アジアスタイルの野球を施すインドネシア代表・・・

非常に、興味深い面をも含む決勝戦です。

いずれにせよ、選手達、審判団、そして観客群を含めてフェアープレイで戦ってもらいたです。

さぁ・・・明日の勝敗はいかに
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外国人監督・・・の人体探求

2011年11月19日 18時27分14秒 | 66番の思想
実際に日本の野球選手とインドネシアの野球選手の人体相違についてどうなのかを述べてみます。まず、身体の外観から言えることは「骨盤」の構造が大きく異なり、前傾姿勢に構造されているのが最大の違いになります。

従って身体能力から言えば、この要因を持って「体重の移動が容易」「前の範囲が広く使える」ということが言え、インドネシアの選手に軍配があがるのです。

すなわち{オギャァァァ~}とこの世に生まれてきた時点で、日本人よりもインドネシア人の方がスポーツに適している体系を持っているということです。

現在、インドネシアでの野球指導にあたり、特に日本人のメンバーには、1番最初に取り入れているのが、骨盤の前傾姿勢を形成するトレーニングなのですが、胸(脇腹)を張り、お尻を上に突き出すことによって、前傾姿勢の骨盤を形成させ、この形にて行進を行い、序々に自然に前傾姿勢を覚えさせるようにしているくらい「この骨盤の形成は重要な部分だと判断しています。



さて、話しをインドネシア人選手に戻します・・・
全体的な体系はやはりアジア系なのですが、腕や肩の筋肉の付き方が日本人選手とはやや異なり、特に肩の外部分の筋肉が異常に発達している選手も見かけられます。
但し、筋肉の質についていえば柔軟性とは言えず、硬質な筋肉を持ち、弓のようなしなやかさも感じられません。これらは幼少からの遊び方と食生活が原因だと思われ、若年時には体格も線が細いのが特徴的に挙げられます。

また、背筋の力が異常に強いかわりに、逆に身体の前部分の筋力が弱いという欠点もあり、、この要因から上半身での投球に頼る傾向が見られます。(その逆のパターンも言えるでしょう)面白いことに、遠投で100m近く投げれるピッチャーでも、投球になると120kmに達するかしないかなのです。135km以上のスピードボールを投げれる投手は存在しません。投球動作的に頭打ちなのです。この現象も野球画像が普及していないことが要因として挙げられます。



日本人の場合には、テレビを付ければ野球中継などの画像や、雑誌での写真などに簡単に触れられますが、インドネシアでは中流階級から上流階級限ってのみ自宅に衛星テレビを引くことが可能で、やっと、メジャー選手の映像が見れるぐらいなのです。
しかし、体型構造の異なる人種の野球ということを考えずにメジャーの選手のフォームを身に付けようとする傾向が強く、そこには、自身の体型構造を全く無視している選手と指導者が多いのが伝統になっています。



そして、ある程度の年齢に達してから野球を始め、と、同時に野球の動作を行う選手も多い訳で、日本で表現するところの「ねじる」「ひねる」という様な繊細な動きが非常に苦手な選手が多いのです。各関節の柔軟性にも関係してきますが、肘や膝といった繋ぎの役目を果たす重要な部分の遣い方がぎこちなく、正直な話・・・直らない選手も居ます。

ここ数年は、沢山の情報を簡単に入手出きる時代です。
異なった解釈の伝統から脱皮をし、インドネシア人体系に合った動作を習得していってもらいたいですね。

これが野球向上にとっての最短距離なのですから・・・



 外国人監督の眼力探求へ続く)

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