2007年と2009年のインドネシア代表ナショナルチームの教え子達が、2011年のアジアンSEAゲームスの決勝で、宿敵フィリピン代表と戦った、
本音を言うと、大会中の1週間は、毎日が居ても立っても居られない心境だったのです。
特に、決勝戦の前夜から、頭の中は試合会場のパレンバンへ飛びっぱなし・・・
教え子達のことで一杯でした。
教え子達からは、今でも「カントク」と呼ばれています。
実際には、今大会は統括していないのですが、今年の強化練習が開始されてから水面下では諸々の悩みや、不平不満などの相談に乗ってきた自分が居ました。
大会の開幕直前や大会中も激励をFacebookやSMS、BBMなどのメッセージに載せてバリ島から送りまくっていたのです。
{教え子達に優勝を掴んでもらいたい}
ましてや,決勝戦で投げる投手はエフェンディーとアクバールです。
2007年の強化練習時には「断食の件」で大揉めに揉め、チーム崩壊の危機にまで陥ったことがあります。この時に揉めた選手が、実はこの2人なのです“”
特にアクバールは勝気な性格で、自分に怒りをぶつけて来たものでした。
しかし、こんな大事件を乗り越えると絆は深まるものです。
今では、この2人と、時には良き親爺、また良き兄貴、そして良き友人、最終的にはカントクと言う、多面的な付き合いがあります。エフレンディーなどは我がクラブチームにも所属をし、一緒に国内のクラブチーム大会などに参戦しています。
また、今年の7月に行なわれたインドネシア国体予選大会で、自分が率いる東ジャワ州代表チームが決勝に進出したのですが、この決勝へ進出した決め手となった1つの要因は南カリマンタン州代表チームのエース投手であるエフェンディーの力投です。彼が東ジャワ州代表チームの決勝進出を阻もうとする他州代表チームを破った活躍があったのです。
「カントクを決勝進出させるために頑張りました!」
照れ顔で、ニコニコしながら言った・・・その時のエフェンディーのコメントです。
そして、今回のアジアンSEAゲームスに2007年から自分が使用していた白と赤を2つ編みにしたインドネシアカラーのファイテンを付けて出場してもらおうと思い、強化練習が行われていたジャカルタの宿舎ホテルへファイテンを郵送したのです。
しかし、郵便局の手違いでエクスプレス扱いにならず、到着した前日にエフェンディーを含むインドネシア代表ナショナルチームはアジアンSEAゲームスの開催地であるパレンバンへ出発していました。
それから・・・
約3週間弱の日数を経て、ファイテンはバリ島に返送されて来たのですが、既に、決勝戦は3日後に迫っていたのでした・・・
通常でも1週間弱で返送されるものが、何で3週間弱も掛かったのか???
バリ島に返却されたファイテンを、即日で、インドネシア代表ナショナルチームの宿泊しているパレンバンのホテルへ郵送しようと思い、特急宅配業者に問い合わせると・・・
{通常2日で到着しますが、現在のパレンバンはアジアンSEAゲームスが行われているため、到着日数が読めない}との回答を受け、パレンバンへの郵送を断念したのです。
結局、決勝戦でこのファイテンを付けてマウンドに上がることが不可能になってしまったのです。
決勝戦を終えた今・・・
良く考えると、この遅れは何か意味を含んでいた様に感じます。
ー”何かの力”により、結局、決勝戦で装着出来なかった問題の”ファイテン”ー
でも、特別な感情を持つ2人が決勝戦で投げること、また、ファイテン問題の件が加わったからには、自分の気持ちが騒ぎ出して止まりません“”
まして・・・{自分は決勝戦の場には居ない}
前項で述べた様に、現場から実況中継を送ってもらい決勝戦の進行状況を聞き入っていたものです。しかし、それだけでは、自分の気持ちが許せない状況に陥っています。
{あの2人が必死になって戦っている}
・・・よし、せめて自分も同じ様に振舞わなきゃいかん“”}
我がクラブチームの練習試合を組み、決勝戦の行われていた同日の日曜日に10インニングを投げさせてもらいました・・・
バリ島で力投しても意味なんかないかもしれません、でも、自分に出来ることは、こんなことくらいしかないのです・・・
{少しでもお前達と同じ様に振舞って俺もバリ島から戦うから、こんなことしか出来ないけど勘弁してくれ“”晴れの舞台である決勝戦の場に居なくて済まない“”
でも、俺の心はインドネシア代表のベンチに居るから・・・””}
でも想いは届かなかった・・・
噛み合わなくなった歯車を合わせらことは出来なかった・・・
インドネシア代表ナショナルチームの優勝は叶わなかった・・・
ー2011年インドネシア代表ナショナルチームの選手達へ健闘を称えたいですー
でも・・・
良く頑張った!お疲れさん!
母国開催の今大会は{優勝しなければ!}という大きなプレッシャーを背負っての戦い。精神面でも相当にタイトだっただろう・・・
厳しい環境の中で、精一杯戦ったと思う・・・
本当に、お疲れ様でした。
Im Proud of the Indonesian Player’s !!
インドネシア代表ナショナルチームの全選達を誇りに思います。
そして、エフェンディーとアクバールの力投を誇りに思います。
{お前達と出会えて良かった}
{お前達のカントクで良かった}
もう一度、お前達とチームを組めたなら・・・
必ず、お前達に金メダルを掴ませるからな・・・!
SIAPA KITA・・・INDONESIA!
(俺達は・・・インドネシア代表チームだ!)
新たな想いを込めた”ファイテン”は11月23日早朝にジャカルタ向けて発送された。