北原鈴淳 琴古流尺八教室 in八王子

尺八の音色は心を癒してくれます。

演奏すれば「無」の境地になれ、演奏が終われば満足感、充実感が得られます。

昔取った杵柄 その②

2020-06-04 12:34:00 | 音楽・日々是尺八
私が生まれ育った信州飯田の実家は、私が高校受験までテレビが無かった。
それまではラジオを聞いていた。

中学生の頃、ビクターの横幅が広いステレオをやっと買った時の衝撃は今でも覚えている。
視聴盤をもらい、蒸気機関車が汽笛を鳴らしながら走って来るのだが、はっきりと左のスピーカーから段々大きな音になって、「シュッシュポッポ」と右側のスピーカーに通り過ぎて行ったのだ。

迫力満点で、すっかりうれしくなった。
その時は中学でブラバンに入っていたので、陸上自衛隊中央音楽隊のマーチやアメリカのミリタリーマーチのレコードを買い、頻繁に聞いた。

祖父は三波春夫が好きだったので民謡レコードを買い、これも良く聞いたものだから、曲をそらんじる事が出来、その後の民謡尺八につながっている。

視聴盤には「アイーダ」など色々あったが、中でも「べサメ・ムーチョ」が原語で歌われており、何となく覚えた。
新宿で商売している頃、スペイン語関係のお客さんが来た時に、実は「ベサメ・ムーチョ」がめちゃくちゃ歌える旨を話して歌ったところ、大体発音があっていると言われた。

話は戻すが、夕食後のNHKラジオ「一丁目一番地」などを、ラジオにかじりついて聞いていたのを思い出す。
「さえこ」さん役の黒柳徹子は上手く、面白かった。

テレビを買ったのは高校一年生の1964(昭和39)年の東京オリンピックに合わせてで、感激した。

テレビは歌謡曲中心に見ていたのだが、やがてエレキギターブームとなる。
御多分に漏れず、私もギターを弾きたくなった。

隣のおじさんは「湯の町エレジー」「影を慕いて」をきれいに弾いていた。
それに触発されて、父にギターを買ってもらった。

父行きつけの「古道具屋」だと思うが、音楽に詳しくない父は中古の「スチールギター」を買ってきた。

隣の息子は私の小学校と高校生の同級生で、彼もギターをやって、「テケテケ」もやった。
ベンチャーズの「ダイヤモンドヘッド」や「パイプライン」などである。
「歌謡曲」の楽譜も買い、「湯の町エレジー」「影を慕いて」も練習した。

1966(昭和41)年、ついにNHKで阿部保夫のギター教室が始まった。

そのテーマ曲にすっかり魅せられてしまった。ソル作曲で今でも覚えている。
その曲をずっと探していたのだが、最近やっと見つける事が出来た。

それはソル作曲「魔笛の主題による変奏曲」でYouTubeでやっと聞けた。

上京して大学生になるとガットギターを購入して「カルカッシ教則本」で基本の練習をした。
大学の同級生にスペインギターに入った友人がいて、一緒に「禁じられた遊び」や「アルハンブラの思い出」も練習した。

めじろ台に引っ越して来て、「もう弾かない」と処分してしまったが、最近また弾きたくなったので困っている。

めじろ台にはプロの小川和隆氏が住んでおり、何回か聞きに行った事がある。
引っ越して間もなく、尺八の橋本竹咏(鈴慕会の時の後輩)と小川氏の演奏会も聞きに行った。

小川氏は小原聖子の弟子であり、私が飯田市のライブでギターと合わせた桑原利彦氏と同門だった。
私も体験レッスンでギターを一回習い、その縁で一緒に食事がてらビールを飲み交わした。

彼は10弦ギターを使用しており、やはり「禁じられた遊び」や「アルハンブラの思い出」をいい音で聞かせてくれる。 

お弟子さんのおさらい会にも行ったが、皆上手い。11月にも発表会をするそうだ。

また、YouTubeで村治佳織などを聞いていると、本当にしみじみする。