北原鈴淳 琴古流尺八教室 in八王子

尺八の音色は心を癒してくれます。

演奏すれば「無」の境地になれ、演奏が終われば満足感、充実感が得られます。

女もすなる日傘というものを

2024-08-11 14:29:26 | 随想

猛暑到来。あまりの暑さに「女もすなる日傘というものを 私もしてみんとてするなり」というわけで、実際に日傘をさしてみた。本当は雨傘だが、実に涼しいと思った。

日傘は以前ある人から頂いた、折りたたみみ傘なのだけれど、単なる黒色ではなく、青色地に赤などのチェック柄だから、日傘に違和感は無い。時々若い男性も見かける。梅雨時はほとんど毎日持ち歩いている。軽くて便利だ。

大分くたびれて来たが、この日傘はもう20年以上前の物だ。大事に使っている。
実はこの傘は新宿で印章店を営んでいた時に、メーカーのシャチハタさんからいただいた物だ。

シャチハタと言えば、ご存じのネームの浸透印で有名だ。当時シャチハタはある期間「ポンポンセール」をしていた。
注文の金額に対して点数のシールをくれて、それを台紙に貼って貯めていたのだ。私は別に積極的に販売していたわけではないが、当時結構注文があり、点数がどんどん溜まった。
期間が終わりシャチハタの営業マンに連絡したところ、銀座の三越か高島屋で購入した写真の折りたたみ傘をくれたのである。ハイカラで嬉しかった。

骨の先の布がほつれたのを修理したりして、どうにか無事に使用している。

折りたたみ傘と言えばこんな思い出もある。
私が30代の頃、二代青木鈴慕門下の「鈴慕奨励会」の演奏会があった。当時尺八が上手な門下生約10人くらいが選ばれて演奏会で腕を競った。観客数を増やすため先生はチケットに演奏者の名前を記入させて、多く入場させた人に賞品をくれるということを考えた。私は当時会社勤めで、関係者や親類、友人に結構声をかけて来てもらった。
それが実り、演奏会後に先生から「北原が一番」と言われて、折りたたみ傘をいただいた。奨励会は毎年続いたので、2本くらいいただいた。もう時効だが、担当者は余りにも北原が多かったので、他の人に分けてあげたと言っていた。それでも私の一番は変わらなかったという。

先生は暮れに毎年、門下生の一部と箏、三絃の演奏家を稽古場に招いて忘年会をしていた。
ある年は雨だった。そこで私は例のシャチハタの折りたたみ傘を持参した。帰りの最寄り駅は高田馬場駅である。
ホーム上で丁寧に折りたたんでいた時、著名な三絃演奏家が「北原さんって血液型はA型でしょ」と言われた。ズバリである。

今年は日傘が売れているようで、街なかではテレビで言っていた、日傘専用を見かける。
外側は白地で太陽を跳ね返し、内側は熱を吸収する黒地になっているのが良いようだ。


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