北原鈴淳 琴古流尺八教室 in八王子

尺八の音色は心を癒してくれます。

演奏すれば「無」の境地になれ、演奏が終われば満足感、充実感が得られます。

映画 誰が為に花は咲く

2024-02-01 15:41:05 | 映画

1月28日は映画を見に吉祥寺まで出掛けた。映画館は初めて行くパルコ地下2階にある「アップリンク」だ。

有名な洋画「誰が為に鐘は鳴る」ではなく「誰が為に花は咲く」である。
これは親類の人がエキストラで出演すると言うので見に行ったのだ。100人前後の会場なので事前予約しておいた。結果的に満席だったので良かった。

午後1時45分からなので早めに行って昼食をと考えた。12時前だったがパルコ8階の「スシロー」は50分待ちの表示で諦めて、日曜日だからどこも混んでいると判断して、東急百貨店に向った。

やはり寿司が食べたいと8階の「旭寿司」に入った。結構な値段だった。
映画の開演まで充分時間があったので吉祥寺を見学する事にした。
家内が昔住んでいた場所の見学をしたいと言い出し、南口から10分程度歩いた。現地は建物は無かったが場所は確定出来た。家内は約50年振りに訪れたと言う。

私は吉祥寺には何回か来たことがある。
飯田市のミュージカル「鬼っていったいなんだろう」が演目で、和楽器を使ったミュージカルだった。
二十絃箏を知り合いの先生が演奏すると言うので出かけた。皆さんいい声で「鬼っていったいなんだろう」と何回も歌うのでしっかり歌を覚えてしまった。

ある時は、大学時代の三曲研究部の同僚が吉祥寺でラーメン屋を営んでいると情報を得て、訪れた。
新宿寄りのガード下にその店はあり、旨かった。本人はいなかったが、その後別の場所に移転したと聞いたが、どこだかは分からない。

私が50年程前に尺八を教えたYさんが歌曲を習っている先生が吉祥寺におり、音楽仲間たちが集まると言うので誘われた。
国立音大出のMさん宅に10人以上集まっていた。皆さん持ち寄りの酒やつまみも出ていた。
部屋にはグランドピアノが2台もあり、「オペラ」「バイオリン」「歌曲」の出し物があった。
私はYさんに促されて尺八を演奏した。多分、北島三郎の「仁義」だったと思う。尺八の難しさも話した。

さて本論の「誰が為に花は咲く」は監督・脚本は藤原知之、主演は女優湯川ひなである。

四年前に小学生を殺害し逃亡する佐久間秀明を父に持つ椿(湯川)。椿には常に殺人犯の娘という事実がつきまとう。
事件があったその日からお爺さん(渡辺裕之)に預けられ、中学・高校ではいじめに会う。

椿役の湯川は実に上手かった。泣きながらセリフを話すシーンでは同情する。
奇しくもお爺さん役の渡辺裕之はその出演後に亡くなってしまった。

親類のエキストラは看護師役で、車いすを引いて病院に入るシーンで、ほんの一瞬だった。
終演後、親類とお茶を飲もうと、近くの「コメダ珈琲店」に行くと日曜日の午後とあって行列、「星乃珈琲店」も行列、「ドトールコーヒー」も2階も満席で諦めて解散した。


映画「太陽とボレロ」

2022-06-11 20:50:34 | 映画

6月7日、映画「太陽とボレロ」を見た。

それに先立ち、6月4日の「題名のない音楽会」で小林研一郎がラベル作曲「ボレロ」を指揮していたのを聞いた。ゲストは水谷豊と檀れいだった。

「題名のない音楽会」で取り上げたのは、これは司会者の石丸幹二が映画に出演している事もあるだろう。映画の宣伝になっていた。

ラベル作曲「ボレロ」は私の好きな曲である。
これは中学の音楽の鑑賞曲で衝撃を受けた。同じメロディーが何回も繰り返すが、楽器を段々増やし、和声も増やし、転調もする。決して飽きない。段々盛り上がっていつ終わるかと耳を澄ませていると、アッと思ったら最後だった。終わり方がカッコいい。ベートーヴェンと違う斬新さを感じた。

最初から最後まで執拗に継続される同じリズムを小太鼓が刻む。
教科書にリズムが載っていなかったのか、私は気になってノートにリズムを書こうとしていた。だが私はなかなか書けなかった。

それを巡回していた音楽の教師が、挙動不審な?私の所へ来て「書けないだろう」と言って笑って立ち去ってしまった。
別に悔しいとかの思いはしなかったが、そのリズムを知りたかった。この事は忘れられない。

「ボレロ」は人気があり、何年か前に大晦日の恒例「東急ジルベスター」で「ボレロ」をオーケストラが演奏して、ちょうど終わりが午前0時を迎える番組を見た。
ちなみに昨年の大晦日は「エグモント序曲」でピッタリだった。

和楽器でも編曲されて、知人から楽譜をいただいて練習もした。ただ、未だ演奏会では演奏していない。

その編曲だろうか、随分前の話だが鈴慕会新年会にある人がその楽譜を持参して、先代鈴慕先生に見せたところ、先生が尺八で吹き出した。尺八で演奏するのは難しい。

期せずして、邦楽ジャーナル6月号に「ボレロ」が編曲されたのが載っている。
笛、尺八、三味線、箏、十七絃、締め太鼓の編成である。
原曲はハ長調であるが、和楽器で演奏しやすいヘ長調で書いてある。

せっかくだから尺八で練習してみた。最初のメロディーは割と簡単だったが、やはり転調したりすると、尺八では半音のところは困難だ。

ここで本題の映画「太陽とボレロ」に戻る。

ある地方都市のアマチュア交響楽団(弥生交響楽団)が解散する事になった。
主宰者はラストコンサートを計画するが、様々な出来事が起こり、無事開催出来るのか?

脚本・監督・出演(指揮者)を水谷豊が見事にこなした。
映画「太陽とボレロ」では、クラシックの有名な曲が演奏されるので、聞くだけでも素晴らしい。

主宰者を檀れいが演じ、石丸幹二がサックスでソロも聞かせる。森マリアがヴァイオリンを演奏。森はヴァイオリン歴10年だから演奏も上手い。

檀れいが娘役なら、母親役が檀ふみとは、しゃれている。

田中要次がホルン、六平直政がコントラバスを担当。

田中要次らは1年間楽器の練習をしたそうだ。
劇中には「白鳥の湖」「タイスの瞑想曲」ビゼー作曲「ファランドール」ベートーヴェン作曲「交響曲第7番」等がオーケストラで演奏されたので、コンサート会場にいる臨場感もあった。

映画のラストは西本智美率いるプロのイルミナートフィルハーモニーオーケストラと共に「ボレロ」を演奏するが、吹替なしで演奏したそうだ。西本智美の指揮ぶりもカッコいい。私も指揮をやってみたいな。

「ボレロ」は圧巻だった。最後は思わず拍手をした程だった。
音楽は素晴らしい。

考えてみるとこの映画と似た作品を何本か見ていた。
以前、2015年2月に私のブログにアップした映画「マエストロ」は西田敏行が指揮者。
ヴァイオリンでコンサートマスターを松坂桃李が演じた。これを見て松坂桃李は今後売れると思った。

「オケ老人!」は2016年に見た。
年寄りばかりのアマオケで杏が指揮者。笹野高史がコンサートマスター、左とん平がクラリネット、藤田弓子がオーボエ、小松政夫がチェロで出演。芸達者がそろった。
さらに今NHK朝ドラの「ちむどんどん」の主役、黒島結菜(コンサートマスターの孫娘役)も出ていたとは知らなかった。

DVDでは「オーケストラ・リハーサル」をレンタルビデオ店で借りて見た。
1979年のイタリア映画である。


映画「太陽とボレロ」の詳細は公式HPをご覧ください。


あいつ今何してる

2022-02-17 11:44:00 | 映画
先日、テレビ朝日で「あいつ今何してる」を見た。
それに触発されて、気になっていた元会社の「夜の上司」Kさんに電話をしてみた。

ある人の偲ぶ会で一緒に飲んだのが2005(平成17)年7月で、あれから17年経っていた。

Kさんとは在職中、居酒屋に行ったり、スナックでカラオケをした。
カラオケでは「音程が正しいな」と言ってくれて嬉しかった。

しかしあるスナックでマスターがカセットに録音してくれたのを聞いたら、下手で愕然とした。如何に歌手が上手いかを思い知った。

電話ではKさんは「覚えていてくれて嬉しい」と言い、共通の知人の消息を聞くことが出来た。

「あいつ今何してる」で思い出したのが「サウンド・オブ・ミュージック」のメンバーが今どうしているかなと思ったのである。

下の写真は、私所有のレコードとDVDである。レコードは随分前に買って、何度も聞いた。
DVDは何年か前に購入した。



サウンド・オブ・ミュージックは1965年公開のミュージカル映画である。

内容はオーストリアの退役軍人のトラップ大佐が家庭教師としてマリアを迎え、やがて結婚してマリアは先妻の子供達7人に歌を教え育てていく。

この作品は第38回アカデミー賞の作品賞など5部門を受賞した。
しかし主演のジュリー・アンドリュースは前年の「メリーポピンズ」で主演女優賞を受賞したのだが、この作品はノミネートされたが受賞は逃した。

私はこの映画が好きで№1に上げている。

劇中歌には「前奏曲、サウンド・オブ・ミュージック」「自信をもって」「もうすぐ17歳」「私のお気に入り」「すべての山に登れ」「ひとりぼっちの羊飼い」「ドレミの歌」「なにかいいこと」「エーデルワイス」「さよならごきげんよう」などがある。

夜中に目を覚ますと頭には「ドレミの歌」や「ひとりぼっちの羊飼い」「エーデルワイス」が出て来る。困ったものだ。

そこで気になったのが、あの人は今どうなったかだった。
YouTubeで調べてみたら、2020年に作成された動画が参考になった。

そこで、公開時の年齢から56年後として、現在の年齢を推測して掲載しよう。

マリア役のジュリー・アンドリュースは公開当時30歳ー現在86歳
トラップ大佐役のクリストファー・プラマーは36歳ー91歳没(2021年)
残念ながら昨年に亡くなった。

彼は晩年まで俳優として活躍しており、2014年公開の映画「トレビィの泉」も見た。
この映画はクリストファー・プラマーの妻役がシャリー・マクレーンであった。
シャリー・マクレーンは1960年公開の「アパートの鍵貸します」にジャック・レモンと共演した。エレベーター係で、ジャック・レモンが惚れる役で大変面白い映画だった。
あの美貌もすっかり忘れてしまう程に、おばあさんだった。

話を戻す。

修道院長役のペギー・ウッドは73歳ー86歳没
子供たちは役者名で長女のリーズルは22歳ー73歳没
フリードリッヒは15歳ー71歳
ルイーザは15歳ー68歳没
クルトは14歳ー70歳
ブリギッタは12歳ー68歳
マルタは8歳ー64歳
グレーテルは6歳ー62歳

長女リーズルの恋人役のロルフは21歳ー77歳
修道院のシスターたちは皆亡くなった。

いろいろ調べて行くと、マリア本人が出演している場面はどこか見たくなった。
DVDを見たところ最初の方の、ジュリーが修道院を出た建物の中庭に通行人として、確かにマリアとその娘2人が、左から右に歩いて行くのが見えた。遠くにほんのわずかだ。

ジュリー・アンドリュースは60歳ごろでも、綺麗で人気がありライブで歌っている映像がある。
晩年のクリストファー・プラマーとキスシーンもあり、羨ましい。

話が違うが、このブログは何日もかけて書いて来たのだが、ある日Enterキーを押すところ、誤ってBackSpaceを押してしまったらしく、その日の文章が全部消えてしまった。
時々「変更する」などしておかないと、大変な事になるとつくづく思った。

なれが生じ、半ばキーを見ずに打っているので、消えてしまったのだ。
なれは馴れか、慣れか、熟れか、いろいろな漢字がある。
本当に感じ変換、いや漢字返還に困る。嫌な感じだ。

最近見た映画

2020-10-18 12:42:00 | 映画
9月8日は調布まで出掛けて映画「パヴァロッティ」を見た。
ドミンゴ・カレーラスと三大テノールと言われた。
彼はイタリアで生まれ1935年~2007年に亡くなった。全盛期の歌唱や私生活など、インタビューにも答えて、作品が出来上がった。

歌はヴェルディ作曲リゴレットより「女心の歌」、「誰も寝てはならぬ」の他、「オ・ソレ・ミオ」は三大手テノールと共演するのだが、「オ・ソレ・ミオ」には恐れ入った。

カデンツァで節を長く引っ張り、ドミンゴ・カレーラスはびっくりして、二人とも真似をした。そのしぐさが面白かった。

歌はもう完璧だ。素晴らしい美声で、正しい発音に高音。特に「ハイC」と言われる音の高さは、すごい。ジュースと間違ってはいけない。ハ長調のドで私の最高音がEなら、さらに5音高いCである。もう圧倒的な声量で皆を魅了する。芸術は素晴らしい。感激した。

パヴァロッティが歌う会場はどこも満員。もてる故、私生活では離婚、再婚、愛人など波瀾万丈の生活を送ったが、最後に最愛の4歳の女の子を残して、亡くなったのは悲しい。

15日には映画「ミッドウェイ」を見た。
1941年12月ハワイ諸島の真珠湾(パールハーバー)に日本海軍(山本五十六大将)が奇襲攻撃をかけた。

爆撃機の空中戦が凄い。パイロットになって自分が操縦しているかと錯覚する。
戦争は悲惨である。二度と日本は戦争をしないように言っておく。

期せずして日本軍の組織論的研究「失敗の本質」の本を、高校の同級生から貰って読んでいた。この中に「ミッドウェー作戦」の項もある。
かなり売れていると新聞に出ていた。

10月13日映画「実りゆく」を見た。長野県の農家の息子がお笑い芸人を目指して上京、と予告編を見て興味を持っていた。

ロケ地も知らずに見たところ、なんと我が飯田のすぐ近くの松川町のリンゴ園が舞台だった。
南アルプスを望むいいロケーションである。内容は素晴らしく、感動するし、面白かった。

父親役は田中要次。飯田弁を話していた。彼は木曽出身だから違和感は無い。
息子役は漫才コンビ「まんじゅう大帝国」の竹内一希。

この映画も、田舎(飯田)を捨てて(?)上京した私にも共通するものがある。ある場面では涙も出た。実話に基づく映画だ。

松川町には、果樹園を営んでいる私のいとこ(撮影場所のすぐ近所らしい)もいるし、前松川町長は高校の同期生である。

彼に早速メールをしたところ、返信では「改めて郷土の素晴らしいことを、痛感しました」とあった。

皆さんもぜひ見て欲しいな。


「この道」の映画

2019-01-22 16:34:00 | 映画
1月19日(土)に映画「この道」を見た。
「この道」と言ったら北原白秋作詞、山田耕筰作曲で有名な童謡である。
ウキペディアには「童謡」とあるが、素人が歌うには難しく歌曲的だ。

〽1 この道は いつか来た道
    ああ そうだよ アカシアの花が咲いてる

2番には、白い時計台だよ 3番には、お母様と馬車で行ったよ と歌われる。

1、2番で場所は札幌らしく、3,4番は故郷柳川らしいが、映画の中では白秋本人がそれぞれ思い浮かべる場所で良い、と言っている。

私は映画に先行して八王子のカラオケ館(歌舞伎町のカラオケ館でなくて良かった)で「この道」を歌ってみたが、上手く拍子に乗れなかった。

帰って調べたら拍子が目まぐるしく変わるのだ。四分の三拍子で始まり、四分の二拍子、四分の三拍子を交互に繰り返すようになっている。

北原白秋(隆吉)は詩人、童謡作家、歌人、であり新民謡や軍歌までも作詞した。
1885(明治18)年~1942(昭和17)年、熊本県南関町に生まれ、まもなく柳川市に移った。

白秋は俳句の季語である。私も「北原」である縁から、昔川柳でもひねろうと「北原白春(はくしゅん)」を勝手に名乗った事がある。そう「はくしょん」でも良かった。

そんな縁で、私は若い頃(30代)の春、九州一人旅で柳川市を訪ね、「北原白秋記念館」も見学した。彼の生家(商家で主に酒造業)の裏庭に隣接して建てられていた。

柳川市は水郷の街で、船には乗らなかったが川べりを歩いた。しかし冷たい雨が降っておりちょうど昼飯時で、近くに見つけた「ウナギ屋」さんで、うな重を食べたが、実に上手かった。

白秋は上京して、早稲田大学英文科に入学。
次々に詩を発表して話題になり、人気が出た。一方で女たらしで、不倫の上姦通罪で逮捕されてしまう。
それでも懲りずにその相手「俊子」と結婚。だが離婚、再婚を繰り返して3度目の結婚までもした。

しかし、「歌心」があるので、子供と遊ぶのが好きだったり、小鳥も良く観察して「詩」にした。
かなりの自信家で、もう「詩」そのものが「歌」だから「曲」はいらないと豪語する。
そこに近づいて来たのが「山田耕筰」である。

時にはケンカ沙汰になったりしたが、山田耕筰が作曲した「この道」や「からたちの花」の曲は絶賛された。

映画では北原白秋は大森南朋が演じ、山田耕筰はEXILE のAKIRAが演じた。
大森は白秋の感じがしっかり出でいたし、AKIRAも好演だった。

劇中、北原白秋没後10周年演奏会で「この道」を山田耕筰が指揮をして、小学生らが体育館のステージに上り、オーケストラで合唱するシーンがあった。
音楽は後で入れたもので、画面と合わず、指揮と曲がずれたのが気になった。

北原白秋の作品には、雨ふり、砂山、からたちの花、この道、ペチカ、あわて床屋、待ちぼうけ、城ケ島の雨、ちゃっきり節、愛国行進曲(補作)や校歌、応援歌など多数ある。

やはり劇中に「からたちの花」を安田祥子、由紀さおり姉妹がNHKラジオのスタジオで歌うシーンがあったけれど、もっと童謡を演奏会形式で聞きたかった。

与謝野鉄幹役の松重豊、与謝野晶子役の羽田美智子や鈴木三重吉役の柳沢慎吾など、役者はそろっていた。

エンディングはEXILEのATHUSIがせつなく「この道」を歌っていた。