ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

アメリカのマディグラ

2018-02-13 | アメリカ事情

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ニューオーリンズのマディ・グラ・パレード


2月13日火曜日は、フランス語Mardi Gras、「肥沃な(太った)火曜日」で、翌日2月14日水曜日(Ash Wednesday=灰の水曜日)の前日を言う。カソリック教会等の西方キリスト教会の四旬節(”灰の水曜日”から復活祭前日までの46日)の前に行われる祝賀で、アメリカ合衆国では、比較的カソリック教会の多い南部(ルイジアナ州、アラバマ州、テキサス州、フロリダ州)で特に有名である。ただし、現在は宗教色が著しく失われ、パレードや音楽等が中心の「お祭り」である。ニューオーリンズでのマディ・グラは、日本でも報道されたり、他にイタリアのヴェニスや、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロのカーニヴァルは、特に有名である。

 

この火曜日の翌日、灰の水曜日からの46日間節食・断食をするLent(四旬節)と呼ばれる期間に入る前日におおいに飽食し、踊ったりするのがカーニヴァルで謝肉祭とも言われる。遠い日のゲルマン民族の春の到来を喜ぶ祭り(Shrovetide)に由来しており、合衆国ペンシルヴァニア州のペンシルヴァニア・ダッチと言われるドイツ系アメリカ人の間では、この日Shrove Tuesday Pancakes (fastnachtkuchen)を食べる習慣がある。そのレシピは後述。

 

マディ・グラの季節になると、この伝統に関連づけられたKing Cakeキング・ケーキが売られる。フランスとスペイン入植者の多かった合衆国南部、特にフロリダ州ペンサコーラやルイジアナ州ニューオーリンズ、あるいは私の住むカリフォルニア州にももたらされた。フランス語でgalette des roisガレット・デ・ロワと呼ばれるが、こういう呼び名で日本でも売るベイカリーもあるので、日本人の中には食す方もいらっしゃることだと思う。これはEpiphanyと同様、中に小さな陶製の玩具Faveが入れてあり、赤子のイエス・キリストだったり、お皿や動物、人形、そしてコインだったりする。これを当てる人は、特典か、義務か与えられる点も同様である。18世紀から南北戦争以前のニューオリンズの上流階級のマディグラ・パーテイでは、フレンチ・ガレット・デ・ロワには、貴金属のFaveが入れられたと言う。

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フレンチ・ガレット・デ・ロワ


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キング・ケーキとマディ・グラ色のビーズとフェイブの赤子キリスト


このように、マディ・グラは、翌日の灰の水曜日ほど宗教色はなく、昨今のニューオリンズでは、マディ・グラ色*のビーズネックレスをカーニヴァル・フロートから投げてもらうために、女性観光客は胸をはだけたり、泥酔のよいチャンスとばかりに、町は騒然となり、よって治安の悪化やゴミ問題も増加している。飽食、深酒・泥酔などの点でも、まったくキリスト教の意図するところではない。次男がブラジルで伝道した時、カーニヴァルに乗じて犯罪も多発するこの日は、教会伝道本部から、一日外出しないよう警告された。

マディグラ色:紫=正義;金=権利;緑=運命



SHROVE TUESDAY PANCAKES

シュローヴ火曜日のパンケーキ 

 https://www.almanac.com

材料: 
4個分の溶いた卵
1カップ ミルク
3 大匙の砂糖
2カップの濾した小麦粉
1/2小匙の塩
 
上の順序で材料を混ぜる。あらかじめ加熱され、油の引かれたフライパンにスプーンで混ぜた物を適宜な大きさに落とし、低温で両側が茶色になるように焼く。メイプルシロップでも、果実シロップでも、お好きなもので召し上がれ。

 

私個人は、マディ・グラと言うと思い出すのは、なんとBlack Orpheus(黒いオルフェ)という1959年公開されたマルセル・カミュ監督の映画である。公開後十何年も経て、この映画を日本の洋画番組で12歳頃、観た。グリーク神話のようだと子供心にも思ったが、不気味な場面もあり、あまり好きではなかった。この映画の背景にリオ・デ・ジャネイロのカーニヴァルがある。映画自体は好きではなかったが、Luiz Bonfáによるボサノヴァ曲Manhã de Carnavalは、生意気に好きであった。

 

 

https://www.filmaffinity.com/en/film172778.html

 

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