https://blog.willis.com/2013/10/resilience-for-the-long-term/
私の好きな言葉の一つは、resilient である。
resilient
1
はね[とび]返る; 弾力のある.
2
たちまち元気を回復する; 快活な、溌剌(はつらつ)とした.
(研究社 新英和中辞典より)
上記のように、意味を書くと、素っ気なく感じてしまうが、系図を中世近くまで遡ると、この言葉がいつも浮かんでくるのだ。
系図調査をしていて、ふと、今現在ここに自分がいるのは、たいしたことではないか、とさえ思える。戦争があり、飢饉があり、疫病があり、自然災害もしかり、そんな長い長い歴史の中を滔々と続く、あなたや私のDNAは、偶然のおかげで生き延びたこともあるかもしれない。人知れず、多くのチャンスが与えられてきたのかもしれない、下の話のように。
1915年7月15日、ヘンリーと彼の8歳の娘、パールは、会社の旅行へ翌日行くのをとても喜んでいた。その夜、ヘンリーは、大家と激しく口論し、挙句の果てに大家は、壁に掛かっていた聖母マリアの絵を二つに裂いてしまった。ヘンリーは非常に動揺したあまり、その夜病気になり、翌日の旅をキャンセルした。彼とパールは、SSイーストランド号*による船旅を残念がったが、その船は、翌日、乗客800名以上を載せて沈没したのである。私の未来の祖父と母を残して。22人の子孫が現在いるのは、100年前の奇蹟の口論のおかげであった。イリノイ州エルムハーストのヴァーノン・マグヌッセンは、そう感謝する。
*イーストランド (SS Eastland) はシカゴを母港としていた遊覧客船。1915年7月24日、シカゴ川の埠頭に係留中に転覆した。乗客乗員計844人が死亡し、五大湖で発生した単独の海難事故としては最悪の規模となった。