京セラは3日、スマートフォンなどの電子機器に組み込んで電気をためたり放出したりする役割を持つ小型の積層セラミックコンデンサー(MLCC)について、蓄電容量を従来の2倍に拡大した製品を開発したと発表した。
人工知能(AI)を搭載した電子機器などに使う。12月から量産を開始し、2026年の売上高で12億円を見込む。
開発したのは長辺1.0ミリ、短辺0.5ミリで、スマートフォンやウェアラブル端末で最も多く採用されているサイズ。
京セラはセラミック材料や加工技術を工夫し、1個あたりの蓄電容量を47μF(マイクロファラッド)と同社の従来製品(22μF)より倍増させた。
MLCCは電気をためたり放出したりすることで、電子機器内の回路の電圧を一定に保つ役割などがある。
最新スマホには最大1000個程度が使われており、蓄電容量を高めることでMLCCの数の削減にもつながる。
新製品はセ氏105度まで耐えることができるため、発熱しやすいサーバーなどにも使いやすい。生産拠点は鹿児島国分工場(鹿児島県霧島市)で3月からサンプル出荷を始め、12月から量産する計画だ。
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