ためられる電気の容量を2倍にした
村田製作所は25日、蓄電容量が大きい小型の積層セラミックコンデンサー(MLCC)を開発し、量産を始めたと発表した。
パソコンやサーバーなどで使われる「1608」と呼ばれるサイズのMLCCで、ためられる電気の容量を従来品の2倍にした。生成AI(人工知能)サーバー向けなどに高性能なMLCCの需要が伸びており、供給力を高める。
縦1.6ミリメートル×横0.8ミリメートルの1608と呼ばれるサイズのMLCCの新製品を開発した。セラミック材料の加工方法を工夫し、100μF(マイクロファラッド)の電気をためられるようにした。
これまで同サイズのMLCCの蓄電容量は47μFで、約2倍の電気を一時保存できるようになった。このほど、MLCCの主力工場である福井村田製作所(福井県越前市)で電圧2.5ボルトの規格品の量産を始めた。
MLCCは電気をためたり放出したりすることで、電子機器の回路内の電圧を一定に保つ役割などを果たしている。
生成AIサーバーやAI搭載のパソコンでは高い蓄電容量が求められ、需要が伸びている。セ氏105度まで耐えられるため、発熱しやすいAIサーバーなどにも使いやすい。
日経記事2024.7.25