EUの新たな「欧州再軍備計画」を発表するフォンデアライエン欧州委員長(4日、ブリュッセル)=AP
【ブリュッセル=辻隆史】
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は4日の記者会見で、欧州の抜本的な防衛力強化のために約8000億ユーロ(約125兆円)の確保をめざす「再軍備計画」を発表した。
巨額の資金供給枠組みを立ち上げ、加盟国の自国防衛やウクライナ支援を後押しする。
6日に開く臨時のEU首脳会議で同意を得たい考え。計画では防空システムや弾薬、無人機(ドローン)の購入を支援する。EUレベルの大規模基金の創設案が浮上している。
加盟国は得た装備品をウクライナ支援にも回せる。
EU予算のほか欧州投資銀行(EIB)による融資、民間投資の促進などを通じて防衛産業の振興にもつなげる。
加盟国の防衛関連投資を促すため、EUの財政ルールを一時的に緩和する方針も明示した。加盟国が防衛費を増やせば、財政赤字の拡大を容認する案を議論する。
フォンデアライエン氏は記者会見で、トランプ米政権がウクライナへの軍事支援を一時停止したことを受け「欧州が断固とした行動をとる用意があるかが問われている」と強調した。
「欧州は再軍備に向けた責任を引き受ける準備ができている」とも語った。
欧州防衛やウクライナ支援で米国への依存からの脱却をめざす。EUとして資金供給を伴う安保強化に動く姿勢を米国に示し、同国のウクライナ支援再開に向けた説得材料にする狙いもあるとみられる。
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