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三菱重工の純利益・受注が最高 4〜6月、エネルギー好調

2024-08-06 19:17:02 | 環境・エネルギー、資源


決算会見する三菱重工の小沢寿人CFO(6日、東京都千代田区)

 

三菱重工業が6日に発表した2024年4〜6月期の連結決算(国際会計基準)は純利益が622億円と前年同期比で17%増え、過去最高を更新した。

脱炭素と防衛需要の拡大でエネルギー関連や防衛事業が伸びた。受注高は防衛の大型案件があった前年同期を15%上回っており、市場では先行きへの期待が強まっている。

 

取引時間中の決算発表を受け、株価は一時、制限値幅の上限(ストップ高)となる前日比300円(23%)高の1613円まで上昇した。終値は20%高の1573円50銭だった。

純利益の事前の市場予想(520億円)を上回り「良好なスタート」(外資系証券)との評価があった。受注動向も市場の想定を上回ったという。

 

 

 

 

売上高にあたる売上収益が13%増の1兆1115億円、本業のもうけを示す事業利益が61%増の835億円、受注高が15%増の1兆8475億円で、そろって最高を更新した。

25年3月期通期については期初予想を据え置いたが進捗率は高い。通期の純利益予想(前期比4%増の2300億円)に対して27%、受注計画(13%減の5兆8000億円)に対して32%ある。

 

 

同日の記者会見で小沢寿人最高財務責任者(CFO)は「受注獲得が期待通りに進めば、計画を上回る着地になる可能性は十分考えられる」と話した。

4〜6月期のけん引役はエナジー事業だ。「グローバルで電力需要が膨らみ、ガスタービンが強い」(小沢CFO)といい、事業利益は503億円と88%増えた。

 

 

脱炭素の流れで、ガスタービンの排熱を使って蒸気タービンも回し効率よく発電できるプラント「GTCC」が好調だ。

円安や好採算案件の計上もあり、売上高事業利益率は12.9%と5ポイント強改善した。連結全体の事業利益率(7.5%)を大きく上回った。

 

 

航空・防衛・宇宙事業の事業利益は2.5倍の236億円だった。

防衛では、世界的な地政学リスクの高まりと政府の防衛予算の増額が追い風となりミサイルなどが好調だ。民間航空機も伸びた。円安影響や生産効率の向上もあり、事業利益率は11.2%と5ポイント弱伸びた。

 

 

事業別の受注高では北米でのGTCCの案件がけん引し、エナジー事業が2.1倍の8046億円だった。前年の大型案件の反動が出た航空・防衛・宇宙事業の減少(31%減の4760億円)を補った。

小沢CFOはGTCCなどの発電設備について「北米以外も含めて引き合いがあり、しばらく(需要が)強い状況は続く」と見通しを話した。

 

 

一方で一段の株高へは課題がある。足元は7月上旬につけた上場来高値(2087円)を25%下回っている。5月には、27年3月期に事業利益率で8%以上(前期は6%)を目指す経営計画を発表した。

市場では本業の成長性への期待値が高い一方、利益目標の低さや定量的な説明の少なさを指摘する声も少なくない。

 

 

JPモルガン証券の佐野友彦株式調査部共同部長は「エネルギーや防衛分野の海外競合と比べると、三菱重工のバリュエーション(投資尺度)は低い。

低収益事業の再編などの取り組みが重要だ」と指摘する。業績や株価指標に連動した報酬制度の導入など、株価を意識した経営をどう強めるかも注目される。

(堤健太郎)

 

 

 

 
 
 
 
日経記事2024.08.06より引用
 
 


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