石破首相とトランプ次期米大統領㊨
石破茂首相は2月前半にワシントンを訪問し、1月20日に就任するトランプ次期米大統領と初の首脳会談を開く方向で最終調整する。
日米同盟の重要性を新政権との間で確認する。経済や安全保障分野で協力の具体策を話し合う。
2月8、9日の週末や前後の日を使い訪米するのが有力だ。首相は11日、訪問先のインドネシアで記者団に「米国との関係は日本にとって非常に重要だ。できるだけ早期に会談を実現したい」と述べた。
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画への中止命令についても意見交換する可能性がある。
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ひとこと解説
①極めて重要な訪米。経済面でトランプ氏の琴線に触れるには、自由貿易の理念を説教がましく唱えるのではなく、実利に訴えるのが肝心。
日米間の企業協力や対米直接投資の具体的な実績、今後の投資計画をまとめて示すのも一案です。日鉄のUSスチール買収問題を、いたずらに日米間の懸案にしない工夫も欠かせません。
②外交面では中国を巡るすきま風を吹かせないこと。米中ががっぷり四つに組むなか、習近平政権は日本に秋波を送り、岩屋外相や石破首相は以心伝心の様子。
トランプ氏には思うところを伝え、意志疎通を図るべきでしょう。台湾問題で中国の武力行使を抑制するための日米防衛協力も、べき論ではなく具体策のすり合わせが重要です。
(更新)
日経記事2025.1.12より引用