リゲルの思いつくままに

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「大聖堂・・・」つづき

2011年01月27日 | Weblog

・・・・)続き

サン・ドニの大聖堂が落成すると、落成式典に大勢の市民が集まったが、市民は退屈からか、石工たちの小屋から工具を持ち出して暴れだした。そのうちの一人が、ジャックがトレドでラシードからもらったマリア像を盗んだのをジャックは見た。そのマリア像は気温の変化を利用する仕組みか、泣き出すことがある不思議な像であった。ジャックはそれを取り戻すことに成功し、さらにそのマリア像を利用して群集を鎮めた。ちょうど夕方で気温が急に下がったせいかマリア像が泣き出したため、奇蹟とされ、市民がコインをジャックへ投げ始めた。ジャックはそれを奇禍として、マリア像はキングズブリッジへ戻される途中であり、寄付をキングズブリッジの大聖堂に使うと宣言した。たまたまキングズブリッジを司教区の一つとしている大司教の保護を得ることができ、公認の下でイングランドへ戻りつつ寄付を募りながら旅をすることになった。そしてノルマンディーのシェルブールの街で、ジャックは偶然にも父の一族と出あった。自分のルーツを知ることができたジャックはイングランドに渡ってキングズブリッジへ戻り、フィリップと再会する。フィリップはウィリアム・ハムレイの襲撃から心の傷が癒えていないキングズブリッジの市民に説教を行っていた。そこへ大陸から戻ってきたジャックはマリア像と寄付金を見せる。フィリップは逡巡の後、マリア像を奇蹟と認め、またジャックを棟梁として新たにジャックの設計による大聖堂の再建を認めた。しかしながら、フィリップはアリエナとジャックの結婚を認めなかった。アリエナはアルフレッドと結婚しており、それが有効だというのだ。アリエナは結婚の事実が無かったことを理由に結婚の無効を求めたが、大司教により却下された。ジャックはアリエナと別居することを認めた。ただし、2人は公然と愛人関係にあった。 徐々に繁栄を取り戻すキングズブリッジに対し、ウィリアム・ハムレイは再度襲撃を行うことを計画した。それを知ったジャックはリチャードとフィリップと相談し、一日で石の壁を町の周囲に築き、自衛することを提案した。石壁は間に合わせながら完成し防衛体制が整った。ウィリアム・ハムレイの軍勢は思ったより多かった。彼らは石壁を見ても襲撃を諦めず、回り込んで攻撃を行ったが、リチャードの指揮の下で撃退に成功した。リチャードは生計を立てる手段をもたなかったが、戦士として、そして指揮官としては優秀であった。アリエナはリチャードをキングズブリッジの守備隊長として契約することを町に求め、受け入れられた。そして石壁は本格的に作り直されることになった。リチャードは石壁の威力を内戦時に実感していた。

ウィリアムは若い女性と結婚した。新妻のエリザベスは粗暴で粗野なウィリアムの虐待的な扱いに失望し、憎むようになった。そんな中、雨やどりでアリエナとエリザベスは出会い、知り合う。アリエナは、まずは家臣たちに言う事を聞かせるためのコツを伝授した。

3年続いた不作により、飢饉がイングランドを襲った。今度は無法者たちがキングズブリッジを襲ったが、リチャードの指揮で撃退した。アリエナは無法者たちをリチャードが指揮すれば軍勢になると考えた。リチャードは無法者たちを効率よく指揮し、ウィリアム・ハムレイの領土で効率よく略奪を繰り返した。ウィリアムは反キングズブリッジで同盟しているウォールランに相談すると、ウォールランは反フィリップ院長派である副院長のリミジアスを使い、リチャードと無法者たちの根城を突き止めた。リミジアスはそのまま修道院を出奔し、ウォールランの下へ走った。ウィリアムはサリーの石切り場と呼ばれる彼らの根拠地へ向かったが、すでにも抜けの殻であった。そして、そこにいたエリンにリチャードは亡きモード女帝の息子であるヘンリーに出仕するためにノルマンディーへ向かったと告げられた。 長い内戦は終わった。スティーブン王は嫡子を失い、すっかりやる気を失っていた。スティーブン王は地位を認められたが、その後継者はモード女帝の息子であるヘンリーとなることで合意をみた。そして領土はヘンリー1世時代のものに戻されることになり、リチャードは念願の伯爵位を取り戻した。 しかしながら、これにはスティーブン王の強制執行義務が無いため、スティーブン王が生きている間はシャーリング伯領はウィリアム・ハムレイに簒奪されたままになりかねない。そこでアリエナはリチャードと計り、シャーリングの城を奪うことを計画した。アリエナは単身農民に化けて城に潜り込むと、旧知であるウィリアムの妻である伯爵夫人エリザベスと会うことに成功した。エリザベスが未だに夫であるウィリアムを強く憎んでいることを確かめ、守備の兵の注意を惹きつつリチャードの軍勢が乗り込む時間を稼ぐのに協力してもらった。エリザベスは何とかそれに成功し、リチャードは間一髪で城に乗り込み、制圧した。ウィリアム・ハムレイもリチャードが軍勢を伴っていち早く離れたのを知り、急いで城に戻ったが、すでに城は制圧されていた。ウィリアムはそれを知り、失意の後に元のハムレイ家の領土に引きこもった。

新たなる州長官が選ばれることになり、シャーリングへ向かったフィリップだったが、新しい長官がウォールランによってウィリアム・ハムレイに決まったことを知った。一方でリチャードへの襲撃が空振りに終り、リミジアスはウォールランに相手にされずに、乞食となった。フィリップはそれをシャーリングの町でみつけ、再度修道院で平修道士として神に仕えるように言った。リミジアスは改悛してそれに従った。

キングズブリッジでは新たな問題が持ち上がっていた。新伯爵であるリチャードが採石場の使用を認めないのである。リチャードがキングズブリッジへやってきた際に、姉のアリエナは背信行為をなじる。一方でアルフレッドは、ウォールランのために石工を引き抜き、またシャーリングへ大聖堂を建築するための手助けをしていたが、ウォールランの建築は行き詰っていた。アルフレッドはシャーリングでの仕事を失い、またキングズブリッジでは仕事ができないため、アリエナに金の無心にやってきた。アリエナが断ると、アリエナを犯そうとした。そこへ弟の新伯爵であるリチャードがやってきてそれを見たため、リチャードはアルフレッドを殺してしまう。これをウォールランとウィリアム・ハムレイは直ちに問題として逮捕してしまおうと試みた。そこでフィリップは一石三鳥の名案を思いついた。リチャードにその償いとして十字軍に参加させようとしたのである。リチャードは結局は戦いが好きであり、また彼の逮捕も有耶無耶になる。一方でアリエナはその経営手腕を伯爵領で発揮でき、フィリップは採石場の石を大聖堂の建築に使用できる。リチャードはウィリアム・ハムレイから逃れ、エルサレムへ向かった。ウィリアムの伯爵領奪還の試みは失敗に終わった。アルフレッドの死により、アリエナは法的にも独身に戻り、ジャックと結婚した。 ジャックは息子のトミーを石工にしようとしたが、全く才能もやる気もなく、逆に娘のサリーが一人前のステンドガラス職人となりつつあった。

トム・ビルダーの捨てた息子のジョナサンはフィリップに育てられ、すっかり一人前になった。フィリップはジョナサンを副院長とし、後継者と目していた。それに対し、ウォールランは、そのようなことはないと知りつつも、ジョナサンはフィリップの実の息子であり、フィリップは姦淫の罪を犯していると告発した。まずいことに、その裁判のために来たのは、かつてキングズブリッジ修道院の分院を建て直す際に、結果的に追い出したピーターであった。ピーターはカンタベリー大司教の下で出世していたのである。ピーターとウォールランによりフィリップは追い詰められる。無実の罪を証明するためには、ジョナサンの真の父を見つけるしかない。話を聞いたジャックは、ジョナサンの捨てられていた時の状況から、トム・ビルダーの捨てた赤子こそがジョナサンなのではないかと考えた。ジャックは全てを知っている母のエリンを説得し、エリンは裁判でジョナサンの父親がトムであると証言した。またエリンは、ウォールラン司教が自分の前の夫の死に対して偽証をしたそいう証言も行った。その後ウォールランは信用を失っていく。

やがて大聖堂は完成した。その頃、フィリップはカンタベリー司教であるトマス・ベケットの信用を得るようになっていた。 トマス・ベケットは即位したヘンリー2世と教会の権利に対して対立した。そのため、王の意を汲んだとしてウィリアム・ハムレイはトマス・ベケットを襲撃した。フィリップはトマス・ベケットを懸命に逃がそうとしたが、トマス・ベケットはそれを潔しとせず、堂々と名乗り、ウィリアム・ハムレイに衆人環視の中で殺された。フィリップはその殺した剣を持ち、トマス・ベケットを殉教者に仕立て上げた。そして大衆にトマス・ベケットの殉教を知らせ、イングランド中に広めるように言った。トマス・ベケットの死はキリスト教世界に大きな影響を与え、イングランドでは聖務禁止の処置が取られ、ヘンリー2世は妥協せざるを得なかった。

シャーリング伯リチャードがエルサレムで亡くなった。彼には子供がいなかったために、甥でジャックとアリエナの間の子供であるトミーことトマスが新伯爵となった。トマスはウィリアム・ハムレイをトマス・ベケット殺害で逮捕して処刑した。トマスは統治者として優秀であり、アリエナは統治を息子に譲ってキングズブリッジに戻り、商売に専念した。

ウォールランは出世の道を失い、修道院で出直していた。そしてジャックはそのウォールランからホワイトシップ遭難の陰謀と父の死の原因を知らされた。

ヘンリー2世は改悛し、形ながらロンドン司教やキングズブリッジ司教であるフィリップをはじめとする司教や修道士たちに鞭打ちたれることになった。フィリップは、念願であった無制限の暴力が神の権威に屈する時に立ち会えたのであった。

 

       

       

 

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