「ON WINGS OF EAGLES」 by Ken Follett
当時、1978年 エレクトロニック・データ・システムズ・コーポレーション(EDS)会長ロス・ペロウのイランに於ける、社員の
人質事件に関する救出劇の物語である。
1992年には、米大統領選で「妖怪」などと言われながらジョージ・ブッシュを人気では上回っていた人物でもあった。
............................................................. 序 ................................................................
これは犯しもしない無実の罪に問われ、それが為に自らの手で裁断を下す決意をした人々のことを語った実話である。
一切が終わった後、公判が行われ、全員が無実の判決を受けた。裁判はこの本の関知するところではないが、それが彼らの無実を
証拠だてているので、法廷の判決文を巻末に記載してある。
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これは小説でもなければ、ノン・フェクション・ノヴェルでもない。作者が勝手に創作した部分は一箇所もない。
これは実際に起こった事実そのままである。(KF)
わが鷲の翼をのべて、汝らを負いて我にいたらしめたり .... 旧約聖書 ”出エジプト記” 第19章第4部
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ワルサーPPKの射撃訓練は、ガーランド・パブリック射撃場へ行って行った。射撃場の係員には、彼らはダラスでの講習に
全国から集まってきたガードマンだと話した。そのコースに射撃訓練も入っているのだと言う事にしたのだが、係員は信用しなかった。
しかもT・J マルケスが上着に黒の帽子という、まるで映画のマフィアの親分のような恰好であらわれ、黒塗りのリンカーンの
トランクから、ワルサーPPK 10丁と弾薬5千発を出してきたので、なおさら胡散臭い目で見られる事になった。
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ある日の夕方、サイモンズは湖畔の別荘で、迅速且つ音を立てずに人を殺す方法を、皆に教えた。彼はマーヴ・ストウファーに
言いつけてガーバー・ナイフを購入させ、それを全員に渡した。細身の両刃のナイフで、短い刺殺用のナイフである。
「ずいぶん小型だな」と、ディヴィスがつくづく見ながら言った。「これで十分なのかな?」
「串刺しにして、その切っ先に砥石をかけようと言うのなら別だがね」と、サイモンズは言った。それからグレン・ジャクスンの
背中を借りて、腎臓の位置を皆に示した。「ここを一突き、それで致命傷だ」 「叫び声を上げませんかね?」とディヴィス。
「ひどい痛みで声など出ないよ」サイモンズが実演して見せているとき、ストウファーが入って来て、両手にマクドナルドの紙袋を
さげたまま、ポカンと口を開けて入口に突っ立っていた。それを見てサイモンズが言った。
「ほら、彼を見ろ.....声も出せないでいる。まだ刺されてもいないのにな」マーヴは笑い出してみんなにハンバーガーを配った。
「客の一人もいない店で、私がハンバーガーを30個にフライを30個頼んだら、マクドナルドの女の子が何と言ったかわかるかい?」
「なんと、言いました?」
「いつもの科白だ......『ここで召し上がりますか、お持ち帰りですか?』だとさ」(Certainly,Eat in or take away?)
ダークエイジ・ロマン 「大聖堂」