今日は「奈良ひとまち大学」の授業で興福寺の国宝館にお邪魔しました
(参加の際にいただいた根付は、2018年完成予定の中金堂の再建余材を使った物)
定員30名に対し150人近い応募があったらしいですが、運よく 当選
朝7:45~受付は、私にとっては辛かった~
講師は 法相宗大本山興福寺 執事の辻明俊(つじ みょうしゅん)先生
阿修羅ブームを巻き起こした「国宝 阿修羅展」を担当されたお坊様だそうです
国宝館は通常9時からですが、その前に「ひとまち大学」で貸し切っちゃおうと
説明書きを読むだけでは判らない事も詳しく解説していただき
とても解かり易く、興味深いお話でした
しかも、建設途中の中金堂(95%くらい出来上がってるそうです)に案内していただくという
予定には無かったサプライズもありで大満足です
あんなに大きな有名なお寺なのに、現在お坊様の人数はたった10名だと聞いてビックリ!
明治の廃仏毀釈以前は3000~5000人のお坊様がいらっしゃったけど
やむなく僧侶の職を失ったり、神職に変わられたりと大変だったようです
仏頭が 昭和12年に東金堂の修理中、須弥座の下より発見された時の記録には
世紀の大発見に興奮して眠れなかったとか記述があったそうです
「木造天燈鬼・龍燈鬼立像」は、あまり見た事ないポーズで、面白かった
文化財保護法のお陰で、色々助かっている事もあるけど
それが足かせになって 十分な修理が出来ない事もあり、歯がゆいと
当時の仏像は信仰の対象であって 現在は美術品としての要素が強くなりすぎている
1体 修理に出すと何百万と費用がかかるのに
修理後戻ってきた仏像は それ以上破損しない様に留めるのみ
見た目には何も変わらない、変えてはいけない
美術品では無く、「仏様」として見た時、手足が破損して無くなっていたら
「直して差し上げたい」と思ってしまうと
当時は「壊れたら直す」が当然の事で
右手はどの時代に、光背はどの時代に誰々が修理してと、記録が残っている物も多いですもんね
途中で誰かが直してくれていたから 現在の私達が全体の御姿を拝見できるわけですからね
今直しておかないと、後世に伝えれない物も出てくるかもしれませんね
来年1月には東京の根津美術館で「再会ー興福寺の梵天・帝釈天」2017年1月7日~3月31日
本来は対で安置されていた興福寺の梵天と帝釈天
現在 梵天は興福寺で、帝釈天は根津美術館でと、別々に安置されている
その梵天と帝釈天に、112年ぶりに再会していただこうという展覧会
9月~11月には 東京国立博物館で「運慶」展
それはそれは すばらしい展示会になるでしょう!とお話されてました
阿修羅展を超える様な物になるかも と
・・・東京か~ 遠いな~
その前に 奈良国立博物館で「快慶」展が来年4月~6月
私はどちらかと言うと(いや、断然)「快慶」派だな
でも今日のお話聞いたら、何とかして「運慶」展にも行ってみたくなりました
興福寺・国宝館は 来年(2017)1年間、耐震工事の為 まるまる1年間休館されるとの事
但し、一部の仏像(阿修羅さん等)は2回ほど 期間限定で 仮金堂で展示予定ありと言う事です
お堂の中という事は、国宝館での展示とは また違った仏像に出会えるので、
それも また楽しみですね!