リンムーの眼 rinmu's eye

リンムーの眼、私の視点。

年末の読書

2006-12-31 | book
『読めそうで読めない不思議な漢字』日本語を考える会編著(角川文庫)読む。
いわゆる楷書体の「活字」ではなく、変体仮名や江戸文字、楷書以外の篆書・隷書・草書・行書などの書体について、わかりやすく解説したウンチク本。
古い書体が使われているお店の看板などを使って紹介していて、とても面白く、ためになる。
最近じゃ、「書く」よりも、キーボードで「打つ」方が、文字との関わりが多い。手書き文字を「読み解く」楽しみを忘れかけていた。

大学時代、授業で源氏物語の写本を読んだことがあった。
平安時代に書かれた物語を、鎌倉時代に藤原定家によって写された文字で、平成の代に読み解こうとする倒錯。
しかも、教育実習・就職活動の四年生の時だ。
IT革命だなんだと言われていたころに、そんなアナログな作業に身を浸していた。
あのころの事を少し思い出した。

言葉に「意味」だけ求めるんじゃなくて言葉自体も大事にしないと、言葉に復讐されるぜ、と自分に言い聞かせて言葉と向かい合っていきたい。
年末にそんなことを考えさせられる読書だった。

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