里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

オモダカ(オモダカ科、オモダカ属)

2006年08月06日 | 山野草
舅は82歳だが今もって現役の百姓で、ブドウ栽培こそ止めたものの未だ夫婦で
野菜や米作りに励んでいる働き者で、横着な私などは足元にも及ばない。
日頃から「もう引退したら?」と勧めているのだがどこ吹く風で、「稲の作柄を
見てくれ」と田圃へつき合わされた。

「どうだ良く出来ているだろう?」の声に、「ウン、ウン」と空返事をしながら
不謹慎にも目線は隣の田の雑草を探していた。
すると、クワイの葉に似た雑草に白い花が咲いているのを見つけた。
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雌花と雄花(マウスオン)

帰って調べて見るとオモダカと言い、日の当たる湿地や水田に自生する多年草で、
同属の食用のクワイはこのオモダカの変種と書かれていた。

このオモダカ、別名をハナグワイと呼ぶだけあって観賞用にも用いられるが、昔
は塊茎を食用にしていたらしい。
特に大阪・吹田が名産で、明治維新までは京都御所へ献上していたほどで、普通
のクワイより小粒だが苦味が無く、軟らかくて甘いのだそうだ。
名前の由来は、葉が人の顔のように(柄の)高い所についている事から、
“オモダカ=面高”と名付けられたなどの説があるそうだ。

因みにクワイは、欧米では観賞用に用い、中国と日本だけが食用として用いてお
り、国内では広島県の福山市が全国の8割を生産しており有名だ。