雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

夢叶えた友

2011-12-06 | 友人
 彼は「料理人になる」と言って、大学を辞めた。
 それからは、様々な飲食店に於いて修行の日々を経ていた。
 元から、料理の腕前は確かであった。二人でよく、家で呑んでいるときなどは、冷蔵庫にある何気ない食材と些細な調味料だけで、信じられないほど美味い料理をこしらえたりしてくれた。
 そうして、酔いが盛り上がってくると彼は言う。「いずれは自分の店をもちたい」

 ここ数年は、互いの多忙により、なかなか会う機会の得られなかった彼から、久しぶりの連絡が今日あった。
 今月、ついに自分の店をオープンさせるのだ、と。
 それも、なにかの縁か、我が務め先の目と鼻の先に。
 オープン前の、お披露目会に呼ばれたのだけれども、残念ながらその日は仕事であった。しかしながら、近いうち必ず顔を出すよ。

 今まさに、長年の夢叶い、躍動に満ち溢れ出そうとする彼の声を聞いていると、こちらまで元気になってきた。

 電話では、「おめでとう」と言ったのだけれど、本当は、「ありがとう」と伝えたかったのかもしれないな、と、これを書いている今思う。
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後遺症

2011-12-06 | 雑記
 数日前、インフルエンザの予防接種を受けた。そんなもの、今まで一度もうけたことなどないのだけれども、会社サイドの強制力によって(なんせ接種料給料から天引き)受けざるを得ない状況。
 そんなもん、接種しようがしまいが、罹るもんは罹るだろうさ。なんかヘン抗生物質だか化学物質だかを体内に注入するくらいなら、自然な成り行きにまかせたい……そんな思想も河童の屁。
 会社という組織は、なんとも、人権を気遣うふりはするのだけれども、他の圧力がかかれば人権なんぞ蛙の小便。

 はてさて、そんな乗り気のしない予防接種であったのだが、もはやそんな面倒臭い反抗をするような歳でもなく、また達観といえば聞こえは良いが、単なる諦念の領域。決められた時間に受けにいったはいいものの、「接種後当日は飲酒をお控えください」などと言われては、さすがに頭にくる。
 せっかくの休日に、酒を呑むなとは、なんたる無粋か!

「知るか!」

 と、化学の脅威にあてつけるべく、いささか度の過ぎるくらいの晩酌を我が身体にお見舞いしてやった。

 だから、というわけでもないだろうが、いまだに接種された左腕は腫れ、なんぞや、力が入らない……。
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