雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

四次元ヴァギナ

2009-01-29 | ある物語
【パターン 1】

 その女は俺にこう言った。

「あたしの子宮は四次元空間になっていて、放出された精子はどこか違う場所に飛んでいってしまうの。だから、中で思う存分出して」

 かなり胡散臭い話だが、生中出しは俺も嫌いではない。女がそう言っているのだ。それなら遠慮なくぶっ放してやろう。

「あぁぁぁ、イ、イクっ!」

 臨界点に達したそのとき、俺の眼前に空間の裂け目が現れた。

 こ、これはもしや!俺は瞬時に不穏な空気を察知しつつも我慢しきれず、発射。

「ハウっ!」



 やっぱり…顔射された…。



【パターン 2】

 その女は俺にこう言った。

「あたしの子宮は四次元空間になっていて、放出された精子はどこか違う場所に飛んでいってしまうの。だから、中で思う存分出して」

 かなり胡散臭い話だが、生中出しは俺も嫌いではない。女がそう言っているのだ。それなら遠慮なくぶっ放してやろう。

「あぁぁぁ、イ、イクっ!」

 ………。

 事を終えた俺は急に便意をもよおしてきたので、トイレへ向かった。

 便座に腰掛け、それにしても俺のザーメンはいったい何処へイッてしまったのだろう?などと詮無いことを考えながら、息んだ。

 すると、肛門から生温かくて白濁とした液体が垂れ流れてきた。



 ここかいっ!


【パターン 3】

 その女は俺にこう言った。

「あたしの子宮は四次元空間になっていて、放出された精子はどこか違う場所に飛んでいってしまうの。だから、中で思う存分出して」

 かなり胡散臭い話だが、生中出しは俺も嫌いではない。女がそう言っているのだ。それなら遠慮なくぶっ放してやろう。

「あぁぁぁ、イ、イクっ!」

 ………。

 あまりの気持ち良さに、まるで童貞小僧の如く何度も何度も放出しておいて、今さら言うのも気恥ずかしいが、俺は訊かずにはいられなかった。
「本当に、大丈夫なのかい?」

 女は艶かしく、自信をもった微笑みを浮かべて応えた。
「ええ、あたしは、まったく平気よ」

 その女とは、それきり会うことはなかった。

 それにしても、世の中には不思議な女もいるものだ。
 
 そうそう、不思議な女といえば、俺の近所に住むマリアという女が近頃、懐妊したらしい。
 しかし彼女は「天地神明に誓って、私はセックスなんてしたことがない!私は、正真正銘の『処女』よ!」と、皆に言い募っているそうだ。もしそれが本当なら、なんとも不思議なことである。まさしく、奇蹟だ。



 キリ○ト誕生秘話。

 
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THE DVD観賞

2009-01-28 | 映画
  

【初恋】・・・三億円事件に昔から興味があるので一応観たんだけれども、まぁ、ソコに期待してはいけない映画なんだなぁ…。主要人物以外は顔が見えないという撮り方がなんか雰囲気が出てて良かったなぁ。あと、小出恵介がものすごく昭和な雰囲気だった。


  

【あなたが寝てる間に…】・・・これは、何気にテレビつけたらBSでやってたんでそのまま観ちゃった。あんまり恋愛ものは観ないけれど、たまにはいいもんだなぁ。とってもハリウッド的な展開に安心して楽しめた。


  

【宇宙戦争】・・・ちょ!!!誰だよ、これがスピルバーグの最高傑作とか言ったヤツは! トム・クルーズ的にどうなん?こんなんに出て?


  

【犯人に告ぐ】・・・原作を読んでないからだろうけど、わりと楽しめた。それでもなんだか無理矢理、二時間に凝縮してしまった感が滲み出ていた。何はともあれ、トヨエツはかっこよかった。トヨエツじゃなきゃ観なかった。




 追記…『初恋』で小嶺麗奈のオッパイが見れたのが何よりも良かった。

         
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硝子のハンマー/貴志 祐介

2009-01-27 | 小説
≪見えない殺人者の、底知れぬ悪意。異能の防犯探偵が挑む、究極の密室トリック!「青の炎」から4年半、著者初の本格ミステリ!
日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の役員たち。エレベーターには暗証番号。廊下には監視カメラ、有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。青砥純子は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径の許を訪れるが―。≫

 これ読んで気付いた自分の『密室』に対しての思いは、どれだけすごい「密室トリック」よりも、何故「密室」にしなければならなかったのか?何故「密室」になってしまったのか?ということに重点を置いてある『密室モノ』が好きなんだなぁ、ということだった。
 だから、この作品は、単なる私のわがままなのだが、そういう観点からすると、長いわりには幾分、不満の残る『密室モノ』だったなぁ…と。

 それでも後半(二部)は、あの名作『青の炎』を彷彿とさせる犯人の犯罪までのプロセスや手順が書き込まれていて非常に興味深かった。興味深いけれど、実践は不可能だわ。

『黒い家』や『青の炎』で人間の狂気を鋭く描いた作者にしては、いまいち犯人の動機が薄いような気がしたのは、やはり本格ミステリに徹したせいかな?やっぱり貴志祐介はホラーのほうがいいのかしら?

 それでも、これほどの『密室トリック』を考えだすのは容易ではなく、やはり凄まじいばかり。どうやらこの、女性弁護士と防犯コンサルタントのコンビで短編集が出ているらしいので、そちらが楽しみ。

 
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父の靴

2009-01-24 | 雑記
 会社の専務と酒を呑んでいたら、「高校生の息子が、最近オレの靴を黙って履いて出かけていってしまう」と、こぼしていた。

             ・
             ・
             ・

 私も、顔はもとより、身長や体型なども若い頃の父に似ているので、たまに父のタンスの中から今でも着れそうなものを見繕って着てみたりしている。
 長患いの末、今やすっかり体型が変わってしまった父には、もはや無用の品々なのであるが、自分がまだ着られる、というのを言い訳に、何かととって置いてある。
 その中でも、毎冬活躍するのが革製のブーツである。もう二十年以上前の代物で、すでにつま先の部分などは革が剥げ落ちたりしているが、作りがしっかりしているので、履く分にはなんの支障もない。むしろ履き易いくらいだ。
 それを履いて病院へ見舞いに行ったりすると、父は必ず、
「それ、ワシの靴やがい」
 少し眉根に皺を寄せつつも、目や口元は綻ばせて、そう言うのだった。
 毎回、言うのだ。

             ・
             ・
             ・

「でも専務。そうやって息子が自分の靴を履けるようになったのが、嬉しいんでしょ?」 

「あぁ、そうなんだよなぁ…」
 
 そう呟く専務の表情と父の顔が重なり、私はたまらなく嬉しかった。


 
 
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水の時計/初野 晴

2009-01-22 | 小説
≪医学的には脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた葉月が望んだのは、自らの臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった―。透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。≫

 本屋へ行って新刊チェックしていたら『退出ゲーム』という本を見つけた。

 こんな表紙↓
     

 べ、べ、べつに、女子高生に惹かれたとかではなく、いや、まぁ、八割方くらいそれが理由なんだけれど……だけどもね、帯にね「青春ミステリ」って書いてあってね、ものすごくそそられてね(スカート捲れ気味の女子高生にもそそられてね)読んでみたいなぁ、と思い図書館へ直行。(買えよ

 で、探したんだけど貸出中で、でもこの初野晴って作家さんは初めてだし、とりあえずデビュー作を読んでみようと。なにやら綾辻氏も絶賛していることだし。

 そんなワケで読みましたが、まぁ、あれだ、デビュー作!って感じがひしひしと伝わってきた。「面白い」か「つまらないか」どちらかと問われれば「面白い」かな?わりと読みやすいし、飽きずに最後まで読めるんだけど、なにか物足りなさを感じてしまう。でもこれがデビュー作だと心構えしていたので、そんなに腹も立たない。むしろこの後から書かれた作品がひじょうに興味深くなった。

 本格ミステリとかではなく、広い意味でのミステリに属する作品で、そういうのはあまり好みではないのだけれど、たまにはいいかなー、と思えた。


 ちなみにこの本の巻末に第22回横溝正史ミステリ大賞の選評が載ってるんだけど、(綾辻行人、内田康夫、北村薫、坂東眞砂子、と豪華な顔ぶれ!)この大賞の『水の時計』以外の最終候補に挙げられた他の三作に対して、みなさんボロクソに評しているのがこの本の中でいちばん面白かった。とりわけ坂東眞砂子女史の評が気持ちいいほど辛辣であった。
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アレグリアとは仕事はできない/津村 記久子

2009-01-20 | 小説
 野間文芸新人賞受賞(ミュージック・ブレス・ユー!!)後第一作。

 社内の新型複合コピー機(アレグリア)。そいつに振り回され、憎悪の日々を送るミノベの周りで起こる社内のいざこざを描いた表題作『アレグリアとは仕事はできない』

 朝の通勤電車に乗り合わせた人々が遭遇したある「事件」をそれぞれの視点から描いた『地下鉄の叙事詩』

 の、中篇二本立て。

『アレグリア~』に関しては、よくまぁこんな斬新な内容が思いつくなぁ、ってか、よくまぁコピー機に対してこれほど悪態が吐けるなぁ、と。でもまぁ、とにかく面白いです。ってか、それが面白いんです。内容の斬新さもさることながら、言動の斬新さも必見です。

『地下鉄の~』に関しては、これもまた多視点で描かれていてその巧みさに感嘆しますが、それよりなにより、またこれほどまでに違う人間を使って有らん限りの悪態を放出しているなぁ、と。
 ほんとに、罵詈雑言に満ちた一冊だな。でも、それが嫌悪感につながらず、ときに理解し、ときに笑えて、つくづく津村記久子という作家の人間性に愛着を覚えてしまいます。
 どちらもとても面白くて、そしてラストではじんわり心に沁みるシーンが用意されております。


 それはそうと、先日(15日)津村記久子さん、ついに芥川賞を受賞されました。
 私は信じてましたよ。貴女の才能を。えぇ、信じてましたとも。
 太宰治賞につぎ、芥川賞までモノにするとは、まったく、底知れぬ才能を見せつけられた感じです。

 なにはともあれ、おめでとうございます。いや、別に知り合いではないんだけどね、いちファンとしてだ。

 これからの活躍が楽しみです☆
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どつぼ

2009-01-16 | 雑記
 先週の土曜日から背中の筋が違って体の動きがままならない。左の、首から肩甲骨にかけて。

 車をバックさせる際、おかしな具合に振り返ったのが原因とみられる。歳のせいだろうか?
 
 日々、アンメルツヨコヨコでその痛みを紛らわせてみるものの、一向に治る兆しがみられない。歳のせいだろうか?

 今日も今日とて、仕事を終えひとっ風呂浴びた後、右手にアンメルツを構え首筋、肩、肩甲骨へと薬液を走らせた。

 ら、ららら・・・なにやら右腕が無茶な方向へと動き、右肩辺りが「ピシッ」と。

 半泣きになりながら妻に「す、すまん、右肩に塗ってくれ・・・」と懇願。

 妻は阿呆を見る目で「なにやってんの?」

 私は歪な笑顔で「どつぼにハマってる・・・」

 最初から「塗ってください」って言えばいいのに、と嘲る妻に軽く頷き、

「歳のせいかな?」と微笑って訊ねると、

「歳のせいだな」とあっさり肯定された。

 
 背中全域にアンメルツの冷ややかさを背負ったせいだろうか?それとも、妻の容赦ない冷ややかな一言のせいであろうか?

 私は身震いしながら、少しだけ、泣いた。

 

 
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あの空の下で/吉田 修一

2009-01-16 | 小説
≪ANA機内誌『翼の王国』に掲載された短編を書籍化。数々の文学賞を軒並み受賞した吉田修一、初の読みきり連載小説&エッセー集。
1編ごとに異なる主人公の些細な日常を、胸が詰まるほどリアルに表現した12の短編小説と、世界の旅エッセイ6編を収録。≫

 吉田修一のポジティブサイドな短編集。(機内誌なのであまり重たい話をされてもなんだろうけど)
 スッと心を駆け抜けてくお話あり、じんわり泣けるお話あり、新たな決意を宿すお話あり、と多彩な顔が見え、飽きることなく次々と読み進められる。

 そしてなにより、短編の合間に挟まれた作者自身の旅エッセイ。これがまたすんなりとその土地の情景が浮かびあがり、また吉田修一という人間の思考が垣間見えてひじょうに心地良い。

 これを読んだ人は必ずや、「フラッ」と旅に出たくなるであろう、そんな一冊。

 未だ海外旅行と縁がない私にとって、羨ましい限りの旅物語の数々に、はやる気持ちが溢れ出さんとしている。
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疾走/重松 清

2009-01-16 | 小説
 私の読書人生の中で、上位ベスト3に位置する不朽の名作。
 再読なのに、またこれほど胸を打たれるとは・・・と、本当に、本当に圧倒され感動しました。どこまでもついていきます、重松清。

 それにしても、かなりインパクトのあるこの表紙。ホラーか?と思われてもおかしくないこの表紙。確かに最初はこのインパクトについつい手が伸びたのだけれども、眺めていると次第に恐怖感を覚え、それを通り越すと嫌悪感すら湧き上がってきたものでした。
 が、しかし、ページをめくり、そのひとりの少年の物語に浸ってゆき、最後に涙を流しながら、あらためてこの表紙に触れると、もはやそこには嫌悪感など存在せず、どうしようもない哀しみ切なさ、そして慈しみを感ぜずにはおれず、ついには美しさすら見出せる。

 この本は、本当に、なにもかもが私の心に突き刺さってくる。そして何度読んでも、心が突き動かされる。

 こういう名作を、是非とも十代の若者たちに読んでもらいたい。今、解からなくてもいい。それでも絶対に、その中の何かが残るはずだから。そしてそれは、いつか必ず、そのときが来たときに、心を動かす響きになるから。
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兼六園

2009-01-12 | 思い出
 金沢の名所といえば、やはり兼六園であろう。(日本三大庭園だっけか?)

 他県から来る人の大半は立ち寄る場所ではないだろうか?もちろん、他県の人間ではなくとも、春になればその周辺は桜に囲まれ、夏には生き生きとした緑を放ち、秋には紅葉、冬には雪化粧を纏い、四季折々の情緒溢れる顔が望めるとあって、地元の人間もしきりに足を運ぶ。

 かく言う私も、幼い頃にはよく両親に連れられて兼六園に足を踏み入れたものだ。だがしかし、幼い子供にその情緒を解かれというのは酷な話で、そんなに楽しくもなく、だからこそ、そんなに思い出も思い入れもない。

 それでもひとつだけ、兼六園のことを思い出すことがある。それは成人式の日のことだ。
 かれこれ十四、五年前のことだが、私たちの通っていた学区の式場は尾山神社という街中に佇むわりと大きな神社の傍の文化ホールで行なわれた。昔から、この地域は成人の日は雪に見舞われる、という慣わしというか言い伝えというか伝説というか、そういったものがあって、この年もご他聞に洩れず雪が降り積もっていた。

 そんな中でも私たちは、世間的に大人として認められるこの日に昂揚しながら式に挑んだ。私たちは他の学区の連中などと一緒に大ホールに集められ、やがてなにやら偉い人が祝辞や訓辞を述べたりして、滞りなく式を終えると、各学区の成人たちに分かれ会議室のような部屋に用意された酒や食事を振舞われた。そこで親しいもの、親しかったもの同士、中学を卒業して以来の者などと、同窓会さながらのテンションで近況を言い合ったりしていた。やがて宴もたけなわの頃にお開きの声がかかると、まだまだ物足りない連中が集まって「今夜、街にくり出そう」という話になる。自然な流れだ。
 もちろん私もそれに乗っかって飲みに行くことにした。

 さて、それじゃあまぁ、一旦帰って、また夜に。ということになって他の連中とは別れたのだが、このときつるんでいた五人で、何故そういうことになったのか、誰から言い出したのか(私のような気もする)忘れたのだけれど、今から兼六園へ行こう!という話になった。ここからならタクシーを使えば十五分かそこら。バスでも行ける。なのに、何を考えているのだろう、五人は「歩く」ことを選択した。
 どうやら午前中で雪はやんだ模様だが、にわかに暖かくなったがゆえ、積もった雪が解けだし、もはや歩道はジャブジャブのグチョグチョの態。それでも私たちは歩いた。皆、慣れないスーツ姿に革靴で、一人は紋付袴で、およそ四十分強の道程を、ひたすら歩いた。
 それでも私たちは、楽しかった。それが、楽しかったのだ。

 兼六園は多くの人で踏み固められた積雪でツルツルしていて、そこかしこですっ転んでいる人がいた。私たちの中にも、いたはず。もしかしたら私だったかも?

 そして私たちは、そんな雪化粧を施した兼六園内で、名物の雪吊り(北陸特有の重く湿った雪から木の枝を守るための冬になると木のてっぺんから縄で枝々を縛り固定するもの)をバックに記念撮影をした。


 これが、私のいちばんの兼六園の思い出である。そして、この日以降、何度となく兼六園前は車で通っているが、園内には足を踏み入れてはいない。特に「見飽きた」とか「行き飽きた」とかではない。ましてや「つまらない」とか「興味がない」という訳でも、ない。
 機会があれば、また行きたいと思う。今ならば、また昔とは違った心象を持てるだろうと、思う。それでもなかなか足を延ばさないのは、近くにありすぎるから、行こうと思えばいつでも行けるから、そういった甘えに似た意識があるからだろう。私にとっての兼六園とは、そういう場所なのである。

 切実に、「兼六園に行きたい」と思うことは多分ないだろうけど、死ぬ前にもう一度くらい、行っておきたい場所ではある。
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THE DVD観賞

2009-01-12 | 映画
  

【風花】・・・やっぱ、キョンキョンかわいいなぁ。キュンキュンしちゃう☆と、それは置いといて、浅野忠信の神経質そうなメガネ姿がなんだかハマってた。そういうことで、映画の内容よりも、この二人を見るためだけに借りてきたようなもんだわ。


  

【オーシャンズ13】・・・うん、【12】のほうが面白かったよ。


  

【ワルボロ】・・・これはきっと、原作のほうが面白いんだろうなぁと思う。それにしても、やっぱ似てるよなぁ松田翔太。親父に。でもオレは松田龍平のほうが好きだ。どうでもいいか。


  

【エレファントマン】・・・ようやくレンタルしてるところを見つけて借りてきた。前観たのは多分20年以上前だと思う。やっぱ人間って歳とると見方とか感じ方が変わるもんだな。もちろん、変わらないところもあるけれど、今回コレ観て昔とは違う場面で泣けた。また20年経って再観したら、違ってくるのかな?
 それにしても、やっぱコレは名作だわ。なんで置いてない店ばかりなのか、憤りを覚えずにはいられない。



 こんなカンジで、去年の暮れを過ごしました。


  

 どっ キュンキュン!
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陽の子雨の子/豊島 ミホ

2009-01-12 | 小説
≪思いがけない夏が、いま始まる。
私立の男子中学に通う夕陽、24にしては幼く見える雪枝、15で雪枝に拾われて4年になる聡。初めて夕陽が雪枝の家を訪ねる日、押入れの中には、後ろ手に縛られた聡がいた……。不安と希望の間で揺れる、青春の物語。≫

 ちょっと浮世離れしたお話のようで、そのじつ、雪枝の抱えている不安や焦燥はとてもリアルに感じられた。
 雨の日の孤独感というか空虚感の表し方がとても巧みで、やっぱりこの作者の情景描写は素晴らしいなぁ、とあらためて思い知らされた。
 
 ただ中学男子にしてはあまりにも純粋というか潔癖すぎる夕陽にもどかしさを通り越して呆れてしまうことが多々。しかしその対称としての聡がそれによって巧く活かされていたりして、そしてこの二人の一人称で進んでいく中で浮き上がっていく雪枝像は、痛々しくて、愛おしくて・・・きっと、守ってあげたくなる人の姿が重なってくる。

 ほらね。やっぱり豊島ミホの作品を読むと、過ぎ去った青春の甘酸っぱさやほろ苦さ、胸苦しさが甦ってくるんだ。
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冷たい朝

2009-01-07 | 雑記
 北陸の朝はとかく冷たい。「寒い」じゃなく、「冷たい」。

 そりゃもっと、東北とか北海道などのほうがアレだろうけど、北陸も充分。

 今朝も車のフロントガラスが凍ってて難義した。いつもなら500mlのペットボトルにお湯を入れて駐車場に向かうのだが(私の駐車場は家から離れている。1、2分ほど歩いた先にある)正月ボケというか、最近の温暖化ボケというか、で忘れていったものだから、フロントヒーター全開にして雪下ろし棒(北国の車中には必須アイテム)のゴムの部分でガッシュガッシュやる羽目に。

 それで視界の三分の一ほど現れればあとは前が見える位置に体勢を変えたり、窓を開けてハコ乗り状態で顔を出して走っていればそのうちヒーターの熱でガラスの凍みも融けていく。

 北陸の朝はとかく厄介。

 ところで私は、こんな冷たい朝の空気を吸うと「オエッ」とえづいてしまうのだが、気管が弱いのだろうか?
 妻に訊くと「そんなことは一度もない」と言う。

 まぁ、吐くわけではないのでいいんだけど、そんな色々をひっくるめて、冷たい朝は苦手。
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SPARK

2009-01-05 | 友人
 タイ在住の友人(邦人♂ 既婚34才)がYou Tubeデビューしてたんで貼り付けておこう。

 ドラムとキーボードの間にいるバカでかいギタリストがその友人。

 いくつになってもこういうことしてるヤツって、やっぱカッコイイよなー。オイラもSparkせねば!と胸突き動かされました。

 イエモンのコピーです。興味のある方は聴いてやってください♪(音量注意です)


spark


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猛スピードで母は/長嶋 有

2009-01-05 | 小説
 文学界新人賞受賞作『サイドカーに犬』、第126回芥川賞受賞作『猛スピードで母は』がセットになった一冊。

『サイドカー~』の洋子さんも『猛スピード~』の母も、どちらもカッコイイ女性像で、憧れるけれども付き合いたくはないなー、と思うタイプでした。

 どちらもひじょうにサクサク読めるお話で、そのくせなんとなく心に残ってしまうという稀有な一冊です。
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