語り 3年小林
立教大学ボート部合宿所。ここでは毎日日本一になるために学生が寮生活をしながら、日々鍛錬に励んでいる。
実はこの立教大学ボート部合宿所には新歓パンフレットには書かれていない水面下で存在している小さな組織がある。
それが「ザ・ノンフィクション」愛好会である。
3年の山口が主催している毎週日曜日の14時から15時に放送されているフジテレビのドキュメンタリー番組「ザ・ノンフィクション」を何人かで鑑賞する。ただそれだけの集まりである。
「ザ・ノンフィクション」を知らない方に内容を説明すると、素人の色々な人間に何ヶ月か密着してそれをそのまま放送する。言わば一般人版情熱大陸といった所だろうか。
そこに登場する人々は色々と書いたが本当に多種多様に渡る。
その日作ったケーキを当日に完売させるために毎日深夜3時まで営業するケーキ屋。
田舎からガールズバーで一儲けする為に上京した少女。
不登校やグレてしまった子供を預かる寺の和尚。
前科を持った者を積極的に雇用する会社。
などなど。先程、情熱大陸と例えたが違う部分があるとすれば、全員が全員善人や成功者という訳では無い部分だ。温かみのある内容から、一つも同情できないエグい内容までタイトル通りノンフィクションで放送される。勿論ハッピーエンドで終わるとは限らない。
主催者の山口はこう語る。
「この番組は楽しみ方は人それぞれなんすよね。惨めなものを哀れんで楽しむのも一興。その人の心情に同情して感動するのもまた一興。まあ俺は基本笑う為に観てますけどね。」
「ザ・ノンフィクション」を見ている時の彼らの目は真剣そのものから好機の目まで幅が広い。真剣な語りとぶっ飛んだ行為のミスマッチ感が時に我々に自然なツッコミを誘う。
「ザ・ノンフィクション」の何が彼等を動かすのか。
彼等は言う。
「一人一人の人生を見たいのだ。」
と。
コロナで経営難と言われているものの、我々は経営者ではない。故にどのような現実が経営者に突き付けられているか分からない。そんな分かるはずもない事を「ザ・ノンフィクション」は我々にそのままの意見や行動カメラ越しに伝えてくれる。
昔、日本は1秒で92万円の借金を抱えていると言われていた。私達がワンストローク漕いだ瞬間にどこかの会社ではリストラされる社員もいるのだ。
そのような社会に目を向けながらボートに実直に取り組み若者達がそこには存在した。
そしてこの番組を見て大体彼等の中で上がる感想は
「本当に親って大事なんだな。」
これに尽きる。
これが立教大学ボート部の「ザ・ノンフィクション」なのだ。
生ぃぃぃぃぃきてぇぇぇぇぇぇるぅぅぅ生きているぅぅうぅぅぅ……
p.s.
書く事がありませんでした。申し訳ありません。
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