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S&R shudo's life

ロック、旅、小説、なんでもありだ!
人生はバクチだぜ!!!!

真冬の狂想曲6-5

2006-08-02 17:23:51 | 真冬の狂想曲
6-5
 コートのポケットから携帯電話を取り出し、時間を見る。12時まで後15分程だった。俺は松にホテルにチェックインしてくると伝え、ソファから腰を浮かせた。
「ワタシが行って来ますよ。アナタはみんなと飲んでて下さい。」
キムは気を使っているのだが、俺は一瞬でもこの場を離れたい。
「いいよ、ちょっと酔っ払ったし、外の空気を吸いたいから自分で行くわ。」
キムを軽くいなして、店の出口へと向かう。途中で金を持ってない事に気付きソファに戻った。
「松、金くれ。」
松はスーツの内ポケットからヴィトンのエピの札入れを取り出し、その中からAMEXのプラチナカードを取り出し俺に渡した。俺はそのカードをコートのポケットに押し込み、店の出口へと向かった。

 外に出ると12月の東京は流石に寒かった。雪こそ降ってはいないが九州よりは確実に寒かった。俺は酒で火照った身体をしばらく夜風に当ててからタクシーを拾った。
 飛鳥ホテルへは5分程で着いた。車の交通量を考えると歩いてもさほど時間はかからないだろう。俺はタクシーの運転手にここで待つように告げ、ホテルのフロントへ向かった。
 「飛鳥ホテル」は地下一階にフロントがあり、同じ階に大浴場とサウナがあった。これで、シングル10900円なら意外と安いと思った。疲れた顔をしてるが、はきはきとしたフロントの男に遅くなった事を詫びて、松のゴールドカードを切った。俺は自分で言うのも何だが外面が良い。みんながホテルに入るのは、まだ遅くなる事を告げ、待たせているタクシーに戻った。また5分程で「サブリナ」の入っているビルの前に着いた。
コメント
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