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S&R shudo's life

ロック、旅、小説、なんでもありだ!
人生はバクチだぜ!!!!

真冬の狂想曲8-3

2006-08-07 17:36:12 | 真冬の狂想曲
8-3
 松はヴィトンの札入れから100万の束を取り出し、あのパンツスーツ姿の女に渡した。少し待つと黒服がチップを運んできた。どうやらあの女はこのカジノの従業員らしい。
 松はさっきのチップをあっと言う間に無くし、またヴィトンの札入れから100万の束を取り出して女に渡した。ノブはそれを見て俺に松に止めるよう言ってくれと言ってきた。
「首藤さん、社長にそんぐらいでやめれって言ってくださいよ。」
「俺が言ったって聞く訳無いやんか!お前も知っとるやろ、アイツが前小倉で、一晩で1億負けたの。やりだしたらスッカラカンになるか大勝するまで止めんよ。」
 俺とノブが諦めてテーブルで話し込んでいると、ノブが松に呼ばれた。
「ノブ、コンビニ行って200下ろして来い。バッグにカード入っとるやろ。」
「社長、止めましょうよ。もう帰りましょう。」
 ノブは松の説得を試みたが、やっぱり駄目だった。
「いいけ、行って来いっち言いよんよ!」
ノブは俺に救いの目を向けたが、俺は無理だと首を横に振った。
「やっちゃん、こっち椅子が空いたけ、こっちおいで。」
 俺はしょうがなく重くなった腰を上げて、出て行くノブを見送りながらバカラテーブルに座った。


コメント
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