10-1
ミヒャンをエレベーターに乗せ見送った後、ポケットの中で「MY WAY」が鳴り出した。俺は着信ボタンを押してシド・ヴィシャスを黙らせた。
「やっちゃん、起きた?今からみんな連れてきてくれん?」
「もう、起きちょんよ!バカすんなっちゃ! 松、何号室?」
「いやー、昨日ホテルには帰っちょらんのよー。今ねー…、ここどこやろ?昨日の一軒目の前の道を、真直ぐ来た突き当りの道の所やわ、昨日タクシー降りた所とは反対の方…。」
「何となく分かったけど、あんまりウロチョロせんで待っちょってよ。大久保におるんやろ?」
「たぶん、そう…。」
俺は携帯電話を乱暴にポケットに突っ込んで、一度部屋に戻ってシャワーを浴びた。松をあまり待たせる訳にもいかないが、ベタついた身体が気持ち悪かった。冷たいシャワーで汚れを落とし、疲れの残る頭をシャッキリとさせた。急いで髪を乾かし、昨日と同じ服を着た。着替えは何一つ持ってきてない。
ノブ、松木社長、佐々木の順で部屋のドアを叩き、松が外で待っている事を告げ、すぐ出かける準備をするよう促した。ノブ以外はすでに用意が出来ていた。ノブは慌てて身支度して、エレベーターの前で待つ俺達の所へやってきた。ノブも昨日と同じ服だ。俺達はホテルを出て、他愛の無い話をしながら新大久保駅方面に歩いていった。佐々木も必死に俺達の会話に入り、機嫌を取ろうとしているが、俺はそれを許さない。俺は同じ傘の下にいない人間に対しては徹底して悪意を向けるし庇護しない。
ミヒャンをエレベーターに乗せ見送った後、ポケットの中で「MY WAY」が鳴り出した。俺は着信ボタンを押してシド・ヴィシャスを黙らせた。
「やっちゃん、起きた?今からみんな連れてきてくれん?」
「もう、起きちょんよ!バカすんなっちゃ! 松、何号室?」
「いやー、昨日ホテルには帰っちょらんのよー。今ねー…、ここどこやろ?昨日の一軒目の前の道を、真直ぐ来た突き当りの道の所やわ、昨日タクシー降りた所とは反対の方…。」
「何となく分かったけど、あんまりウロチョロせんで待っちょってよ。大久保におるんやろ?」
「たぶん、そう…。」
俺は携帯電話を乱暴にポケットに突っ込んで、一度部屋に戻ってシャワーを浴びた。松をあまり待たせる訳にもいかないが、ベタついた身体が気持ち悪かった。冷たいシャワーで汚れを落とし、疲れの残る頭をシャッキリとさせた。急いで髪を乾かし、昨日と同じ服を着た。着替えは何一つ持ってきてない。
ノブ、松木社長、佐々木の順で部屋のドアを叩き、松が外で待っている事を告げ、すぐ出かける準備をするよう促した。ノブ以外はすでに用意が出来ていた。ノブは慌てて身支度して、エレベーターの前で待つ俺達の所へやってきた。ノブも昨日と同じ服だ。俺達はホテルを出て、他愛の無い話をしながら新大久保駅方面に歩いていった。佐々木も必死に俺達の会話に入り、機嫌を取ろうとしているが、俺はそれを許さない。俺は同じ傘の下にいない人間に対しては徹底して悪意を向けるし庇護しない。